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●漫画・・ 「超犬リープ」..(3)

 数年前、アメリカ・SF社の技術部長であった天才科学者、オビ博士は、小児麻痺を負い、生まれながらに足の悪い愛娘、エコーが可愛がっていたシェパードの愛犬、リープがある日交通事故で死んでしまい、悲嘆に暮れる愛娘・エコーの姿を見るのが辛く、死んだシェパード犬・リープを、SF社の科学設備とオビ博士の技術力をもって、ロボット犬としてよみがえらせる。

 よみがえったリープは、普段はシェパードの格好で居るが、緊急事態などに際して戦闘体型になると、素晴らしい能力を発揮するスーパーロボット犬となった。人間の話を理解し人間の言葉を喋り、口から金属をも溶かす高熱の液体を吐き、また同じく口から照明弾のようなものを発射する。ロボット犬体型のときは横腹から翼が出て飛行もできる。普通の犬の数倍の速さで走り、ひと跳び十メートル以上のジャンプ力を持つ。

 愛娘エコーのためにオビ博士が作ったスーパーロボット犬、リープを、アメリカのSF社は、会社の所有財産としてSF社に引き渡すように要求して来た。リープを愛するエコーのために、オビ博士はセスナ機でエコーとリープを連れて、SF社から逃れようと飛び立つ。しかし、ロッキー山脈の激しい気流に巻き込まれて、セスナ機は墜落した。オビ博士とリープは助かったが、愛娘エコーはその事故で死んでしまった。 

 最愛の娘・エコーを失ったオビ博士は、酒びたりで生ける屍のようになって孤独に暮らしていた。オビ博士の元から離れ、放浪のように出歩いていた、超犬リープは、田中警視総監と息子の次郎の屋敷にやっかいになる。

 世界的な地震研究家で、超破壊兵器となる地震砲を開発した、牧博士とその娘・千波が、世界的規模のテロ組織で死の商人である、凶悪犯罪組織・MMM団に命を狙われていた。MMMは軍隊・殺人・狂気の英語の頭文字。MMM団は牧博士を罠に嵌めて地震砲を作らせ、その研究成果を横盗りし、事情を知っている牧博士を口封じのために殺そうと狙っている。

 リープは牧博士と千波の危機を救い、田中次郎の家まで連れて来る。牧博士から事情を聞いた田中警視総監は、レーザー光線銃で田中家を家ごと破壊しようとしてリープに捕らえられた、MMM団の下っ端を尋問する。

 MMM団下っ端の二人組は、組織から、身体に爆破装置を仕掛けられていて、その件で警察を脅して、何とか警察から逃亡し、組織へと戻る。その後、MMM団の幹部、リンツ伯爵が地震砲を使って日本を襲う。リープの活躍でリンツ伯爵は潜水艦で立ち去る。

 リープを作ったオビ博士が所属していた企業、SF社は実はMMM団の支配下の企業だった。MMM団はテロ活動などで、世界中に紛争や戦争の火種を作り、ワザと戦争を起こして戦う両サイドに兵器や武器を売って大儲けする、死の商人なのだ。SF社はその悪行の、技術開発部門でもある。

 SF社の科学設備で製造されたスーパーロボット犬、リープを取り戻そうとMMM団はやっきになり、次々と刺客を送り込んで来る。冷凍爆弾を使ってみたり、冷酷で残忍な悪魔のような殺し屋、クルップ兄弟がリープ捕獲のために襲撃して来る。

 危機に陥ったリープを救ったのは、リープの生みの親、オビ博士だった。死んだ愛娘を忘れることができず、酒びたりの毎日をおくる、廃人のようなオビ博士。リープが在りし日のエコーの姿を映し出すことでオビ博士は束の間、元気を取り戻し、壊れたリープを修理して、元通りの超犬リープとして復活させる。

 オビ博士の元を離れ、次郎少年と千波にお別れを言いに来たリープ。リープは放浪の旅に出る。跨線橋から電車が走る線路へと飛び込もうとする少女に、たまたま遭遇したリープは、生きる気力を失ってしまっている少女を助けて、次郎少年の元へと連れて行く。

 少女は倒産したサーカス団の経営者の娘で、橋の下の掘っ立て小屋で、病気患いの果てに既に息絶えた、父親の遺体と共に居た。次郎少年の元でも、少女は何度も自殺を試みる。

 一方、潰れたサーカス団から宇宙研究所に売られていった、一頭の虎が居た。虎は、人類の宇宙旅行の実験の初段階として宇宙へやるために、動物用の宇宙服を着せられていた。猛獣の虎用の、銀色の特殊金属製・防護服。虎は宇宙研究所を逃げ出して、市街地へ出て暴れていた。

 宇宙空間滞在用防護服で全身を覆った虎に、警官隊の発砲は無力で、警察は暴れる宇宙虎を制圧できなかった。実は、虎はサーカス団で飼われていた虎で、元はサーカス団の一員でもあった少女にとても良くなついていた。久々に元サーカスの虎と邂逅した少女は、宇宙虎の背に跨がり、自棄的になっている少女は虎の暴れるままにしていた。

