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●漫画・・ 「夜明けのマッキー」

 ああ、そうだったんだ。「夜明けのマッキー」は、舞台はアフリカの紛争地帯だったんだ。てっきりベトナム戦争の前線だと思い込んでいた。僕がサンデーで「夜明けのマッキー」を、連載リアルタイムで読んでいた当時は、ベトナム戦争真っ盛りの時代だ。ベトナム戦争も後半戦に入っていて、戦争がもう泥沼化していた時期だ。僕は中学生で、家で取っている新聞には毎日毎日、ベトナム戦争の状況の記事が細かく載っていた。僕が中学生の一年時か三年時か、社会科の先生が授業の一環で、新聞の朝刊の記事から何かニュースを選んで来て、社会科授業の冒頭に生徒に順番に発表させていて、勉強超不熱心な僕はその朝、慌てて朝刊から適当に選んで発表したら、それが、ベトナム戦争の戦線の地域の小さな戦闘内容の記事で、先生から、そういう部分的な状況を報告した小さな記事はいいんだ、と何かペケを出された。この場で発表するニュースとしてあまり意味がない、というようなダメ点を喰らった。我ながら、さすが劣等生。中二は歴史だし、中三の社会科の時間だな。

 ベトナム戦争について語り始めると、戦争自体複雑で、世界規模の歴史の流れ(第二次大戦でのヨーロッパ列強の疲弊と世界的勢力の東西二分割から、冷戦時代突入を受けてのアジア・アフリカ各植民地地域のドミノ現象的な独立運動の頻発)の中で、ベトナム地域は第二次世界大戦前後のフランス植民地時代から、インドシナ戦争を経て、冷戦時代に入ってからの南北対立、ベトナム国内南北戦争勃発、その直ぐ後のアメリカの本格的軍事介入からの戦争激化、長引く戦争の泥沼化と、その経緯は植民地時代から全部、歴史の流れとして延々と繋がっていて、単純にベトナム戦争と言うと、アメリカのベトナムへの本格的軍事介入がされた1964年とか65年頃から、ベトナム戦争終結の1975年までの十年間を指すんだと思いますが、僕が中学生の頃は戦争は、既に泥沼化していたと思います。60年代末から70年代に入って、当事国のアメリカ国内の厭戦・反戦ムードを筆頭に、世界的に反戦運動ムードに覆われ、このムーブメントに連動して、“べ平連”の平和運動など、昭和元禄と呼ばれた高度経済成長期後半の豊かになって来た国内にあっても、一方では、我が国でも反戦ムードもありました。

 「夜明けのマッキー」という作品は、調度、時代的に、毎日毎日流れて来る、ベトナム戦争の悲惨な戦争ニュースの中で、望月三起也先生が、泥沼化したベトナム戦争の惨状に影響されて創作した、先生異色の戦争アクション漫画だと思います。アクション漫画の大家である望月三起也先生には、戦争アクション漫画作品もいっぱいあるんですが、この「夜明けのマッキー」はただの戦争漫画ではなく、内容的にいわばヒューマン戦争漫画です。同じ戦争を題材に取っていても、その描き方がアクション主体でなく、確かにその抜群の描写力で戦争アクションシーンを満載で描いているのですが、テーマは反戦的なヒューマンな内容の作品になってます。この漫画も、戦車の爆破シーンとか銃撃戦シーンとか、迫力ありますけどね。

 僕は中学生時、「夜明けのマッキー」をサンデー連載リアルタイムで、全編読んだ後はどうだろう?多分、コミックスでまとめたもので再読はしてないんじゃないか。連載終了後にサンデーの小学館ではなく、若木書房からコミックス全3巻で刊行されてますが、何しろ何十年も昔のことだし、コミックス単行本で読んだかどうかはよく覚えてない。「夜明けのマッキー」という漫画自体は、戦争ヒューマン漫画という特色のある作品だけに覚えていましたが、現実の時代背景がベトナム戦争真っ盛りだけに、作品の舞台となった戦場は、ベトナムだとばかり思い込んでいた。けれど、最近になって漫画作品を調べ直したら、「夜明けのマッキー」の舞台の戦場は、何とアフリカでした。カメラマン・マッキーが従軍して報道写真を撮るのは、ベトナム戦争の米軍地上部隊ではなくて、アフリカの内紛で軍事作戦を展開する傭兵部隊なんですね。これは、調べ直すまでの、とんだ思い込み勘違いでした。

