8月1日、韓国・鬱陵島を視察する計画で、ソウルの金浦空港に降り立った自民党国会議員、新藤義孝氏、佐藤正久氏、稲田朋美氏の3名は、韓国政府によって入国を拒否された。3名は、自民党の「領土に関する特命委員会」の委員である。
韓国政府の鬱陵島視察拒否について3名の議員がそれぞれ意見を述べている。それを収集して掲載し、この問題についての参考に供したい。
●新藤義孝衆議院議員
新藤氏は、自身のサイトに掲載した「週刊新藤第226号 韓国・鬱陵島視察で起こったこと〜竹島問題の解決なくして真の日韓友好なし〜」に、次のように書いている。
「当日は朝 8 時55分の飛行機で羽田を出発し、11時過ぎに金浦空港に到着しました。空港に着くと韓国の入国管理事務所の担当者が私たちを別室に案内しました。
私たちはパスポート提出を要求され、そのチェックが行われました。約30分後、韓国側は唐突に「身体の安全が確保できないこと、及び、日韓関係に悪い影響を与えること、を理由にあなたたちの入国は認められない」と宣言したのです。
私たちはこの宣告を全く納得できませんでした。そもそも入国の目的や視察の内容等について何も尋ねられていなかったのです。このような一方的な措置が、適正な入国審査手続きすらなく行われることは、法治国家のすることではありません。
さらに、入国禁止の根拠となる法令を尋ねると、韓国出入国管理法第11条 1 項第 3 号であると返答がありました。しかし、この条文は「『韓国の利益や公共の安全を害する行為をする恐れがあると認めるに足りる相当の理由がある者』の入国を禁止することができる」というものです。
私たちはデモも集会も行わず、ただ視察に行くだけです。公共の安全を害する行為を行う恐れがあるのは、私たちに抗議する韓国人デモ隊の方です。
そしてデモを鎮圧し、治安を維持するのは韓国政府の役割です。暴力犯罪者やテロリストに適用する法律を、法解釈をねじ曲げて私たちに適用するのは道理が通りません」。
http://www.shindo.gr.jp/2011/08/226.php
●佐藤正久参議院議員
佐藤氏は、8月15日靖国神社で行われた第25回戦没者追悼中央国民集会で、大意、次のように語った。
「先日、私たちは、韓国・鬱陵島視察のため、韓国に渡りましたが、残念ながら金浦空港で入国拒否。ただ、韓国政府は自民党国会議員の行動に驚いたようでした。
なぜならば、これまでは歴史問題を出すと、日本政府は低姿勢で謝罪するのが当然のような感じがありましたが、今回は、韓国政府が入国を拒否すると言っても、自民党議員は堂々と金浦空港に降り立ったからです。これは今までにない日本人の行動として、韓国には衝撃だったようです。
その証拠に、韓国政府は、空港で我々の入国目的や行動予定を確認する余裕すらなかった。更には、入国禁止の根拠とする法規を示してほしいと言ったら、その文書すら準備をしていなかった。あれから2週間経った今でも韓国政府は、答えを返せていません。
更に、韓国メディアの中にも、騒ぎすぎだとの反省もあるようです。大騒ぎした結果、韓国国会の竹島開催も延期になった他、日韓間に竹島領土問題があることを国際社会に周知してしまった。更には関心がない日本国民の意識を呼び覚ましてしまったとも。
実際に、韓国から帰国後、今回の件で竹島問題の存在を知ったとのメールが届いたりしました。また日本青年会議所が日本の高校生約400人に国境の調査をしたところ、北方領土、竹島、尖閣の正解者はたった7人(約2%)との調査結果もあります。笑えない現実です。今、問われているのは韓国政府の対応ではなく、日本人の領土・主権意識です」
http://east.tegelog.jp/index.php?blogid=24&catid=164
●稲田朋美衆議院議員
稲田氏は、産経新聞平成23年8月18日の「正論」に次のように書いた。
「もとより、誰を入国させるかはその国の主権国家としての自由である。だが、友好国の国民代表の入国を拒否するのであれば、正当な法的根拠を示すのが民主主義・法治国家としての礼儀だろう。韓国政府が示した「テロリスト」条項の適用など到底納得できない。日本にも同様の条項があるが、それに基づき入国を拒否したのは過去1回だけで、あくまで最後の最後に使うと法務省は強調する。真の拒否理由は、私たちが竹島は日本固有の領土だと唱える政治家だという点にあったのだろう」