 事態を何とかしなければならないと、次郎少年とリープは、宇宙虎と元サーカスの少女を捜し、ビル街で発見する。虎と共に次郎を襲い来る少女。少女の意志は、警察や自衛隊でも徹底抗戦するという、やけっぱちな気持ちだった。リープに救われる次郎少年。

 リープは虎の背に乗る少女を、飛行態勢から少女の衣服の襟元を咥えて引き離し、虎だけにして追い詰める。防護服で覆われた宇宙虎vsリープの一戦。虎を崖下に落として失神させることに成功したリープだったが、虎の落下場所に自衛隊が砲撃し、虎は爆破の岩や土の下に埋もれてしまう。多分死んでしまった、たった一人の友達だった虎を失った悲しみに、少女は泣き叫び荒れ狂い、次郎とリープを松葉杖で叩き続ける。

 生きる望みを全て失った少女は、何度も自殺を試み、その都度次郎やリープに救われる。リープは同じように傷心から立ち直れないオビ博士の元へ少女を連れて行き、オビ博士に、絶望から食事を取らない少女を介抱させる。やがて少女は僅かながら食事を口に運ぶようになった。回復しそうな少女の姿に、オビ博士も束の間元気を取り戻す。

 一方、何としてもスーパーロボット犬、リープを欲しいMMM団は、次の攻めの一手として、死んだオビ博士の愛娘、エコーの偽物を仕立て上げ、TV放送を通じて、オビ博士に呼び掛ける。そしてMMM団はリープ捕獲のための、スーパー戦闘兵器として、ドーベルマン型のサイボーグ犬三匹を用意する…。 ・・・・

   

 上記が、月刊誌連載で2年弱続いた「超犬リープ」の、前半部のだいたいのあらすじストーリーですね。この先、リープはMMM 団との最終決戦に臨み、 MMM 団の首領を倒して組織壊滅を果たすのですが、リープ自体も敵のジェット機にリープの翼を折られて墜落してしまう。電子頭脳に衝撃を受けたリープは記憶を失い、ただの野良犬として巷をさまようことになる。 MMM 団の幹部で一人生き残ったジャベルが、リープを見つけ、リープの電子頭脳に自分の意思や記憶や意識など、自分のキャラクターを移してしまって生き延びようとする…。とか、MMM団編の最終局面はこういうことになるらしいですね。

 とか何か、そういう話でストーリーは流れて行くんですよね。済みません、今現在、実は僕は「超犬リープ」の後半部の載った本を持たなくて、僕自身、昔々、「超犬リープ」は全編読んでるんですが、後半部をしっかりと記憶していない。僕の子供時代、秋田書店の月刊誌「まんが王」に初出連載されてたリアルタイム、前半はだいたい読んでるんですが、途中で家の近所の貸本屋さんが店閉いして、「まんが王」が読めなくなって、「超犬リープ」の後半部を読んでない。その後コミックスで全編読みはしてるんですけどね。

 月刊誌「まんが王」は、僕は小学生時代の二年生から四年生くらいまでは、よく購読してたように思う。小四から小六時代は、月刊誌で購読してたのは「ぼくら」と「少年」かな。貸本屋で扱ってた月刊誌は、「少年」「冒険王」「少年画報」「少年ブック」で、「ぼくら」は置いてなかった。「まんが王」の記憶はあやふやなんだよなぁ。「まんが王」は置いてなかったよ~な。あったのかな?はっきりしない。でも、あったかな。日の丸文庫の月刊誌「まんがサンキュー」は置いてたけど。

 小学生時分の僕が購読してたのは、週刊少年マガジンと月刊誌は「ぼくら」と「少年」で、「まんが王」まで購読する余裕がなかった。中学生になってからは、週刊少年マガジンと月刊誌「ぼくら」だけですね。小遣いの余裕があれば他の漫画本も買ってたけど。中学生時代は他には「少年ジャンプ」「少年チャンピオン」もよく買ってましたけどね。隔週刊誌になった「少年画報」も買ってたかな。

 僕が読んだのは「超犬リープ」の単行本は、秋田サンデーコミックスの全1巻本かな。この一冊本の編集は、「超犬リープ」全話の内、第一話・二話・五話のみの収録という不完全編集なんですね。その後、1987年頃にサン・ワイドコミックスで全二巻本で完全収録版が出まして、僕はこれで全編読んでると思うんですが、申し訳ない、後半部の内容をよく憶えていません。サンデーコミックス版1巻を読んだのって、僕が十代後半に入ってからだな。

