リベルテールの社会学

生きている人間の自由とは、私の自由と、あなたの自由のことだ。そして社会科学とは、この人間の自由を実現する道具だ。

宇野経済原論の不十分さ

2014-12-28 20:57:07 | 賃金・価値・権力
 こんばんは。昨日でようやくいわゆる仕事納め。勤務2ヶ月だけどなんにもやれなかったぜ。って、要は急ぎの自分の仕事ナシ。あとでやればすむってことですが。そんな精神ではこの寒さには勝てない。

 
 さて、今日は久しぶり、朝日新聞のわるくち。編集委員の松下秀雄某。いわく
 ”ネット情報では、民主党CMの「夢は正社員になること」の評価が悪い。人それぞれ、非正規もよい生き方なのに正社員の価値を謳ってるのが時代遅れだからだ”旨。
 違うだろう。「偉そうなブルジョワの知ったか野郎が、オイラの(あたしの)ことをわかってるようなことを言う」 から怒るんだろうが。みんなカネは欲しいが、自分は自分のやり方で生きるしかない、と思うしかなく生きてんだろう、ふつう。そうでないやつなんかいるのか。おいらやるだけのことやって生きてんのに、この能天気が、って思うだろ、ふつう。
 じゃあ、同じじゃないか、どこが違う、などと思うのは高級高給の新聞社員だけだ。
 「それぞれの生き方」じゃねえよ。それは前提なのであって、およそ30歳超えたら9割の人間は非正規がいいなんて思うものか。よくなくともしょうがねえだろう、お前にとやかくいわれたくない、っていわれなきゃわからねえバカ。
 だいたいこいつ、前には ”わたしは平和主義者だが徴兵制は悪くない”とかいう言辞をばら撒いて、結局徴兵制を広めようとしていたやつだ。今回は、”正社員謳歌は社会に否定された。非正規も悪くないのだ”、と言って世に非正規を広めようとしているわけ。
 世の中の悪の制度などは、左翼以外のイデオローグはたとえ自称(このばあい、ほんとに自称している)良心派であっても一緒になって破滅へ向かうべく進めるのだ、というまことによいサンプルです。

 
 と、まあ、これは時候のごあいさつ。
 本題は宇野資本論ね(以下は枠組み論なので、個別の内容での宇野の不十分さは、隈の「行為の集成」でもお読みください)。
 まあおめでたくも共産党の支持は伸び、世に「資本論」の本はそこそこ出回ってきているそうな。だからして私など、かえって暗澹ともなるわけ。「まためちゃくちゃな偉そうなブルジョワご勝手論議が始まって、資本論が貶められる、、、」
 ほんと、まずは資本論本体があのざま。あんなの読んで何がわかろうか。
 ついで、解説者が輪をかけて無論理。共産党はめちゃくちゃだし、救いの主のはずの「宇野の高弟」などは、どれをとってもイッチャってるし。ほんとに基本をわかってるのって降旗しかいないんじゃないか、と思うしかない、が死んじゃったし。さっき鎌倉孝夫と佐藤優の本てやつをネットで垣間見たら、おいおい鎌倉君、資本て労働力の変態のことじゃないのかね、といってみたい気が。いや、ほかの高弟はもっとひどいし。

