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「深夜の校内放送」-浜慎二ホラー漫画作品-

 この三年くらい前から、漫画は全部と言っていいほど電子書籍で読んでいる。今は電子書籍のサブスクにも入ってるから、30年·40年以上前の漫画作品はサブスクの無料で読める漫画も多い。サブスク電子書籍でも新しい漫画や比較的新しい漫画、20年くらい前の作品でも、紙の本と変わらない値段の漫画だらけだけどね。

 電子書籍のサブスクでも、人気の高い漫画って大長編~長編漫画が多いけど、1巻~3巻くらいまではサブスク無料だけど、4巻5巻以降は紙の本と変わらない料金を取る、という電子書籍漫画も少なくない。面白いとつい4巻以降を金出して買っちゃうんだよね。

 今のワシは料金払って読む電子書籍漫画もけっこう多いが、月々のサブスク定額代もったいないから無料漫画もいっぱい読んでる。

 そんな中、浜慎二先生のホラー漫画は無料のものが多いんだよね。

 小学生時代、毎日近所の貸本屋に通ってた僕は、貸本漫画のホラー短編オムニバス誌「オール怪談」や「怪談」を愛読してた。「オール怪談」「怪談」の常連作家だった浜慎二さんのホラー短編漫画は、当時貸本漫画の中で人気も高かったと思うが、僕も好きな作家さんだった。「オール怪談」「怪談」に寄稿する常連作家の中では、古賀しんさく(古賀新一)さんと浜慎二さんは特に好きだったな。

 サブスク月定額の中で無料で読める、浜慎二先生のホラー漫画作品を何作か読んだけど、特に印象に残る「深夜の校内放送」のお話の割りと詳しいあらすじと、浜慎二先生のホラー短編集「SF恐怖入門」の中の巻末短編作品「白骨の使者」の割りと詳しいあらすじを書き込みます。先ずは長編ホラー漫画「深夜の校内放送」のあらすじから。

 街の一角にある木造二階建ての早瀨医院の長女、早瀨恵ちゃんは小学六年生で放送委員。将来の夢はテレビのニュースキャスターで学校では火曜と木曜の校内放送の担当。両親共に医師だが医院の仕事は父親がやっていて、お母さんはほぼ専業主婦。大学病院に勤務する年の離れた兄がいる。

 早瀨医院は三代続く町中の古い病院で、お父さんは婿養子らしく、家の正統跡継ぎの母親はこのまま早瀨医院を存続したく、息子に大学病院を辞めてモダンに立て替えるつもりの病院を継いで貰いたい。医院業務を行う父と長男は、父親の代で医院を廃業したい意向でいる。

 同業の親しい医師が、病院を大きく豪華に建て替えて自分の息子に継がせるパーティーをホテルで盛大に開催し、招待された早瀨医院の母親は悔しい思いをした。恵の母親も医院を建て替えたいが、その資金がないのだ。

 パーティーの帰り、恵の母親は喫茶店で怪しい男と会って密談し、男に何事かを急いで欲しいと懇願されている。

 校内放送当番の早瀨恵が放送した日、放送に恵の声に混ざって「わたし、わたしよ、助けて」という声が小さく入る。下校時にもその声は小さく流れる。恵たちが放送室に駆け着けても誰もいないし鍵も掛かっている。

 その日から早瀨恵自身に異様な現象が続くようになる。

 恵が1人で街を歩いているのに、街で恵を見掛けた複数の人たちが、恵は見知らぬ女の子と一緒に歩いていたと証言される。遠足の日の友達とのスナップ写真に恵の上に見知らぬ女の子の顔が写っている。しかしその写真を母親に見せると、少女の顔は消えて木の幹のウロしかない。

 極めつけは、恵が外出して電車に乗ると車内は恵以外無人で、電車の中に1人ポツンと写真に写り込んでいた顔の少女が座っていた。慌てて降りた駅も街の中も無人で誰にも会えない。気持ち悪くて急いで帰宅すると家の中の母親と父親の顔が崩れ歪み、お化けのようになった。

 恐怖におののいた恵は、怪物になった両親から逃げるように走って家を出て、公衆電話ボックスに入り、大学病院の兄に電話を掛ける。兄にこれまでの異様な状況を話した恵。兄が急いで帰宅すると約束してくれて電話ボックスから出ると、普通の日常に戻っていて、両親もいつもどおりの優しい父母だった。

 恵の母親が頼まれていたのは、有力政治家の心臓の悪い一人娘の心臓移植手術だった。手術を請け負って貰えれば先方は莫大な料金を支払うと言う。そのお金があれば自分の代々続いた医院を建て替えることができるのだ。

