●米国防総省の報告書に基づくシナリオ(詳細 続き)
②侵攻戦力の分析
侵攻戦力としては以下の3通りに大きく区分できるであろう。
ケースa:東部戦区と南部戦区
ケースb:東部戦区主
ケースc:南部戦区主
以下の理由から、ケースaが最も可能性が高いとみられる。
a.侵攻正面としては、在沖縄・日本本土・韓国の米軍による早期介入のおそれがなければ、台湾南北からの両翼包囲の可能性が高く、かつ尖閣諸島は台湾とほぼ同時に進行される可能性が高いとの結論を得た。
その場合の所要戦力は最大となり、北部戦区海軍による台湾東部西太平洋での米空母来援阻止も含め、東部・南部戦区主のほぼ全力での作戦となる可能性が高い。
なお北部戦区の陸空軍主力は北京・天津の首都圏を米日韓の航空侵攻の脅威から護るために控置されることになろう。また、南部戦区主力は南シナ海方面の防衛に充てられることになろう。
b.ケースbは尖閣・澎湖諸島など小島嶼への限定目標の短期侵攻の際に行われ、兵力規模としては、東部戦区の海空軍と支援するミサイル部隊は全力展開されるが、上陸部隊は武装民兵、偽装特殊部隊の大隊規模程度となろう。
短期間に防衛態勢を固めるため、揚陸艦艇、ホバークラフト、空母搭載のヘリ、空挺部隊も併用し、迅速に兵力を増強するであろう。
その際には上陸部隊として、大型ヘリなどで対空レーダ、SAM、SSMなどを最優先で早期展開するとともに、築城土木機能を強化して迅速に抗たん力のある地下陣地の構築に努めるとみられる。
遠距離の陸海空発射母体から発射される各種ミサイルの攻撃目標の発見・識別・誘導、衛星通信、サイバー・電磁波攻撃支援、無人機・無人艇などの偵察警戒手段、機雷戦・潜水艦戦支援機能など、マルチドメイン作戦に対応した能力も展開するとみられる。
また、日米のミサイル攻撃による反撃に備え、弾道ミサイル・巡航ミサイルに対処する能力を持った各種艦艇、地上配備のミサイル防衛システムも展開されるであろう。潜水艦戦、機雷戦、対潜作戦も短期間だが熾烈に戦われることになろう。
このような尖閣上陸部隊の機能と作戦の様相は、台湾本島との同時侵攻などの場合も規模はやや小型になっても基本的には同様になるとみられる。
c.ケースcの南部戦区主となるのは、主攻勢が南シナ海、バシー海峡正面に指向された場合であり、この場合も一部の戦力を配備して在沖縄・日本本土・韓国の米軍の反撃などに備えなければならない。
その意味では、東部戦区は戦略守勢とはいえ、尖閣諸島、先島諸島の占領も含め、日本領土の部分占領を必要とする可能性は大きく、東部戦区の主力は、宮古海峡南北での戦略防衛態勢確立のために運用される可能性が大きい。
戦力規模は縮小され、宮古海峡以南と尖閣占領が主となるが、基本的な作戦様相はケースaと変わらないであろう。
③侵攻時期に関する分析
侵攻時期については、以下の3つのケースが考えられる。
ケースa:2021年夏頃
ケースb:2020年代前半
ケースc:2020年代後半から2035年までの間
中国の戦略的な狙いと日米台の国内情勢および対応により異なるが、尖閣など周辺島嶼への限定目的の局地侵攻については、ケースaの可能性が高いとみられる。
また台湾全島の併合については、各国の国内情勢、戦力整備などの諸要因が成熟する期間を考慮すれば実行の可能性の面から、ケースbを追求することになるとみられる。
しかしケースbが実現できなかった場合も、ケースcの、習近平政権が「強軍の夢」達成の中間目標年として掲げている2035年までに台湾統一のための行動に出る可能性は高い。
a.小島嶼への限定目的の侵攻は、いつでもありうるが、バイデン政権成立後間もなく米国内が不安定で、海象が安定する、コロナ禍で米日が弱り、オリンピックと選挙に日本が追われる、今年夏が好機になるとみられる。
なお、日米への刺激を避け、台湾のみを対象とするため、太平島、あるいは澎湖諸島など台湾の周辺島嶼への侵攻もありうる。