 
 話は変わるようですが、大学教授レベルの研究者でも一つや二つの独自主張点は持っているものです。一流大学教授なら4つか5つ。
 1、2ヶ月前に話題にした大塚久雄も4つ5つは持っていたわけですが、その1つが局地的市場圏概念。 
 (で、大塚で検索したら、頭から2番目に池田信夫の噴飯エッセイが出てきて、思わず笑ってしまった。相変わらずのバカだが、世間様にペラペラ軽薄なことをしゃべってよく恥ずかしくないものだ)(いいっぱなしも悪いか、と、どこが悪いか具体化しようかと思って見直したら、恒木健太郎とかいう人の本の紹介なのか、よくわからないが、どこまでが自分の意見かわからない感想だった。失礼しました、ってどっちにいえばいいのかね。わかんねえ書き方すんなよ。恒木という人は文芸評論家のようなので、わざわざケチはつけません。羽入辰郎みたいなもんです。ともかく、大塚はウェーバーとは異なり、近代資本主義一般を問題にしたのではないのだ。)
 要は大塚の真摯な問題意識は、商品経済は古代からあったのに、なぜ近世イギリスでのみ、資本主義として実を結んだか、という理由です。
 カルヴァンがどうだろうが、そんなことは資料にすぎない。彼の問題意識では「世界は人間が変えたのだ。従って、近世イギリスの人間が持つどういう主体的な意識が世界を変えたか。」 この1点なのです。その考慮の結果が局地的市場圏なのです。彼の問いかけは人間のことであり、彼の答えも人の存在以外にはなかったのだ。これにまともに応対しない批判など、彼にとっては何の批判でもない。「そういう説もとれるかもしれないが、わたしが言っているのはそういうことではない。」 それは、池田の笑い話など1秒も顧みはしない真摯な問いかけのはずです。
 同様に、宇野にとっては、資本主義を作ったのは、自分が作った生産物商品を自分で買い戻さざるを得ない圧倒的な労働者の存在だった。従って、人間の意識がどうのなどという大塚の妄言は、決して許されるものではなかった。これが大塚の戦前の自分への批判後、何十年経っても反批判せざるをえない理由です。
 そして宇野としては大塚のケースと同様に、この買戻しの機構=労働価値説に反論し得ない(それが現実なのでできっこない)近代「経済学」者など、池田と同様のバカにしか見えやしなかったでしょう。
 世の真理に該当せんとする立言とはそういうものです。
 同様に、笑い話の批判しかできない人間は、数年期限の消費物資です。
 批判という無内容な悪口しかしたことのない自称研究者(学者)にはわかりはしないことだと思いますので、あえて申し上げました。
 これをお読みで高校生の人がいたら、どうです、将来わかりやすい宇野原論をお書きになったら。
 宇野も小さい方で、マルクス経済学大学教授の席が好きだったようで、他人にわかるように書物を書かなかった。宇野経済原論もまだまだ資本論への遠慮で曇っている。基本、弁証法はなんら叙述には役に立たない(その概念が内に含む契機だけで発展するものではあるわけがない) ということがわかっていない。おかげで居並ぶ高弟は校庭で遊ぶ小学生そのもの。
 あなたは国際経済学を専攻して、(それでも一般教養で経済原論を教えますから)マルクスも資本論に書けなかった世界経済体系を原論に付け加えたらよろしい。資本主義とは買戻しの機構だということがわかっていればそんなものはすぐに書けます。若いうちにわかってればね。 私はこれからまだまだ誰も知らない大事なことを定式化しなければいけませんので。

 
 などなど。
 今年も終わりです。
 今年は仕事を退職しましたが、みなさまにお礼(の言葉)を受けてとてもありがたかったです。ああ、結局自分てそんなふうに生きるように作られた人間なのだな、と思いました。そのほか環境が変わると初めてわかることも多く、勉強になりました。
 それでは皆様も、これからの私と同様、悔いのない人生を送りましょうね。
 
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「雲の」写真、など

2014-12-19 20:24:09 | 断片
 こんばんは。師走からこの寒さ。特に根室地方の方々、がんばってください。まあ、励ましのことばの用法は別として、そういう気持ちです。
 さて、今日は金曜ですが、以下の情報伝達の事情によりちょっと早い今週分。

 先日はお誘いをうけまして、今井友久さんという人の「雲の」写真小展を見にいってきました。カメラマンではなくて「雲愛好家」という方で。雲の気象写真というより、雲がある風景ですか。どんなものかしら、と思いましたら、なかなか個性的な写真で感心しました。風景写真ではなくてよく見るとやはり「雲の」写真なのですが、綺麗。どこにでもあるはずの雲でも、専門ともなればきっちり個性がでるわけで。
 聞いてみますと、白1色ともいえる雲をどう陰影つけて浮かばせられるかは、苦労と場数の賜物のようです。前に白籏史朗の山岳写真の本を読んだとき、「冬山の白一色をどう表現するか」について、大事さかげんを力説してましたが、雲もそういうもののようです。
 なんだかんだいって、こうゆうものが成果として現れるのは、努力はおいて、持って生まれた素質というもんですね。わたしにはとても無理。さらに「努力」も辞書にないけど。いや、「素質」とカテゴライズするということは、対極にある「素質のない」自分の写真も否定してはいない、ということですが。
 お前の写真なんてあるのか、って、ありますよ、記念写真。大衆そのものですが。俳句・短歌でいえば、花鳥風月ですね。とはいえ、芸術家にガイド本に載せる写真撮れますか? いいや撮りづらい。
 ま、というわけで、あした20日午後3時まで、Nikonフォトスクエアでやってますので、お近くの風景写真に興味のある方はどうぞ。新宿エルタワー28階 ニコンプラザ。日がなくてすいませんねえ。