 「夜明けのマッキー」は、小学館の週刊少年サンデー誌上に、1970年第21号から52号まで連載されました。「夜明けのマッキー」が連載されていた当時の、サンデーの漫画の布陣は、「男どアホゥ甲子園」「くたばれ涙くん」「グループ銀」「とべない翼」「おとこ道」‥、とかですね。赤塚ギャグは、長期連載の「もーれつア太郎」が終わって「ぶッかれダン」ですね。「銭ゲバ」や「高校さすらい派」も、この時代ですね。楳図かずおの「アゲイン」や古屋三敏の「ダメおやじ」も、この、サンデー70年から始まっている。「夜明けのマッキー」が始まるちょっと前に、週刊少年マガジンから「天才バカボン」が移籍して来て、短い間ですが、この当時のサンデーに「もーれつア太郎」と「天才バカボン」という、二大赤塚ギャグが、同時に掲載されてる期間がある。あと、ギャグ漫画で、永井豪の平安朝貴族ギャグの「まろ」。楳図かずおの「おろち」も、連載は69年から70年で、「夜明けのマッキー」とも重なっている。

 僕の個人的な思い出になりますが、この時代の週刊少年サンデーは、幼なじみのFT君が買った漫画雑誌です。いつ頃からか、多分、中学生になってからだと思うんですが、僕は毎週、週刊少年マガジンを買っていて、FT君が毎週買っている週刊少年サンデーと、お互いに、読み終えた翌日に交換してました。だから、僕ん家には買ったマガジンはなく、毎週号のサンデーが残って行きました。僕には、小学一年生時からの、同じ町内の同級の幼なじみが二人居て、二人ともクラスは違うのですが(三人とも六年間別クラス)、小学校六年間を通してよく一緒に遊んでました。小一時代の僕は登校拒否児童ですから、二人と仲良くなったのは、小一も終わり頃で、本格的に一緒に遊び始めたのって、小二からじゃないかなあ。僕はデキの悪い子供で、子供時代・少年時代、ずっと劣等生でしたが、この二人は学業成績優秀で、毎学年一学期のクラス委員に選ばれるような、学校での素行とも優秀な子供でした。二人とも家庭は、この時代のこの地域では、裕福な家の子供でした。僕も彼らも勿論、学校のクラスの友達とも遊んでいましたが、僕と、クラスの違う彼ら二人は、放課後や日曜日に町内で、彼らの弟たちも交えて、よく一緒に遊んでました。優等生の彼らもこの時代の子供ですから、多少、悪ガキ的な面も持ってましたが、二人とも頭が良くて非常にしっかりした性格の子供でした。この時代、優秀な子供の二人がまたどうして、僕みたいな薄らバカ劣等生といつも遊んでくれてたのか、思えば不思議なくらいです。片方のMM君とは、中学に入って同じクラスになったのですが、中一の三学期終了と同時に転校して行き、結局それっきりです。FT君とは中学になって一緒に学校へ登校していたのですが、放蕩三昧に走り始めた僕の親父が、とにかくあちこちから返す当てのない(借りるに当たって返す考えなぞない)金を借りて回り、FT君の家にも借金していて、返さないままだと僕が知って、僕の方が一緒に居るのが何だか心苦しくなり、僕の方から離れて行く形で、FT君とも疎遠になって行きました。やがて一緒に登校しなくなり、FT君ともそれっきりですね。