 2004年にマンガショップさんから完全版で「超犬リープ」全2巻が復刻刊行されてますね。「超犬リープ」後半のお話は、MMM団が完全壊滅した後、別エピソードで、第六話、未来人の復讐編。70世紀の未来から、未来人が20世紀の人類を滅ぼしにやって来る、というお話。このストーリーの外郭だけ聞くと、石森章太郎先生の「サイボーグ009」の中の一エピソード、“移民編”を思い出しますね。あのお話も核戦争後に醜悪な姿形になってしまった未来人が、20世紀に移民にやって来る、というお話でしたからね。リープの中の、未来からやって来る未来人も、核戦争を起こして、人類の子孫に大きなダメージを与えた20世紀の人間に、復讐にやって来る。“核”が与えるダメージって、見た目の醜さだけじゃないですからね。肉体的にも免疫力が激しく低下したり非常にダメージを受ける。まぁ、20世紀人を壊滅したら、自分たちも消滅するんだろうけど。映画の「ターミネーター」みたく、原因を除去しに、未来からやって来るんなら解るんだけど。

 時系列的には、石森章太郎先生の009「移民編」よりも、「超犬リープ」のエピソードの方が先ですね。平井和正先生と石森章太郎先生は、67年、週刊少年マガジン連載で、漫画版「幻魔大戦」でコンビを組んでますね。平井和正先生の一方のライフワーク、「幻魔大戦」の一番最初の発表はこの分からですね。

 「超犬リープ」第七話は、怪生命アニマ編。宇宙からやって来た精神生命体、アニマ。アニマの暴走がこの時代の現代社会に被害をもたらす。第八話、最終話のお話は、妨害同盟編。ある天才科学者の作った反重力装置を、妨害同盟が狙う。既存の企業の権益を守るために、新技術を封印しようと暗躍する組織。妨害同盟とリープの戦いの中、反重力装置が誤作動して、時空に亀裂が生じて、古代の恐竜が現代に出現してしまう…。

  「超犬リープ」の連載は、秋田書店の少年漫画誌「まんが王」の1965年10月号から67年8月号まで連載が続きました。この時代の月刊誌の連載漫画としては長期間の連載です。スーパーロボット犬・リープは普段は大型犬のシェパードの姿をしていますが、危機が迫り戦闘体型になると、シャープなロボット犬の様相を表します。桑田次郎氏の代表作の「8-エイトマン-」のエイトマンがもしも犬になれば、こんな格好なんだろうな、という姿形です。リープは実にカッコ良いフォルムですね。戦闘体型のロボット犬のときは両側の横胴腹から翼が出て来て、空中飛行もできます。

 「超犬リープ」を連載リアルタイムで読んでた子供の頃は、憧れましたねぇ、田中次郎少年に。田中次郎少年に取ってのリープは、のび太君に取ってのドラえもんみたいなものですからね。もっともリープは次郎少年の元から立ち去ろうとする訳ですが。次郎は、のび太みたいに頼りなくてしょっちゅうドラえもんにお願いするような情けないダメな子供ではなく、勇敢でしっかりしていて自立しているし。リープ自体も、自立してしっかりした人格だし。犬の姿形で人格も何ですが、リープはしもべではなくて、自分の意思をはっきり言って自分の考えで行動する聡明なキャラですね。やっぱり、ある種クールかな。

 でも子供の頃は憧れたなぁ。あんな超優秀なロボット犬が傍に居て友達になってくれたらって。藤子不二雄の作品が永遠に子供人気を保てるのは、この“万能の友達”感でしょうね。藤子F不二雄先生の「ドラえもん」などの作品群もそうですが、藤子不二雄A先生の「怪物くん」などもそうですね。いつの時代も子供は、自分を助けてくれる万能の友達を欲しいと夢見る。まぁエゴなんだけどなぁ。自分だけが、どんなときも助けてくれる万能の友達を持っている、という優越感を持ちたい、というエゴ。

 子供漫画にはこの作風が多いですね。またまた藤子不二雄A氏を出すけど、「忍者ハットリくん」もそうですね。どっちかというとダメ子供なケンイチウジをハットリくんが助けてくれる流れが多い。横山光輝先生の巨人ロボットが活躍する作品も、こっちの作風になるのかな。ちょっと違うけど、主人公の少年探偵のシモベになるし。「寄生獣」もこれに近いよな。もう一方の流れは、藤子F不二雄氏の「パーマン」や「エスパー麻美」みたいな、主人公の子供本人が超能力を持てて、スーパーマンになれるもの。「スパイダーマン」もこれですね。

 いつの時代も少年の夢は、みんなよりも優越感を持ちたい。周りの大人たちも驚くような優越感を持ちたい。僕にはいつでも助けてくれる万能の友達が居る。あるいは、いつもはダメな僕だけど、周りには秘密にしているけど、実は僕は凄い超能力を持っている、とかね。空想少年の夢。劣等感の裏返しでもあるんだろうけど。

 

