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●アニメ&漫画・・ 「わんぱく探偵団」

 読み終わった文庫本の巻末の出版社の広告ページで、刊行本が羅列されてる中の一つに、「堀越捜査一課長殿」というタイトルを見つけ、確かこれ、高校一年生くらいのときに、学校の図書館の「江戸川乱歩全集」の中の一冊のタイトルで見つけて、学校から借りたけど、結局読まずに返却した本だよな、とか思い出して、懐かしくイロイロと思い出した。昔、「堀越捜査一課長殿」のお話が、江戸川乱歩創作の有名な怪盗、“怪人二十面相”が登場するお話、と何処からか怪しい情報を仕入れて来て、それで読んでみたいと借りたんではなかったか?とかうろ覚えで思い出すが、いやいや、その情報を得たのはもう少し後の話だった、とかイロイロ思い出し思い出しと、考えた。でも多分、乱歩の小説「堀越捜査一課長殿」には“怪人二十面相”は出て来ない。結局、僕はこの年齢まで、「堀越捜査一課長殿」を読まず終いなんだけど。この先、今さら読むかどうか解らないけど。

 でも大人になってから、江戸川乱歩が子供向けに書いたジュブナイル「少年探偵団」シリーズよりも、乱歩が大人の鑑賞に堪える、ちゃんとした推理探偵ものとして書いた娯楽小説に登場する、“怪人二十面相”は味わってみたい、と思ってた。その放送が十代末だったか三十そこそこでだったか、その記憶も定かでないけど、当時のTVのNHK放映のドラマで、明智小五郎を扱った連続ドラマをやっていて、その中で「堀越捜査一課長殿」があったのを記憶してるんだが、どういう訳かそのドラマを僕は見ていない。と思う。多分、このとき、乱歩の大人向け探偵小説に出て来る“怪人二十面相”を見てみたかったんだろうが、何故かこのドラマを見ていない。と思う。結局、原作小説も読まないきりだし。「堀越捜査一課長殿」には怪人二十面相は出て来ないのだろう。いや、多分出て来ない。多分、僕の勘違いそのものだ。

※2021-2(『堀越捜査一課長殿』を電子書籍で読みました。“怪人二十面相”とは全く関係ありませんでした。)

※2021-2(1972年にNHKで夏木陽介主演で『明智探偵事務所』という連続ドラマを放送しているが、この中の72年7月放送の回のタイトルが『二十面相只今参上』となっている。この放送話の原作が『堀越捜査一課長殿』だと記録されている。原作の『堀越捜査一課長殿』には“怪人二十面相”は出て来ないがNHKドラマの脚本を脚色して“怪人二十面相”のお話に変えたのだろう。無論、原作『堀越捜査一課長殿』には明智小五郎も出て来ない。僕の記憶は多分、この72年のドラマのコトですね。)

 僕は、江戸川乱歩の小説は17歳頃に、名探偵明智小五郎の推理が冴える短編集、「D坂の殺人事件・二銭銅貨」を読んで、後は高校一年生頃に学校図書館で乱歩全集から分厚いのを二冊くらい借りて来て、結局これは読まず終い。後に、東京・関東圏の会社員の仕事辞めて帰って来て、一年半くらいプータロー、今で言うニートだったときに角川文庫の「黄金仮面」読んでる。僕が乱歩の作品で読んでるのはこれくらいだろうか。いや、そういえば最近、っていうか2011年くらいに、あの筒井康隆先生が子供の頃読んで、怖くて怖くて夜眠れなかった、という、何かでその話を読んでから、是非一度読んでみたいと思っていながら長らく読まないままだった、乱歩作品の中でも評価の高い作品の一つ、「孤島の鬼」を網膜剥離手術後の悪い目で苦労しながらも、僕は読んだのだった。2011年後半だな。想像してた程は、怪奇ムード溢れる物語でもなかったかな。まあ、僕がもう、爺さん域に来てから読んだからで、これが若い頃に読んでたら、もっと印象は違ってたんだろう。僕は子供時代、全く本を読まない馬鹿ガキだったが、もし読んでたらとても怖がってたかも。いや、子供の頃の僕は本当に、頭の悪い馬鹿ガキそのものだったから、内容が理解できなかったろうな。昔々のことながら情けない。

