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「黒い秘密兵器」

 

bennie01 Bennie Kの「Sky」というCDに一緒に付いているDVDの中に、「Dreamland」のプロモーションビデオが入っており、この流れる画像の中で、歌詞に合わせて二人がファーストフードショップの店員姿でいて、特にユキちゃんが店内で箒を持って踊るシーン、これは前々からTVの歌番組の曲紹介の画面に流れていた絵で、僕はこれがお気に入りで好きで、TVの数秒でなくじっくり見たいなあー、と思っていたので、この付録DVDでこの真っ赤な、BennieBurgerの店員服のコスプレ姿で、箒の柄をマイクに見立てて歌い踊るユキちゃんが、じっくり見れて嬉しい。でも、あんまし、今度の新曲、新曲ったって発売からもう一ヶ月は経ってるのだけど、この「Sky」はそれ程お気に入りの曲じゃないです。相変わらずボーカル、ユキの声量あり、のびのある美しい歌声は良いですけども。やっぱ「ドリームランド」はメチャ良い曲だった。その前の「サンライズ」も「オアシス」もかなりGoodな歌だったけど。

 

 
 ロッテが日本一になりました。森永、明治を制して、チョコの味、日本一。って違う違う。ガムの販売量でもありません。プロ野球日本一は文句なく千葉ロッテ。阪神球団もこのシリーズばかりはダメ虎、全くイイトコ無し。完勝マリーンズ無傷4勝。球団ロッテは実に31年ぶりの優勝。ボビーバレンタイン監督、宙に舞う。長いペナントでこのロッテを制したソフトバンクはもっと強い。


 アメリカ人監督、ボビーバレンタインはよくベンチで唾を吐いていますが、ひっきりなしのようにいつも吐いていますし、他にもベンチで唾吐く選手は多いでしょうが、あのベンチの唾液臭がとても気になります。床が地面ならいいけど、コンクリートだと唾が溜まって汚いし、量も多そうだし、ひどい臭いなんじゃないか?って、心配になります。毎試合後は必ず清掃の方達は水を流して掃除しているんでしょうか。ファン心理として、ひいきの選手が吐いた唾の臭いをかいでみたいという気持ちははたらくんでしょうか?見ていていろんな事を考えさせられた今回のシリーズでした。っておい、試合は見てるのか!って話になります。けど、ロッテの選手はカッコイイ人達、多いですよね。何か、けっこう好きになりました、ロッテの選手達。MVP今江とかワイルドな好青年そうでイイっ。阪神はペナント、あれだけ強かったのになあ…。野球はわからんもんじゃの。

 何でも、元ダイエーホークス井口の居る米メジャーの球団、ホワイトソックスが実に88年ぶり?83ぶり?(とにかく80年以上ぶり)でワールドシリーズ優勝したらしい。ホワイトソックスもワールドシリーズ無傷の4たてですよね。井口は世界一球団の内野手です。すごいや!日本人メジャープレイヤー井口。ダイエー時代の井口は、僕にはとてもハンサムボーイに見えて好きでした(僕はホモじゃないですけど)。バレンタイン監督はひまわりの種を噛んでいるのらしい。ベンチで。ひまわりの種ってハムスターとかが食べるもんだと思っていたが、人間も噛んだりしてるんだ!?リスとかも食べるのかな?阪神の合言葉は「二年前の忘れ物を取りに行く」だったらしいけど、31年間も忘れ続けていた物を取りに行ったロッテに、女神様は勝利の投げキッスをくれたんですねえ。大阪人は早くこの悪夢を忘れ去りたいだろうなあ。あの後、暴動が起きないか心配だったけど、何事も無くて良かった。


 僕は今はあんまり野球には、それ程の興味はないなあ、何か。特に今年なんて。去年くらいからあまり興味ない、何故かよくわかんないけど。昔は大の西武ファンでした。石毛、清原、秋山、工藤の時代。今の西武は全然好きでない。セ・リーグだと、大アンチ巨人の僕はヤクルト、阪神あたりかなあ。今年は巨人がひどい弱かったから嬉しかったです。ジャイアンツファンの皆様には御免なさいですが。

 と、Bennie Kと野球の話で来たので、ベニーケイの名前の由来が、ベンEキングと弁慶と牛若丸から来ているという事と、野球の話で、弁慶が野球をするというとっぴな話の漫画が、昔々ありました。古城武司さんの漫画で「弁慶選手」。1969年の少年画報掲載。これ、多分、子供時の僕は読んでいると思うんだけども、内容とかは全く憶えてません。800年の時を経て、あの弁慶が現代の東京によみがえり、現代スポーツに挑戦する。という漫画です。原作は今日泊亜蘭さん、って多分当時の大衆小説作家。SF?でも、「弁慶選手」はまるで覚えてないから何もエピソードとか作品解説とか書けねえよなあ。この漫画、本当に弁慶が野球やったのか?も知りません、済みませんです。

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 という訳で、「弁慶選手」はよして、他の野球漫画。やっぱ古いの。またまたワシお得意の古い古い漫画で行きます。もう、漫画は何といっても60年代コミックです。ワシにとっては。そこでまたまた懐漫の、野球漫画。「黒い秘密兵器」。タイトルに兵器とあっても戦争コミックではありません。巨人軍の野球漫画で、主人公はジャイアンツの秘密兵器ピッチャー。主人公、椿林太郎は伊賀忍者の末裔で、超人的な体力を持ち、その人間離れした腕力で次々と編み出す驚きの魔球を投げる。魔球だけ見てたら、もうSF漫画。敵のセ・リーグ他球団打者達も常人離れした怪選手ばかり。阪神にはV打法を使う外人選手エアロンがいました。魔球もピカーッてものすごく光るのから、もくもくあがる黒煙の中をボールが大きな幻のようになって飛んで来るの、打者にものすごいとんでもない恐怖感を与えるの、白いの黒いの何個か一緒に飛んで来るの、もういろいろ。その魔球ひとつひとつをどうしてボールがそんなふうになるのかを、もっともらしく解説しているのだからすごい。なるかーっ!と怒ってはいけない。児童漫画なのだから。ま、当時の荒唐無稽、子供向け熱血スポーツ漫画です。