 平井和正先生というと、僕は十代末から二十代いっぱい、ある面、平井和正さんの作品に熱中していました。十代末のある晩、少年ウルフガイシリーズの第一作「狼の紋章」を徹夜で読み上げたし、その後も少年ウルフガイシリーズは続けて「狼の怨歌」、「狼のレクイエム第一部」「狼のレクイエム第二部」と読んで、二十代を通して、アダルトウルフガイシリーズの長編小説も何作も読みました。勿論、僕は推理探偵小説や、他の作家のSF小説も好きだったので、いろんな作家の書くエッセイ集も含めて、多士済々、数多くの作家の書く、主に娯楽小説の分野の本をいっぱい読んで来ましたが、十代末や二十代前半では純文学も読んで来ましたが、頭が悪いので遅読とはいえ、二十代・三十代はそれなりにけっこう本を読んで来たと思います。まぁ遅読だから、読書家の皆さんに比べれば、僕の読んだ本の数など知れてますけど。

 

 二十代半ばから後半は、平井和正さんの小説は、角川書店発行の小説専門誌「野生時代」に連載されてた「幻魔大戦」や、徳間書店発行のSF専門誌「SFアドベンチャー」連載の「真幻魔大戦」などを雑誌連載で読んでました。「野生時代」はときどきしか買ってないので「幻魔大戦」は飛び飛びでしか読んでないけど、「SFアドベンチャー」は続けて毎号購読してたので、「真幻魔大戦」の前半部は続けて毎回読んでます。

 僕は86年の10月頃、東京の会社を辞めて、尾羽打ち枯らした態で帰郷して、そこから一年半くらいは仕事もせず毎日ブラブラしていて、今で言うニート状態でしたが、87年から立ち直りを掛けて空手道場へ通い、空手の稽古を続けることで肉体的にも精神的にも復活し、また社会に出て仕事を続ける訳ですが、約一年半ブラブラしている中で、離れていた親父から病院の医療事務の仕事に就けるかも知れない、という話もあって、医療事務講座に通ってみたりもしてたのですが、毎晩、本も読んでました。病院の事務の仕事は結局、叶わなかったのですが、空手道場に通うことで、道場稽古の他にも毎晩のように一人で空手の練習をしたり、合気道や中国拳法の道場に通ってみたりして、武道・武術オタクとなって、武道・武術関係の本を読み漁っていたのですが、東京から帰還したことがきっかけになったのかどうか、「SFアドベンチャー」他SF専門誌の購読は止まってしまいました。まぁ、熱中する興味がSFに替わって、武道・武術の方に気持ちが入れ替わっちゃった訳ですけど。

 僕が「SFアドベンチャー」誌上で読んだ「真幻魔大戦」は第二部までで、第三部は読んでないのですが、その内、「SFアドベンチャー」での「真幻魔大戦」が終わっちゃってた。「真幻魔大戦」第三部が掲載されてた当時の「SFアドベンチャー」はもう買ってなかったのですが、「真幻魔大戦」連載終了後直ぐに、当誌で平井和正氏の当時の新作、「狼のレクイエム第三部・黄金の少女」という、少年ウルフガイシリーズ新作の連載が始まった。当時は武道・武術オタクになってしまっていた僕でしたが、平井和正のウルフガイの続編が新しく始まったと聞いて、思わず「SFアドベンチャー」を買って来てしまった。

 

 新ウルフガイシリーズの「黄金の少女」を読んだのは、SFアドベンチャー連載時の第一回と二回目くらいまでを雑誌で読んで、「黄金の少女」はそれきりになってたんだけど、この当時、僕は東京から生まれ育った故郷に帰って来て、一年半くらい、今でいうニート生活をしていて、日中暇だからバイクに乗って近隣をウロウロしていた。極めて個人的な思い出だけど、この当時、バイクで市立図書館に行って、昼間、別に本を何か探すでもなく、文芸書の棚をあれこれ漁ってたら、平井和正先生の少年ウルフガイシリーズ「狼のレクイエム第三部・黄金の少女」の、徳間書店発刊の単行本の確か、1巻2巻が書棚にあった。

 まぁ、ここ読んでくれてる人に取っては本当にドーデモイイ話なんだけど、僕は「黄金の少女」を一冊取って図書館の一人用のデスクとチェアに着いて読んでたら、だいたい僕は図書館とかで本読んでたら直ぐ寝ちゃうんだけど、このときは珍しく本読みが進んで、けっこう読んで行ってた。どのくらい読んでたのか解らないけど、何故か、図書館の人が来て「借りて帰られたらどうですか?」と言って来た。まだ閉館時間までだいぶ時間があったので僕は驚いて、本を書棚に戻して、勿論本は借りずに図書館から出た。

 何でもないことだけど、平井和正の「黄金の少女」というと、僕はこの何でもない一場面を思い出す。ごくごく個人的なドーデモイイ話で済みません。ちなみに、後々、どうしてこのとき図書館から本を借りなかったかと考えてみると、戻しに行くのが面倒だと思ったのと、家には家の読み掛けの本がいっぱいあったからだと思います。