 まあ、僕自身で、これまで読んだ数少ない江戸川乱歩作品で、一番面白かったものって、高校生時に読んだ、名探偵明智小五郎の活躍する「D坂の殺人事件・二銭銅貨」という、当時の新潮文庫の短編集かな。娯楽探偵冒険小説というより、本格推理小説ということで面白かったと思う。小学六年生時から中学一、二年生時くらいに、当時の、近所のアーケード商店街内のI書店の児童書の棚に、ポプラ社の全集版で「少年探偵団シリーズ」の書籍がザッと並んでいて、僕は中学一年生時くらいに、ひょっとして単行本を一冊買っているのかも知れない。読んだかどうか記憶があいまいだけど。僕は中学生になって、児童用の名探偵シャーロックホームズものを読んだけど、小中学生の子供時代は漫画以外の活字本はほとんど読まなかったから、小学生の頃、こういう江戸川乱歩作品なんか読んでれば良かったなあ、と今さらながらシミジミ思う。中二の一学期までで剣道部辞めて、僕は中学生時代というのはかなり暇な生活してたから、この少年時代に小説中心に活字の本を、もっともっといっぱい読んでれば良かったのになあ、と思いますね。僕の小学生中学生時代は、漫画浸けの九年間でしたから。

 日本推理小説史上、草創期の開祖的な存在である、日本エンタティンメント小説のレジェンド作家、江戸川乱歩が、戦前戦後の児童雑誌に当時の少年少女向けに執筆した、娯楽推理活劇小説の「少年探偵団」シリーズ」を、1960年代後半、日本のアニメ界で新たに、連続TV放送アニメドラマとして制作したのが、「わんぱく探偵団」です。TVアニメ作品「わんぱく探偵団」は、1968年2月から9月まで当時のフジテレビ系列で放映されました。だいたい原作の「少年探偵団」お話設定に忠実に、団長の小林少年を主人公にわんぱく探偵団が、名探偵・明智小五郎の協力を得て、神出鬼没の怪盗、怪人二十面相率いる盗賊団の悪事を暴き、怪人二十面相一味と戦う、推理探偵活劇ドラマです。アニメ放送自体は半年強で終わりましたが。劇中で、自分らのこと、“わんぱく探偵団”って呼んでたかどうか、もう全然、記憶はありませんけど。

 TVアニメ放送とタイアップした漫画作品の方は、当時の講談社の月刊児童誌「ぼくら」の別冊ふろくで連載されました。僕は小学生時代から中学二年くらいまで、この漫画雑誌「ぼくら」を購読してましたから、「ぼくら」毎号の大型別冊ふろく、「TVコミックス」の中の収録分で、「わんぱく探偵団」を読んでいます。知らなかったんですけど、漫画版「わんぱく探偵団」は元々は、光文社の月刊雑誌「少年」で連載開始されてたんですねえ。月刊誌「少年」最末期の68年2月号に新連載になったものの、当時は戦後児童月刊誌の終末期で、戦後の児童雑誌界で一時代を築いた、光文社の児童雑誌「少年」も、68年3月号で休刊、事実上の廃刊となりました。そこから講談社の月刊誌「ぼくら」へと、連載がスライドしたんですねえ。「ぼくら」掲載も、アニメ放送終了と同時期に終わったようです。

 「少年」~「ぼくら」掲載の漫画版「わんぱく探偵団」の作画は大野ゆたかさんという漫画家さんです。僕は雑誌「少年」の中期、50年代後半から60年代前半の何年かに連載されていた、ほのぼの学園少年野球漫画、「ガラクタくん」の作者だと勘違いしていました。「ガラクタくん」の作画は吉田ゆたかさんです。「ガラクタくん」はストーリー漫画とギャグ漫画の中間ジャンルみたいな作風の、当時の少年学園生活漫画、かな。「少年」の看板を背負うような大人気漫画ではありませんでしたが、当時の「少年」例月号の巻末近くに、毎号モノクロページで掲載されてました。割りと連載が続いた漫画でしたねえ。「ガラクタくん」は僕が雑誌「少年」を読み始めた1963年頃にはまだ「少年」に掲載されてましたが、65年頃の「少年」にはもう載っていなかったかな。