b.ケースbは、バイデン政権後にさらに極左の米政権が成立し米国の国力と軍事力が弱体化し、米国内が待巻返しを図る保守派と極左に分断され経済も低迷し国内の混乱が深まり、他方で中国共産党内の権力闘争が激化せず習近平独裁体制が維持される場合には可能性が高い。
台湾・尖閣侵攻の可能性が出てくるかどうかを見極めるには、まだ数年はかかるとみるべきであろう。特に、中国国内ではまだ習近平派と江沢民派の権力闘争は続いており、習近平派が権力を固めるにはまだ数年を要するとみられる。
他方の米国の内政も不透明である。
例えば、中国から資金提供を受け息子のハンター・バイデン氏の事業で利益を得ているバイデン大統領の対中融和政策がどの程度進展するのか、副大統領カマラ・ハリスの大統領昇格はあるのか、ドナルド・トランプ前大統領支持派の巻き返しが成功するのか、米国内の混乱が深まるのか否か、米国経済特に軍需産業の衰退は起こるのかなどの不透明な要因がいくつもある。
これらの帰趨を見極めなければ、台湾統一が可能な情勢になるかどうかは判断できない。
また、超限戦の発動とその効果の見極めにも時間を必要とする。
選挙介入については、2020年の大統領選挙でも、ANTIFAへの支援、選挙集計機の操作、投票用紙の偽造など、中国の選挙介入の証拠が挙げられている。
台湾でも中国によるサイバー攻撃による選挙介入が行われたとみられており、米日台の各種選挙でも同様の選挙介入、政治家、財界人、学界、メディアなどへの影響力の浸透、フェイクニュースなどによる輿論捜査、心理戦、法律戦も展開されるとみられる。
これらの効果が浸透するには、数年を要するが、その間にも米日台で最高指導者の選挙、議会選挙などが行われる。その際にまた同様の手法で、選挙介入がされ、中国に対して融和的な政権が米日台などで誕生する可能性もある。
コロナ禍により各国の経済と政治が混乱し、国力が弱まることが今回立証されたが、中国共産党指導部が新型コロナのヒト・ヒト感染の事実を知りながら、虚偽と隠蔽により世界に拡散させたことは明らかになっている。
遺伝子操作が簡単にでき、生物兵器の研究も進んでいるとされる中国が超限戦の有力な手段として、さらなる新型ウイルスの拡大を実行するおそれもある。
以上の各種超限戦の手法の実行とその効果の見極めにはまだ4~5年は必要である。
戦力整備にもまだ数年を要するとみられる。
直接の侵攻戦力の骨幹となる、大型揚陸艦艇、新型の空母、巡洋艦、潜水艦などの海軍渡洋戦力の増勢、第六世代機の開発配備、海軍陸戦隊や陸軍東部戦区部隊、海上民兵の増強、兵站準備にも、まだ数年は必要であろう。
また画期的な各種新型兵器の開発配備にもまだ数年を要する。IoTの進歩により、物理的破壊も含めたインフラ攻撃が、サイバー攻撃により可能となるかもしれない。
また、電磁波攻撃も宇宙空間、航空戦、弾道ミサイル防衛などでは多用されることになるであろう。しかしまだ兵器として運用できるほど成熟してはいない。
中米露ではミサイル迎撃システムを突破する極超音速滑空体などの開発配備の競争が激化しているが、各国とも主力装備として配備するにはまだ数年を要する。大型ジェットエンジン、第六世代機、新型潜水艦の開発にも中国はまだ数年を要するとみられる。
5Gの情報通信機器、AI、量子技術、智能化自律型無人兵器など先端兵器の開発も進んでいるが、中国が優位を固められるとしても、それにはまだ数年を要するであろう。
以上の諸要因の分析結果を踏まえれば、台湾の武力併合を必要とするか、政治併合は可能か、武力併合をするとした場合に米日の介入をさせないような政治経済情勢に持ち込めるか否かなどの不可測要因を見極めるためには、2020年代中ごろまではかかるとみるべきであろう。
国内で習近平政権の独裁権力を固めるためにも、数年はかかるとみられる。また侵攻に必要な戦力の整備、革新的兵器の独自開発と配備などにも、まだ数年は要するであろう。
