リベルテールの社会学

生きている人間の自由とは、私の自由と、あなたの自由のことだ。そして社会科学とは、この人間の自由を実現する道具だ。

ダイヤモンドの価値はそれに投下した労働力か

2008-01-03 21:54:48 | 賃金・価値・権力
 明けましておめでとうございます。

   シンプルですがなかなかよい挨拶言葉ですね。
 
 今年はお正月出勤あるかと思いましたら、なんなくなく、家族が忙しいので今日もネットサーフィン。どうもふやけてしまいます。
 で、これは、ほんとは、おとそブレイク。
 ブレイクにくだんないことやんなよ、と? ま、おっしゃる通り。
 でもなんか景気づけにネットを巡ってくと、どうもこの問いに対応できる人間も少なくなってきたようで。
 
 ダイヤモンドの価値はそれに投下した労働力か?
 ちゃいまっせ。そんなもの偶然大きいだけで1ケで何億もしますがね。ダイヤモンド掘りに失敗する人間の労働力分合わせてももうちょこっと高いでんがな。
 ま、そこまではいいですね。でも、にもかかわらず、資本主義社会の商品の価値、つまり価格の基準は、商品を作った人の労働に見合うのです。
 ということなんですが、ねえ。分かってない。
 近代経済学の人が分からないのはいいんだけど、「マルクス? 知ってますよ。だって私マルクス経済学者」みたいなのが分かっていない。
 観客の一般の方々はさておき、くちばしの青いお子さん方や宇野弘蔵の孫弟子の人たちに教えてあげますが、(その他の左翼の方々には言っても馬の耳なのでいいませんが)商品の価値は、それを作った者が買い取らざるをえないから量れるのですぞ。これを宇野の労働価値説というのです。
 宇野の不肖の子孫の方々さん。それ以外は、たとえば子供の論議の「じゅようときょうきゅう」の価格理論など、現実社会では存在しないし、その他の価格理論の派生形態も、商品の価値を量ることなどできないのです。そう先生がおっしゃったでしょ。お弟子のお孫さんたちは宇野を離れて他に何を知りたいのかね。資本家の真似をして、余り金のお手玉(金融理論)に参加したいのかね。
 ダイヤモンドが投下した労働時間に見合わない分だけ高いのは、これを買う人間が労働者ではないこと、あまつさえ資本主義国家人にも限らないことによるだけです。
 生活必需品は、これを労働者は買い取らないと死んでしまう。従って、それがいくらという単位だろうが(パン1枚10円だろうが100万円だろうが)、同じ単位の値段の賃金を得ざるをえない。資本家も払わざるを得ない、というか商品の値段をそれに合わせざるを得ない。しかし、労働者は、それ以外に資本家の取り分と生産機械の取り分を作り出している。これは労働者には返って来ない。よかろうが悪かろうが、資本主義社会はそうやって動いていく。かくして労働賃金は彼らの生活必需品分と等価となり、商品総価値は資本家分を含めた生活必需品額と生産機械額と等価となる。これが資本主義経済学における価値の基礎だ。資本主義経済ではそのように「価値」が特殊に規定されているからこそ、資本主義の法則性が生ずるのだ。(詳しくは隈の本へ。「自由と靴」なんかがいいかな)
 従って絵画には価値なんかない。あるいは幽霊のような価値がある。
 従って家庭労働に価値などない。あるいは、カネなどとは交換できないかけがえのない「人間にとっての価値」がある。ああ、、、もう基本。
 それよか、宇野の孫弟子さん。たとえばマレーシアと日本の価値の差の量り方を教えてくれよ。現状分析がしごとなんでしょ。マレーシア労働者が入手さるべきロックミシンが日本に輸出された場合、それによりマレーシア人が入手した日本円は、理論上、マレーシアでの必需品の生産労働時間と日本での必需品の生産労働時間を反映すべきだが、この間の夾雑物は何か。
 結局、世界経済はどこかへ収斂し商品の価値も世界的に外見的にも収斂していく。(賃金で入手した決まったカネで買える物が世界的に同じになっていくってことです)、その地点の探り方、っていうかね。何が問題かっていうと、同じになっていくはずなのに同じにならない要因度が知りたい、っていうか。資本主義が包摂していない、遊牧民の入手金で買えるものは工場労働者の賃金よりはるかに少ない。それを均一に近づけるものはどういう権力構成か、っていうことなのだけれど。こりゃずぶずぶと話が難しくなっていく。この辺でやめておきましょう。
 
 お正月からこんなこと書いてるのも因果だねえ。
 まあ、アルミサッシとあったかい日差し、身近な人たちが比較的健康である限り、幸せですよね。
 皆様、本年もお体を大切に。


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