本年7月13日NHKテレビが「生前退位」のご意向という異例の放送をし、国民に衝撃を与えた。報道の仕方が不適切であり、また「生前退位」という誤った用語が使われた。正しくは、歴史的に使われてきた「譲位」の語を使うべきである。ところが、この用語が多くメディアが使い、学者・有識者にも広がって、定着しつつある。大変残念なことである。
「退位」は、王位を退くことであり、次に王位を譲るのか、王位を廃止するのかが含意されていない。亡命等で王位を捨てる場合や革命等によって王朝が廃絶になる場合に、多く使う。また、退位するのは、生きているうちだから、あえて「退位」の頭に「生前」をつけるのは、不自然である。そのうえ、「生前」は、一般に死後と対比し、天皇であれば崩御を連想させる言葉である。
それゆえ、「生前退位」は、まったく不適切な言葉である。歴史の教科書や歴史書は「譲位」を使ってきた。そういう確立された用語があるのに、あえて「生前退位」という言葉を創って、これを用いることには、隠された意図を感じる。もっと言えば、悪意である。
このたび10月20日に82歳になられた皇后陛下は、新聞の1面で「生前退位」という大きな活字を見た際、大きな衝撃を受けられたことをお述べになった。その理由として「歴史の書物の中でもこうした表現に接したことが一度もなかったので、一瞬驚きと共に痛みを覚えたのかもしれません」と自らの心情を明かしておられる。まことに御心痛のことであろう。
マスメディアが「生前退位」の語を使用する根拠は、国会で使用されたからだという。ある人の調べによると、国会で一番最初に「生前退位」を言葉を使ったのは、昭和58年で当時の社民連・江田五月氏だとのことである。政府が答弁で使ったのではなく、左翼の質問者が使ったものである。
マスメディアや学者・有識者は、誤った「生前退位」を止め、正しく「譲位」の語を用いるべきである。
「退位」は、王位を退くことであり、次に王位を譲るのか、王位を廃止するのかが含意されていない。亡命等で王位を捨てる場合や革命等によって王朝が廃絶になる場合に、多く使う。また、退位するのは、生きているうちだから、あえて「退位」の頭に「生前」をつけるのは、不自然である。そのうえ、「生前」は、一般に死後と対比し、天皇であれば崩御を連想させる言葉である。
それゆえ、「生前退位」は、まったく不適切な言葉である。歴史の教科書や歴史書は「譲位」を使ってきた。そういう確立された用語があるのに、あえて「生前退位」という言葉を創って、これを用いることには、隠された意図を感じる。もっと言えば、悪意である。
このたび10月20日に82歳になられた皇后陛下は、新聞の1面で「生前退位」という大きな活字を見た際、大きな衝撃を受けられたことをお述べになった。その理由として「歴史の書物の中でもこうした表現に接したことが一度もなかったので、一瞬驚きと共に痛みを覚えたのかもしれません」と自らの心情を明かしておられる。まことに御心痛のことであろう。
マスメディアが「生前退位」の語を使用する根拠は、国会で使用されたからだという。ある人の調べによると、国会で一番最初に「生前退位」を言葉を使ったのは、昭和58年で当時の社民連・江田五月氏だとのことである。政府が答弁で使ったのではなく、左翼の質問者が使ったものである。
マスメディアや学者・有識者は、誤った「生前退位」を止め、正しく「譲位」の語を用いるべきである。