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天久鷹央の推理カルテ

 

 拙ブログ「Ken の漫画読み日記。」 は、新旧漫画作品を扱ったワタクシめの個人ブログですが、新旧って大部分が「旧」の作品で、その内ほとんどは昭和漫画が占めてますが、まぁ、僕が漫画作品を題材にして感想とか、その漫画にまつわる自分の知ってるコト書き込んだりしてる訳で、本来は漫画評論書きたかったのですが、漫画の感想くらいのトコで終わってることが多く、“評論”なんて呼ぶにはとてもおこがましいレベルですかね。

 だいたい僕の子供時代に読んだ漫画を取り上げて、あーだこーだ書き込んでる訳だけど、その当時の僕の思い出もふんだんに書き込んでいて、そっちの部分の方がむしろ多いんじゃないかってくらいです。僕の子供時代·少年時代·青年時代の個人的な記憶を思い返してだらだら書き込み、書いてる僕自身が懐かしさに浸っている部分は大きい。

 そんな訳で、このブログは大半は漫画作品を取り上げているのだけど、今回は漫画でなくて小説です。今回のタイトル、お題になってるのは“医療ミステリー”ジャンルの小説作品です。今嵌まってるミステリ小説「天久鷹央の推理カルテ」というシリーズ。この本の表紙だけ見ると、アニメの萌え系みたいな可愛いイラストで主人公が載っているので、今風絵柄のコミックかと勘違いしそうですが、これはエンターテイメント小説作品です。

 でも先ずは“医療ミステリー”つながりで、今TV のTBS 系列で大人気放送中の連続ドラマ、「インハンド」のことを取り上げて書きます。TV ドラマ「インハンド」は原作が漫画作品なので、「Ken の漫画読み日記。」に相応しい題材にもなるし。ただ僕はドラマは毎週見てるけど、原作の漫画は今のところ読んでないのですけど。

 TBS系 テレビ金曜夜10時ワクで、4月12日から放送が始まった、ジャニ系アイドル·山下智久34歳が主演する、医療系のサスペンス·ミステリ連続ドラマ「インハンド」は、原作がコミックであり、講談社の青年コミック誌·月刊アフタヌーン~イブニングに、2013年から2019年4月現在まで連載が継続している、朱戸アオ氏作画の医療系サスペンス·ミステリ漫画「インハンド」がもともとの原作物語です。

 ドラマは主人公の謎の生物学者·紐倉哲が、ちょっと、手塚漫画のブラックジャックを彷彿させるような雰囲気も持った、ニヒルな感じで、良い意味でのサイコパス感があり、超頭の良い人描くときの徹底した合理主義的思考で、冷たい感じを放ちながらも行動面に人間的優しさが見え隠れするという、天才科学者をジャニーズ系タレント·山下智久が好演しています。

 脇を固めるサブキャラの、紐倉博士の助手·高家の、正義感とヒューマニズム溢れるがお人好しの小市民感があり、貧乏くじを引いたりドジを踏んだりして困った立場に追い込まれて、視聴者の笑いを誘うコメディーキャラを、濱田岳が好演して、ドラマに良い味出している。

 同じくサブキャラで、このドラマのヒロインとなる、東大卒のエリート官僚ながら、冷や飯を喰わされる部署に転属され、不満を持ちながらも上昇思考が強く、近い内に官僚エリートコースに絶対返り咲くと前向きに行動する、強い正義感も併せ持つ行動派キャリアウーマン·牧野巴を、高身長ナイススタイル・足長Sキャラ美女·菜々緒が演じてます。

 牧野巴が所属する、内閣情報調査室·健康危機管理部門の室長·網野肇という、無難・無事に官僚サラリーマン生活を過ごして、昇進をただ待つだけという、やる気のない上司役を光石研が好演していますね。

 連続ドラマ「インハンド」は2019年4月いっぱいで3話まで放送されました。6月内までに全10話くらい放送になるのかな。

 原作漫画「インハンド」の主人公は天才生物学者·紐倉哲ですが、初登場の作品、2013年の月刊アフタヌーンに連載された「ネメシスの杖」では、主人公は別に居て、紐倉博士は重要な脇役でした。その後、2016年の月刊アフタヌーン連載の「インハンド-紐倉博士と真面目な右腕」にて物語の主人公となりました。そして2018年の青年コミック誌·イブニング22号から、タイトル「インハンド」として新連載、2019年4月現在も連載中です。