 吉田ゆたかさんではありません、大野ゆたかさんです。漫画版「わんぱく探偵団」の作者、大野ゆたかさんは、講談社の「週刊少年マガジン」の創刊間もない当時、1960年から61年、SF冒険漫画「少年ロケット隊長」を、原作付きですが描いてますね。大野ゆたかさんについては、済みません、あまりよくは解らないのですが、デビュー時、手塚治虫先生に師事して“虫プロ”入りしているようですね。68年放送のアニメ版「わんぱく探偵団」の制作が“虫プロダクション”ですから、その繋がりで漫画版の作画を任されたんでしょうね。1962年の小学館の「週刊少年サンデー」に「秘密警察27」という作品を発表してますね。僕はこの漫画に関しては見たこともないし全く解りませんが、タイトルから推測してスパイものアクション漫画かも知れません。大野ゆたかさんは1950年代後半から60年代、児童漫画界で主に活劇ストーリー漫画で活躍し、その後“虫プロ”を離れ、70年代以降は絵本製作の世界で活躍されたようですね。絵本の作画で描かれた作品がいっぱい残っています。実際、僕は、小学生時代、当時の週刊少年サンデーもよく読んでましたから、大野ゆたか氏の作品、「秘密警察27」も読んでるのかも知れませんが記憶には全く残ってません(済みません、やっぱり読んでないです。僕がサンデーを読み始めるのは63年からです)。それ以降の作品が「わんぱく探偵団」まで見当たらないし僕自身も全く記憶にないのは、この時期、超多忙な手塚治虫先生のアシスタント業をされていたのかも。もしくは、虫プロ在籍だから、当時の黎明期のアニメ制作に携わっていたのかも知れません。

 「わんぱく探偵団」のアニメが放送されていた当時、僕は中学生で、確かにこの「わんぱく探偵団」の放映は当時見ていたと記憶しています。その前の実写版のテレビドラマ「少年探偵団」は、1960年11月から63年9月まで放送されたようですから、僕の記憶ではあんまりよく憶えてないけど、多分、子供の頃、僕はこのTVドラマを見ているでしょう。それ以前にタイトル「怪人二十面相」として、1958年から60年までやはり実写劇でTV放送されてるんですが、こっちの方のドラマはどうだろう?僕自身があまりにも幼な過ぎて、ひょっとして見てるのかも知れませんが、ただ漠然とTV画面が目に入ってた程度かも知れません。こっちの「怪人二十面相」の方は全く記憶してません。いずれもモノクロ実写劇の連続ドラマですね。それ以前となると、僕が生まれる前や生まれた頃、連続ラジオドラマや実写映画版でやってたみたいですね。映画の方は東映で九本も制作されてますねえ。勿論、僕は見てませんし、映画版がTV放映されたかどうかも記憶にありません。 

 ラジオや映画、TVのドラマやアニメの「少年探偵団」「怪人二十面相」というタイトルのシリーズは全て、江戸川乱歩のジュブナイル小説が原作で、戦前の講談社の「少年倶楽部」から戦後の光文社「少年」などに連載された、当時の大人気冒険探偵サスペンス小説ですね。1936年の「少年倶楽部」掲載から1962年の「少年」掲載分まで、乱歩のジュブナイル小説「少年探偵団シリーズ」は実に26年間も、いろいろ様々にお話を変えて続いて行ったんですねえ。昭和30年代の雑誌「少年」掲載分に、藤子不二雄A先生作画の漫画版「怪人二十面相」があります。僕はこの分を昔、“懐まんグラフィック本”みたいなムック本で、部分カットで見てるんですが、絵物語だったような記憶もあります。ちゃんとした漫画だったのかなあ?(ちゃんとした漫画みたいですね)。昭和三十年代の児童雑誌には、少年少女向け小説や漫画の他に、けっこう絵物語も多く掲載されてましたからねえ。僕が漫画を読み始めた62年の末から64年か65年くらいまでは、月刊児童誌や週刊少年マガジン・週刊少年サンデーにも子供向けの小説が掲載されてました。学校の勉強大嫌いだった僕は、無論、小説なんて全然読まずスルーしてましたが。藤子F不二雄先生にも、昭和30年代、講談社の学年誌の幼年版に「怪人二十面相」の絵物語版があるようですね。この分は小学館の「藤子F不二雄大全集」にも収録されているらしい。