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 魔球コミック「黒い秘密兵器」は、一峰大ニさんの作画、原作は福本和也さんで、「8(エイト)マン」と同時期の60年代週刊少年マガジン誌上で大人気だった漫画です。一峰大ニさんは当時、SFヒーロー漫画では桑田次郎さんと人気を二分する少年達の大人気漫画家で、「ナショナルキッド」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「スペクトルマン」「キングコング」等等たくさんのTVや映画の特撮ヒーローもののコミカライズ作品が多く、50年代後半から80年代前半あたりまで、少年達に夢と希望を与えるヒーロー漫画をいっぱい描いて来た往年の巨匠です。「黒い秘密兵器」の魔球は、タイトルから取って、全て「秘球」と名付けられてました。


 漫画「黒い秘密兵器」は数年前に秋田書店サンデーコミックスで全8巻、復刻版で発刊されているので、まだ普通に本屋さんで買えるのかも。本棚に無ければ注文とかで。どうだろ?

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「ワル -最終章-」

 ついに、ワルが死んでしまって、完結してしまいました。って言っても、知らない人は知らないだろうから、何の事やらさっぱり解らないでしょう。実に、35年経っての堂々完結です。僕には少年時代熱狂した漫画の一つであるし、僕も大人になってひと頃は武道オタクだった時期があるし、一時期はかなり間が空いたけれども、35年間もの間、断続的に続いた、その方面のファンにとっては正に熱狂する、漫画史の代表的格闘コミックでしょう。格闘コミック、といっても、「ドラゴンボール」や「らんま2分の1」のような、いわゆる昔から呼ばれる「マンガ」でくくる、荒唐無稽SFの如きギャグ味おもしろコミック、ではなく、格闘シーンやコミック内の格闘技術に関しては、限りなくリアルに近い、ハードボイルド格闘活劇、ケンカヴァイオレンスの第1級劇画です。初出連載開始は70年週間少年マガジン誌上、タイトル「ワル」。主人公は、暴力の申し子、氷室洋二、その名もミスター「ワル」。

    

 この「ワル」シリーズの生みの親、原作者の真樹日佐夫さんはもともとは作家で、小説もいっぱい書かれていますが、漫画原作者としての顔の方が有名だと思います。格闘技好き、武道好きの方には、武道家真樹日佐夫の方がもっと有名でしょう。もともとあのゴッドハンド大山倍達門下の極真空手の猛者で、極真会館本部師範代まで務めた人で、現在も自分の道場一門を構える、武道界でも著名な空手家です。だから、作家として書かれている小説も、その題材はほとんど空手道であり、多彩な武術を専門的な立場から紹介登場させる、格闘ヴァイオレンス場面盛り沢山な物語となっています。でも、物語創作家真樹日佐夫としての代表作といえば、やっぱりこの「ワル」シリーズでしょうね。貸本劇画時代からの劇画界の大御所、漫画家影丸穣也さんにとっても、「ワル」のシリーズは代表作なのではないでしょうか。

 70年に少年漫画誌週刊少年マガジン誌上で始まった「ワル」では、主人公氷室洋二は名門都立高に通う高校生で、ワルグループを作る札付きの不良であり校内きっての問題児である。また父は伝統的剣道の道場主であり、現在のワル洋二は幼き頃から、この父親から非情ともいえるスパルタ教育で伝統剣道を仕込まれてきた。校内で、いろいろな問題をおかし、屈強な教師や同級生などと死闘を行い、これを倒した後、実父が伝統剣道の必殺技を教えた教師と戦い、これを倒し、結果殺してしまった。そして少年刑務所に入り、院内を牛耳る強敵達と戦い、これを倒して行く。まあ、そういうストーリーです。中で、テーマのひとつは、主人公洋二の暴力行動をひたすら続けていく理由が、幼き時からの父親による非情で過激な剣道修行を続けて来たゆえのトラウマ、いわば暴力依存症のような精神的な大きなしこり、障害。何か騒動が自分の周りで起こっていないと、その騒動の渦中に自分がいて、スリリングで暴力的な雰囲気の中に常にいないと、自分自身が耐えられないという、平穏アレルギー。まあ、ほとんどビョーキな精神的な大きなしこり、トラウマですね。

 
 第二部の「新書ワル」になると、かなり長い間を空けて、秋田書店の青年漫画誌週刊プレイコミックにて、大人になったワル氷室洋二の成年活劇編ですが、これが80年代終わり頃から好評連載された。このね、第二部の、多分20代半ばの氷室が活躍する「新書ワル」が、めちゃめちゃ面白いんです。僕に取っては高校生の「ワル」よりも、こっちの方がずっと面白かった。ていうのが、少年だと、やはり相手が限られる、その平たくいえば喧嘩のライバル達ですね。大人になっちゃうと、相手は暴力世界が舞台となるとやはり、相手は暴力の専門家達になるから、ヤクザ屋さんに、ずばり殺し屋達、外人勢力の台湾マフィア等。敵味方、多彩な人物が登場し、強敵達の持つ殺人的格闘武術技術、柔道、剣道、空手、狙撃、他にも軽業ナイフ、テコンドー、ムチ術等、各種暴力の専門家達との死闘。毎回描かれるリアルな劇画活劇シーンで、自らの剣道空手の格闘技術をもちいて、大活躍する主人公ハードボイルドタフガイ、氷室洋二。ほんとに、男の子はカーッと熱くなって酔ってしまう、ハード劇画です。