 「夜明けのマッキー」のお話は、主人公の若きカメラマンが国内のグラビア写真等で脚光を浴び、一躍売れっ子カメラマンの仲間入りをして順風満帆で稼いでいたのですが、自分のカメラマン人生に疑問を抱き始め、こんなことではいけないと、今持っている栄光と栄華をかなぐり捨てて、裸一貫カメラ一つで、命の保証の無い危険極まりない戦場カメラマンの世界へと果敢に入って行く。主人公の若きカメラマン、マッキーはアフリカの紛争地帯へと単身乗り込み、紛争地帯前線の傭兵部隊に従軍する。武装兵どおしの銃撃戦の中を、戦車の砲弾の爆撃や、戦車や装甲車の爆破・破壊の破片の雨の中を、掻い潜って、命からがら生き延びて、貴重な戦場写真を撮りまくる。戦争の殺戮の、悲惨な状況の連続に衝撃を受けながら、写真を撮り続け、日本に送ったその幾枚ものショッキングな戦場写真は、国内で大きな反響を呼んで、マッキーはヒーローとなる。その後、話の流れの中でマッキーが従軍中に記憶喪失になったり、国内の出版社で出すマッキーの戦場写真が爆売れして、出版社が大儲けし、とどめに最期の大儲けのために、マッキーをヒーローからレジェンドにして、写真集をさらにまたレジェンド売れさせようと、出版社が画策する。出版社は最後の一儲けのために、アフリカ外人部隊へ密かにテコ入れする。何も知らないマッキーは、戦場の危険の他に、部隊内部での危険も迫るのであった…。というようなお話だと思います。

 僕が「夜明けのマッキー」を連載で読んだのって、何十年も前ですし、コミックスで再読していても多分、ハイティーン時で、これも何十年前ですから、「夜明けのマッキー」については、物語の外郭や漫画の雰囲気などは覚えてはいるものの、はっきり言って、ストーリーの内容や詳細はすっかり忘れていました。だから、僕がこの自分のサイトで、タイトルに「夜明けのマッキー」を選んだ際、ネットで「夜明けのマッキー」のコトをイロイロと調べました。それで、だいたいお話の流れは掴めて、幾分思い出して来たのですが、決定的なのは、このサイトを覗いてからでした。「月刊・望月三起也-Mikiya Mochizuki Official Fan Site-」http://wild7.jp/ というサイトで、ここには望月三起也先生の全作品が網羅してあります。ファンサイトですが、望月三起也先生の数多の作品が、望月三起也先生の作品の、代表格のファンである、管理人さんの感想と共に、たくさんの作品の内容が詳しく書き込まれています。漫画ブログを書く者としては狡い汚いやり方かも知れませんが、ここのサイトの記事を参考にさせて貰いました。どうも済みません。また、このファンサイトには望月三起也先生ご本人からの、貴重なコメントも各作品ごとに寄せられています。望月三起也漫画ファンに取っては、とてもありがたいサイトですね。

 僕が漫画を読み始めたとき、既に望月三起也先生の漫画は、少年雑誌に掲載されていました。僕が漫画を読み始めるのは、1962年の終わり頃か63年初頭くらいなんですが、この時代で覚えている望月三起也作品は、月刊漫画誌「少年画報」に連載されてた、戦争アクション漫画の「最前線」からですかね。あとは63年八月に創刊される、「週刊少年キング」に掲載された「戦国忍法帳」。あとで調べたら、僕が漫画を読み始めた頃の「少年画報」に連載されていたのは、アクション漫画「ムサシ」で、「週刊少年キング」創刊当時に連載されていた作品は、「隼」ですね。だいたい、雑誌デビュー時から初期の望月三起也先生は、ほとんどの作品を、少年画報社発刊の漫画誌に発表してますね。60年代は一貫して、少年画報社の雑誌と言ってもいいくらい。60年代後半もあとの方になると、小学館の雑誌など、他出版社の発行誌に発表してますけど。いや、そうとも言えないか。「ケネディ騎士団」は、集英社の月刊誌「少年ブック」だし。60年代も後半に入ると、週刊少年サンデーに「龍の旗」や「日の丸陣太」など、連載を発表してますね。だいたい64年65年頃から、各出版社の漫画誌に、読みきり短編などを掲載しているし、62年デビュー時から、少年画報社の雑誌に一貫して、連載や読みきり短編を掲載し続けていて、切らさず発表していますが、66年頃からは、他社の漫画誌にも連載を載せ続けてますね。各誌引っ張りだこの人気作家の常連となったのが、65年66年頃からなんでしょうね。望月三起也先生は、60年代後半から70年代前半、各誌に連載を持って大忙しの状態だったでしょうね。この時代は、同時に幾つもの連載を重ねて持って、漫画業は多忙極まりなかったでしょう。60年代末には、青年コミック誌が何誌も、雨後の筍のようにニョキニョキと創刊されて行って、その青年コミック誌にも、時にはペンネームを変えて、短編や連載を発表してたし。望月三起也先生はけっこう、雑誌の読みきり短編の作品も多い漫画作家でした。

