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「あずみ」

 

 映画「あずみ2」をDVDで見ました。まあ、面白かったかな。主演の上戸彩さん、若いのに、よく頑張ったな、と思いました。上戸彩さん、おおっ、けっこう色っぽいな、と思うシーンもありました。ん、色っぽくて、良かった。映画「あずみ」の初めの方、Vol.1の方ですね、こっちは途中までしか見てません。映画1の方は、原作漫画通りにストーリーが進んで、僕は原作漫画を、雑誌連載やコミックスで映画1で描かれるストーリー部分はあらかた知っているので、お話的に面白くなく、途中というか半分以上見て何となく止めてしまった。話の筋が解ってしまえば、後はたいして魅力のない映画だったのかも知れない。こういう事言うの、製作者側に対してとても失礼ですけど。主演ヒロイン、上戸彩の演技も、1を終えて要領を得、2の方は1で演じた経験がモノをいい、滑らかにうまかったのでしょうね。少女タレント上戸彩の、少女剣客あずみ役の、演技がなかなか迫力があった。凄みもそれなりに体現していた、と思います。すごいぞ、上戸彩、ただの美少女タレントとは訳が違うぞ。

Azumi2  漫画「あずみ」も今や何巻まで行っているのだろう?35巻は過ぎてます。新刊は38巻くらいまで行くのかな。何でも累計販売数は1千万部を越えてるそうです。これもすごい大人気時代劇画ですねえ。ビッグコミックスペリオールに連載。もうかなりの年月になる長期連載を続ける大長編時代活劇コミックです。僕は初めの方から、雑誌連載とコミックスで読んで、コミックスではだいたい15巻あたりまでは読んでいます。その後はほとんど読んでません。後は時折、雑誌連載を見掛ける程度のもので、もうお話は最初の頃とは全く違うエピソードで進んでいます。まあ、作品を貫くテーマと作風は同じでしょうけど。漫画「あずみ」は第1回メディア文化庁芸術祭漫画部門優秀賞受賞、98年第43回小学館漫画賞受賞。ええ~と、94年からの雑誌連載ですねえ。足掛け、12年の長期連載の大長編。

 あずみは刺客です。忍者みたいな暗殺者。戦乱の世の孤児。家康の参謀的立場の天海の命で、家康の立てて間もない徳川幕府を守るべく、反乱者の始末の為に、刺客団を育成する小幡月斎。月斎に拾われた孤児あずみは仲間と共に、刺客の英才教育で、天才的暗殺者と育つ。美少女天才刺客あずみ。仲間と共に、徳川の敵側残党の首魁狩りに向かい、敵との戦いに明け暮れる。やがて仲間は全て死に、あずみは使命を全うして、あずみのみ生き残る。あらかた残党反乱者の首魁狩りが終わった後も、新たな暗殺の使命が…。というようなお話ですね。戦乱の世から徳川安定政権が太平の世を築くまでの不安定な世の中が時代設定されており、その時代で不満を抱える武士達の反乱の策謀があり、大局的見地からは悪人となる敵サイドの武士達も、個人的には善人である場合も多く、それを始末せねばならぬ人間あずみの苦悩なども描かれている。歴史の過渡期の不安定な1ブロックの時代をリアルに描き出し、人間あずみの成長と苦悩を克明に描く、忍者味いっぱいの時代活劇漫画です。

B0009y290g09  あずみには、敵サイドに忍者軍も出てきますが、荒唐無稽なドロンパ忍術ではなく、運動能力が超人的な、ありそうな忍術です。あずみ自身も超人的運動能力の剣客です。決して、スーパー超能力者みたいな忍者は出て来ません。剣客同士の戦いで、描写に時に残酷な場面も描いていますけど、だからリアル味が強くて、歴史時代劇として面白いです。映画「あずみ2」の方は、原作漫画に忠実なストーリーではなく、だいぶアレンジ脚色してるんじゃないですかね。そういう気がします。原作ストーリーとは違う。映画の方は、栗山千明さんが敵側の美少女刺客としてイイ味出してましたねえ。スパイ役みたいな。時代劇の忍者だと草って呼ばれる役目ですね。キルビルのゴーゴー夕張の役といい、あの目付き、怪しい役柄には似合いますよねえ、彼女。

 原作劇画「あずみ」の作者、小山ゆうさんは、さいとうたかをプロダクションに居たんですねえ。その後、小池一夫さんのスタジオシップに行っている。独立デビューが1973年「おれは直角」。その後、「がんばれ元気」が大ヒット。懐かしいなあ、全部、少年サンデーですねえ。その後の、武田鉄矢原作の「おーい竜馬」もサンデー連載でしょう。「おーい竜馬」は原作付きだけど、だいたいオリジナルストーリーが多いですね。「あずみ」なんてすごいストーリーテラーの鬼才ですよねえ。ストーリー展開も絵も、素晴らしい。だいたい小学館の漫画誌が活躍の場ですね。漫画家小山ゆうは、現在漫画界の今や巨匠、傑作物語を編み出す、鬼才アーチストの一人です。

