ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

友愛を捨てて、日本に返れ31

2010-01-09 08:40:21 | 時事
●東アジアの現実を見よ(続)

(4) 民族分断国家の存在
 ヨーロッパでは、東西ドイツが統合され、異なるイデオロギーで民族が分断されていた国家が一つになった。東アジアでは、朝鮮民族は、第2次大戦後、正確に言えば朝鮮戦争後、二つの国家、二つの体制に分断されたまま、統一されていない。韓国と北朝鮮は、38度線で対峙しており、国連軍が駐留している。冷戦期の東西ドイツに似た民族分断国家が、わが国の最も近くに存在するのである。
 中国と台湾は、蒋介石が大陸から台湾に逃げ込んだのだから、民族分断国家とはいえない。しかし、中国と台湾は、政権の正統性を争っている。統一か独立かの緊張関係にある。中国が台湾を武力統一する可能性がある。わが国のシーレーンは、いつでも押さえられる危険にさらされている。

(5) 永住外国人の存在
 民族分断国家が今も存在し、地域の平和と安全に重大な脅威を与えているのが、東アジアであるが、そうした中で、わが国には、多数の在日韓国人・朝鮮人が在留している。約55万人いる。彼らは民族分断のままであり、しかもその一方の国は共産主義国、国際的な犯罪国家である。日本人を拉致して勾留し、今も被害者が日本に帰国できていない。わが国は、こういう分裂民族の居留民を、関西を中心として多数、抱えている。
 こういう例は、ヨーロッパにも英連邦諸国にも見出すことが出来ない。

(6) 経済発展段階の差が大きい
 ヨーロッパの場合は、諸国の経済的な差が小さいから、一体化しやすい。東ドイツはソ連圏でソ連に継ぐ工業国だった。東アジアは、経済の発展段階の差が大きい。特に北朝鮮は世界最貧国のレベル。中国と同じくソ連の共産主義から派生した国家であり、そのうえ、アジア的専制国家のような指導者の世襲制が敷かれている。独裁者の領導により、人権無視は甚だしく、餓死者300万人とも伝えられる。さらに、日本人・韓国人等の拉致、偽ドルの製造、麻薬の製造・密輸等の国家犯罪を行っている。
 ドイツ統一の際の西ドイツ・東ドイツの経済的な差は、朝鮮の南北の差より遥かに小さかった。それでも統一後の旧西ドイツ側の負担は大きかった。まして、朝鮮の場合、統一によって、韓国にどれだけの負担がかかるか分からない。またわが国は歴史問題を口実にして、多額の援助を要求される可能性がある。

(7) 安全保障の違い
 ヨーロッパには、NATOが存在し、地域集団安全保障体制が確立している。しかし、東アジアには、地域集団安全保障体制は存在しない。アメリカは日本、韓国、オーストラリア等と個々の安全保障条約を結んでおり、汎アジア的な体制を組んでいない。わが国にとっては、中国は核大国である上に、猛烈な軍拡を続けている。また北朝鮮は核開発を行い、日本やアメリカに向けた中距離ミサイルを開発・実験している。
 これと関連して、東アジアには領土問題が多数存在する。東シナ海の海底油田、尖閣諸島と大陸棚資源、南シナ海の海底油田、竹島、北方領土等である。それぞれ各国の利害が鋭く対立しており、ヨーロッパの事情とは大きく異なる。

 以上ヨーロッパと東アジアの違いを7点揚げたが、彼我の事情は大きく異なるのである。

 次回に続く。

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