ほそかわ・かずひこの BLOG

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キリスト教175~アフリカの宗教事情

2019-03-20 12:23:01 | 心と宗教
●アフリカの宗教事情

 アフリカは、サハラ砂漠によって大きく南北に分けられるとともに、北アフリカ、西アフリカ、東アフリカ、中部アフリカ、南部アフリカの5つに区分することができる。
 サハラ砂漠以北では、イスラーム教徒が圧倒的に多い。北アフリカのすべての国々、西アフリカ・中央アフリカのうちサハラ砂漠以北に国土のほとんどまたは多くが位置する国々がそうである。その他に、西アフリカの西端の国々、東アフリカの東端の国でもイスラーム教が多い。
 サハラ砂漠以南では、キリスト教徒が多い。西アフリカの象牙海岸の国々の一部。東アフリカの大半の国々。中部アフリカ・南部アフリカのほとんどの国々がそうである。
 アフリカでは、伝統的な土着宗教が根強い地域がある。西アフリカ、中部アフリカが特にそうであり、土着宗教とキリスト教が習合した形態の宗教も多いと見られる。その習合の実態は、ラテン・アメリカの聖母崇敬のように明確ではない。
 地域別・国別の概要を次に記す。北から南へ、東から西への順番にする。
 北アフリカでは、すべての国々でイスラーム教徒が圧倒的に多い。
 エジプトは、ジェトロの資料によると、イスラーム教が92%、コプト正教会が6%である。他に中東出自のものを主として様々な教派が存在する。スーダンは、イスラーム教が70%、キリスト教が5%で、土着宗教が5%等である。アルジェリアは、イスラーム教が99%を占める。キリスト教最大の教父アウグスティヌスが司教を務めたヒッポは、アルジェリアに位置する。リビア、チュニジア、モロッコは、イスラーム教を国教とし、それぞれ国民の97~99%を占める。これらの国々のムスリムは、大多数がスンナ派だが、ハワーリジュ派の流れを汲むイバード派がわずかながら存在する。
 西アフリカは、キリスト教徒が多い国とイスラーム教徒が多い国に分かれる。
 キリスト教徒が多い国のうち、象牙海岸のリベリアは、アメリカ合衆国で設立されたアメリカ植民協会が、黒人解放奴隷のアフリカへの「帰還」を計画して、1847年に合衆国憲法を基本にした憲法を制定して独立を宣言した。日本外務省の資料によると、キリスト教85%、イスラーム教12%等である。キリスト教の教派では、奴隷時代の名残で、米国南部の福音派系のプロテスタント、特にメソディストが多い。
 同じくガーナは、日本外務省の資料によると、キリスト教が6割、土着宗教が3割、イスラーム教が1割である。キリスト教の中では、ペンテコステ派が最も多く、プロテスタント、カトリックの順となる。
 イスラーム教徒が多いのは、サハラ砂漠以北に国土のほとんど、または多くが位置する国々、すなわち、モーリタニア、マリ、ニジェール等、また西端のセネガル、ガンビア、ギニア、シエラレオネ等である。
 キリスト教徒とイスラーム教徒の数があまり変わらないのは、ナイジェリアである。同国はアフリカ最大の人口を有し、アフリカの総人口の5分の1から4分の1を占める。イスラーム教が5割、キリスト教が4割、土着宗教が1割である。キリスト教の教派の中には、アフリカ独立教会のアラドゥラ教会がある。
 土着宗教が多いのは、コートジボワールとベナンである。ベナンはブードゥー教を国教とするが、日本外務省の資料によると、人口の20%はキリスト教、15%はイスラーム教である。キリスト教の教派は、カトリックが最も多い。

 次回に続く。

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