 図書館は市の中心部だし住んでるとこは市の外れだし、僕は遅読だし、いつ読み終えるか解らないのに返却を気にしてないといけないし。僕は本を読むのが遅いくせに、けっこう知的興味は旺盛で、情報得たがり知りたがりで、本屋に行くと、この作家の書いた小説読んでみたい、エッセイ読んでみたい、この知識得たい、この情報知りたいで、ついつい本を買って来てしまう。もともと目が悪いから本読んでると直ぐ疲れる。飽きやすい性格もあるし。家には読み掛けの本が溜まる溜まる。ここに図書館から借りた本まで増えると大変だ、と思ったんでしょうね。きっと。若い頃は専門分野の難しい本を買って来て数ページ読んでそのまま、ということも多かったですし。自慢じゃないけど元は頭悪いですからね。

 結局、平井和正先生の本は、このときから一冊も読んでないですね。平井先生の小説は「ウルフガイ」のシリーズも「幻魔大戦」のシリーズも、三十一、二歳からこっち単行本も雑誌掲載も読んでません。ただし、コミカライズ作品は別ですよ。平井和正先生の作品は幾人もの漫画家に寄ってコミックになってますけど、漫画作品化されたものは僕は三十代以降もイロイロ読んでます。

 申し訳ありません。「ウルフガイ」シリーズに関しては、小説読んだのは昔のコトなので記憶があやふやで。僕が三十歳頃に読んだ「ウルフガイ」シリーズ、「狼のレクイエム第三部」の(1)のタイトルは「黄金の少女」で、これと「狼のレクイエム第三部」の(2)のタイトル、「キンケイド署長」は、多分、徳間書店刊行のハードカバー単行本で読んでます。僕が読んだ小説「ウルフガイシリーズ」はここまでですね。ウルフガイシリーズはこの後も延々と続くのですが、「狼のレクイエム第三部」(2)の先は、結局読んでないなぁ。

 

 それから、あのときの図書館職員のおねえさん、どうしてワザワザ僕のトコまで来て、ヒトの読書中に話し掛けて来て、「借りて帰ってはどうか?」なんて言ったんだろう?まだ閉館までたっぷり時間あったし、他に学生とか図書館利用者は何人も居たのに、僕の席ピンポイントで。図書館カウンターから見て、僕の姿がよっぽど目障りだったのか。謎だな。あのときの僕は三十か三十ちょっとで、あのときのおねえさんも僕と同じくらいかもうちょっと上くらいだったと思うから、今はもうお婆さん域に掛かって来てるくらいだな。ごめんなさい。今でもこのときのコトを憶えてるからって、別に、このときの職員さんが当時の僕のタイプの女性で、だから記憶に焼き付いてるとかって訳じゃないですよ。顔なんて全く記憶してないんだから。ただ「黄金の少女」というと、このシーンを思い出す。というだけの何でもない話。

 

 

超犬リープ(上) (マンガショップシリーズ (8)) コミック 平井 和正 (著), 桑田 次郎 (イラスト)

超犬リープ(下) (マンガショップシリーズ (8)) コミック 平井 和正 (著), 桑田 次郎 (イラスト)

超犬リープ 第1巻 (Sun wide comics) 単行本 平井 和正 (著), 桑田 次郎 (イラスト)

バットマン The BatManga Jiro Kuwata Edition (復刻名作漫画シリーズ) コミック 桑田次郎 (著)
ウルトラセブン ザ・ベスト コミック 一峰 大二 (著), 桑田 次郎 (著)
真幻魔大戦1 超意識との邂逅 Kindle版 平井和正 (著), 生頼範義 (イラスト)
真幻魔大戦2 超能力戦略 Kindle版 平井和正 (著), 生頼範義 (イラスト)
幻魔大戦deep トルテック 単行本
平井 和正 (著), 泉谷 あゆみ (イラスト)
黄金の少女1 Kindle版 平井和正 (著)
狼の紋章 ウルフガイ Kindle版 平井和正 (著)
Fire HD 8 タブレット 16GB、ブラック

 「超犬リープ」の雑誌連載が新連載で始まった、秋田書店の月刊児童漫画雑誌「まんが王」1965年10月号の巻頭漫画「超犬リープ」のカラー扉の作者クレジットは、原作は平井和正氏ですが、漫画家の名義が“つばさ新也”氏になってます。実はこの新連載以前の半年間、この時代の超売れっ子漫画家·桑田次郎氏は仕事を休んでいます。まぁ、謹慎していたんですね。この約半年前に全ての仕事を打ち切りにして謹慎に入った。で、半年間経った仕事再開の漫画掲載で、それまでのペンネームを使わずに、新たに“つばさ新也”というペンネームを使った。