「日韓両国の正式な場で早急に、竹島問題の議論を開始しなければならない。そのために国会に竹島特別委員会を、内閣には竹島対策室を設けるべきである。ただし、話し合いでの解決は難しかろう。過去2回とも、韓国の反対で付託を果たせてはいないものの、国際司法裁判所にこの問題を提訴することも並行して試みるべきだ。
韓国による竹島の実効支配は、自民党政権下で領土防衛のための自衛権を行使しなかったことの帰結でもある。尖閣諸島の“竹島化”を何としても防ぐためには、断固、領土を守る意思と行動が不可欠だ。竹島、尖閣、北方領土の領有の正当性を、学校できちんと教育することも始めなければならない。これらの島の位置も理解されていないのでは話にならない。行動しなければ何事も始まらない。その行動はしかし、続けていかなければ意味がない。強い意思と毅然とした行動なくして領土を守ることはできないのである」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110818/plc11081802520004-n1.htm
●自民党は本気で出直せ
以前にも書いたが、あえて繰り返す。
今回の出来事は、わが国の政治の実態を、改めて浮き彫りにした。民主党政権は、韓国政府に抗議したが、形式的なもので、日韓の外交問題にしたくないという思惑が見て取れる。それ以上に際立ったのは、自民党内の統一のなさである。入国を拒否された自民党国会議員3名は、同党の「領土に関する特命委員会」の代表として訪韓する予定だったが、結局、国会議員3名は、特命委員会の代表としてではなく、個人として訪韓したという扱いにされた。自民党は、韓国の竹島実効支配強化に抗議し、民主党政権を「弱腰」と批判してきたのだから、現在の執行部は姿勢を改めるべきである。
多くの国民は、今回の代表選を通じても、民主党政権のあまりのひどさにあきれ、一日も早い政権交代を願っている。だが、最大野党の自民党がこういう体たらくでは、国民の願いは行き場がなくなってしまう。自民党は、再び政権を担える政党に再生できるよう、立党の精神に帰り、本気で出直しをしてもらいたい。
・拙稿「自民党は立党の精神に帰れ」
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion13e.htm
韓国政府の鬱陵島視察拒否について3名の議員がそれぞれ意見を述べている。それを収集して掲載し、この問題についての参考に供したい。
●新藤義孝衆議院議員
新藤氏は、自身のサイトに掲載した「週刊新藤第226号 韓国・鬱陵島視察で起こったこと〜竹島問題の解決なくして真の日韓友好なし〜」に、次のように書いている。
「当日は朝 8 時55分の飛行機で羽田を出発し、11時過ぎに金浦空港に到着しました。空港に着くと韓国の入国管理事務所の担当者が私たちを別室に案内しました。
私たちはパスポート提出を要求され、そのチェックが行われました。約30分後、韓国側は唐突に「身体の安全が確保できないこと、及び、日韓関係に悪い影響を与えること、を理由にあなたたちの入国は認められない」と宣言したのです。
私たちはこの宣告を全く納得できませんでした。そもそも入国の目的や視察の内容等について何も尋ねられていなかったのです。このような一方的な措置が、適正な入国審査手続きすらなく行われることは、法治国家のすることではありません。
さらに、入国禁止の根拠となる法令を尋ねると、韓国出入国管理法第11条 1 項第 3 号であると返答がありました。しかし、この条文は「『韓国の利益や公共の安全を害する行為をする恐れがあると認めるに足りる相当の理由がある者』の入国を禁止することができる」というものです。
私たちはデモも集会も行わず、ただ視察に行くだけです。公共の安全を害する行為を行う恐れがあるのは、私たちに抗議する韓国人デモ隊の方です。
そしてデモを鎮圧し、治安を維持するのは韓国政府の役割です。暴力犯罪者やテロリストに適用する法律を、法解釈をねじ曲げて私たちに適用するのは道理が通りません」。
http://www.shindo.gr.jp/2011/08/226.php
●佐藤正久参議院議員
佐藤氏は、8月15日靖国神社で行われた第25回戦没者追悼中央国民集会で、大意、次のように語った。
「先日、私たちは、韓国・鬱陵島視察のため、韓国に渡りましたが、残念ながら金浦空港で入国拒否。ただ、韓国政府は自民党国会議員の行動に驚いたようでした。