 さて、あずみちゃんと言えば、職業殺し屋さんです。ここからは、職とか仕事関係の話。


 前回の話の続きになりますが、アメリカ経済の隆盛というのは、その年に、中小企業がいかに多く立ち上げられて、また消えて行っているかということに、現れているんだそうです。大企業というものはどの国でも、なかなか潰れないし、また誰もが潰さないようにするでしょう。けれども小さな会社は立ち上げても、すぐに止めちゃったっていい。リスクは小さい。泡沫企業と呼べば、悪く聞こえるけど、誰かがアイデアを出して、それがお金を稼ぎ出せると踏んだら、すぐに会社を設立する。波に乗っている間は良く、稼げるのももうこの辺りまでかな、と見切ったら、さっさとたたんでしまう。そしてまた新たなアイデアを立てる。これを繰り返して行く。そういう考えで企業経営して行ってもいいんじゃないかな、と。経済のど素人の僕がこういうことを言うのも何なのですけど。アメリカのアップルだって、グーグルだって、一人二人の技術者が始めたものですよ。日本の今の大企業も、一番最初は一つのアイデアを元に、二、三人から始めたものも多い。例えば、古くは松下電器産業などもいっとう最初はそうですし、例はもっといっぱいあります。だから今の人たちも、リスクを恐れずに、もう最初から儲けたら潮時を見て潰すつもりで会社を立てたらいいんじゃないかと。そうして小さな会社をいっぱい立てては閉めてしてたら、日本経済ももっと活気が出て来るんじゃないかと。今の若い人には頭の良い人達も多いのだから。たくさんアイデアを出して、経済を活発にする。同じ経済参加なら、ホント、パソコンの前に日がな一日座り続けて、何やってるのかも知らない会社の株の上がり下がりを見ているよりも、アイデアを出して実現する方が面白いし、本当に日本経済の活況のためにもなる。まあ、僕は経済のど素人だからエラそうには断言出来ないけど、そう思います。立てた会社を我が子のように思い、守り、大きくして自分の子供に継がせる、なんて思いは捨てる。一つのアイデアから立てた会社も、潮時が見えたら、頑張って粘ったりせずにいさぎよく捨てる。また新たなアイデアを立案して経済へと繋いで行く。まあ、それはよっぽど大きな規模で、何十年も掛けて行うようなプロジェクトの会社なら別ですけど。昔ながらの、物を作り出す生産企業とかは、当然長いスタンスでやらねばいけないし、規模は大きくなるし、ある程度の多額の資本金もいるでしょう。当然、企業の種別によっては、例外もいっぱいありますけどね。僕の言うのは、ベンチャー企業のような、もっと小規模でもいい、ワンアイデア、ワン会社みたいなものが沢山生まれることをイメージしてです。って僕は経済知らないど素人なんですけど。まあ、単純に自分がそうイメージした事でして。

434401144901  どうしてこんなことを考えたのかというと、作家の村上龍さんが最近上梓された作品に、「盾 -シールド-」という童話なのか、絵本がありまして、この内容が、現在の子供達に、これからの自分の人生を生きて行くことを考えさせるという、内容の本だからです。この童話物語の中で村上龍さんの言うシールドとは、ズバリ、人が生きて行く上で、自分の寄る力ですね。村上さんが説明する、シールドとは、人間である自分の弱い精神を守るもの、なんだそうです。現在の日本では、毎年3万人もの自殺者が出ているのだという。長く勤めて来た会社を、突然リストラされて、途方に暮れて、自殺してしまう人達。これを受けて、村上龍は、生きて行く上でのシールドというものを考えた。昔は大企業に就職すれば、一生安泰であり、年功序列で昇進して行き、組合も守ってくれた。だが今や銀行も証券会社も潰れる時代である。大企業に居ても経営状況により、突然クビを切られる、という時代になった。大企業就職が完璧なシールドとはならなくなった。会社をリストラされて、自分の弱いトコロがむき出しになった時に、どうするのか?会社がシールドでは、ここで終わってしまう。では、社会に出る前に個人が準備しなければならないシールドとは、果たして何なのか?子供時分にそれをしっかり考えておかなければならない。ここから、僕は上記に書いた、誰でも小さな会社設立うんぬんを考えたのですね。つまり、会社なんて何時クビになるか、何時潰れるか解らない、不安定なものだ。だったら、そこで上から言われたことだけやって安泰を信じて生きるよりは、アイデアが浮かぶならば、自分のアイデアを実現化して行くことを頑張る方が、よっぽどいいんじゃないか、とこう思った訳でして。でも常にアイデアが浮かぶように自分を磨いとかないといけませんけど。「人は考える力が身に着けば、一生食べて行ける」というタイトルの本がありました(内容は読んでないけど)。その通りだと思います。子供の頃から、考える力を養わないといけない。

 