 2008年に「K-20 怪人二十面相伝」という映画が、金城武主演、ヒロイン松たか子、助演仲村トオル・國村隼で、劇場公開されていますが、これは、作家の北村想氏が怪人二十面相をモデルにして描いた小説を原作とした劇場版映画で、僕は2009年頃か2010年頃、DVDかTV放送で見てます。時代背景的に江戸川乱歩の原作世界を意識して、パラレルワールド・スチームパンク版舞台のアクション映画でしたね。それと、知らなかったんですが、2000年代に入って、小学館のビッグコミックス版で、山田貴敏さんが作画した漫画版「少年探偵団」が全3巻で刊行されてるんですね。この分は僕は読んだことないけど、何でも、小学館の学年誌に連載された分のコミックス化らしい。

  光文社の月刊誌「少年」に掲載された分の、藤子不二雄A氏作画の「怪人二十面相」は1959年から60年に掛けて連載された、ちゃんとした完全漫画版で、人気が高かったんでしょう、当時の「少年」の別冊ふろくにも何度もなってますね。中央公論社から84年から91年まで刊行された、新書版コミックスの「藤子不二雄ランド」にも収録されてます。僕が何かの漫画資料本で見掛けた、部分カットは、藤子F不二雄氏のものだったのかも知れません。藤子F不二雄氏の方の、「かいじん二十めんそう」は、1959年当時の講談社の学年誌「たのしい一年生」に、絵物語版として連載されたようですね。また、古い資料を見ると、文字だけですが、雑誌「少年」の1961年新年号の目次に「怪人二十面相」-作画・大野ゆたか、とありますので、「少年」連載の「怪人二十面相」の作画を藤子不二雄A氏が1960年いっぱいで降りて、作画を大野ゆたか氏が引き継いだのかも知れません。まあ、僕は当時の雑誌を持っている訳ではないので、詳細は解りませんけど。「わんぱく探偵団」や「少年探偵団」とは全く関係ないんだけど、吉田ゆたか氏作画の「ガラクタくん」は、雑誌「少年」の1959年頃から連載が始まっていて、何と連載は65年まで続いていますね。62年頃までは「少年」の別冊ふろくにもなってますから、当初はけっこう人気のある漫画だったのかも知れません。また、大野ゆたか氏作画の「わんぱく探偵団」の雑誌「少年」誌上の新連載は、「少年」68年新年号からで、連載は3回続いて、後は「ぼくら」へのスライドですね。
※(資料を探していて、1960年の週刊少年マガジン、6月頃から秋に掛けて、大野ゆたか氏作画の漫画が連載されていたことが解りました。原作付きですが『日の丸一平』という太平洋戦争中の実話をベースにしたという、ゼロ戦航空戦記漫画です。この連載終了後に連載されたのが『少年ロケット隊長』ですね。大野ゆたか氏の執筆された漫画作品は、他にもあるのでしょうが、他には、僕には見つけられませんでした。)

 80年代後半から90年代初頭まで、TBS系列で「TV探偵団」という30分番組をやっていて、この当時、僕はこの番組が毎週楽しみだったのだが、この、昔のテレビ番組懐古バラエティーの、番組冒頭のテーマ曲が、昔々のラジオやテレビドラマの「少年探偵団」のテーマソングの替え歌だった。江戸川乱歩のジュブナイル小説を原作とした「少年探偵団」のドラマ化は、一番最初はラジオドラマで、1956年頃から放送されてますね。その後は東映の劇場版映画で、劇場用映画はラジオドラマ放送よりも早い作品も含めて、各映画会社合わせて十数本制作されてるみたいですねえ。TVの方では最初のはタイトル「怪人二十面相」で、日テレ系列で1958年から放送。こっちのドラマもテーマソングは「少年探偵団のうた」だったみたいですね。で、TV版はその後、「少年探偵団」のタイトルでフジテレビ系列で60年から63年まで放送。このドラマの主題歌は勿論、「少年探偵団のうた」ですね。何か、タイトル「少年探偵団」も「怪人二十面相」もみんな、テーマソングは同じ「少年探偵団のうた」だったようですね。幼少時の僕はこの二番組、見てるかも知れませんが、詳しいことはほとんど記憶してません。