 少しだけ間を空けて、続編第3部、「ワル正伝」。これはマイナーな成人用コミック誌に連載されていました(と、思うけど‥)。週刊誌名は忘れました。僕は雑誌で読んでないからなあ。「新書ワル」では巨大ヤクザ組織、大日本新宿同盟を敵に回し、孤軍奮闘の氷室は、何人かのヤクザ者達を殺めました。勿論相手も氷室を殺しに来てる訳ですが。それで、氷室洋二は罪を負い服役しました。第3部では、その刑務所で盟友となった好漢、更級十郎と、出所後もつきあいが続き、更科の行っている、何ていうの、行動的慈善事業、巧みに隠れて悪事を重ね行く、世の悪漢どもをこらしめるのが本業の組織、地平同(何の略かは忘れました)、これの手助けで氷室のワザを使い、悪辣宗教や台湾マフィア達の悪漢と戦い、打撃を与えて行く。ここでは大人になった氷室ももうけっこうな歳で、中年の手前くらいにはなってます。新婚旅行に台湾に行き、客死した盟友更科の仇を討つために台湾へ乗り込む氷室。ついに敵の首魁を討つが、氷室自身も生死判らず行方不明に。


 で、この度の第4部で、「ワル最終章」にて、氷室洋二、稀代のワルと呼ばれて、もう齢50歳ですよ、50を過ぎて死んでしまいました。もともと「新書ワル」の頃から死ぬ気でいた人でしたが。いつ死んでもいいと思いつつ生きてる男だった、ハードボイルド無頼漢。「ワル」では手のつけられぬ不良少年で、悪の魅力を持つ主人公だった。「新書ワル」でもまだまだ不良青年で、戦う敵は社会悪のヤクザ組織等で、悪の方に身を置きながらも、世の悪と敢然と戦う、悪の魅力を持つヒーロー氷室洋二であった。悪を倒すのは悪の力を持つ者でなければ出来ない、みたいな。でも第3部からは特に悪い事なぞしなくて、どちらでもない立場でぶらぶらし、盟友更科十郎に力を貸す、結局正義の味方になって来ている。この第4部では氷室は更科の跡を継ぎ、もう正義の味方陣営に身を置いている。結局最終的には、世の悪を退治する必殺仕置き人みたいになってしまっている。で、最後は死んで墓に入り、高校生時の恩師であり、永遠の恋人、最後にやっと妻となる、美杉麗子が墓守となってついに、終わる、完結。

 
 影丸穣也さんのGペンと墨の迫力あるタッチの絵柄でつづる劇画の魅力もさることながら、やはり一番の魅力はなんといっても武道家真樹日佐夫さんの専門的なリアル格闘活劇シーンの展開でしょうね。勿論その表現は劇画家影丸穣也さんの描写によるものですけど、格闘技術の展開が、僕みたいに調度当時、武道オタクで空手道場とかに通っていたファンにはたまらないものでした。「新書ワル」の時ですけど。「ワル」の頃も、喧嘩の強さとかには興味があった少年だったし。


 当時の僕は、あくまで武道オタクで、スポーツマンというのではちょっと違う。空手道場とかにも通っていましたが、試合に向けてみんなと一緒に道場や体育館で汗を流すというスポーツマン、というのではなくて、僕は根本は漫画や映画のヒーローに憧れる人、武道オタク、いや「武道」でくくるよりは武術・格闘技オタクだったんですね。だから僕は当時、道場や体育館でみんなと一緒にやる稽古や練習よりも、たった一人で夜中の、誰もいない公園でやる単独練習の方が力を入れてたし、好きだった。また当時は武術や格闘技の専門書ばかり読んでたし、毎月「格闘技通信」と「フルコンタクト空手」を購読し、季刊中国武術専門誌「うーしゅう」もとっていた。だから当時は歴史的な中国武術の達人名人の事とか、詳しかったです。今はもう興味ないので、その頃の武術・格闘技関連の知識はほとんど忘れてますね。ね、格闘技趣味のスポーツマンと言うよりは武術オタクでしょ。オタクピークが調度、K-1が誕生して出て来た頃かなあ。K-1がメジャーになって来た頃にはもう、僕も武術・格闘技オタクはやめてました。今も、K-1やプライドの試合はTVで見るけど、昔みたいには熱狂しては見ませんね。もう、あれから興味ないなあ。やっと、どんな事しても、漫画の主人公や映画のヒーローのような強者にはなれないのだと、解ったからかなあー。でも、みんな、格闘技を過去にやった人、やってる人達というのは、一度は格闘技漫画の主人公や、ブルースリー、ジャッキーチェン、ジェットリーみたいになりたいと憧れたものでしょう。みんな、そこから始まったんでしょうしね。


 今回は、ワシの昔のエピソードもちょっと入ったが、ほとんどもう漫画の事で済んだなあ、漫画読み日記。ストリートファイトではいろいろな武勇伝を持ち、当時AWA世界チャンピオンのキラーオースチンを負かした真樹日佐夫さんですが、梶原一騎さんの実弟になる真樹日佐夫さんももう60歳を過ぎるんだろうからなあ。

◆(2005-03/05)「のら犬の丘
◆(2005-03/08)「のら犬の丘」 ・・・・(2)
◆(2007-02/26)漫画‥ 「のら犬の丘」 ..完全版③④巻
◆(2005-10/22)「ワル」
◆(2005-10/22)「ワル -最終章-」
◆(2012-01/04)真樹日佐夫先生逝く‥

 

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「ワル」-原作・真樹日佐夫-作画・影丸譲也-

◆(2005-03/05)「のら犬の丘
◆(2005-03/08)「のら犬の丘」 ・・・・(2)
◆(2007-02/26)漫画‥ 「のら犬の丘」 ..完全版③④巻
◆(2005-10/22)「ワル」
◆(2005-10/22)「ワル -最終章-」
◆(2012-01/04)真樹日佐夫先生逝く‥