 僕が漫画を読み始めた頃の、月刊「少年画報」に連載されてた「ムサシ」は、ほとんど記憶していません。63年創刊当時に連載されてた「隼」も、内容はすっかり忘れてます。僕が望月三起也先生の作品で印象に残すのは、「少年画報」連載の「最前線」からですね。1964年の連載漫画です。それから夢中になって読み始めるのは、やはり「週刊少年キング」の「秘密探偵JA 」からですね。傑作スパイ・ガンアクション漫画「秘密探偵JA 」は、65年から69年までの長期連載でした。月刊「少年ブック」連載の「ケネディ騎士団」も、けっこう夢中になって読んだ漫画ですね。「最前線」はサブタイトルに「二世部隊物語」と付いている訳ですが、「最前線」が少年画報に連載されていた1964年、僕は8歳ですから、僕は幼少時から戦争漫画があんまり好きではなかったので、「最前線」も連載時そんなに熱心に読んではいないのですが、この時代たくさんあった、太平洋戦争を舞台に、日本の主にゼロ戦が当時の米軍のグラマンなどの戦闘機と、空中戦を繰り広げる戦争漫画とは、同じ戦争漫画でも見た目にも、雰囲気が全然違うし、戦闘機はあまり出て来なくて、戦線の主役は戦車だった。主役の若者たちは、日本人の風貌だけど、何か、背景も他の太平洋戦争舞台の漫画と違う。調度その当時、TV ではアメリカからの輸入ドラマで、「コンバット」という戦争ドラマが放映されてて、人気があった。「最前線」という漫画は、「コンバット」に似ていた。ただ、「コンバット」は主人公たちがアメリカ人で、敵もみんな白人だ。「最前線」の主人公たちは日本人ぽい。このとき8歳の僕は、アメリカ軍の二世部隊とか理解しなかったでしょうし、舞台が、第二次世界大戦のヨーロッパ戦線なんてことすら、理解できてなかったかも知れません。ただTV で、何となくぼんやりでも「コンバット」とか見てたら、何か気付くところもあったのかな?当時は貸本で、南波健二さんが「特攻-アタック-」なんてシリーズ描いてたし。僕は馬鹿な子供でしたから、情報が頭の中を素通りしていて、何も気付かなかったのかも知れないですね。薄ら脳タリンな子供だったから。

 

 望月三起也先生は、僕の子供時代、少年時代、親しんだ漫画作家さんたちの中の一人で、作風は主にアクション漫画で、そのアクション漫画ジャンルの内容も、シチュエーションはバラエティーに富んでいて、スパイ・ハードボイルドから探偵アクション、忍者ものなど時代劇、太平洋戦争時の空戦もの、ヨーロッパ戦線舞台の戦車アクション、それから学園ものやSF ヒーローものもありました。少年時代の僕は、望月三起也先生のイロイロな漫画で楽しませて貰いました。アメコミタッチをベースにした、独特の画風で抜群にうまい絵を描く。特に、そのバイオレンスシーンの描写力。自動車や戦車や戦闘機の、破壊・爆破シーンの描写は、たまらない迫力がありましたねえ。サスペンスタッチのストーリー運びも、危険が迫るゾクゾク感の演出が、アクション漫画として最高でした。日本漫画史に名を残すアクション漫画の大家、望月三起也先生は、2016年4月3日、77歳のお歳で、この世を去って逝かれました。最期まで現役の漫画家人生、50年以上に昇る画業で、数多の娯楽雑誌に、たくさんの傑作漫画を発表して来られ、その独特の作風と抜群の画力で、大勢の漫画ファンを興奮させ熱中させ、その抜群の描写力で描くヒロインたちは、漫画絵でありながらセクシーこの上なく、そっちの面でもファンを魅了しました。僕も特に少年時代、幼少時から望月三起也漫画に親しんで来て、いっぱい楽しませて貰いました。もう今や、天に輝く大きな“漫画の星”の一つになってしまわれましたが、望月三起也先生、たくさんのとびっきり面白い漫画を、どうもありがとうございました。

