ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
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高齢化社会における家族のあり方2

2013-11-13 08:54:10 | 家族・家庭
●心がけたい家族のあり方

 もともと日本人は、親は子を愛情を持って育て、子は親を大切にしてきた。夫婦は互いに助け合い、一体となって円満な家庭を作るように努めてきた。そして、子孫の繁栄を願い、また先祖を敬ってきた。高齢化社会で、こういう日本人の生き方がますます大切になっている。
 親は子供を愛情をもって育て、子供は親を大切にするのが人間本来の姿。自分を育んでくれた親に感謝し、親を敬い大切にすることは、人間として非常に重要なこと。親に恩を感じ、これに報いる行いを、孝という。親孝行ともいう。孔子・孟子など東洋の聖賢の説く道徳では「孝は徳の始め」といわれてきた。そして、親に対する孝は、人間の人間たる道徳の基本ともされてきた。動物も愛情深く、子育てをする。しかし、年老いた親の面倒を見ている犬や猫は居ない。親孝行こそ、人間が動物より優れたところである。
 これとともに大切なのが、夫婦の和である。家族は、男女の出会いによってつくられる。男女は身体的特徴からして違う。男女が互いの特徴を認め合い、それぞれの特長を生かし、欠点を補い合っていくことが大切。それぞれ役目があり、夫婦が調和することで、幸福な家庭が築かれる。
 人間は、自然と調和し、自然の法則にそってゆかなければ、不幸や災難を招き、ひいては滅亡してしまう。男女・夫婦のあり方についても、なによりも自然の法則に基づいて考える必要がある。男女・父母の特長を生かし、調和のある家庭を築くことが、必要なのである。
 親子、夫婦が調和した家庭を築くことのできている人は、自分の親が老い、弱った時、自分を含めて家族が協力して支えていける。逆の場合、自分自身が老い、弱った時に、さみしく、つらい思いをする。だが、親子関係が希薄になっていたり、ほぼ断絶に近い状態なっている家庭が少なくない。シルバー離婚が増えている。定年になった男性が、突然妻に離婚話を持ち出される。もらえる年金の時期、金額等を計算していたりする。晩年は、その人の人生の総決算となる。因果応報、善因善果、悪因悪果、行いはわが身に返ってくる。これからの日々の生き方が大切である。

●高齢化社会における生き方

 自分自身が高齢になると、心身の機能低下を感じ、生活に支障を感じたり、将来に不安を感じたりする。家族は、高齢者の世話や支援を行う必要に迫られ、家族のあり方や介護について考えるようになる。
 高齢化社会のあり方として、自助・互助・共助・公助が言われる。「自助」は、できる限り本人が自分で問題解決すること。それには限界があるり、家族や親族が自発的に助け合うのが「互助」。しかし、互助にも限界があり、地域社会の中で助け合いを行うのが「共助」。最後に、政府が主体となって最低限の支援を行うのが「公助」。
 自助・互助が基本。それによって、本人及び家族・親族の努力で対応できれば、理想的。だが、それだけでは無理な状況になった時に利用できるのが、介護保険制度。国家的な公助の制度でありながら、地域の助け合いである共助としての性格を持つ。
 高齢化社会を背景に、介護保険制度が平成12(2000)年にスタート。これまでの介護は家族、その中でも特に女性が支えている介護だったが、介護保険制度は社会的な仕組みとして取り組むもの。ただし、基本は自助・互助。本人及び家族のあり方が重要。
 介護保険制度は利用者自身が申請をし、介護サービスを選択し、介護サービス事業者と契約をかわす。上手に利用するためには、利用者自身が介護保険のしくみと内容を理解しておく必要がある。
 介護サービスを利用するためには、自分なり家族が市区町村の役所に申請しなければだめ。また要介護者であるかどうかを認定される必要がある。認定調査は訪問調査員が行い、その結果とかかりつけ医の作成する意見書を基にして、専門家による認定審査会で審査が行われる。
 医者の診断を受けて自分の健康状態を知り、健康に留意すること。安易に医療に頼らず、生活習慣に注意し、できるだけ自然な生き方をすること健康の維持・増進を図ることが、望ましい。
 介護認定は「要支援1~2」「要介護1~要介護5」の7段階がある。それぞれの段階に応じて、介護サービスを利用できる。利用料は、9割が保険で支給され、実費は1割負担が基本。サービスには、福祉用具貸与(1割助成)、福祉用具購入(9割助成)、短期入所介護(ショートステイ)、訪問入浴介護(巡回入浴車)、訪問介護(ホームペルパー派遣等)、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)等がある。支援を要する段階に応じたサービスが受けられる。サービスによっては負担額が異なる。所得の多い人は2割負担に、低い人は負担減が検討されている。
 60歳を過ぎたら、これからの自分の人生の目標を明確にすること。健康に天寿を全うすることを目標とすべし。そのために日々是新たなりという姿勢で生活し、人格完成の努力も怠らないようにしよう。家族は、本人に協力し、本人の目標達成に助力することを目標にしよう。高齢者を支えていくのは、家族の試練でもあり、家族の絆が試される。互いの思いやりと感謝の気持ちが大切である。(了)

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