以上から、台湾本島の侵攻については、条件成熟を待つためケースbとなる可能性が高い。特に、2020年10月の共産党第十九期中央委員会第五回総会で「奮闘目標実現」の年として掲げられた、軍創設百年を迎える2027年が節目の年になるとみられる。
c.ケースcについては、習近平政権の「強軍の夢」実現の中間段階の目標年である、2035年までが節目となる。
「強軍の夢」実現までの年表として挙げられた3段階のうちの第2段階は、2021年から2035年とされ、その間に、全面的な軍事理論、軍隊組織形態、軍事人事、武器装備の現代化を達成するとされている。
他方で習近平政権は2018年3月の全国人民代表大会で、それまで2期10年までと定められていた国家主席の任期条項を削除した。結果的に習近平氏は2035年頃までは国家主席、党総書記、中央軍事委員会主席として留まれることを意味している。
故李登輝元台湾総統も指摘しているように、習近平氏には軍事的実績がないことから、在任間に宿願の台湾併合を何としても成し遂げるとの意向をもっているとみられており、2035年までに台湾併合を、必要とあれば武力行使をしてでも成し遂げる可能性は高い。
その意味では、ケースbが、情勢が成熟せず達成できなかった場合も、さらに長期の一貫した戦略目標として、ケースc、すなわち任期内で、「強軍の夢」達成の中間目標年である2035年までに達成しようとする可能性は高い。
次回に続く。
************* 著書のご案内 ****************
『人類を導く日本精神~新しい文明への飛躍』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/cc682724c63c58d608c99ea4ddca44e0
『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1
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②侵攻戦力の分析
侵攻戦力としては以下の3通りに大きく区分できるであろう。
ケースa:東部戦区と南部戦区
ケースb:東部戦区主
ケースc:南部戦区主
以下の理由から、ケースaが最も可能性が高いとみられる。
a.侵攻正面としては、在沖縄・日本本土・韓国の米軍による早期介入のおそれがなければ、台湾南北からの両翼包囲の可能性が高く、かつ尖閣諸島は台湾とほぼ同時に進行される可能性が高いとの結論を得た。
その場合の所要戦力は最大となり、北部戦区海軍による台湾東部西太平洋での米空母来援阻止も含め、東部・南部戦区主のほぼ全力での作戦となる可能性が高い。
なお北部戦区の陸空軍主力は北京・天津の首都圏を米日韓の航空侵攻の脅威から護るために控置されることになろう。また、南部戦区主力は南シナ海方面の防衛に充てられることになろう。
b.ケースbは尖閣・澎湖諸島など小島嶼への限定目標の短期侵攻の際に行われ、兵力規模としては、東部戦区の海空軍と支援するミサイル部隊は全力展開されるが、上陸部隊は武装民兵、偽装特殊部隊の大隊規模程度となろう。
短期間に防衛態勢を固めるため、揚陸艦艇、ホバークラフト、空母搭載のヘリ、空挺部隊も併用し、迅速に兵力を増強するであろう。
その際には上陸部隊として、大型ヘリなどで対空レーダ、SAM、SSMなどを最優先で早期展開するとともに、築城土木機能を強化して迅速に抗たん力のある地下陣地の構築に努めるとみられる。
遠距離の陸海空発射母体から発射される各種ミサイルの攻撃目標の発見・識別・誘導、衛星通信、サイバー・電磁波攻撃支援、無人機・無人艇などの偵察警戒手段、機雷戦・潜水艦戦支援機能など、マルチドメイン作戦に対応した能力も展開するとみられる。
また、日米のミサイル攻撃による反撃に備え、弾道ミサイル・巡航ミサイルに対処する能力を持った各種艦艇、地上配備のミサイル防衛システムも展開されるであろう。潜水艦戦、機雷戦、対潜作戦も短期間だが熾烈に戦われることになろう。
