7月24日 らんぷうぇい
おら宅の茶の間にビクターのスピーカーSX3-Ⅲがある。
およそ40年前のベストセラー、国産スピーカーの名器と言われているが、正直おらは鳴らし込んでいなかった。
元々おらの弟の物で、譲り受けた時には既にパイオニアS9500が有り、
ソフトドーム(シルク)がいまひとつキレに欠け、密閉型の低音の量感不足と決め付けせいぜいTV用にしか使っていなかった。
今ではアンプにもつながれず、猫の台(箱に載って窓から外を眺めている)と化していた。
そんなかわいそうなSX3ですが、皆さん懐かしがるだろうと前座のネタのつもりで持ち込んだ。
U氏のシステム(金田式アンプ、DAC等)につないで出て来た音は驚くべきものでした。
”鈍い”イメージが先行し、あれだけ出ないと決め付けていた高音は、アッテネーターを絞らなければならないほどよく鳴る。
量ばかりでなく、質が良い。きちっとカウベルの「こわ~んこわ~ん」が再現されながら刺激的な音が全くしない。
低音も量感ありながら、締りがいい、密閉箱の良さが発揮されてる。
(実はバスレフってあまり好きじゃない・・低音の風きり音というか、所詮ふくみ口というか)
どんなソースでもしっかり鳴らし、聴き疲れしない。
会場のベテランリスナー諸氏も絶賛。いつしか本日のメインになってました。
1976年当時1本39,800円でしたが、前面バッフルと裏板にダグラスファー合板を使用したこの箱、
今作ったら20万円はする?職人もいないのだろうなあ。
(実際、現代版後継機とも言えるクリプトン社のものはそれ以上するけど、素材はパーチクルボード・・)
当時は凡庸に聞こえた国産スピーカーも、現代のしっかりした音源、アンプ等で鳴らしてやれば、こんなに凄いのですね。
音質が”真面目”な分、デジタルとの相性もいいのかもしれません。
オーディオ黄金期の国産スピーカー、まだ市場にあるうちに確保しておいた方が・・置く場所ないですねえ~