 早瀨医院の患者の1人に、病気に掛かって半分寝たきりのような祖母と二人暮らしの貧しい少女がいる。この女の子は生まれつき病弱で成人するまで生きながらえる望みはない。早瀨恵と同じか少し上くらいの影の薄いひ弱な女の子。

 早瀨の母親は病院再建~建て直しのための莫大な資金を得るために、有力政治家の使者の頼みを受け入れ、政治家の子供の心臓移植手術を、秘密裏に早瀨医院の中で行いたい。

 深夜、早瀨の家の子供部屋で眠っていた恵に「助けて、助けて…」という声が聞こえる。この何処からともなくはかなく聞こえて来る声のために恵は眠れず、ベッドから起きて声を辿って家から深夜の戸外へ出て行く。

 うめき声のような気味悪い声を辿って深夜の街中を歩くと、恵の通う小学校に着いた。さらに校舎の中を行くと、何と声は学校の放送室から出ていて、気持ち悪いうめき声のような「助けて…」は、放送室の校内放送のマイクに向かって話す、1人の女の子が声を出しているのだった。

 マイクに向かう影の薄い少女は、恵の夢に出て来たり、恵の入る集合写真で恵の頭の上に写り込んだ心霊写真のような顔の、そして無人の電車内でポツンと1人座ってた、あの不気味な女の子だった。この少女こそ、街中で1人で歩く恵を見掛けた人々が、恵が知らない少女と一緒に歩いていたと騒がれた、その女の子なのだった。

 実はこのはかない少女は、早瀨の母親が依頼されてる、有力政治家の娘の心臓移植手術の、生きた唯一ドナー候補の少女なのだ。

 勿論、ひ弱な少女も保護者の病弱な祖母もそのことは知らず、手術も早瀨医院の中で秘密裏に行うつもりなのだ。つまり殺人を伴う違法行為を。・・・

 というのが「恐怖·深夜の校内放送」のあらすじですね。

 このお話の怪異は幽霊ではなくて生き霊ですね。自分の知らぬ間に心臓を抜き取られる、つまり殺される薄幸な少女の、自分でも気付かぬ内なる訴えが生き霊として現れ、自分を殺害しようとする夫婦の娘に特に強く訴える。

 終盤、クライマックス、いざ心臓を抜き取る手術をされようとする無理やりドナーの薄幸少女が、いつの間にか恵と入れ替わっていたりする怪異が起きる。済みません、終盤のネタバレはしないでおきます。

 この浜慎二先生のホラー漫画は、立風書房レモンコミックス·レーベルの1989年7月刊行の長編作品ですね。僕は70年代に描かれた作品かなと思ってたけど、けっこう後の作品でしたね。1936年生まれの浜慎二さんの53歳の頃の作品ですね。この漫画が雑誌連載されたものをまとめてレモンコミックスで刊行したものか、レモンコミックスの単行本描き降ろしか、僕には解りませんけど。

 

 次に「SF恐怖入門」からの一編「白骨の使者」のあらすじ。

 深夜、古賀葬儀社の老店主のもとを1人の紳士が訪ねて来る。目深に被った中折れ帽にトレンチコートに革手袋、スラックスに革靴の紳士は表情がよく見えない。

 紳士姿の男は店主に棺桶を10個も注文し、代金も前払いで払って去る。男は帰りしな、10個の棺桶の内一つは自分のものだ、と語って深夜の街中に消える。

 老店主は近くで10人もの死人の出た大事故でもあったのか?と思い、一つは自分の棺桶だと話した紳士をいぶかしむが、前金で料金も貰ったし商売になればそれでいいと、それ以上深く考えないことにする。

 翌日から葬儀屋店主は、数人の使用人でフル回転で夜遅くまで10個の棺桶製作に取り掛かった。

 深夜、葬儀屋を後にしたトレンチコートの紳士は、川岸の濡れた着物姿の女性や工事現場の泥で汚れた作業服姿の男などを訪ねて、言伝てをして去って行った。

 約束の晩、遅くなっても紳士が注文した棺桶を取りに来ないので、老店主は夜もふけたし葬儀屋の二階でもう寝ることにした。深夜も深夜の遅くに店玄関の呼び出しベルが鳴り、老店主は起きて店のシャッターを開けた。

 棺桶10個を注文した紳士が店に入って来たが、その後ろにぞろぞろと数人の人たちが続いて入って来た。全員で10人いて、みんな異様な姿をしている。泥を被って汚れたり、びしょ濡れだったり、ボロボロの服装だったりしている。