 「インハンド」主人公の天才生物学者·紐倉哲は、中南米のジャングルの植物から発見した成分から薬剤の特許を取り、大金持ちになって東京ドーム何個分とかの広域な土地に爬虫類や熱帯植物を飼育する施設を作って、そこに住んで研究に勤しんでいる。紐倉博士は寄生虫専門の科学者でもあり、寄生虫媒体の感染症やパンデミック、その他の原因不明の感染症などに関わって行く…。「インハンド」は、謎の流行性の感染する病気などを題材にした、傑作·医療サスペンス·ミステリーのコミックです。

 人気TV ドラマにて傑作コミックの「インハンド」が医療サスペンス·ミステリーということで、漫画や小説、映画やTV ドラマなど、近年は、エンターテイメントの物語のジャンルには、この“医療サスペンス”の作品が多いですね。特に有名なものに、医学博士号を持つ外科医·病理医である、海堂尊さんの書かれた、ベストセラー·傑作医療ミステリー小説の「チームバチスタの栄光」や「ジェネラルルージュの凱旋」がありますが、この分野の小説作品もいろいろと多い。最近は、現役の医師や医学部を出て作家になられたり、医師と作家を兼業されている才能豊かな人も居る。

 “医療ミステリー”のジャンルの小説は、ベストセラーになれば映画化やTV ドラマ化、ときにはコミック化もされるし。「インハンド」は元からが、朱戸アオさんという方が原作付きでなく単独で作画する、“医療ミステリー”の漫画作品ですが。だいたいこういう専門分野を舞台にしたコミック作品には、原作付きが多いのですが、見るからにペンネーム(仮名)の朱戸アオさんは、漫画の作画能力がありながら、専門的と言えるけっこうコアな病理知識や医療知識を持っていて、才能豊かで凄いですね。朱戸アオさんは、ネットで調べても、はっきりしたプロフィルのよく解らない謎の漫画家さんです。SNS をやられてるようですが。コアな医療知識は現役医師か医学部出身なのか?よく解りません。

 医療系漫画というと、元祖が手塚治虫の「ブラックジャック」、そして佐藤秀峰さんの「ブラックジャックによろしく」がありますね。あと、TV ドラマ化された「医龍」とか、後続の医療系漫画はけっこういっぱい出てますね。そうそう、TBS 系列でTV ドラマ化されて記録的な高視聴率を取った、「JIN」も村上もとかさんの医療系漫画が原作ですね。「JIN」は舞台の大部分が時代劇だけど。

 

 そして、僕が最近嵌まってるシリーズ小説が、非常に読みやすくて、どっちかというとライトノベルのカテゴリに入るんじゃないかという感じで、でも一応ライトノベル扱いではない、普通一般の文芸小説とライトノベルの中間くらいに位置する若者(少年少女)向け小説か、ってくらいのエンターテイメント小説で、文庫本刊行ワクも“新潮文庫nex”と一般の新潮文庫と別ワクの刊行シリーズになってるし、若者が一般的な小説読書生活の入り口に、とても良いような平易な文章使いと現代の若者が普段会話するようなセリフ使いで、内容はきちんと“医療ミステリー”になっている、ユーモアたっぷりのおもしろ小説シリーズ「天久鷹央の推理カルテ」です。

 この天久鷹央シリーズの文庫本は、カバー表紙が全部、アニメ·萌え系イラストになってます。シリーズ主人公の天久鷹央を漫画絵で描いた、可愛い萌え系イラスト表紙ですね。

 天医会総合病院の理事長の次女にして、副院長と統括診断部·部長職を兼ねる、見た目女子高生の、小さくて可愛い、童顔の天才女医·天久鷹央が本シリーズの主人公で、物語のおおかたの語り手·進行役が、統括診断部唯一のスタッフ、若き新米医師·小鳥遊優(たかなしゆう)。

 小鳥遊優(たかなしゆう)は、たかなし医師を“小鳥”のあだ名で呼ぶ上司、天久鷹央のお守り役みたいなもので、上司·鷹央は天才脳に無限の医学知識と医学情報を内包する超有能医ではあるのだが、こと世の中の人間関係をやって行く上での人付き合い方に関しては、致命的に非常識で、同じ医療関係者間や職場の同僚間、患者やその家族や病院外部の人たちなどなど、とにかく普通に人間関係を上手くやって行くことができない。また、何をしでかすか解らないような危なっかしい行動力もある。

 ある意味有能な部下である、見習い医師·小鳥遊優がフォローすることで、鷹央は病院·統括診断部の医療業務を行うことができている。たかなし医師の、そのお守り役キャラは完璧に近く、彼の働きがあるからこそ、鷹央の医療能力を充分に発揮できると言える。そのかわり小鳥遊医師は、鷹央の相手やフォローをして回ることで、非常に大きなストレスを抱える破目になっている。

