ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
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首都直下地震は「国家存亡に関わる」

2012-10-07 08:36:46 | 地震
 我が国は国内外の社会的諸課題に取り組むと共に、大規模自然災害、特に巨大地震への備えを着実に進める必要がある。今後、国家最高指導者に選ばれるべき政治家は、こうした諸課題への取り組みを強力に推進できる人物でなければならない。
 政府の中央防災会議の防災対策推進検討会議は、7月19日、首都直下地震に備え、当面取り組むべき課題などをまとめた作業部会の中間報告を公表した。
 報告は「首都直下地震は国家の存亡に関わるもの」とし、「東日本大震災を踏まえ、現行の対策を検証し、その充実・強化を図ることは喫緊の課題である」と述べている。その通りである。
 また、画期的なのは、首都圏が壊滅的な被害を受けた場合を想定し、緊急災害対策本部を置く代替拠点候補を具体的に挙げたことである。札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡の5政令都市がそれである。「首都直下Xデー」(藤井聡氏)に備え、首都機能のバックアップ体制を整えるという課題とともに、緊急災害対策本部の設置場所も早急に選定、準備されるべきである。
 緊急対策本部を設置する場合、誰が本部長職に就くかを決めておく必要がある。この点に関わってくるとして、私は、新憲法私案に非常事態条項を設けることを提案しているが、さらに、内閣総理大臣正副の代務者を定めることを提案している。総理代務者条項は、次の通りである。

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第九十九条 内閣総理大臣及び内閣総理副大臣にともに事故あるとき、または内閣総理大臣及び内閣総理副大臣がともに欠けたときは、以下の順位に従って、すみやかに代務者がその職務権限のすべてを代行する。
一 内閣官房長官
二 外務大臣
三 財務大臣
四 総務大臣
2 前項に定める代務者が代行を行えず、または政府が機能しない事態が生じた場合は、以下の順位に従って特別代務者が代行する。
一 東京都知事
二 大阪府知事
三 愛知県知事
3 前2項の第四位以下は、人口の多い府県の順に、その知事とする。
4 代務者または特別代務者は、その置くべき事由がやんだときは、すみやかにその職を退くものとする。

http://homepage2.nifty.com/khosokawa/opinion08h.htm
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 2項において、特別代務者として地方自治体の知事を挙げたのは、首都圏における非常事態を想定したものである。首都直下地震、外国によるテロやミサイル攻撃等を念頭に置いている。
 先の中央防災会議作業部会の提案は、単に緊急対策本部の設置場所の選定にとどまらず、国家非常事態対応体制の整備へと具体化されなければならない。その具体化を実現できる政治家が、国家最高指導者に求められている。
 以下は関連の報道記事。

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●産経新聞 平成24年7月19日

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120719/dst12071922140013-n1.htm
首都直下地震対策「国家の存亡に関わる」 中央防災会議、危機感あらわ
2012.7.19 22:13

 「首都直下地震は国家の存亡に関わるものであり、東日本大震災を踏まえ、現行の対策を検証し、その充実・強化を図ることは喫緊の課題である」
 中央防災会議の作業部会は、衝撃的ともいえる表現で、首都直下地震を迎え撃つ覚悟を国に求めた。
 大震災の発生で首都圏をのせた北米プレート(岩板)のバランスが崩れ、その影響とみられる誘発地震が首都圏を含む広範囲で頻発している。政府の地震調査委員会が「30年以内の発生確率は70%」としてきたマグニチュード(M)7級の首都直下地震の切迫性はさらに高まったと、多くの地震学者はみている。
 中央防災会議は平成17年に予防から応急対応、復旧・復興までの防災対策のマスタープランである「首都直下地震対策大綱」を策定している。今回の中間報告では、これまでの対策では十分でない分野を中心に、当面取り組むべき対策として「政府の業務継続」「帰宅困難者対策」「避難者対策」を挙げた。
 政府機能の代替拠点候補として、東京圏以外の都市が具体的に示されたのは今回が初めて。代替拠点の設定は、テロなどの地震以外の不測の事態に備える意味もあるといった議論も交わされたという。
 今冬までにまとめる被害想定の見直し結果は、従来の死者約1万人、経済被害112兆円を超える規模になるものとみられる。木造住宅密集地の火災対策をはじめ、中間報告で示された項目以外にも、緊急性を要する課題は多い。(中本哲也)

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120719/dst12071921140011-n1.htm
首都直下地震 大阪など5都市にも代替拠点を 中央防災会議中間報告
2012.7.19 21:14

 東日本大震災を教訓に地震防災対策の抜本的な見直しを進める中央防災会議の防災対策推進検討会議は19日、大震災後に切迫性が高まったと指摘される首都直下地震に備え、当面取り組むべき課題などをまとめた作業部会の中間報告を公表した。
 首都圏が壊滅的な被害を受けた場合などに緊急災害対策本部を置く代替拠点候補として、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡の5政令都市を挙げた。南海トラフの巨大地震についても津波対策の強化を柱とする作業部会の中間報告を公表した。
 政治、行政、経済の中枢機能が高度に集積した首都圏を襲う直下地震について作業部会(主査=増田寛也・野村総合研究所顧問)は「わが国の存亡に関わる」と、これまでにない強い表現で防災対策の充実、強化を急ぐよう求めた。
 中間報告では、政府全体の業務継続方針の策定を最重点課題とし、維持すべき必須機能として「内閣機能」「被災地への対応」「国民生活の基盤維持」「経済・金融の安定」「防衛機能・治安維持」「外交機能」を挙げた。
 官邸が被災した場合の緊急災害対策本部は現在、内閣府(中央合同庁舎5号館)、防衛省、立川広域防災基地(立川市)に設置されることになっているが、東京圏外の代替拠点は設定されていない。
 作業部会は「東京圏での政府機能継続が原則」としたうえで、首都圏の広範囲が壊滅的な被害を受けた場合などに備え、東京圏外にも代替拠点をあらかじめ設定し、順位を定めておく必要があるとし、候補として公共機関などの機能が集積した札幌など5政令都市を列挙した。
 作業部会は被害想定の見直し結果を受けて、来春までに対策の全体像をまとめる。
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・拙稿「『首都直下Xデー』に備えよ~藤井聡氏」
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/ffecf2106e0f1361d7a4a210b2d9edea

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