 1965年3月、桑田次郎氏は、本物の拳銃を自宅に持っていたとして、拳銃不法所持で警察に逮捕された。当時の月刊漫画雑誌の発売では、10月号なら9月頭の発売ですから、世間に向けての仕事再開は、65年9月からになりますね。桑田次郎氏はだいたい半年間謹慎休業の後、9月から仕事再開して、月刊誌の10月号・11月号、週刊誌の9月・10月発行の号から連載や読み切りを発表しています。週刊少年キングの「エリート」、週刊少年マガジン・月刊別冊少年マガジンの「8-エイト-マン」の各読みきり短編、月刊少年画報の「スペードJ」、他読みきり短編。

 どうやら“つばさ新也”名義を使ったのは、月刊まんが王の「超犬リープ」10月号11月号掲載分だけのようですね。マガジンのエイトマンも桑田次郎で発表してるらしい。

 桑田次郎氏の拳銃不法所持での逮捕は、マガジンのエイトマン打ち切り騒動で、まだ僕が小学三年生だったときにリアルタイムで知りましたけど、当時もその後もずっと、僕は、桑田次郎さんが本物の拳銃を持っていた理由は、桑田さんがガンマニアで、モデルガンだけじゃ飽き足らずに本物の拳銃が欲しくなって、本物の拳銃を手に入れたのが警察に見つかったんだと思い込んでました。

 ネットを回って、桑田次郎氏の情報をあれこれ探っていると、嘘か真か、桑田さんが本物の銃を所持していたのは、自殺願望があって、いつでも死ねるように手元に拳銃を持っていたからだ、とありました。ホンマかいな?と驚く情報です(ネットの情報で、後年、桑田次郎先生は自叙伝を著していて、その本にこの件が書き込んであるそうですから、僕はその自叙伝を読んだことも見たこともないし、自叙伝の存在を知らなかったけど、どうやら本当のことらしいですね)。

 桑田次郎先生は、僅か13歳でプロデビューしたという、天才漫画家です。そこから破竹の勢いで、怒涛の売れっ子漫画家業を邁進して行く。桑田次郎先生のデビューは1948年とか49年の時代です。そこから逮捕劇までの15年以上の間、超売れっ子の漫画家の超多忙生活を送って来られてます。もともと天才だし、多分、神経も細かい方だったでしょう。そりゃあ、仕事に忙殺され、精神的にも病んで行ったでしょう。

 何でも、逮捕時、桑田次郎さんは拳銃を四丁も持っていたんだとか。逆にこの時点で逮捕されて良かったのかも知れないですね。そのまま行ってたら、もしかしてもしかしたのかも知れないし。警察に見つかって逮捕されて拳銃を取り上げられて、我に返れたのかも知れない。

 ネットにあった情報だと、桑田次郎さんは十代から自殺願望を持っていて、いつでも死ねるように拳銃を持っていたが、当時、恋人がいて痴話喧嘩をして、その恋人が腹いせに警察に通報したんだとか。ネットにあった情報だから、何処まで真実か僕には解らないコトだけど、まぁ、そういうコトなんだそうです。

 復活後の売れっ子漫画家生活は変わらず、そこから70年代いっぱいまで桑田次郎先生の漫画業は大忙しでしたね。勿論、80年代以降も仕事されてますけど、一息ついて、仕事の量が落ち着いたのって、週刊少年サンデー連載の「ゴッドアーム」の連載が終了した77年頃だろうか。

  徳間書店のSF専門雑誌「SFアドベンチャー」掲載の、平井和正氏の作品、「真幻魔大戦」と「黄金の少女」の連載時系列に、僕の勘違いがあるようなので訂正します。僕が東京から生まれ育った故郷に帰って来るのが、86年の多分10月で、ウルフガイシリーズの「狼のレクイエム第三部」の「黄金の少女」が、SFアドベンチャー誌上で連載が始まるのは85年ですね。SFアドベンチャー誌での「真幻魔大戦」が一応ピリオドが打たれるのが84年。だから、僕は「真幻魔大戦」終盤の載ったSFアドベンチャーは購読してないけど、85年の何月号か知れないけど、「黄金の少女」が新連載になった号と次の号くらいは、SFアドベンチャー誌を買って「黄金の少女」の初めの部分を雑誌掲載分で読んでる。だから、僕はまだ東京在住時点で「黄金の少女」の初めの部分を読んでますね。

 僕は関東で働いていた会社で、85年10月に、埼玉県の熊谷の営業所から東京都内の神田営業所に転勤になり、翌86年10月頃にその会社を退職して帰郷している。正確には、「黄金の少女」初めの部分を読んだのは、埼玉県行田市のアパートに住んでた時分かも知れない。で、市立図書館で「黄金の少女」「キンケイド署長」の単行本を読んだのが、多分、87年頃かな。ごくごく個人的なドーデモイイよーな話なんですが、僕のあやふやな記憶で書いた、上記文中で書いていることが間違っていたようなので、一応訂正しときました。ここを読んでくださっている(僕にとっては)とても貴重な方(読者様)に取っては、ドーデモイイ、何でもないことなんですけど。