 葬儀社の店内が異様な風体の客でいっぱいになると、リーダー格になる棺桶注文の紳士が、店主に向かって、葬儀を上げてくれと頼み出す。自分たちを綺麗に洗ってから汚れた服装を綺麗なものに着替えさせてくれ、と依頼する。

 客の1人はびしょ濡れで寒い寒いと言い出し、他の1人は泥だらけでもう5年も土の中にいたので綺麗な服装に着替えたいと言い出す。驚いている店主の近くに来た客は顔が白骨だった。

 リーダー格の紳士は、この人たちは自殺や事故で遺体が水の中に沈んだままや土中に埋まったままで見つからず、葬儀を上げて貰えなかった気の毒な人たちばかりで、ここにいる全員を葬儀を上げて納棺して欲しいと頼む。

 紳士が顔を近付けて帽子を取ると、紳士の顔も白骨化していた。悲鳴を上げて店主は、出て行け化け物め!と怒鳴り散らす。

 亡霊の群れに囲まれた店主が絶叫すると、店内のお棺や棚や家具などがガラガラと崩れて倒れ出す。

 深夜の町内では街の一角から炎が上がり、火事だ火事だと大騒ぎになる。やがてサイレンが響き消防車が集まって来る。

 葬儀社が建物ごと炎に包まれる大火事となる。消火活動する消防士のもと、命からがら店主が逃げ出して来る。炎の中に白骨が踊っている。白骨によっては、気持ち良いなどと言いながら炎を浴びている。

 やがて火が治まって、全焼した葬儀屋建物の焼け跡に、不思議なことに十個の棺桶だけが燃えることなく残っていた。消防隊員と店主が一緒にお棺の蓋を開けると、どの棺にも白骨遺体が納まっていた。・・・

 …というのが短編集「SF恐怖入門」の中の巻末の最後の作品「白骨の使者」のお話のあらすじですね。

 僕が貸本漫画を読み始めたのは1962年の暮れか63年初頭頃で、近所の貸本屋が閉店してしまって貸本漫画を読めなくなったのが66年の春ですね。貸本漫画の最盛期は1958年頃から62年頃で、63年はまだ貸本漫画もいっぱい刊行されてましたね。65年頃に衰微期に入り、66年はもう貸本漫画の衰退期でしたね。

 66年頃から貸本漫画の各出版社が、貸本漫画の刊行スタイルA5判128~136Pをやめて、貸本漫画も新書判コミックス(後に出るB6判ではない)196~約250Pの漫画単行本を出版し始めました。

 貸本漫画「オール怪談」を長年刊行し続けた、当時は貸本漫画専門出版社·ひばり書房も新書判コミックスのスタイルで漫画単行本を刊行します。その中に浜慎二先生の短編集「SF入門-SF嫌いの若者のために」もありました。1967年6月のことです。このコミックスは後にタイトルを変えて「SF怪奇入門」として再版されます。さらに76年に「SF恐怖入門」と改題されて再版されました。

 「SF恐怖入門」のもともとのコミックスが初めて刊行された1967年はもう貸本漫画終焉の時代ですね。戦後の貸本漫画そのものが67~68年に完全になくなりましたね(戦後の貸本漫画システムと言っていいかな)。

 「SF恐怖入門」の中身は漫画そのものが、貸本時代の作風·画風などを色濃く残してますね。というより貸本漫画そのものの内容ですね。

 僕が、ひばり書房の「オール怪談」やつばめ出版の「怪談」という貸本ホラー·オムニバス誌を愛読した小学生時代を思い出して懐かしいですね。

 今の僕は電子書籍で今の漫画もけっこういっぱい読んでいるのに、こうやってブログ記事として取り上げるのが、ほとんど古い古い昭和漫画ばかりなのは、今の漫画を読んだ感想書いても本人があんまり楽しくなく、昔々の僕の子供時代や青年時代に愛読した漫画のことをあれこれ書くのは、昔を思い出してノスタルジック気分にどっぷり浸かって自分が楽しいからです。

 文藝春秋社が文庫本で“文春文庫ビジュアル版”というシリーズを刊行していたのですが、その中に分厚い文庫本にたくさんの漫画を収録したシリーズがありました。80年代後半の出版ですね。