 ♪「ぼ、ぼ、ぼくらは少年探偵団。勇気ィりんりん、鈴の音~」と子供の頃から、「少年探偵団のうた」を覚えているんですが、60年代初めのフジ系列のドラマ「少年探偵団」のことは、実はほとんど記憶してないんだけど、どういう訳か、テーマソングの冒頭の文句とメロディーは、昔々の子供時分からよく覚えている。けど、ネット検索で、「少年探偵団のうた」のちゃんとした歌詞を調べたら、僕の覚えてた歌詞は間違ってた。♪「勇気りんりん鈴の音」なんて、一番にも二番にも三番にも四番にも無かった。本当の分の歌詞では、一番に♪「勇気りんりん、るりの色」となっている。多分、幼い僕は、歌詞の「りんりん」から勝手に鈴の音を連想して、♪「勇気りんりん、鈴の音」と自分で作って歌ってたんでしょうね。歌ってたって、まあ、鼻歌でしょうが。フジ系の「少年探偵団」は60年から63年までの放送期間なら、幼児期にしろ、多分僕は見てますね。記憶に残ってないだけで。その前の日テレ系列の「怪人二十面相」は、もう僕が幼な過ぎて、ただぼんやりTV画面を眺めてたくらいで、印象には残らなかったんでしょうね。この分は全く、欠片も記憶にない。歌詞の覚え違いというと、子供の頃の「ジングルベルのうた」ですね。クリスマスソングの「ジングルベル」の日本語詞版。本当のちゃんとした「ジングルベル」日本語詞版で、♪「雪の中を、軽く速く」と「雪も白く、風も白く」という一節があるんですが、僕は同じメロディーで、♪「雪を蹴り、ダルマを蹴って~」と歌ってた。“ダルマ”だなんて、何か馬鹿みたいに歌詞覚えてましたが。“雪だるま”の連想でしょうが。何か随分小さい頃からこの歌詞で、鼻歌で歌ってましたねえ。

 1968年、フジテレビ放送の連続アニメ、「わんぱく探偵団」の主題歌は、ラジオドラマから映画、テレビドラマと一貫してテーマソングだった曲、「少年探偵団のうた」の替え歌になってます。新たなアレンジですが、曲調は全く一緒で、歌詞が「わんぱく探偵団」だの、詞の言葉がけっこう変えられてますね。

 2013年の1月から3月までフジテレビ系列で放映された、いわゆる月9ドラマワクの一作品、「ビブリア古書堂の事件手帖」の中でも、「少年探偵団」を題材に扱っているエピソードがありました。もうドラマ放送の終盤近く、第10話で、戦前からの名家に残る、古書価値の大変高い、江戸川乱歩著作の「少年探偵団」のポプラ社版や、その前の光文社版から、戦前に出版されたものまでも扱って、それら稀少古書にまつわる一族の家庭の謎を組み込んで、小さなミステリのストーリーを編んでいましたね。

 この分のエピソードの、元々のお話の原作分は、作家・三上延氏のミステリ小説「ビブリア古書堂の事件手帖」の、文庫版第4巻に収録されています。サブタイトル、「栞子さんと二つの顔」篇ですね。 

 

(2017-1)

 ネットを回ってて見つけたんですけど、講談社の月刊誌「ぼくら」の1969年7月号・8月号の別冊ふろくに、大野ゆたか氏作画の漫画がありました。この当時の「ぼくら」に付いていた大判の別冊ふろくで、変形B 5判みたいですね。B 5の上を切ったくらいの大きさで、もうA 5に近い大きさかな。漫画は「空中都市008 -ゼロゼロエイト-」というタイトルのSF 漫画です。  