 なお、関係ないですがこちらの人むかしは黒のペンタックスSPを駆使していて、わたしなどかっこいいなあ、と思ってたのですが、今はNikon?
 このときのあこがれの黒いSPをふと入手しオーバーホール後3年。この前使ったら高速がでない。後ろの幕が前の幕を追い越す。追い越しはしないが。困ったものだ。やはりカメラは丈夫さだと思い3年前修理のニコマートを使ったら部分ボケが。なんともはや。期限切れ1年のフィルムのせいかも知れませんが、、、やはり信頼の Nikon Fか、と思っては見るものの、未実験。今日は川崎のヨドバシでフィルムを買おうかと思ったのですが、半畳ほどのスペースに10年前の2倍の価格のフィルムが少し。買わずに帰ってきました。 

 
 ついで。
 職場でエジプトのカーター卿の話が出て、そういえば、と思い出した「ピラミッドの秘密」モーリス・ルブラン作、南洋一郎訳。少年少女用。
 もう長年読んでないなあ、原作そのままの文庫本ないかなあ、なんて思って検索したら、びっくり、ネット情報によると原作存在しないんだって。南洋一郎の偽作に近いとか。どおりでルパン全集で読んだ覚えがない。
 残念でしたが少年少女用を図書館で借りて読んで、またびっくり。
 おやおやわたしの「風とベイシティ・キャット」のペンダントの設定と類似。ぜんぜん気づいてなかった。
 まあねえ。どうせわたし小説家の才能もないし。とは思いつつ、こんなにも影響されてたとは知りませんでした。この本は、大人が見るルパン全集にはないんだよ、つまりは、子供の頃から幾星霜。
 ともかくも南洋一郎、名作です。

 (ベイシティ・キャット、その他の僕の本も、長い理論部分を外せば、面白いよ)
 
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選挙ニュースの最悪さとは

2014-12-14 21:16:31 | 断片
 こんばんは。さむいっす。東京、真冬の(晴れた日の)気温ですよ。
 おじさんは昨日の通勤はコートを着てしまいました。12月にコートなど、これで生涯、25年ぶりかな。そろそろ年をとったと観念すべきかも、、、といいつつまだ観念していない。

 
 本日はみなさんご存知の選挙。yahooによるとどうやら自民党が2/3以上のような。
 まあ、みなさんがそれでいいんならそれでいいし。そんなことはたいしたことではない。
 日本史的にはそんなことはたいしたことではない。ただ、投票した人にはそれだけの責任がかかるということで。
 それだけのことです。
 なんどもいうように、太平洋戦争を起こしたのは、靖国神社の戦犯ではなく、日本国民ですから。
 戦犯もただの同じ責任者の一人に過ぎませんから、まず100歳以上の男子老人がごめんねして、靖国神社から戦犯の名前を引き上げれば、それが論理的です。
 ま、そういうわけでこんどの自民党(自称「公明党」を含む)への投票者は、極楽は遠いですな。
 アベノミクスがどうって、バカバカしい。
 何兆円も国民から(国債として)吸い上げて、(土木)企業・労働者に与えれば、そりゃその人たちは豊かになりまさあ。なんなきゃ詐欺だ。
 あるいは円安とかいって、要するに、輸入企業と、輸入品を買う最終消費者=庶民、が金を払えば=つまり、逆に、大企業の輸出企業に中小企業と庶民の貢ぎガネを与えりゃあ、大企業は儲かりまさあ。どんな小学6年生が聞いたってわかる論理だ。実際大企業はもうかってんだから。ばっかばかしい。おれらのコンビニ弁当が高いのは消費税ばかりのせいじゃありませんぜ。 

 
 そんなことは知ってる人間にはわかってることで、本題はそうではなく、今回の自民党投票者の陰に隠れた、その他支持者の将来の戦犯たちの話。
 

 もちろんこちらへお越しの方は、今の投票者とは、(1)資本家支持者(=企業の手代=アベ・公明党)、(2)資本主義支持者(=しょうがないが体制として資本主義しかない、派)、(3)資本主義反対者(共産党のようなメンシェビキ(ボルではなく)にも歴史的価値がある) の3通りにしか分かれない、ということはごぞんじのことですが、なぜ裏切り者たちは資本主義に力を貸すのだろう?? ぜんぜんわからない。
 いえ、20代の子供たちや大学卒の資格を取っただけの教養を与えられていない人たちが、ほかに知識もないので資本主義を修正すべく甘言を費やすものに投票するのはよくわかるのですが、なぜすべてのからくりを知っている者が資本主義を支持する人間に力を貸すのだろうか???
 不明。
 わかるのは、知っている人間が資本主義に手を貸すのは、明白な裏切り、という事実だけ。
 まあ、世の中、そんなもんだ、と若い人たちにはいうしかないですが。最悪。
 