 60年代~70年代の漫画からジャンル別に選んで、分厚い文庫本1冊に10作以上収録してた。「懐かしのヒーロー漫画大全集」などは50年代の漫画作品も収録してた。

 そんな中、1987年に刊行された「幻の貸本漫画大全集」には50年代·60年代の貸本漫画の短編作品が幾つも収録されてた。多分、この文庫本に収録されてたと思う、浜慎二さんの「8階の客」という怪奇短編、この掌編はお話を貸本漫画時代から印象深く憶えてた。 

 ネットの「幻の貸本漫画大全集」の簡単な紹介ページに収録作品の漫画家ラインナップがあったんですが、その中に浜慎二先生の名前が見当たらないので、「8階の客」の収録は他の漫画文庫かも知れません。

 1986年に刊行された「マンガ黄金時代-60年代傑作集」か、89年刊行の「怪奇幻想ホラーマンガ傑作選」か90年刊行「妖怪マンガ恐怖読本」か。「8階の客」はどれかに収録されてたと思うのですが、他の漫画集本だったのかも知れません。

 小学生時代に貸本漫画で読んで記憶していた「8階の客」を、僕の30代前半に何かの漫画集本の再録で読み返して懐かしく思った覚えは間違いないです。

 浜慎二さんの怪奇掌編「8階の客」が収録された貸本漫画誌は、ネットで調べて回ったら、つばめ出版の1967年発行「怪談」第95集の巻頭収録でした。これが初出なんだと思います。

 僕が近所の貸本屋に通っていたのは66年の5月頃までです。でも僕は貸本で「8階の客」を読んだ記憶を持っている。時間的につじつまが合わない。長年月の貸本集のシリーズ本でも何年か前のを再び収録というのもやってたから、この「怪談」95集の分は再録なのか?すると初めて発表されたのはいつ?という謎になるし。

 近所の貸本屋が閉店した後、少し離れた貸本屋にタマに行くこともあったし、もっと遠い貸本屋に自転車で行ったこともあったから、67年に他の貸本屋で借りて読んでるのか?解りません。数十年前のことだから全く記憶してません。

(『漫画黄金時代-60年代傑作集』『懐かしのヒーロー漫画大全集』『幻の貸本漫画大全集』『怪奇幻想ホラー漫画傑作選』『妖怪漫画恐怖読本』みんな僕は80年代後半~90年代アタマに買って所持してたけど、後々、引っ越しの際とかに全部廃棄してしまいました。)

 「8階の客」のお話は、強盗や窃盗など悪いことを稼業としている若い男が、とあるビルに逃げ込み、8階の部屋に入ると子供が1人で住んでいた。ここで時間を潰してビルを出ると警察を撒くことができて逃げおおせた。

 味をしめた犯罪者の男は悪事を働いて警察に追われるたびに、このビルの8階の部屋に逃げ込み、時間を潰して警察から逃げおおせる。

 ネットを回ってて、この「8階の客」のお話のあらすじを簡単に書いてくれてるサイトがあって、僕は記憶してなかったけど、このビルは建築中の不慮の事故で死亡者が出てビルが完成したとき7階の次は9階と表示して8階をなくしてるビルらしく、ビル入り口の表示板にそう書いてあるらしい。おかしいと思いながらも犯罪者の男はいつも8階に逃げていた。

 ある日、警察に追われる男がいつものようにこのビルの8階に来ると、いつもの部屋は鍵が掛かっている。拳銃で鍵を壊して部屋に飛び込むと、いつもは少年の住むその部屋は、実際にはなくてドアの向こうはビルの壁面で、急いで飛び込んだ男はそのままビルの壁面を地上に落下して行った。・・・

 これが浜慎二先生の1967年発表の怪奇短編「8階の客」の内容です。何かこのホラー短編が印象に残ってるんだよなぁ。

 浜慎二先生のホラー漫画というと、僕が記憶しているのが1967年の週刊少年マガジンに連載された「悪霊車」です。僕は小学校六年生のときかな。

 「悪霊車」は短期集中連載作品で、週刊少年マガジン1967年33号から37号までの4週連載でした。ずっと浜慎二先生のオリジナルストーリーの漫画と思っていたのですが、原作者がいらしたんですね。

 僕は小学校三年生頃から中学校三年生の終わりまで、多分ほとんど毎週欠かさず週刊少年マガジンを購読し続けていて、だから昭和42年のマガジンも多分全冊欠かさず読んでます。だから浜慎二先生作画の「悪霊車」もリアルタイムで読んでます。

 けど、その後再読したことがないのでストーリーの詳細は忘れてます。ただ悪霊の取り憑いた昔の高級車が災いを起こして回るお話で、最後はこの悪霊車自ら海に入って行って消えたような…、というのはおぼろに記憶してました。