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※(2013-9/30)
 真樹日佐夫原作・影丸譲也作画の、傑作学園バイオレンス格闘ピカレスク巨編劇画、「ワル」の連載は講談社週刊少年マガジン誌上で、1970年から72年まで約3年間続きました。後にコミックスでは全13巻でまとめられました。
 由緒ある伝統的剣道の継承師範である父親から、剣道の英才教育と称して、児童虐待の如き超スパルタ剣道訓練を、幼いときから延々と施され、少年時代、あまりにも激しい日々の特訓を受けた日常から、精神的にトラウマを植え付けられ、思春期青春期に入ると、「平穏アレルギー」なるものが生じて来て、自分の周りの環境で常に騒動が起こっていないと居られない、常にスリリングなデンジャラスな環境に身を置いていないと居られない、という精神的な病的症状を発現し、学校内で自ずから騒動を起こし、常に何事か事件の最中に居るようになる、主人公・氷室洋二。校内では教師・生徒を問わず、学校随一の札付きの不良「ワル」と目され、学校の最大汚点と煙たがられる存在。また、氷室洋二の人間不信には、幼い頃、生まれつき身体が弱く、長男でありながら、実父から伝統剣道の継承者に選ばれず、疎まれていた(と本人が感じていた)実兄から、ある日の特訓で、父親から冷水の池に放り込まれた洋二を棹で突いて溺れさせ、実兄に殺されそうになる、という理由もトラウマとして持つ。学校内で不良グループを作り率いて、生徒はおろか教師にまで怖がられ嫌がられる氷室洋二。氷室グループの対策に苦心する教師サイド。


 氷室の前に立ち向かう柔道猛者のいかつい新任教師は、氷室の魔剣の前に敗れ、次に氷室の前に敢然と立ち上がる長身偉丈夫の生徒会長は、高校レスリング界きっての強者だったが、これも水中決戦にて水底に隠していた木刀で頭を割られ、氷室の前に敗れる。氷室洋二は高校クラスメートの女子生徒を妊娠させ、自殺にまで追い込み、色仕掛けを使って骨抜きにして氷室の牙を抜こうと企んだ女教師、美杉麗子は逆にレイプされ、氷室の情婦同然の立場にされてしまう。その後、必殺技の伝統剣道の秘剣「葉隠しの剣」を、氷室洋二の父親から伝授された高校教師は氷室の木刀で撲殺される。あ、そういえば、修学旅行先で少林寺拳法の達人高校生と戦う場面もあったな。あと、大学生の学生運動の全学連ゲリラのテロ行動、みたいのに巻き込まれるシーンもあったな。



 教師殺害の罪で少年刑務所に送られた氷室洋二は、佐渡島の収容所で、元は大相撲力士だった少年や、合気道の達人で催眠術を使う影の大番町みたいな存在と死闘を行い、何とか勝って、こと喧嘩に掛けては百戦錬磨のプロのストリートファイター、みたいな喧嘩師である、収容所教官と最終決戦に臨み、これまた何とか死闘を制して勝利する。少年マガジン版「ワル」のラストシーンは氷室洋二を追って来た、元は教師、今や氷室の情婦の美杉麗子と列車に乗って旅立つところで終幕となる。…

 少年マガジン版「ワル」は、だいたいオオザッパには、こういう流れのストーリーだったと思う。ストーリーの細部は忘れてます。週刊少年マガジン連載のリアルタイムで読み、後にコミックスで全編完読してるとはいえ、何しろそれはもうン十年前のことですからね。「ワル」シリーズはこの後、続編で、氷室洋二青年編の「新書ワル」や、三十代くらいのオジサン域に入ろうかという年齢になった、氷室の修羅を描く「ワル正伝」、そのまた後の壮年域の氷室洋二と、稀代のワル、氷室洋二の最後を描いた「ワル最終章」がありますね。
 「ワル」のシリーズは、格闘技に精通した真樹日佐夫氏がストーリーを編み、迫力満点の劇画で描き切る影丸譲也氏が、最高コンビで放った血沸き肉踊る興奮のバイオレンスアクション劇画ですね。実に面白い。既にお二人の漫画・劇画界の雄は、2012年に相次いで、鬼籍入りしてしまいましたけど。

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※(2013-10/1)


 児童雑誌として出発した週刊少年マガジンは60年代、長らく児童漫画週刊雑誌として子供たちに人気を博して来ましたが、60年代後半に入って少年読者を持ち上がり、だんだんと内容も高くなって行きました。内容が高く‥、というか、内容が子供向けにしては少し難しくなって行った。小学生向けの内容が、中学生や高校生くらいを対象年齢にするくらいの内容になって行った。収録された漫画の内容は勿論、記事などまでも。60年代末から70年代に入った頃にはもう、読者対象が中学生高学年から高校生、上は大学生や青年層くらいまでの年齢の内容になって行きました。60年代末から70年代に入った頃の、当時の漫画のラインナップは、先ず絶対看板漫画の「あしたのジョー」があり、「巨人の星」は終盤ですね。森田拳次の弟子として最初はギャグ漫画で出発した、ジョージ秋山がマガジン誌上で超問題作、「アシュラ」を連載する。真崎守の「キバの紋章」などのとんがった青春漫画や、山上たつひこのポリティカルSFの異色作「光る風」、それからイラストレーサー出身の上村一夫の衝撃の短編作品、スコットランドの文学作家・サキの短編の競作など、文学小説から題材を取った作品や、子供対象にしては程度の高い、ホラー作品、異色作品。この時代に花開いたナンセンス漫画群。実在した偉人たちの生涯を描いた伝記漫画。そして学園内の暴力をこれでもかと描く、冷徹な不良学生が主人公の、劇画「ワル」。少年マガジンの表紙のデザインを、先鋭的なイラストレーターの横尾忠則が描き、巻頭グラビアを可愛くセクシーなアイドルの女の娘が飾る。グラビアページでフォーク歌手を特集する。

