60~90年代名作漫画(昭和漫画主体・ごくタマに新しい漫画)の紹介と感想。懐古・郷愁。自史。映画・小説・ポピュラー音楽。
Kenの漫画読み日記。
●漫画・・ 「男どアホウ甲子園」 ..(1)
兵庫県西宮市の阪神甲子園球場建設の際に労務者として携わり、球場運営後もグランド整備員として甲子園球場で働く、マジのトラキチ=熱狂的阪神タイガースファンのお爺さんに命名されたその孫、藤村甲子園は中学生時代から火の玉ストレートが冴える豪速球投手として少年野球界で名前を知られていた。
中学三年卒業間近の紅白戦でまさかの乱闘騒ぎを起こして、その突出した野球の才能で高校野球の名門校に推薦入学が決まっていたのに、進学取り消しとなった藤村甲子園は野球の才能に比べてメチャメチャ学業成績が悪く、周辺で成績的に入学できる学校はDQN 高校の南波高校しかなかった。
南波高校に入学したもののまともに野球ができる環境がなく、廃部寸前の南波野球部は練習などせずに高校生が博打に明け暮れているていたらく。高校野球を続けて行こうなんて部員は誰も居らず、学校内では学生右翼組織と番長連合が抗争を続けている始末。
南波高校の学生右翼組織を率いるのは、実家が極道=いわゆる暴力団·丹波組という、そこの三代目で剣の達人、見た目は片眼·片腕のモロ丹下左膳、丹波左文字。片や番長連合を率いるのは、かつて東海地方の不良学生を征服したという“東海の竜”の異名を取る、番長連合を組織して南波高校を支配せんとする不良学生、空手の達人·神島竜矢。通称“どクサレ野球部”の主将、大熊牛吉も不良の番長然としているが、丹波左文字や神島竜矢に比べれば小物感が半端ない。
藤村甲子園は南波高校の野球部再建に情熱を傾け尽力する。南波高校内を正に東奔西走する如く部員集めに努め、藤村甲子園の新野球部に何人かの生徒が集まって来る。その中に藤村甲子園の野球に懸けるひた向きな情熱や行動力に惚れて、一途な愛を傾ける“美少女”こと千曲ちあきなども居た。荒れ放題のDQN 高校に似合わない、ピアノを嗜む超秀才の結城翼は、学生右翼組織と番長連合に対抗して南波高校全共闘を結成する。
南波高校は学生右翼組織と番長連合と全共闘が三つ巴で、南波高校の覇権を握らんと今正に暴力決着で学園内の大乱闘が始まらんとしていた。
何が何でも南波高校に新野球部を作り上げたい藤村甲子園は、右翼組織、番長連合、全共闘の三派に野球の試合で勝負を着けることを持ち掛ける。かくして藤村甲子園以外は野球に縁のないような連中ばかりで三派·四派入り乱れて野球合戦を行う。
野球に縁のない高校生ばかりって、藤村甲子園の超高校級の豪速球を受け止める、女房役の岩風五郎が居るんですね。岩風五郎、通称“マメタン”は高校野球通じて、大学野球でもプロに入ってからも藤村甲子園の女房役でキャッチャーを務める。藤村甲子園のピッチングが始まるときの合言葉は「行くでぇ、マメタン!」「はいな、あんさん!」。岩風五郎は藤村甲子園のことを「ウチの人」と呼んでいた。
で結局、南波高校内での野球勝負で藤村甲子園のチームが勝ち、丹波左文字も神島竜矢も不承不承ながらも南波高校新野球部に所属することになる。藤村甲子園と岩風五郎以外は初めて野球をやるようなメンバーが人数ギリギリでチームを作り、甲子園を目指して高校野球の地区大会から戦って行く。
少年サンデー誌上で「男どアホウ甲子園」が始まったときの印象は強烈で、南波高校という荒れた学校、イメージ的にはいわゆるヤンキー校というかDQN校というか、多分偏差値も低いB級C級の高等学校ですね、そんな怖い荒くれ高校に入学して、そこの“ど腐れ野球部”が練習しないで部室で博打やってるようなひど過ぎる野球部で、そのときの野球部キャプテンからして不良の親玉感ハンパない怖い番長イメージで、とんでもない学校に入学してしまった主人公・甲子園がこの先いったいどうなるのか?果たして野球ができるのか?と、何かワクワク感いっぱいの面白さで、「男どアホウ甲子園」が始まった当初は連載の続きを毎週毎週楽しみにしていました。
僕が高一の一年間はサンデー読んでないんで、この間は「男どアホウ甲子園」の内容も全く解らず、高二の一年間はまたサンデー読んだんで「男どアホウ甲子園」も連載リアルタイムで読んでますが、この一年間の間違いなく読んでた内容は、実はあんまり記憶してないんですね。確かにサンデー誌上で読んでるのは解ってるけど、この間の「男どアホウ甲子園」のお話内容はほとんど記憶に残ってない。ここの一年間のストーリーは野球の試合ばっかりで僕自身があんまり面白いと思わなかったのかな。
子供の頃から少年時代、僕はそれほど野球漫画好きという訳でもなかったし、野球漫画は子供の頃の「黒い秘密兵器」とか「泥んこエース」みたいな不思議な魔球が出て来る漫画は好きだったんだけど、水島新司先生の野球漫画ってリアリティーが強いじゃないですか。当然不可思議な魔球とか出て来ないし、漫画だから誇張はあっても実際ありそうなリアルさで描かれている。魔球の出て来る「巨人の星」よか水島新司·野球漫画の方がリアルですね。また心身ともに野球大好きな水島新司さんはあらゆる面で野球にメチャメチャ詳しく、漫画で表現してもリアリティー重視な描き方をする。
作画が水島新司先生ですが、原作担当を佐々木守さんがやっている「男どアホウ甲子園」の物語も、先では“魔球”も出て来ます。藤村甲子園は物語ずっと火の玉ストレートの剛速球で押して行きますが、物語も先では藤村甲子園も変化球を投げる。
「男どアホウ甲子園」が小学館の週刊少年サンデーに連載されていたのは、1970年の第8号から75年の第9号までの満五年間の長期連載です。「男どアホウ甲子園」の主人公、藤村甲子園の高校入学から始まり、その後何と東大に入って六大学野球、その後プロ野球の阪神タイガースに入団してプロ野球・セリーグで活躍する。野球大河ドラマみたいなものですね。僕がサンデー誌上で始めて「男どアホウ甲子園」を読んだのは14歳・中二ですね。そこから中三いっぱいくらいまで読んで、高一の間はサンデー読んでなくて、サンデーは高二の約一年間読んだ。雑誌連載の「男どアホウ甲子園」を読んだのは73年3月までですね。
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