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●漫画・・ 「学園シャンプー」

 「学園シャンプー」は望月三起也先生が、少年画報社の週刊少年キング誌上で、先生の最大代表作「ワイルド7-セブン-」の長期連載が終了した後に、連載した漫画作品です。作品のジャンルはがらりと変えて、「学園シャンプー」にも、先生独特のサスペンス味やアクションも含まれてはいますが、作品全体を総称で言うとジャンルは“学園漫画”ですね。「ワイルド7-セブン-」はアクション爆裂の、サスペンス味たっぷりの、バイクアクション、拳銃アクション、格闘アクションがオンパレードの、痛快警察アクション巨編でしたが、「学園シャンプー」は舞台は中学校という学園もので、ギャグとまでは言いませんが、コメディもの味付けで描いた学園コメディ漫画ふう、です。ですが、その中で描かれるストーリーには、何とSFやサスペンスも入っています。

 「学園シャンプー」は週刊少年キングに、1981年第48号から82年第22号まで連載されました。期間としては半年弱くらいの週刊誌連載かな。僕は大人になってからは基本的には、少年漫画を読まなくなって、この時代は調度、旺盛に青年コミックを読んでた時代ですね。勿論、少年漫画は全く読まなかった訳ではなくて、コミックス単行本では気に入った少年漫画も数は少なかったけど読んでましたが、この時代は調度、劇画全盛時代で、毎週毎月、青年コミック誌を何種類も購読して、青年漫画のコミックス単行本ばかりを読んで過ごしていた時代でした。この時代の僕の娯楽の中心は青年漫画でしたね。だから、漫画好きの僕ですが、少年漫画誌である週刊少年キングはこの時代、読んでいませんでした。キングどころかマガジンもサンデーも読んでいない。勿論、ジャンプもチャンピオンも。「ブラックジャック」や「がきデカ」はコミックスで読みましたからね。だから、「学園シャンプー」は連載時リアルタイムで読んだことはなく、僕が読んだのは連載終了後のヒットコミックスでですね。

 現在僕の手元にある、ヒットコミックスの「学園シャンプー」第2巻の奥付けを見ると、昭和57年5月1日発行となってます。記載されてませんが多分、初版で間違いないでしょう。連載終了後直ぐのコミックス発刊ですね。僕は知らなかったのですが、何でも、週刊少年キング連載時は実は、お話は未完で終了していて、ヒットコミックス第3巻発行に際して、連載時未完で終わっていたお話のストーリーエンド部分を、書き下ろしで描いてコミックス最終巻の巻末部に収録したものらしいですね。僕は今、手元にヒットコミックスの第3巻を持ってないので、第3巻の発行日付や物語終末部のストーリー内容など詳細が解らないのですが、連載から単行本化はそういう流れだということですね。昭和57年というと1982年だから、僕はサラリーマン時代の熊谷営業所勤務の頃、買った本ですね。

 1963年に創刊された週刊少年キングは、82年4月に休刊して、「週刊少年キング」はこのとき事実上の廃刊になったので、週刊少年キング休刊に際して、お話的には完結していなかったけれども、掲載誌がなくなるということで仕様が無く、「学園シャンプー」は打ち切りとなったのでしょうね。多分この当時、週刊少年キングに連載されてた漫画はほとんどが、ストーリーをムリムリ終わらさせられたか打ち切り状態になったのでしょう。僕は、この「週刊少年キング」終焉期や最終巻号を見たことないので、詳しいことは解らないのですが。ただ、この後直ぐに「少年キング」はリニューアルして再出発します。82年4月に休刊した週刊少年キングは、同年8月、内容も新たに「少年KING」として生まれ変わって、隔週刊(月2回刊)雑誌として創刊、発行されて行きますが、それも結局は88年に最終的に休刊(事実上の廃刊)になりまして、63年から刊行され続けた、少年画報社の少年向け漫画雑誌、「少年キング」は25年の歴史に幕を閉じます。