 大野ゆたかさんは月刊誌「ぼくら」誌上で1968年、「わんぱく探偵団」の連載を持ち、「わんぱく探偵団」の連載が終了した後、間を開けて69年に同誌で「空中都市008」の連載を持ったのでしょうね。ちなみに月刊誌「ぼくら」は69年の10月号で月刊誌として終了してしまいます。児童漫画雑誌「ぼくら」の休刊ですが、この直ぐ後、週刊誌「ぼくらマガジン」が創刊になります。「ぼくらマガジン」の創刊1号は11月18日号だけど発売は69年10月でしょうね(週刊誌の11月18日号だから発売日は11月に入ってたかも知れない)。月刊誌「ぼくら」終了からスライド継続して連載されたのは「タイガーマスク」だけだったと思います。

 ネットを回っていて発見して今ごろ初めて知ったのですが、この69年の時代に後の日本SF界の重鎮、SF作家· 小松左京のジュブナイルのSF 小説が原作となる人形劇がNHK でTV 放送されてて、これが人形劇「空中都市008」です。 69年の月刊誌「ぼくら」に連載されてた大野ゆたか氏作画の「空中都市008」はこのNHK の人形劇のコミカライズ作品なのですね。

 僕は週刊ぼくらマガジンが創刊されてからしばらくこの週刊漫画誌を購読してましたが、この草創期の「ぼくらマガジン」には漫画版「空中都市008」は掲載されてなかったので、月刊誌「ぼくら」の最終号10月号までには連載を終了していたんでしょうね。

 オリジナル「空中都市008」はSF 作家·小松左京氏の未来予想と未来予言に溢れた、人間の未来社会の未来の生活や科学技術を描く、SF 児童文学ですが、それを基にしたNHK の人形劇は、放送が69年の4月から始まり、一回の放送時間こそ15分でしたが、70年4月まで何と230回も続けて放送されています。人形劇の主題歌は富田勲氏の作曲で中山千夏さんが歌唱されてるようですね。YouTube などに挙げられていて今でもオープニングが見られるようです。

 僕の人生上で最リスペクトする有名人の一人の、小松左京先生の作品の一つであり、TV放送までされた小説作品を今の今まで知らなかったのは、僕としては何という不覚というか、片手落ちどころか両手両足落ちの落ち度ですが、このジュブナイルSF小説は、1968年にサンケイ新聞に連載されて、翌69年に単行本として出版されたそうです。だから、まぁ、本の刊行と同時期くらいに人形劇でTV放送開始になり、少年雑誌で漫画化されて連載されたんですね。

 あ、昭和のサンケイ新聞に連載された訳ではありませんね。僕が中学生の頃、家では西日本新聞と読売新聞を取っていて、そのどちらかの子供版に、SF 作家·光瀬龍氏の「北北東を警戒せよ」というジュブナイルSF 小説が新聞連載されてて、僕は頭の悪い、デキのよろしくない子供だったから、この、実は面白いSF 冒険小説を当時まともに読んでなくて、ときどきパパッと流し読み程度しか読まなくてお話がよく把握できず勿体ないコトしましたが、それで、「空中都市008」も当時のサンケイ新聞の子供版にでも連載されたんだろうと思ってましたが、違いました。

 「空中都市008」は正確には「アオゾラ市のものがたり」というサブタイトルが付いてるそうです。「空中都市008」が連載されてたのは、当時のサンケイ新聞が出してた月刊の冊子で「月刊PTA 」という雑誌に掲載されてたようです。この「月刊PTA 」という雑誌を調べてみたのですがよく解らなくて、何でも、当時のサンケイ新聞出版局が1966年から68年まで「日本PTA : すぐに役立つお母さんの教育雑誌」という雑誌を出していて、この月刊誌の刊行は68年9月号までで終了してるのですが、「空中都市008」の連載されてた「月刊PTA 」とは多分、この「日本PTA : すぐに役立つお母さんの教育雑誌」という雑誌のコトだと思うのですけど…。ちなみに光瀬龍氏の傑作ジュブナイルSF 「北北東を警戒せよ」は多分、西日本新聞の方で、西日本新聞の日曜日に付いて来てた子供版に連載されてたんだと思います。

 

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