 何かこのBlog は僕の記憶日記みたいになってますね。昔の記憶を思い出し思い出しして書いて、その後記憶違いに気付き、調べ直して間違いを訂正する。ごくごく個人的な記憶日記。まぁBlog のタイトルが漫画読み日記だから、同じ日記区分で記憶日記でもいいか。ただここに書いてるのは「超犬リープ」は漫画だからいいけど、「黄金の少女」とか小説作品ですからね。漫画読み日記ではなくなるけど。まぁ、大半「超犬リープ」のコト書いてるからイイか。

 

※漫画・・2013-10/20 「超犬リープ」..(1)

漫画・・2016-12/28 「超犬リープ」..(3)

 

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●漫画・・ 「ミサイルマン・マミー」

 宇宙電子光学理論でノーベル賞まで取った天才科学者、湯原博士は、ノーベル賞受賞の報告を田舎に住む家族に知らせようと、故郷への帰路に着いていたが、故郷への近道である、山道を歩いているときに、実家の方角からの怪音を聞く。もしや、と危機感に煽られ帰路を急ぐが、土砂崩れで間に合わず。博士が実家に着いたときは、故郷の家は跡形もなく土砂に埋まっていた。家族を失った無念さから、ノーベル賞まで取った専門科学を捨て、その後は、対自然災害の科学の研究に没頭した。博士の強い思いは、自分の研究する科学の力で、自然を征服し、逆に、人間が自然を自由自在に操れるようにしてしまおう、という確固たる信念だった。湯原博士は助手の英太郎少年の協力と共に、対自然災害用のスーパーロボット、ミサイルマン・マミーの製作に成功した。

 ミサイルマン・マミーは、その成功実験で、自由に大空に雨や雪を降らせ、マミーの能力で天候をコントロールできた。マミーは、湯原博士と英太郎少年の乗る、乗用車のボンネット内に格納される。折りしも、近くの民家の大きな火災のニュースを知る。博士は英太郎少年に指示して、乗用車内に格納されたスーパーロボット、マミーを出動させる。火災現場へと飛んで行く、ミサイルマン・マミー。

 大火災の現場上空に到着したマミーは、全身を使って、現場周囲の空気を吸引して炭酸ガスを排出し、火の燃える力を奪い、火災を鎮めた。そして家事から逃げ遅れた子供を救出する。

   

 山間部でのマミーの実験のときから、湯原博士と英太郎少年を密かに着けていた謎の男は、ジェット戦闘機の編隊を呼ぶ。ジェット機編隊に追われ、捕縛されそうになるマミーだったが、マミーが逃れる内に一機のジェット機が山肌に激突し、隊員がパラシュートで避難する。無益な戦いをしたくない湯原博士は、マミーを自動車に格納する。謎の大型ヘリに捉えられ、マミー、湯原博士は自動車ごと、拉致されて連れて行かれる。

 謎の男とジェット機の編隊は、実は日本の自衛隊だった。自衛隊の基地内で、湯原博士とマミーに難事件の解決に協力を要請される。難事件を起こす謎の敵は、XE作戦と称して国内の軍事基地を、謎の攻撃力を使って襲撃して来ている。謎の敵からまた、軍事基地襲撃の予告が入った。危急の事態に、自衛隊の協力要請を受諾する湯原博士。

 悪者のXE作戦とは、自衛隊の戦闘機や戦車や護衛艦を空気の超圧力を掛けてぺしゃんこに潰して回り、国内の軍事基地に大打撃を与えることだった。湯原博士の前に突然、死んだ筈の天才科学者、牧博士が現れた。軍事基地に大打撃を与えて回っているのは、牧博士の作った巨大怪ロボットで、そのロボットは超高圧力の気体を噴出して、軍事基地の戦闘機や軍艦などを潰して、基地を破壊して回っているのだった。

 牧博士の思想は、全世界から武器という武器がなくなれば、戦争は起こらなくなるから、世界中の武器を次々と壊して行く、という考え方で、それを実行して日本国内の基地から潰して回っているのだった。牧博士は湯原博士に、マミーを使って、牧博士の怪ロボットと一緒に世界の基地を破壊して回ろう、と牧博士の思想と行動に賛同・協力を迫るのだった。

 湯原博士は牧博士の要請を断り、湯原博士と英太郎少年のマミーは、超圧力気体を操り何でも潰してしまう、牧博士の巨大怪ロボットと戦うことになる…。

 上記の物語あらすじは、「ミサイルマン・マミー」の第一話、「黒い怪ロボット編」の内容の前半部分です。「ミサイルマン・マミー」のエピソードで、小学生時分の僕が記憶に残っていたシーンは、少年の飼っているかぶと虫がもの凄くでっかくなる、「巨大ビートル編」の断片や、第三話の超高熱(レーザー)を発射する殺人ロボット、フラッシャーが登場して、マミーと一騎撃ちしたり、透明ロボットの登場する第三話のシーンが、子供の頃の僕には印象に残っていましたね。何でもドロドロに溶かしてしまうフラッシャーは強敵でした。