あの時代の週刊少年マガジンは児童漫画誌としては、内容が少年後期から青年期に掛かるくらいまでに高度になっていました。サンデー・マガジンの内容が程度が高くなり過ぎた分、小学生など従来の子供読者たちは、当時は、後続の少年漫画誌、少年ジャンプや少年チャンピオンに行ったんじゃないでしょうか。ジャンプやチャンピオンは内容が、サンデー・マガジンに比べればずっと幼かったと思う。「ハレンチ学園」「あばしり一家」という、永井豪の子供向けエロティックギャグが載っていたとしても。また、あの時代は貸本衰退から消滅期で、貸本劇画の描き手たちが、雑誌に移り、特に少年マガジンは貸本出身の漫画家たちを拾い上げて行って、劇画ブームの一番最初の牽引役は、実は少年マガジンだったんじゃないかとも思う。劇画のリアル重視の描画は、程度の高くなった、あの時代のマガジン誌面の内容を支えたんじゃないかな。とか思うんだけど。・・・

ワルふたたび/ワル外伝 コミックス 真樹 日佐夫 (原著), 影丸 穣也とJ・Kプロ (著)

ワル 全13巻 BC 日本文華社 [完結全巻コミックセット] コミックス 真樹 日佐夫 (原著), 影丸 譲也 (著)

ワル正伝―劇画 (1) コミックス 真樹 日佐夫 影丸 穣也

新書ワル 1 (プレイコミックエクストラ) 新書 真樹 日佐夫 (著), 影丸 譲也 (イラスト)

 

 

 

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「8(エイト)マン -インフィニティ-」

 漫画関連の事だと、ちょっと前のニュースになるんだけど、「ナナの3冠」というのがありました。少女漫画「NANA -ナナ-」の、コミックスの売り上げ一位、映画の初期興行観客動員一位、映画主題歌のヒットチャート一位、という文句無い堂々3冠というものです。コミックスは最新13巻の帯にある、累計売り上げ2千5百万部、映画はどうだったんだろうか?洋画も含めたものか?確か「セカチュウ」を抜いたんだよな。何の記録を抜いたのかはよく知りませんが。音楽は主題歌CDシングルがオリコンチャート一位になった。オリコンというのも何を基本にチャートを出しているのか、僕はよく知らない。CDリリースからある期間の売り上げか、メディアへのリクエスト数とかも加算されているのか?どうもよく知らなくて済みません。コミックスの売り上げは、累計数ではなくて、最新13巻のみの売り上げだったのか?累計数だと、過去にはもっと売れている漫画タイトルはある。間違いなく。例えば「静かなるドン」だとか。




 今現在の大人気漫画作品「ナナ」の映画版の主人公役は中島美嘉さんで、本業の方のシンガーで主題歌を歌ってこれも大ヒット、でした。曲を作ったのはラルクアンシェルのハイドさんでした。集英社の少女漫画誌クッキー連載、矢沢あいさんの大ヒット作「ナナ」ですが、僕は基本的に少女漫画は読まないので、詳しいストーリーはよく知りません。まあ、だいたいどんなお話かなあ、というのは大まかには掴んではいますが、ナナ(大崎ナナ)の親友のもう一人のナナ(小松奈々)の事をアダ名で「ハチ」と呼ぶなんて、映画公開で情報を得るまで、全然知りませんでした。僕は、恋愛映画に趣向というものがあまり無い人なので、この映画、多分積極的には見ないと思います。しばらくしてTVとかで放映してるのを偶然見て、つい何気なく見てしまう、というのはあるかも知れないけど。恋愛映画は僕はコメディータッチのものなら好きです。ハッピーエンド的な終わり方が約束された、お笑いを満載した映画。まあ、ラブコメの映画。それなら見る。悲恋ものとか大嫌いですね。悲恋ものでもね、相手がバンパイアだから結ばれる事が出来ずに、人と吸血鬼の純愛の恋で、悲恋となる、とかそんなストーリーなら見るけど。何か、大好きな恋人が、ゾンビ化して行っていて、必死でくい止めようとするもついにゾンビとなり、自分を襲って来たから、やむなく殺してしまった、とかいう悲恋とかは、何だか好き。私は異常なのでしょうか?


 歌手の中島美嘉さんは好きです。色っぽい美女だから好きだ、とかいうんじゃなくてキャラクターと雰囲気が、まあ好きですね。大好きでファンだという程ではありませんが、歌もけっこうイイですね。あの、限定盤で出したCD「おぼろ月夜」なんか良かったですねえ。「月の砂漠」なんかも入ってた。一応、文部省唱歌を、イマの電子機器多用の音作りで、現代風に妖しい雰囲気にアレンジ、何かほんのちょっと不気味さも含んだ感じで、ファンタジーな世界が作られていました。もともと僕は美嘉さんのデビュー2曲目かの「ワンサーヴァイブ」とかいう題の曲が好きだったし。あの唱歌アレンジ限定盤のCDジャケットの絵が良かったですねえ。美嘉ねえさんが獏を連れて、幻想的な妖しいファンタジーな世界で。
 もう、ちょっと前になるけれど、東京の山手線の車両2両くらいに「ナナ」のイラストが大々的に描かれた、「ナナ電車」というのが走ってたんですってねえ。僕は今は地方に住んでいるから、全然知りませんでしたけど。多分、映画公開時期くらいかな。もう何年も前の、ジャンボ機のアタマ付近から腹に、グレイの四人が載ったり、ピカチュー等がカラフルに描かれたりしたのと同じようなもんだろうか。(JR山手線ナナ電車車両は、8月14日から9月9日までだったそうです。今となっては随分昔の話じゃ。)


 矢沢あいさんという漫画家は、高校時代はヤンキーだったとのウワサのある大阪人で、元ヤン疑惑は本人は否定してますが、小学校時代から何らかのクリエイターを目指し、中学生で漫画投稿を始め、高校3年でデビューを果たし、その後服飾の専門学校に通いながらも漫画を描き、連載決行と同時に学校辞めて、専業プロ漫画家。95年~97年の「りぼん」連載「ご近所物語」が大ヒット、TVアニメ化もされたとか。「ナナ」はこれだけ話題になっているから、ワシも知っとるが、「ご近所物語」なんて、ワシ、全然知りませんでした。「ご近所物語」連載時のラスト近くのクライマックスシーンで、矢沢さんがコマのひとつにコンドームの袋を描いて、当時の「りぼん」編集長が激怒。矢沢さんは実際涙流しながら、このコマをモザイクものにしたとか。という事が雑誌「りぼん」時代にあったんだそうです。しかし、「りぼん」といえば、僕なんかの認識では「ちゃお」「なかよし」と並ぶ、もう幼女誌。少女誌というよりは幼女誌という感じを持っていますが。だって、俺、「りぼん」なんて雑誌、長い人生の中で、愛読した事なんて、一度もねえもん、知らねえよ。