 貸本時代の浜慎二さんの漫画が好きだったので、このマガジン連載の作品も印象に残ってたんですよね。

 終戦後直ぐくらいの日本の都会で自動車販売の仕事してるセールスマンが主人公なんだっけか?焼け跡のボロボロ中古販売店にあるクラシックカーというか古いビンテージカーを見つけて手に入れて、これがいわくつきの元·高級車で、悪霊が憑いていると言われる呪われた乗用車で、この車の行くところ必ず悲惨な死に方で人が死ぬ、みたいな何かそんなストーリーなのかな?貸本誌と違って、大人気メジャー市販誌に描く浜慎二先生の描写は緻密に描き込んでて、貸本漫画よりもいっそう恐い絵柄になっていた。何かこの悪霊車は人が乗って運転しなくても、誰も乗ってないのに車が独りで勝手に動く恐い乗用車だったような。

 原作付きだったとは知りませんでした。原作担当の吉岡道夫さんって、もともと映画会社の大映に入社して映画の脚本を書いてた方なんですね。大映を辞めた後、フリーの作家としてシナリオライターや漫画原作の仕事をして、その後、小説家となられたようです。現代ミステリー小説を書いていたけど、時代劇小説が有名なようですね。

 

百年少女 (ゴマブックス×ナンバーナイン)

恐怖!深夜の校内放送 (ゴマブックス×ナンバーナイン)

◆恐怖 深夜の校内放送 浜慎二·作画

◆SF恐怖入門 浜慎二·作画

◆SF恐怖入門 浜慎二·作画 kindle版

◆恐怖 深夜の校内放送 浜慎二·作画 kindle版

◆百年少女 浜慎二·作画 kindle版

 このところ、電子書籍で浜慎二さんのホラー漫画を何作も読んだのですが、中でも長編怪奇漫画として秀作だなぁ、と思ったのが「百年少女」でした。この作品は僕が子供の頃読んでたら、きっとかなり怖がったと思います。

 子供の頃の僕は本当に怖がりで、怖がりのくせに恐いもの好きがありまして、小学生~中学生時代にはテレビで放送されてた外国のホラー映画なんて、怖い怖いと思いながら興味津々で見てました。そして決まってその晩は怖くて眠れなかった。小学生時代は怖い漫画も好きでしたねぇ。

 単行本「百年少女」は1982年発行の立風書房レモンコミックスですね。

 ネタバレしてしまうけど「百年少女」のあらすじは、主人公の母子家庭の小学校中学年くらいの女の子が転校して来て、友達ができなくてひとりぼっちだったところに、下校途中、同じくらいの年頃の女の子が現れ、二人は仲良くなる。

 主人公の女の子はやがていつも一緒に遊ぶようになり、不思議な女の子の自宅まで行って自宅前の広い庭や周辺のうっそうとした森で遊ぶ。その内、学校を休んで(サボって)、学校に行ってないらしい怪しい女の子と遊ぶ。女の子は古い古い洋館でお手伝いの婆やと暮らしている。

 女の子の自宅の直ぐ近くの森には動物の白骨死体がいっぱいある。ネタバレしてしまいますが、この怪しい女の子と婆やが百年以上生きている怪物なんですね。少女が生き続けるためには、動物や人間の生き血が必要で…。主人公·女の子が危険にさらされる。助けに洋館に踏み込んだ、担任の若い男の先生は…、というお話ですね。

 けっこう凝った内容のお話でよくできてて面白いです。1982年の作品か。僕が小学生の頃読んでたらかなり怖がったと思います。小学生の頃読んだ、貸本時代の浜慎二さんの絵が怖くて好きだったし、短編のホラー漫画自体好きでしたね。

 貸本時代の浜慎二先生の漫画は、僕は「オール怪談」「怪談」の短編ホラー漫画しか今は記憶に残ってませんが、貸本の長編漫画も描いて刊行してたし、またホラー作品だけでなく私立探偵が主人公のアクション漫画も描いていたようです。

 浜慎二先生は貸本の末期~貸本消滅後、市販の雑誌に作品を寄稿しています。月刊·週刊の少年誌や少女漫画誌、小学舘の学年誌などに主にホラー漫画が多いのですが、ホラーだけでなくテレビドラマのコミカライズも含めてさまざまな内容の漫画を載せてますね。

 70年代以降は、ひばり書房や秋田書店、立風書房からホラー漫画の長編·短編のコミックス単行本を多数刊行してますね。

 

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