このような尖閣上陸部隊の機能と作戦の様相は、台湾本島との同時侵攻などの場合も規模はやや小型になっても基本的には同様になるとみられる。
c.ケースcの南部戦区主となるのは、主攻勢が南シナ海、バシー海峡正面に指向された場合であり、この場合も一部の戦力を配備して在沖縄・日本本土・韓国の米軍の反撃などに備えなければならない。
その意味では、東部戦区は戦略守勢とはいえ、尖閣諸島、先島諸島の占領も含め、日本領土の部分占領を必要とする可能性は大きく、東部戦区の主力は、宮古海峡南北での戦略防衛態勢確立のために運用される可能性が大きい。
戦力規模は縮小され、宮古海峡以南と尖閣占領が主となるが、基本的な作戦様相はケースaと変わらないであろう。
③侵攻時期に関する分析
侵攻時期については、以下の3つのケースが考えられる。
ケースa:2021年夏頃
ケースb:2020年代前半
ケースc:2020年代後半から2035年までの間
中国の戦略的な狙いと日米台の国内情勢および対応により異なるが、尖閣など周辺島嶼への限定目的の局地侵攻については、ケースaの可能性が高いとみられる。
また台湾全島の併合については、各国の国内情勢、戦力整備などの諸要因が成熟する期間を考慮すれば実行の可能性の面から、ケースbを追求することになるとみられる。
しかしケースbが実現できなかった場合も、ケースcの、習近平政権が「強軍の夢」達成の中間目標年として掲げている2035年までに台湾統一のための行動に出る可能性は高い。
a.小島嶼への限定目的の侵攻は、いつでもありうるが、バイデン政権成立後間もなく米国内が不安定で、海象が安定する、コロナ禍で米日が弱り、オリンピックと選挙に日本が追われる、今年夏が好機になるとみられる。
なお、日米への刺激を避け、台湾のみを対象とするため、太平島、あるいは澎湖諸島など台湾の周辺島嶼への侵攻もありうる。
b.ケースbは、バイデン政権後にさらに極左の米政権が成立し米国の国力と軍事力が弱体化し、米国内が待巻返しを図る保守派と極左に分断され経済も低迷し国内の混乱が深まり、他方で中国共産党内の権力闘争が激化せず習近平独裁体制が維持される場合には可能性が高い。
台湾・尖閣侵攻の可能性が出てくるかどうかを見極めるには、まだ数年はかかるとみるべきであろう。特に、中国国内ではまだ習近平派と江沢民派の権力闘争は続いており、習近平派が権力を固めるにはまだ数年を要するとみられる。
他方の米国の内政も不透明である。
例えば、中国から資金提供を受け息子のハンター・バイデン氏の事業で利益を得ているバイデン大統領の対中融和政策がどの程度進展するのか、副大統領カマラ・ハリスの大統領昇格はあるのか、ドナルド・トランプ前大統領支持派の巻き返しが成功するのか、米国内の混乱が深まるのか否か、米国経済特に軍需産業の衰退は起こるのかなどの不透明な要因がいくつもある。
これらの帰趨を見極めなければ、台湾統一が可能な情勢になるかどうかは判断できない。
また、超限戦の発動とその効果の見極めにも時間を必要とする。
選挙介入については、2020年の大統領選挙でも、ANTIFAへの支援、選挙集計機の操作、投票用紙の偽造など、中国の選挙介入の証拠が挙げられている。
台湾でも中国によるサイバー攻撃による選挙介入が行われたとみられており、米日台の各種選挙でも同様の選挙介入、政治家、財界人、学界、メディアなどへの影響力の浸透、フェイクニュースなどによる輿論捜査、心理戦、法律戦も展開されるとみられる。
これらの効果が浸透するには、数年を要するが、その間にも米日台で最高指導者の選挙、議会選挙などが行われる。その際にまた同様の手法で、選挙介入がされ、中国に対して融和的な政権が米日台などで誕生する可能性もある。
コロナ禍により各国の経済と政治が混乱し、国力が弱まることが今回立証されたが、中国共産党指導部が新型コロナのヒト・ヒト感染の事実を知りながら、虚偽と隠蔽により世界に拡散させたことは明らかになっている。