  
 漫画家矢沢あいさんは血液型B型と、何かに書いていたような気がする。安野モヨコさんよか少し年上ですよね。ハイドさんが作曲した中島美嘉さん熱唱の主題歌は確か作詞、矢沢あい。もう、「ナナ」でなんもかんもぼろもうけですねえ。2500万部の印税もものすごいだろうが、映画からの収入もいろいろあるだろうしなあ。キャラクター商品とかもいっぱいあるんだろうし。「文学」だの「ベストセラー小説」だのって、笑っちゃいますよね~。何が「せかちゅー」だ、相手になるか!「ナナ」の足元にも及ぶまいぞっ!ってな感じです。でも、「せかちゅー」も脛か膝あたりまではあるのかも。実際、大手は、出版社を支えているのは、コミックだって事らしいですから。コミックが稼いでくれるから、難しい学術書籍も出版できる。


 ああっ、あまりに金の事ばかりにこだわり過ぎた。いかんいかん。意地汚さや貧乏人のひがみ根性がつい露呈した。しかし、個人収入では、想像もつかない金の額だろうしなあ。いや、こういうのが意地汚くていかんのだ。「ナナ」は若い皆さんに夢と希望を与えてくれる、素晴らしい漫画であり、映画なのだ。第一級の娯楽作品なのだ。って、僕はまだ読んでも見てもないが。勝手な事ばかり書いてきて、どうも済みません。



 という事で、漫画は「ハチ」です。いや‥、ハチつながり。そもそも「ナナ」も漫画そのものなので、イイみたいですけど、俺、読んでないし…。二冊くらい、パラッとは見てますけどね。まあ、あんまし読んでもいないんで、「ナナ」の事柄を書いて来ても、「ナナ」が今度の「Kenの漫画読み日記。」表題ではなく、「ナナ」の中のもう一人のナナ(小松奈々)ちゃんがアダナ「ハチ」なので、「ハチ」つながりで。といっても昔懐かしい、「みなしごハッチ」というアニメではありません。あれは結局母コイもので、僕は何か、母コイものとかも駄目ですねえ。あんまし、ああいうテーマのものは趣味じゃないです。それに、「ハチ」でなく、「ハッチ」だしアニメだし。ハチは蜂だし、幼年誌なんかにも、TV人気アニメの漫画化として掲載されてただろ?というご意見もあるでしょうけど、「みなしごハッチ」では書きませんです。


 という訳で、漫画は「エイトマン」。新作漫画です。今現在も雑誌好評連載中のイマの漫画。旧作「エイトマン」の続編新作「エイトマン・インフィニティー」。「8(エイト)マン」そのものは60年代前半の、少年漫画誌週刊少年マガジンで、当時大人気を得て、日本国産アニメの黎明期にモノクロアニメ化された、当時は子供も大人も誰でも知っていた、スーパーロボットヒーロー漫画ですが、この-インフィニティー-は作者がまるで違う続編エピソードです。

 
 もともとのストーリー原作者の、SF作家平井和正さんから、今活躍中、少年、青年向け活劇コミックの超売れっ子原作者、七月鏡一さんへ、長い長い期間を空けての、バトンタッチ、前作と違う、全く新しい世界観とイメージで、講談社漫画誌「マガジンZ」にて大人気連載中。勿論、作画も往年のSFヒーロー漫画の大家、桑田次郎さんから、新鋭漫画家の鷹氏隆之さんへ、絵柄も大幅に変わって受け継がれています。


 この新作漫画では、スーパーロボットの事を、マシナリーと呼んでいます。「マシナリー」という歌を、英国の80年代人気歌手、シーナイーストンが歌っていますが、どういう歌詞を歌っているのかは知りません。machineryは勿論、機械のmachineから来ていますが、意味も同じような意味合いで、machineryの本来の意味は集合的に機械類の事とか、機械装置の事だそうです。スコットランド出身のシンガー、シーナイーストンは80年リリースの「モダンガール」「ナイントゥファイヴ」が大ヒット、一躍脚光を浴びた美人シンガーでした。洋楽曲「Machinery」は82年の彼女のヒット曲です。僕は、当時、シーナイーストンの「モダンガール」や「ユアアイズオンリー」という曲が好きでした。


 あ、いかん、また、話が違う方面へと行ってしまっている。漫画「エイトマン」の話を書かないといけないのだ。新作「エイトマン・インフィニティー」は、60年代の旧作漫画「8(エイト)マン」の世界とは全然雰囲気の違う、今の時代のSF漫画となっていて面白いです。その、お話のSF性も昔のものとはがらりと違う。40年近く時を隔てて復活した、スーパーロボット、マシナリー、21世紀型少年娯楽SF漫画「エイトマン・インフィニティー」は、講談社コミックスで今現在2巻まで発売中です。  

 

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「マグマ大使」

  

