緊急事態宣言の解除、”喪”があけたような気持ち。
でも、不謹慎かもしれないが、静かな街、走りやすい道路、穏やかで内向きなステイホームの日々もまんざらではなかったような・・・
購入した二振り目の日本刀には白鞘(保管用、パジャマみたいなもの)しか付いておらず、
戦闘用の拵に納めてみたいなあと思っていたが、本物を調達するとなると、数十万円かかってしまう。
本物は鞘、柄、柄巻き、塗り等基本的に分業で専門職人への個別オーダーになる。
ならば自力でできないかと考えるのがビンボ人のおら。
日頃全く木工もやらない、不器用で、子供の技術家庭科のために揃えた程度の道具しかない。
日本の伝統工芸の粋とも言える拵作りにおら如きが挑戦するのは笑止なことだろうが、ダメ元で
やってみようかと。
その工作記にしばしお付き合いを。(1月初旬から4月下旬までかかりました。)
作り方をネットで調べる。
Youtubeには実際に作っている様子、和竿の塗装等参考情報がいっぱい。
調べるうちに、日本刀という武器がどのように構成されているかがわかり、その知識が深まることが
また楽しくなってくる。
調べたところ工程は
①鞘と柄(グリップの部分)を木で作る。
②鞘の鯉口(刀を入れる入口)に牛の角を整形した部品をはめる。
③鞘の上部側面に栗型(紐通すためのガイド?)を牛の角を整形した部品を付ける。
④鞘の鐺に金具を嵌める。
⑤鞘を塗装する。
⑥柄の頭、縁に金具を嵌める。
⑦柄に柄紐を巻く。
という感じ。
①鞘と柄
日本刀の鞘には軽くて堅くて丈夫、ヤニが出ない、変形しずらい朴の木が適しているらしい。
ヤフオクにありました。4,000円。
刀の形状に合わせた2枚の細長い板が届く。
既存の白鞘の形を鉛筆でなぞり書きしてのこぎりで大まかな形に切る。
刀身を収める側に実際に刀身を当てて鉛筆でなぞる。
刃側は緊張!
刃の形を彫る。鑿は数本あるが、どれもいまひとつ使えない。大型のカッターが重宝する。
「刀の反りに合わせ、刃を傷めずに抜き差しできかつピッタリ納まる。」これがは難しかった~
刃に細心の注意を払いながら、仮組して実際に抜き差しして調整しました。
刀身に油を付け、当たる場所を探したりして一番時間をかけました。
内側が決まり、木工ボンドで張り合わせる。
本物はそくい(飯粒を練った糊)を使うが、ボンドの方が扱いやすいので・・・
今回の工作は”なるべく本物”でも無理なら”現代の便利物”を利用、あくまで完成を目指すという
方針。
所ジョージが日本刀を耐水ペーパーで磨いていた。
「昔は無かったけど、今は良いものがあるならジャンジャン使おうよ!」みたいなことを所さんは言ってた。
おらも同感。
でも1000年位使われた挙句選ばれた素材もあるのでその辺はよく考えて・・
鞘の太さは色々あるようだが、不伝流の先輩諸氏にスリムな拵が絶対カッコイイと思っていたので
外側はできるだけ細くスリムに削る。
柄は自分の手に合わせて握り心地にいい太さになりましたが、目釘穴がやや曲がってしまったの悔まれます。
毎日少しずつ2か月要しました。
始めは慣れない作業で、指力も弱く、鈍らな道具で難儀しましたが、少しずつ慣れてくるものですね。
最後は終わってしまうのが惜しいくらいの気持ち。
こうして木工は終了。