 この間のTV放送のNHKの番組で、作家村上龍がゲスト出演していて、この新作「盾 -シールド-」の話をしていた。二人の主人公の子供から大人への成長、老年への年を重ねる人生を描くことで、一生を生き抜いて行く上で必要な『シールド』というものを解説している。この童話の趣旨、大筋はこうですね。シールドとは、人によってそれぞれみんな違うものなんだ、親の財産、学歴、自身が持つさまざまな技術、社交能力、大企業への就職等等。しかし、今の時代、大企業への就職はあてにならない。財産もやがてはなくなるし、絶対のものではない。あとは、スポーツマンの身に着けた運動能力の技術。職業技術。アイデアを考え出し続ける頭脳。対人関係をうまくこなして行く技術。つまり、自分自身が努力して自身のものとした力。こういったシールドというものを考えようという本らしい。

 
 ニートで、親の金で食べている若者は、シールドが両親でしょう。人はみんな弱い。心の核には柔らかくて弱いものを、みんな持っている。それを包んで守っているのがシールドである。と、作者村上龍は言い、では皆さん、もう子供の時からそれをしっかり考えて行きましょうね、と提案しているのでしょう。あなたは、シールドを何で作りますか?と。

434400429909  前作「13歳のハローワーク」も童話・絵本形式であり、内容の趣旨も、この新作に繋がるようなものですよね。子供は、塾に通い、良い学校に入り、良い大学を出て、良い会社に入りなさい。それでいいのです。という時代では、今やもうない。漠然と名門大学、大企業を目指す時代はもう終わったのだと。もう13歳にもなったら、社会に出て、社会の中で如何に生きて行くかを具体的に、もっと真剣に考えなさい、ということを語った本なのだと思います。語っている趣旨がちょっと「シールド」に似てますよね。村上龍さんの友人だという音楽家坂本龍一さんの推薦文には、この本に出会う子供と出会わない子供では、大きく違う。この本に出会う子供は幸せだ、というようなことを書いています。自分で、大人になって社会でどう生きるかをもう13歳の年齢で真剣に考える。大学生になっても、ぼおーっと4年間を漠然と過ごす若者が圧倒的に多い中、これからの多分、もっともっと厳しくなる社会で行きぬくために、少年少女の時代から将来というものをリアルにシリアスに考えておく。社会に出るまでに準備しなければならないシールドのことまでも。と、いうものですね。

 でも、ホント、『シールド』とは、難しい大きな問題ですよ。お父さんの、家庭がうまく行っていたら、お父さんの持つ家庭の中に、愛情というものがあれば、妻子というものがシールドになるのかも知れません。自らが妻子のシールドになっているようで、実は家庭が自分に取ってのシールドであった、と。お父さんが、突然リストラされて退職になると妻に告げたら、女房が離縁して出て行く家庭では、無論シールドにはならないでしょう。僕が昔々若かった時分、就職して配属になった部所に、強気で言いたい事をがんがん言う恐い先輩が居たが、後にこの人が自殺未遂をしたという話を聞き、驚きました。全く弱さの見えない先輩だったのに。解らないものです。武道の先生で、武道の腕は無敵だったが、一般企業で営業の職に就き、仕事がうまく行かず悩み続けて退職された若い時分の体験を持つ、という方だっている。スポーツ選手がその手足を事故や怪我で痛めて、復帰出来なくなった時、どうするのか。誰しもが心の奥には弱くて脆いものを隠し持っている。村上龍が提示して来たこれは、現代人みんなが考える大きな人生の問題なのかも知れませんね。やはり、あなたのシールドは何ですか?ですね。

 日本の大企業だって、何時外資が経営者になるやも知れない。自分の勤める会社が何時潰れるかも、経営不振で、自分が何時リストラに合うやも解らない。海外では、資源も労働力も圧倒的にある中国やインドが大国として伸びている。日本が作れるものは、もう全部中国が作れる。日本経済には脅威ですよ。全く資源のない日本で、少子高齢化で若い労働力がない。アメリカ形経済を追う日本の格差社会はますますひどくなる。これからまた貧乏人がどんどん増えて行くのかも。ああ~、こんなコトばかり考えていると暗くなるなあ~。しかし、今、親のお金でニートやってる人はチャンスですよ。きちんと仕事に就いてしまったら、なかなか個人の能力を向上するなんて難しいもの。仕事仕事で明け暮れ、睡眠時間でも削らないと自分のスキルを上達させる時間がない。親から生活費見て貰えるなら、ニートの人には時間がたっぷりある。この余りある時間に何か技術を身に着けるようにしなくちゃ。良いよなあ~、リッチなニート。


 こんな事柄、書くつもりじゃなかったが、重たい社会の問題を長々綴ってしまった。まるで経済のことなど知らぬのに、会社をどんどん立てて経済を活発化せよ、などと他人事でいい加減なことばかり書いて来て。みなさん、どうもすンません(無責任な事ばかし書き連ねて済みません)。えらいとりとめない、暗く重たい事柄ばっかしになって。まあ、悩んで暗い気持ちになってばかりも、仕様がないんで、とにかく、みなさんも明日に希望を抱いて、頑張って生きて行ってください。僕も、頑張らねば。

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