 「学園シャンプー」という漫画は基本、学園ものコメディにサスペンス味を盛り込んで、時折、望月三起也氏お得意のアクションを加味させた、いわば娯楽漫画の要素をイロイロぶっ込んで、おもしろ漫画として成功してる学園漫画ですね。主人公の中学生少年がボーッとしてサエないけど、男の子としてカワユクて母性本能くすぐって、女教師や女生徒にモテモテで、ふだんボーッとしてるが故に失敗が多い。だがこの少年は、実は、古代ミュー大陸人の末裔で念力など超能力が使える。相棒役のボテネコ博士は、容姿はタヌキみたいな大きなドラ猫だけど、これも古代ミュー大陸で、ミュー大陸人と共に繁栄していた種族の末裔であり、超能力を持ち、博識である。この辺はもう、設定がSF なんですね。伝奇SF 風味。主人公・総司が居候する家の娘で、同級生のトモ子ちゃんとは、喧嘩するほど仲が良い関係で、ココんところは学園ラブコメ風。特徴ある個性豊かな教師陣と、ドジな総司のやり取りは学園ギャグですね。そこに今度は、銃器も扱うニヒルで影のある二枚目ローンウルフ、第七騎兵なんて謎の少年も絡んで来る。いつしか物語は学園ギャグから、中学校の教師たちの麻薬汚染から、犯罪サスペンスへと移行して行く…。

 僕は、望月三起也先生の漫画作品には、幼い頃から親しんで来ました。僕が漫画を読み始めた幼児期、もう雑誌には望月三起也先生の漫画が連載されてて、当時の氏の雑誌掲載漫画は、戦争漫画やスパイ・アクション漫画が多く、まだ6、7歳頃の僕にはよく解らず、それでなくても頭の悪い出来の良くない子供だったのに、氏の作品の舞台設定が僕には難しかったんですね。でも、当時の秋田書店発行の月刊誌、「まんが王」に連載された「雷神サブー」なんかは、舞台は西アジアか中央アジアの砂漠の町ですが、一応ヒーローものだったので、この漫画には魅了されました。「雷神サブー」のヒーロー設定は巨人ロボットだったのかな?異国の砂漠が舞台で、ナチみたいな凶悪犯罪組織が出て来る‥。

 僕は子供の頃、戦争漫画があんまり好きじゃなかったので、望月三起也作品にはそんなに熱中はしなかったと思いますが、週刊少年キングに連載された傑作スパイ・アクション・ハードボイルド漫画、「秘密探偵JA」あたりからその面白さに熱中して行ったと思います。「秘密探偵JA」の連載開始は1964年からですが、68年まで長期連載されているし、僕も9歳くらいの年齢になると、その面白さも理解して行ったのでしょう。6歳から毎日貸本借りて読んでたから、貸本劇画でアクションものには慣れていたから、戦争アクションものとは違って、スパイ・ハードボイルドものには抵抗なく入って行って楽しめたのかも。

 僕の幼児期から親しんで来た望月三起也漫画ですが、僕が望月三起也作品を意識し始めたのって、戦争漫画ではありますが、月刊誌・少年画報の「最前線」あたりからかな。望月三起也先生の漫画はアクションもの主体ですが、そのアクション漫画ジャンルでも、設定や舞台がバラエティーに富んでいて、スパイ・ハードボイルドや探偵アクション、戦争アクションでも空戦ものから戦車もの、学園ものやSFもある。舞台が戦争でも、ヒューマンな内容の作品もある。67年「少年画報」に連載された「01-ゼロワン-戦隊」は水中アクションものですね。極め付けは青年時にまとめて読んだ爆裂アクション、「ワイルド7-セブン-」ですね。血も涙もない人でなしの凶悪犯を退治してぶっ殺す、ワイルドセブンのメンバーに痛快感・爽快感を大いに持ったものでした。望月三起也氏にはコメディ漫画の傑作も多い。50年の日本娯楽雑誌界・コミック界で、アクション漫画の超売れっ子として、日本の漫画界で輝き続けた、日本漫画史上に残る、アクション漫画の大家、望月三起也先生の作品には、この50年の間、いろんな作品で楽しませて貰いました。その、迫力あるアクションシーンを描ききる画力と、女性登場人物のセクシーさに魅了された漫画ファンは数知れないでしょう。物語のサスペンス味も、ゾクゾクさせるものがありましたね。

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