早いもので7月も終わり。この3連戦は、神戸でオリックス・バファローズ、甲子園で阪神、そして大正ドームで巨人・・・と、関西で3カードが行われるという珍しいことに。
通勤で大阪環状線の西半分に乗るのだが、帰宅途中に阪神の限定の緑のユニフォーム姿の人に混じり、「ABE 10」というシャツ姿の人もいて、一瞬「??」と思った。何だか複雑な気分。
さて、それはさておくとして、夏と言えば「カード1枚、夏三日」というキャッチコピーに引かれてまたまたやります「関西私鉄サイコロしりとりの旅」。昨年夏から始めたこのラリーも、通算16日目である。大阪阿部野橋を出発地として、渡辺橋を目指すこれまでの15日で回ったのは73駅。乗り換え回数や、実際に所定運賃を払ったらいくらになるかというのはもう数えていない。「スルッとKANSAI 3dayチケット」がなければやってられないということだけは確かである。
前回、5月の連休中での最後は京福電車の四条大宮。新撰組の屯所跡でのサイコロで出たのは、近鉄京都線の山田川だった。日も暮れそうなので繰り越しにしたところである。その時の記録はこちら。
さて、夏の1回目となる山田川へは、自宅のある藤井寺から趣向を変えて橿原神宮前回りで行くことにする。例によって朝の列車で出発する。この時間はまだ急行もなく、橿原神宮前まで各駅に停車する。駅に停まり扉が開くとセミの鳴き声もする。また、暑くなりそうだ。ただ電車に乗っていれば冷房の風に当たることができ、自宅でエアコンをつけて電気代を食うことを思えば、もちろんチケット代はかかるが車内で過ごすというのもある意味経済的である。クルマではないから運転せずともよく、読書しようが居眠りしようが自由である。
橿原神宮前では京都行き特急のビスタカーが停まっているのを見る。せっかくなのだからと、特急券を追加購入して大和西大寺まで2階席に座る。
しまかぜやアーバンライナー、伊勢志摩ライナーなど特徴のある特急が揃う近鉄にあって、ビスタカーというのは一時代前のものかもしれない。それでも「2階建て」というのは当時斬新なもので、私の小学校の修学旅行は鳥羽から賢島だったのだが、「ビスタカーに乗る」というのが目玉だったのを憶えている。全てのクラスに2階建てのどちらかが当たるよう、行きと帰りで乗る号車が替わっていた。
橿原神宮前から大和西大寺までは20分あまり。目的地の山田川は各駅停車しか停まらないため、ここでしばらく待つことに。それにしても難波、三宮、京都、奈良、橿原神宮前と各方面への列車がひっきりなしに発着する大和西大寺。その気になれば一日この駅のホームにいても、飽きることはないだろう。車両も近鉄の特急に各種通勤型、それに阪神の車両も加わる。
その合間を縫うようにやってきた各駅停車に乗る。高の原で奈良県から京都府に入り、その次が山田川。対面ホームがある駅で、駅舎には構内踏切を渡る。駅の前後は直線区間で、いろんな車両がやってくるから撮り鉄にとってはこの駅のホームはなかなかいいポジションではないのかなと思う。
で、山田川ではどうするか。特に下調べはしていないが、とりあえず改札を出る。駅前には平和堂のアル・プラザがあるが、さすがに朝の8時過ぎとあっては開店していない。駅名標の横に見どころがいくつか書いてあったので、そちらに向かうことにする。
駅前にあるのはその名も「山田川」。川沿いに沿って少し歩くと、藤原百川公の墓というのに出会う。墓と言うことで盛り土が2つあるのだが、その脇には子ども用の滑り台もあり、ちょっとした公園である。
藤原百川といえば奈良時代末期の政治家。当時の称徳天皇が弓削道鏡に皇位を継がせようとして、宇佐神宮のご託宣を聞くために和気清麻呂を遣わせた時、その企てを防ごうと清麻呂に働きかけたのが百川である。称徳天皇が亡くなると光仁天皇を擁立し、母親が渡来人であった山部親王を皇太子に立てた。奈良から平安の橋渡し役であり、一時は弓削道鏡に奪われた実権を藤原氏の元に引き戻す役目を果たした人物である。
歴史書ではこの辺りに領地を得て葬られたとあるが、ここが墓だと一応認定されたのは明治になり、平安遷都1100年を祝うイベントに合わせてのことという。ただその文献も怪しいもので、今となっては本当に墓なのか、定かではないそうだ。
そこからもう少し歩くと、相楽神社に出会う。相楽郡だから「そうらくじんじゃ」と読むのかと思ったが、「さがながじんじゃ」と読む。「さがら」のほうに近い。元々は単に八幡宮と呼ばれていたそうで、仲哀天皇、応神天皇、神功皇后を祀る。
本殿は室町時代初期の建造とされ、国の重要文化財である。その隣の末社の若宮神社も、室町時代後期の建造で京都府の重要文化財。いずれもこの地域の産土神として長く信仰を集めた歴史がある。予備知識なく訪れた駅の近くでこうした由緒あるスポットに出会うのも、このサイコロの旅の面白さである。
次に訪れる駅は、この相楽神社の境内でのサイコロで決める。駅前で訪れたのが神社仏閣なら、間違いなくそこでサイコロアプリを作動させている。
次の選択肢は、山田川の「わ」。おっと、ゴールが見えてきた。「わ」で始まる駅は残り3つ。
1・2.若江岩田(近鉄奈良線)・・・まだまだ、続く。
3・4.和歌山大学前(南海本線)・・・和歌山市、和歌山港に続く「和歌山三部作」。
5・6.渡辺橋(京阪中之島線)・・・これが出ればこの企画の「ゴール」。
さてどれが出るか。5か6で企画終了である。3か4なら和歌山まで延々と移動だし、同じ外すなら若江岩田かなと。
そこで出たのは・・・・「4」。やっぱりな。こういう時はもっとも遠距離を行くことになる。神様のいたずら、もといおぼし召しで、まあ和歌山。これが和歌山県訪問も最後かなという気もするが、ぼちぼちと行くことにしよう・・・・。
また、寄させてもらいます。