なぜならば、これまでは歴史問題を出すと、日本政府は低姿勢で謝罪するのが当然のような感じがありましたが、今回は、韓国政府が入国を拒否すると言っても、自民党議員は堂々と金浦空港に降り立ったからです。これは今までにない日本人の行動として、韓国には衝撃だったようです。
その証拠に、韓国政府は、空港で我々の入国目的や行動予定を確認する余裕すらなかった。更には、入国禁止の根拠とする法規を示してほしいと言ったら、その文書すら準備をしていなかった。あれから2週間経った今でも韓国政府は、答えを返せていません。
更に、韓国メディアの中にも、騒ぎすぎだとの反省もあるようです。大騒ぎした結果、韓国国会の竹島開催も延期になった他、日韓間に竹島領土問題があることを国際社会に周知してしまった。更には関心がない日本国民の意識を呼び覚ましてしまったとも。
実際に、韓国から帰国後、今回の件で竹島問題の存在を知ったとのメールが届いたりしました。また日本青年会議所が日本の高校生約400人に国境の調査をしたところ、北方領土、竹島、尖閣の正解者はたった7人(約2%)との調査結果もあります。笑えない現実です。今、問われているのは韓国政府の対応ではなく、日本人の領土・主権意識です」
http://east.tegelog.jp/index.php?blogid=24&catid=164
●稲田朋美衆議院議員
稲田氏は、産経新聞平成23年8月18日の「正論」に次のように書いた。
「もとより、誰を入国させるかはその国の主権国家としての自由である。だが、友好国の国民代表の入国を拒否するのであれば、正当な法的根拠を示すのが民主主義・法治国家としての礼儀だろう。韓国政府が示した「テロリスト」条項の適用など到底納得できない。日本にも同様の条項があるが、それに基づき入国を拒否したのは過去1回だけで、あくまで最後の最後に使うと法務省は強調する。真の拒否理由は、私たちが竹島は日本固有の領土だと唱える政治家だという点にあったのだろう」
「日韓両国の正式な場で早急に、竹島問題の議論を開始しなければならない。そのために国会に竹島特別委員会を、内閣には竹島対策室を設けるべきである。ただし、話し合いでの解決は難しかろう。過去2回とも、韓国の反対で付託を果たせてはいないものの、国際司法裁判所にこの問題を提訴することも並行して試みるべきだ。
韓国による竹島の実効支配は、自民党政権下で領土防衛のための自衛権を行使しなかったことの帰結でもある。尖閣諸島の“竹島化”を何としても防ぐためには、断固、領土を守る意思と行動が不可欠だ。竹島、尖閣、北方領土の領有の正当性を、学校できちんと教育することも始めなければならない。これらの島の位置も理解されていないのでは話にならない。行動しなければ何事も始まらない。その行動はしかし、続けていかなければ意味がない。強い意思と毅然とした行動なくして領土を守ることはできないのである」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110818/plc11081802520004-n1.htm
●自民党は本気で出直せ
以前にも書いたが、あえて繰り返す。
今回の出来事は、わが国の政治の実態を、改めて浮き彫りにした。民主党政権は、韓国政府に抗議したが、形式的なもので、日韓の外交問題にしたくないという思惑が見て取れる。それ以上に際立ったのは、自民党内の統一のなさである。入国を拒否された自民党国会議員3名は、同党の「領土に関する特命委員会」の代表として訪韓する予定だったが、結局、国会議員3名は、特命委員会の代表としてではなく、個人として訪韓したという扱いにされた。自民党は、韓国の竹島実効支配強化に抗議し、民主党政権を「弱腰」と批判してきたのだから、現在の執行部は姿勢を改めるべきである。
多くの国民は、今回の代表選を通じても、民主党政権のあまりのひどさにあきれ、一日も早い政権交代を願っている。だが、最大野党の自民党がこういう体たらくでは、国民の願いは行き場がなくなってしまう。自民党は、再び政権を担える政党に再生できるよう、立党の精神に帰り、本気で出直しをしてもらいたい。
・拙稿「自民党は立党の精神に帰れ」
http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion13e.htm
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