 
 ポールマッカートニーの新作アルバムが出ています。シングルカット曲もあります。すごいな、ポールマッカートニー。え~と、ポールは1942年生まれで双子座。血液型は何と、B型だったんですねえ。B型だ、とそう言われると、そんな感じがする。しかし、すごいですよ、新作ロックアルバム、63歳にしてロックのアルバムを総製作、曲作りから演奏、ボーカル、何でもこなして、63歳でロックのライブもやっちゃう元気。お年寄り、なんて絶対言えません、カーッチョイイー!に尽きる。若い嫁さんもらってホントにカッコイイ爺さんですねえ、ポールマッカートニー。新作ロックアルバムのタイトルは「Chaos And Creation In The Backyard」です。ロックアルバムといっても、ポピュラーミュージックの天才、PaulMcCartneyの作るその楽曲はビートルズ時代からバラエティー性に富み、激しいの、うるさいの、速いの、静かなの、優しいの、甘いの、心なごむの、チョッピリ暗いの、ロックに、フォーク調、クラシックぽいの、民族音楽調、、もう何でもござれ、です。やっぱり、ポールはメロディーメーカーの稀代の天才ですよね。「ヘイジュード」からこっち、全然違う楽曲を最初の方と後半つなぐ技術もすごい。だからこの新作アルバムも曲種はいろいろ。シングル曲「Fine Line」はエンジン掛けた車のラジオからいきなり流れて来て、声よりもその曲調ですぐに解りました。「お、ポールマッカートニー!」。ソロの古い曲だと思っていたら、曲後のDJ解説で、新曲だと解り、もう60歳過ぎてポピュラー楽曲のオリジナルアルバムなんて出さないだろう、と思っていたので、驚きでした。すごい!63歳、PaulMcCartney。

 
 僕が、自分の人生で、今までの半生ですけど、一番好きだった歌手、一番、素晴らしい!と拍手贈りたい歌手は誰か?というと、和洋を問わず、やっぱ断然、このポールマッカートニーさんですね。ビートルズでも好きな曲はほとんどポールの曲だし。抜きん出て、ポール1位。後は、好きな曲、好きな歌手、バラバラだし。先程の、ポールの、全然違う曲調をつなぐ技術の話ですが、ビートルズ時代に、ジョンとの共作ですが、ありますね、これだ!っていうのが。「サージェントペッパー」の中の「A Day In The Life」。もう、これは曲調が変わる白眉。至芸。極美。です。はい。僕の大好きな曲のひとつ、ウイングス時代の大ヒット曲「Band On The Run」も、がらり曲調が変わる。「Band On The Run」は僕がカラオケでよく歌う洋楽曲のひとつですが、いまだによく歌えません。当たり前か。この間「Jet」を歌ったが全然駄目だった。「Another Day」という、ポールがビートルズ解散後出した、ソロ初のシングル曲がありまして、とても良い曲でこれも大好きですが、僕は昔からこの曲がちゃんと歌えるようになりたいと願っていましたが、高すぎて途中で声が出なくなって、とてもちゃんとは歌えません。が、好きなんでよくこっそり歌ってみてます。ソフトで優しいメロディーラインのきれいな曲ですね。ポールの曲で好きな曲は、もう、いっぱいあるんですけど、その中でも一番大好きなマイフェヴァリットナンバー1曲は何か?といいますと、残念ながらカラオケナンバーには入っていないんで、歌いたくてもカラオケでは歌えない、ポールのビートルズ解散後2枚目のアルバムからの日本のみのシングルカット曲、「Eat At Home(日本販売版タイトル:出ておいでよお嬢さん)」でした。ベース主体で刻んでいくビートに乗せてポールのボーカルがロックながら楽しくきれいなメロディーを作り、リンダのバックコーラスがまたイイ曲。シンプルなロックナンバーだけども最高。ああっ、カラオケに入ってたら歌いたいのにっ。僕は、ポールマッカートニーのベストというのを違うCDで3、4枚持ってますが、そのベスト曲はみんな好きです。「Mull Of Kiintyre」「Listen To What The Man Said」などなどと美しいメロディーラインの良い曲もいっぱいあります。

 
 でも、最近のアルバムの曲は、僕はあんまり好みではありませんねえ。今度の新曲のシングル曲「Fine Line」もまあいいんだけども、それ程好きだってものでもないかな。だいたい、前のアルバムになる2001年「Driving Rain」もその前の99年「Run Devil Run」も僕には良くなかったし、繰り返しはほとんど聞いた事がなく、CDも持ってない。その前になる97年の「Fleming Pie」はCD持ってるし、シングルカットのトップ曲の「Young Boy」は良い曲で、まあ好きです。このアルバムは後はあんまし、これっていうのがないなあ。「Young Boy」は確か、当時の日本の何処か民放のバラエティー番組のテーマ曲に使われたような…。それから前となると、僕が、やっぱ、新しい方に近いアルバムで、これはイイッ!ってうなりたいのは、だいぶ期間が空くのだけれども、「フレミングパイ」の前のオリジナルアルバムとなる、「Off The Ground」、これは傑作アルバムでしたねえ、正にポールのメロディーロックの真骨頂。イイ曲、並んでます。

  
 でもまあ、ポールのアルバム作品で、僕が好きなのは古いのばかりで三枚、全部70年代、「Ram」「Band On The Run」「Wings At Speed Of Sound」。どれもアルバムトータルでイイ!いつまで経っても古びずに色褪せない、何十年何度聴いても良いアルバムです。同時期の「Vinus And Mars」もイイっ。やっぱ70年代だなあ、僕も若かったし、ポールも奥さんリンダと仲良く、ウイングスをノリノリで勢いよくやってた時代。知らなかったけど、ウイングスってジョンレノンが死んで、それが契機で解散しちゃったんですってねえ。

  
 以前、桑田圭祐さんが、深夜のFMラジオの自分の番組で、K-1やプライドの世界の格闘家で一番強いのは誰か?というのになぞらえて、歴史的に世界のロックで一番最強は誰か?ロックの帝王は誰か?というのを喋ってたんですけど、桑田さんは、やはり、ポールマッカートニーだと、その時言ってました。僕と同世代になる、桑田圭祐さんもマイフェヴァリットアルバムの一枚となるのが、71年ポールの「RAM」だと。
 同じ71年頃の、評価が極めてよろしくなかった、ウイングスのデビューアルバムとなる、「Wild Life」、これ、個人的には僕、好きなんですけど、この中で、レコード盤だとB面アタマになる長い曲、「Some People Never Know」これも優しくて心地良い、スローな曲で好きですが、若き日に、失恋した夜に眠れなくて一晩中、同じこの曲を何十回も聴いていたという事がありました。ワシの個人的なエピソードでした。当時のワシは感受性の強い若者じゃった。