 小鳥遊優は、身長180センチ以上で体格の良い偉丈夫だが、心優しく普段は穏やかでお人好しキャラであり、いつも女医見習いの研修医·鴻ノ池舞にからかわれている。

 読んでいると、天才女医·天久鷹央はいわゆる発達障害の一種を抱えてますね。サヴァン症候群やアスペルガー症候群の特徴や症状が随所に見え隠れしてる。

 

 傑作医療ミステリー小説·天久鷹央シリーズには、「天久鷹央の推理カルテ」タイトルの短編·中編集の本が1巻から5巻まで、現在5冊刊行されており、他に「天久鷹央の事件カルテ」と銘打って、それぞれのサブタイトルが続く、書き下ろし長編小説が4巻刊行されていて、2019年4月現在で“天久鷹央シリーズ”は全9冊出ています。

 “天久鷹央シリーズ”の作者の知念実希人さんは、医学部出身の現役医師であり、職業·内科医として働きながらも小説を書き続けていて、天久鷹央シリーズの他にも長編ミステリ小説を何作も上梓されており、高い評価を得ている長編推理小説作品も複数あります。

 “天久鷹央シリーズ”では、だいたい病院の中が舞台で、不可思議な症状の患者が現れ、それぞれ各専門科の医師たちが原因不明で頭を傾げる病気に、統括診断部の天才女医·天久鷹央が乗り出し、症状の隠れた原因や病気を暴き出して問題を解決に導く。ほとんどのエピソードが、病院内での患者の謎の症状の、天久鷹央による見事な解明というストーリーなのですが、中には犯罪が絡んだお話もある。作者·知念実希人さんの、実際の医者としての専門知識があってこその、物語の構成とストーリーですね。とても面白いシリーズ小説です。

 医療の素人には、いろんな病気のあれこれ(副作用とか落とし穴的な医療の裏の部分も含めて)が知れて嬉しい部分もあります。

天久鷹央の推理カルテ1巻 (新潮文庫nex) 知念実希人                    

天久鷹央の推理カルテII: ファントムの病棟 (新潮文庫nex) 知念実希人

天久鷹央の推理カルテIII: 密室のパラノイア(新潮文庫nex)知念実希人                    

甦る殺人者: 天久鷹央の事件カルテ (新潮文庫nex) 知念実希人                    

インハンド(1) (イブニングKC) 朱戸アオ                    

インハンド プロローグ1 ネメシスの杖 (イブニングKC) 朱戸アオ

インハンド プロローグ2 ガニュメデスの杯、他 (イブニングKC) 朱戸アオ                    

◆インハンド プロローグ(1) ネメシスの杖 (アフタヌーンコミックス) 朱戸アオ

崩れる脳を抱きしめて  単行本(ソフトカバー) 知念実希人

レゾンデートル (実業之日本社文庫) 文庫 知念実希人 

 思えば、平成17年から記事を書いてアップをし始めた、この「Ken の漫画読み日記。」も、ここに平成最後の記事を迎えてアップする訳です。平成31年まで満14年以上も、漫画感想ブログを続けて来て、平成最後の記事タイトルが漫画作品ではないという、この落ち度というか、いい加減さがこのブログの良いところであり、そんなふうに内容が緩いからこそ、14年間も続けてこれたんでしょうね。

 それに、今回お題の「天久鷹央の推理カルテ」シリーズは短編·中編集をまだ3巻までしか読んでないし、漫画作品で上げている「インハンド」はドラマは見てるけど、原作漫画はまだ1冊も読んでないし。

 このブログを初めた平成17年頃は、腰椎ヘルニアや頸椎症を患った後だったものの、今よりまだぐーんと元気も良かったし、ド近眼でも今に比べれば目も健康だった。現在に比べると本も漫画もたくさん読めた。今は、漫画も小説も目が悪過ぎて読書がしんどく、なかなか進まない。背骨の難病の後遺症もあって、漫画を読むのもブログに記事書いて行くのも、けっこう大変で作業がなかなか進まない。「天久鷹央の推理カルテ」は電子書籍で読んでます。電子書籍の方が活字も大きくして行間も広げられるし、僕には、読書には紙媒体よりずっとラクですね。

 ネットを回ってて知りました。「天久鷹央の推理カルテ」は既にコミック化されてるんですね。小説版の表紙イラストを描いている、いとうのいぢさんという方がキャラクターデザインを担当して、漫画版の作画は猪原博綺さんという漫画家さんです。コミックス単行本は2018年に全4巻で刊行されてますね。アニメ化の話も持ち上がったりしてるんだとか。

 「天久鷹央の推理カルテ」が漫画本で刊行されてるんなら、「漫画&小説」カテゴリで普通に「Ken の漫画読み日記。」で取り上げて間違いなかったんですね。なーんだ。でも僕はまだコミック版は読んだことないしな。

 

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