福岡伸一の『動的平衡』諭

2023年01月28日 10時30分24秒 | つれづれなるままに
TVで生物学者福岡伸一さんが自説「動的平衡」について初心者にも解るように解説してくれてた。NET会議形式で一般人に講義するという番組で、受講者には小学生もいた。だから平易な解説 そこがありがたいものでした。
それと、福岡先生って講義上手ですね。そこに大いに感心。僕も会社で「教える」ということを幾度もやったけど、「専門的に知ってる」だけでは伝わらないのを知ってる。
こういう言い方が解り易いかな、「本論の核心部分に熟知してるのは必要条件。その周りの余談部分でも話せる知識・能力が十分条件。核心部1に対して周辺が10の大きさ。」 そういうことだと認識してるんだけど、福岡さんにはその必要十分条件が十分にあるのを感じた。 
「逸材」だと思った。

さて「動的平衡」なんですが、面白い見方だし、納得できるし、現代人が持つべき視点・感性だと思います。
生物は外部から何かを取り込んで、何かを吐き出してる。分子、原子レベルで考えると、外から取り込んだ物で今の体の一部をせっせと置換してる。置換されたものは外に捨ててる。捨てられたものは次の生物が利用する。全ての生物がこの連鎖の中にある。
    「ここに『利他』の思想につながる理がある」とも追加解説されてた。
人間の体で考えると、1か月ほどですべての分子、原子が入れ替わってるらしい。
だから久しぶりに会った人に『御変わりありませんね』という挨拶はおかしくて、『すっかり御変わりですね』と言うのが正しいという。 こう説明されれば小学生でも理解できますよね。

じゃ何故絶えず置換するのか。 それは「より長く生きるため」なんだそうです。
ひっくりかえせば、「(長く)生きるためにはたえず置換すること(新陳代謝)が必要」なんだそうです。  さらに進めれば、「新陳代謝が止まった生物は死ぬしかない」となる。

そしてこの「動的平衡」は「組織、システム」にも当てはまると先生は説きました。
そうなんですよ、「変化することが必要なんです」。 「変化は当たり前なんです」。
「今が安泰、このまま変わらんでくれ」は「死にたい」と願うに等しい。
ならば、積極的に変化を求めましょうよ。 「永遠にBestの解は無い」と諦めて。
僕の中でこんなふうに発展、展開して、腑に落ちてます。

さらに先生の論。 ところが今 人はこの「動的平衡」の量的バランスを崩す物、もしくはそこに入らない物を出し始めてる。これはまずい事態だろう という。
大量の二酸化炭素、プラスティック、放射性廃棄物 などがそうだと警告されてた。 
考えないといかんよね。
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