 もちろん、それは最悪ではありますが、歴史は常に、人民にとっては最悪の道をたどりながら、しかし明るい未来へ進んでいく。
 これは隈の新刊書には書いたので、もういいませんけどね。

 
 しかし、これから不快なニュースがはびこる一週間、この歴史の真理を噛み締めなければ、不愉快で死にたくなりますね。
 
 
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将棋職業者あて

2014-12-07 20:53:11 | その他
 こんにちは。お寒うございます。東京地方、昨日は出勤でしたが、この寒さが続けばいくらいつも若いと呼ばれるわたしでもコートを着ざるをえまい、と思いましたところです、が今日はお休み。今日は近くの突き当たり道のマンションで持ちつき大会をやっておりました。そろそろ師走ですね。「もう」師走だ、とかの発言は無視。そういうあなたも思ってないでしょ。いけませんなあ、タテマエで話しちゃ。

 
 さっそくですが標題。
 ときどき、このブログの将棋の話題で、将棋ファンはみんなクズだ、とかいっておりますが、わたしも将棋ファンの一員としてふと思えばこれは由々しき問題なのではないか。
 たとえば10歳の人間がいて、将棋が仮に好きだとして、じゃあ、と外界の情報を集めますな。そうすると今の世の中、将棋クラブなどありませんから(昔は同好の士が集まって将棋をする、そんな場所があったのです。マージャン屋の高級なものですね)、スマートフォンで探しますやね。そうすれば出てくるのは、2chan。そしてFC2ライブと称されるコンピュータソフトでの将棋鑑賞クラブです。って、要するに私と一緒の状況ですね。さて、わたしなどそんなやつらは人間でも下のやつらだが、でもそれは人間のうちのたった一部に過ぎないってわかりますが、さて10歳なり14歳なりの子供だとどうでしょうか?
 

 「将棋が好きならこうゆう下劣な人間になってもいいんだ。」
 よくて、「将棋が好きな大人って、みんな下劣非道な奴なんだ」 
 そう思いますよね。
 いえわたしは何も意見を押しつけようとしているのではなく。
 
 疑う人は、友達とか奥さんに頼んで、「将棋ってどう? 知ってる? よかった、そしたらちょっとスマートフォンで見てみて」、と頼めばすむ話で。 その人が将棋を知らなきゃググれませんけどね。
 

 で、その結果は、、疑いもない。私と同じです。
 書いてあることといったら、たとえば将棋のタイトルを取った将棋指しが若くて太ってたら、「豚!」「豚豚豚!」「あいつが豚王のタイトルを取った!」
 FC2ライブなんて、そんなもん以下ですし、2chなんて子供には見せられないスレッドばかり。わたしのようなスレた大人でさえ、「俺がスターリンならこいつら死刑だな」と思うものばかり。なんて発言を読んで眉をひそめた方は、まず2chの将棋スレッドをみてからにしてくださいな。納得しますよ。
 と、ふと、真実のことを思ってしまいました。
 「いや将棋愛好奨励会少年はそんな人間ではない」って、そんなゲームオタクの話をしているのではなくて、将棋棋士の報酬基盤を担うゲーム「人間社会」の愛好家の産出基礎のことを言っております。こんなネット情報しか受容できないソサイアティは、追随するのはヤクザになる子供しかいないから、もう長いことないな。
 将棋職業者は今のうち手を打ったほうがいいと思いますぜ。わたしゃどうでもいいけどね。単に、ネットのクズが嫌いなだけ。 

 で、えーと、実のある話といえば前回の労農派問題? 要するに、闘争課題と実現課題は一致しないし一致せずとも良い、という話で、無料の隈の今回の本にも載ってますから見てくださいな。わたしのホームページに置いてあります。労農派=旧社会党=社民党など、闘う気もない奴らにそれ以上教える気にもなりません。 40年前の民同とは月とスッポン。
 

 なんて思いながら、こういう構造と運動の乖離の話は筋道立てて一見してわかりやすく書いたほうがいいかな、なんて思ってきました。今、頭脳的にはヒマですからね。来年になったら1、2ヶ月、勤務をヒマする予定ですので、そのとき考慮しようかと思います、今は体がヒマでないので。
 ただ、こんなものは正味30枚で終わるのに、それを世間の大学教授のように300枚にするのは苦痛だな、とも思います。「論文とは前人の業績を発展させるものだ」などと、体裁はいいが要するにバカの言い訳ですよね。
 
 
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