ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

鳩山・小沢W辞任の党利党略

2010-06-03 17:40:02 | 時事
 ようやく鳩山首相が退陣した。小沢幹事長にも辞任を求め、W辞任となったのは、大方の予想外だったが、一気に国民の多数が望んだ結末となった。
 2日午前の鳩山首相の辞任表明は、自宅で生中継で見た。自らの政策については「国民が耳を傾けてくれない」と自分ではなく国民が悪いかのように言い、自分のカネの問題については、自分が「巻き込まれた」と言って知らぬ存ぜぬを通す。最後の最後まで、人格の低劣さをさらけだしていた。一見誠実そう、しかしどこまでも偽善者。こういう人間だからこそ、小沢一郎氏という政界の闇将軍と不離一体でやってこれたのだろう。
 鳩山氏は普天間基地の移設を現行案に近い形で決着をつけ、社民党が連立離脱となるや、自分が責任を取る形で辞任し、同時に小沢氏に辞任を求めることで、民主党のイメージ刷新を狙ったのだろう。支持率が急落している民主党は、参議院選挙が近づくなか、現状のままでは、惨敗する。選挙前に党首を替えることで、選挙を有利に戦おうとしたものだろう。しかし、このやり方は、まったく民主党の都合で政権を維持するための、党利党略の動きでしかない。
 現在、国会は会期中である。鳩山首相は会期中に辞め、わが国の首相の座を民主党の別の人物に譲ろうとしている。しかし、総理大臣は国民の負託を受けた人物でなければならない。本来は衆議院の解散総選挙を行い、国民に信を問うべき事柄である。政権与党の内部で代表を選び、国会議員の投票だけで首相が交代するのは、望ましくない。
 また、首相が辞任してわずか2日後に党の代表選をするとは、いかにも無責任である。民主党の新代表は、事実上次の総理大臣である。その総理大臣となるべき人物がどういう理念、政策を持っているのか、国民に知らされないまま、首相が替わるのは、自民党時代に野党から批判された政権のたらい回しと同じである。
 参議院選挙は7月11日にしなければならないことはない。任期的には選挙の実施は8月初めまで可能である。国会会期を延長して、国民に分かる仕方で選出を行うべきである。そのような公明正大な選出をしないということは、早くもポスト鳩山の民主党はクリーンな政党ではなく、汚れた手法を使う政党であることを暴露している。

以下は報道のクリップ。

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●読売新聞 平成22年6月3日

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100603-OYT1T00384.htm
言わざる小沢氏、代表選対応に民主内ピリピリ

 鳩山首相(民主党代表)に代わる新代表選びが進む民主党内では、小沢幹事長の動向に注目が集まっている。
 小沢氏を支持する議員は150人前後で、党内の4割近くを占めている。代表選では、小沢氏のグループからは候補者を出さないものの、一致した行動を取る構えで、小沢氏が推す人物が新代表に就任するとの見方も出ている。
 小沢氏は代表選について、公には一切考えを示していない。2日に記者団に対応を聞かれた際も「そういう質問に答える立場ではない」と言及を避けた。側近議員は3日、「出馬表明した菅副総理が、今後の人事や政権運営で小沢氏を頼るつもりなのか、あるいは距離を置こうとするのかで、我々の対応も異なる」と解説した。小沢グループは、3日夕方からの議員グループの会合で対応を決める方針だ。
 一方、民主党内では、小沢氏の幹事長辞任を契機に、小沢氏の影響力の排除を目指す動きも出ている。
 岡田外相は3日午前、菅氏に支持を伝える際、〈1〉権力の二重構造排除〈2〉政治とカネの問題で失われた民主党らしさを取り戻す――の2点を掲げ、政治資金規正法違反事件を抱え、党運営に強い権限を握っていた小沢氏をけん制した。(略)
(2010年6月3日14時22分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20100602-570753/news/20100603-OYT1T00548.htm
菅氏を岡田氏・前原氏が支持、樽床氏も出馬表明

鳩山首相の退陣表明を受けた民主党代表選は、4日の投開票に向けて、党内各グループが準備を本格化させた。
 菅直人副総理・財務相(63)は3日夕にも立候補表明の記者会見を行う方針で、前原国土交通相や岡田外相、野田佳彦財務副大臣が相次いで菅氏支持を表明し、菅氏への支持が広がっている。
 中堅・若手の支持を受ける樽床伸二衆院環境委員長(50)も同日昼、出馬する意向を表明した。(略)
 菅氏は3日午前、国会内で岡田外相に会い、代表選での支援を要請した。
 岡田氏は菅氏との会談後、記者団に「権力の二重構造は好ましくないことと、政治とカネの問題で民主党らしさを取り戻す必要があると伝え、条件が満たされると理解し、菅氏を支持する」と述べた。党運営から小沢幹事長の影響力を排除するよう求めたものとみられる。
 菅氏はこの後、羽田元首相らに面会した。菅氏は小沢氏にも協力を求めることを検討しているが、岡田氏や枝野行政刷新相ら菅氏支持の有力議員が「小沢氏の影響力排除」を求めており、小沢氏への対応が焦点となる。
 前原グループと野田グループも3日、それぞれ都内で会合を開き、菅氏を支持する方針を決めた。(略)
 党内最大勢力である小沢グループ(約150人)は、独自候補を擁立しない方針だが、「フレッシュな顔が望ましい」との声がある一方、菅氏を推すべきだとの意見も出ている。(略)
(2010年6月3日13時38分 読売新聞)
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