遺伝子操作が簡単にでき、生物兵器の研究も進んでいるとされる中国が超限戦の有力な手段として、さらなる新型ウイルスの拡大を実行するおそれもある。
以上の各種超限戦の手法の実行とその効果の見極めにはまだ4~5年は必要である。
戦力整備にもまだ数年を要するとみられる。
直接の侵攻戦力の骨幹となる、大型揚陸艦艇、新型の空母、巡洋艦、潜水艦などの海軍渡洋戦力の増勢、第六世代機の開発配備、海軍陸戦隊や陸軍東部戦区部隊、海上民兵の増強、兵站準備にも、まだ数年は必要であろう。
また画期的な各種新型兵器の開発配備にもまだ数年を要する。IoTの進歩により、物理的破壊も含めたインフラ攻撃が、サイバー攻撃により可能となるかもしれない。
また、電磁波攻撃も宇宙空間、航空戦、弾道ミサイル防衛などでは多用されることになるであろう。しかしまだ兵器として運用できるほど成熟してはいない。
中米露ではミサイル迎撃システムを突破する極超音速滑空体などの開発配備の競争が激化しているが、各国とも主力装備として配備するにはまだ数年を要する。大型ジェットエンジン、第六世代機、新型潜水艦の開発にも中国はまだ数年を要するとみられる。
5Gの情報通信機器、AI、量子技術、智能化自律型無人兵器など先端兵器の開発も進んでいるが、中国が優位を固められるとしても、それにはまだ数年を要するであろう。
以上の諸要因の分析結果を踏まえれば、台湾の武力併合を必要とするか、政治併合は可能か、武力併合をするとした場合に米日の介入をさせないような政治経済情勢に持ち込めるか否かなどの不可測要因を見極めるためには、2020年代中ごろまではかかるとみるべきであろう。
国内で習近平政権の独裁権力を固めるためにも、数年はかかるとみられる。また侵攻に必要な戦力の整備、革新的兵器の独自開発と配備などにも、まだ数年は要するであろう。
以上から、台湾本島の侵攻については、条件成熟を待つためケースbとなる可能性が高い。特に、2020年10月の共産党第十九期中央委員会第五回総会で「奮闘目標実現」の年として掲げられた、軍創設百年を迎える2027年が節目の年になるとみられる。
c.ケースcについては、習近平政権の「強軍の夢」実現の中間段階の目標年である、2035年までが節目となる。
「強軍の夢」実現までの年表として挙げられた3段階のうちの第2段階は、2021年から2035年とされ、その間に、全面的な軍事理論、軍隊組織形態、軍事人事、武器装備の現代化を達成するとされている。
他方で習近平政権は2018年3月の全国人民代表大会で、それまで2期10年までと定められていた国家主席の任期条項を削除した。結果的に習近平氏は2035年頃までは国家主席、党総書記、中央軍事委員会主席として留まれることを意味している。
故李登輝元台湾総統も指摘しているように、習近平氏には軍事的実績がないことから、在任間に宿願の台湾併合を何としても成し遂げるとの意向をもっているとみられており、2035年までに台湾併合を、必要とあれば武力行使をしてでも成し遂げる可能性は高い。
その意味では、ケースbが、情勢が成熟せず達成できなかった場合も、さらに長期の一貫した戦略目標として、ケースc、すなわち任期内で、「強軍の夢」達成の中間目標年である2035年までに達成しようとする可能性は高い。
次回に続く。
************* 著書のご案内 ****************
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https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/cc682724c63c58d608c99ea4ddca44e0
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