 
 ポールは最近では、母国の音楽大学で教授職で教えたり、クラシックをやってみたり、イギリスでナイトの称号を授与されて、Sir.が名前に付いたり、若い嫁さんと再婚したり、まだまだ自分のオリジナル音楽を製作し、ロックのライブもやっちゃうという、八面六臂の活躍のスーパー爺さんですね。「永遠の不良」と呼ばれるミックジャガーと共に、こんな元気の良い爺さんが活躍しているのは、何だか嬉しいですね。元気もらえてるみたいで。

 
 さて、ポールというと、ビートルズの中心的存在でしたけど、ソロになってからも何度か来日していますが、この間も東京ドーム、大阪ドームで公演していましたが、ポール自身が日本に初めて来たのは、やはりビートルズ時代の、あの歴史的大騒動、歴史的日本人ファン大熱狂、武道館のビートルズ日本公演、ですね。1966年の出来事です。

 
 1966年といいますと、日本のテレビ放送では、実写特撮ヒーローもので、この時代大流行の怪獣もの番組で、「マグマ大使」がやっていて当時の子供達に大人気でした。TBSの怪獣特撮「ウルトラマン」の向こうを張って、フジテレビ系列で放送され、「ウルトラマン」の円谷プロに対抗して、東急エージェンシーとピープロが制作した、漫画では手塚治虫原作による、実写ヒーロー特撮TVドラマ「マグマ大使」。今回の漫画も古くてごめんなさい、今回はこれ、手塚治虫先生の「マグマ大使」です。
  
 おおっ、ついに手塚治虫先生の作品を扱う。このブログも今年2月から始めて、40本くらいは記事を書いて来ていて、毎回何がしかの漫画作品に触れていますが、漫画の神様のものは今回が初めて。漫画の王様、石森章太郎さんのは確か2回くらい扱っていますが、漫画の神様手塚先生のものは初めてです。漫画の神様の作品を何か記事に書くなんて、僕などがおそれおおくて。とてもおそれおおくて、何も書けません。だから書きません。それでは皆さん、また次回。ごきげんよう、です。
 
 というのも何ですから、やっぱり書きます。僕は小さな頃から、小学校、中学校、よく自分の尊敬する人を書きなさいと、先生から西洋紙の紙片を回され、その度に、この名を書き込んでいました。手塚治虫。
 でも、やっぱ、手塚治虫先生の事を書き出したら、相当長くなりそうですねえ。今回は世界的ミュージシャンのPaul‐McCartneyの事を相当長々書いたから、手塚先生の事は次回に譲るとして、今回はもう限りをつけて、漫画作品1本、「マグマ大使」のみに触れましょう。

 
 漫画「マグマ大使」は、当時の月間少年漫画誌「少年画報」に連載されていた看板漫画でした。66年の少年画報の確か5月号から連載され始めて(もしかしたら4月号だったかも知れない)、その3ヵ月後くらいからTV実写放送が開始されましたが、内容は少々違っていました。宇宙の帝王を自称する宇宙の巨大侵略者ゴアが、地球侵略に着手するも、地球を作った守り神アースがその使徒であるロケット人間、マグマ大使を使って、その侵略行為を阻む。あらゆる手段を使い、攻撃を繰り返して地球を侵略しようとするゴア。そのゴアのよこす悪の手先と戦うマグマ。というおおまかなお話の内容は同じですが、漫画では手塚治虫のアイデアで、ゴアのいろいろな侵略手段がなされるのですが、TV実写特撮放映の方では、当時大人気流行の怪獣ブームに乗せた番組作りから、守り神アースの使徒、ロケット人間マグマ大使の敵相手は全てが巨大怪獣ばかり。ほとんどが恐竜型のオーソドックスな怪獣でしたね。中にはダコーダなんて変な形のものもいたけど。



 当時幼少の僕は、同時期の「ウルトラマン」は大好きで毎回見ていたけど、このTV実写「マグマ大使」はそれ程熱心には見てはいなかったと思います。後のフォーリーブスの一人、江木俊夫が子役でまもる君をやっていました。「ウルトラマン」は1話1怪獣でしたが、「マグマ」の方は、1怪獣で5回くらいやっていました、続き物でしたね。
 少年画報の漫画の方は、当時、ものすごく面白かったです。特に、自分の住む町の中の隣人達が徐々に侵略者の手先、人間モドキに変わっていくエピソードは怖かったし。さすがは大家、手塚治虫、単なる怪獣ものにはせずに、ゾクゾクする傑作SF漫画に仕上げています。



 漫画では、後のコミックス、漫画文庫、全集分の「マグマ大使」は全て、第2部までで終わっていて未完です。何故か?雑誌「少年画報」連載時は、ちゃんと第3部の「サイプロックス編」まで描かれて「マグマ大使」はきちんと完結しているのです。何故、この第3部「サイプロックス編」は後のまとめたものに未収録なのか?それは、神様手塚のこだわりです。当時、手塚治虫先生は超多忙で、忙しすぎて「マグマ」の原稿が描けなかったのです。それで、原案だけが手塚で、ほとんどの作画は井上智さんなどの弟子すじの漫画家達の手になっているから、手塚のこだわりが、この部分を自分の漫画のまとめたのに一緒に収録することをよしとしなかった。というものです。はい。
 漫画の「マグマ大使」も本当に面白いSFだし、漫画の神様、手塚治虫の作品はどれもこれも、うなりたくなる傑作ばかりですね。(訂正:漫画「マグマ大使」の連載は「少年画報」65年5月号から67年の8月号まで。単行本未収録の「サイプロックス編」は第4部になる。TV実写放送は66年7月4日から67年9月25日まででした。)

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