 

  傑作SF ロボット活劇漫画「ミサイルマン·マミー」は、講談社の週刊少年マガジン1966年第6号から連載が始まり、同誌同年51号まで連載が続きました。マガジン誌上ではマミー以前に、当時、魔球漫画の代名詞となった、大人気傑作野球漫画「黒い秘密兵器」を、1963年第19号から65年50号まで長期連載していました。マミーの後はマガジン誌上では、67年11号から「キングコング」の連載が始まり、同年41号まで続きました。一峰大二先生の週刊少年マガジンでの連載はこの三つかな。他に、週刊マガジンや月刊の別冊少年マガジンの読み切り短篇の掲載はいっぱいありますが。

  「ミサイルマン·マミー」は原作が久米みのる氏で、漫画の作画が一峰大二氏です。一峰大二先生は1950年代から活躍されてる漫画家で、50年代~70年代の少年向けヒーロー漫画の作品数はもの凄い数があります。一峰大二先生の異名は「コミカライズの王様」という称号があるくらいに、TV 放映の子供向けの特撮ヒーローものや怪獣もののタイアップ漫画作品の本数が桁外れに多い。50年代後半のTV 黎明期の子供向けヒーローもの時代から、当時の少年誌人気連載のTV コミカライズ漫画の本数がいっぱいあり、60年代にはコミカライズ漫画の作品数はさらに増えて、70年代でもTV 特撮のコミカライズ漫画を何本も雑誌連載を描かれてました。

 2004年発刊のマンガショップ復刻版「ミサイルマン·マミー」の腰巻きオビには、「コミカライズの神様」との称号が掲げられていますね。実際、一峰大二先生のコミカライズ作品を挙げて行くと、1959年の「スーパージャイアンツ」「七色仮面」「卜伝くん」に始まり、「ナショナルキッド」「ウルトラマン」「黄金バット」「ウルトラセブン」「タイムトンネル」「ジョー90」「ガメラ」「ゴジラ対ヘドラ」「スペクトルマン」「月光仮面」「怪傑ライオン丸」「ミラーマン」「イナズマン」「タイガーセブン」「電人ザボーガー」「ウルトラマンレオ」「メカゴジラの逆襲」「コンバトラーV」…と、76年までズラリと長篇·短篇のコミカライズ作品が続きます。「黄金バット」などアニメのコミカライズもありますが、実写特撮ヒーローもののコミカライズ作品が多いですね。特に50年代末から60年代いっぱいを通して、一峰大二先生のヒーロー漫画は人気が高かった。僕が実際読んだのは71年、週刊少年チャンピオン連載の「スペクトルマン」までかな。

  

 「ミサイルマン・マミー」の原作担当になる、久米みのるさんという方は、僕は小学生時代に読んだ児童漫画雑誌の原作クレジットでよく見掛けました。主に少年漫画のSF作品です。主に60年代前半かな。60年代も後半になると、漫画原作ではあまり目にしなくなった。ネットでプロフィルを調べてみると、本名は久米穣氏で、「穣」の字、一字で「みのる」と読ませるようですね。僕の小学生時代、少年雑誌でよく原作者で名前を見掛けた気がしていたのですが、漫画原作はそれ程は多くないようですね。どちらかというと本業は、少年・少女向けの海外文学の翻訳のようです。海外の冒険小説、推理探偵小説、SF小説などの少年・少女向けの翻訳が、専門と言っても良いくらいに、翻訳本がたくさんありますね。相当な数です。「再話」という仕事が多く、「再話」とは、昔話や伝記や伝説、世界の名作文学を子供向けに易しく書き直した小説などですね。翻訳もの主体の児童文学者といっても良いのかも知れない。

 漫画原作を見ると、「マッハ三四郎」「消える快速車」「少年スピード王」「ゼロバイ」「東京Zマン」「ロボット長島」「ミサイルマン・マミー」…。こうやって見るとマガジン掲載が多い。マガジンの「マッハ三四郎」は知ってたし、「ゼロバイ」「ロボット長島」「ミサイルマン・マミー」は当時のマガジン連載リアルタイムで読んでいます。「ミサイルマン·マミー」はスーパーロボット·空中戦バトル漫画で、もろSF ヒーロー漫画ですが、「マッハ三四郎」はバイク·アクション漫画だし、「ゼロバイ」は登場するスーパーバイクが遠隔操縦型の自立バイクで、無人で走るバイクがロボットバイクだということがSF 的だ、ということくらいで、別に未来や宇宙や超能力とかが出て来るベタSF ではない。「ロボット長島」も長島選手の影武者的なロボットが登場するだけで、あとは普通に野球漫画だった。SF といっても現代劇アクションでしたね。

 「ミサイルマン・マミー」と聞くと、僕は子供の頃よく食べていたビスケット、マミー・ビスケットを思い出すんですが、「ミサイルマン・マミー」が使われていた、というかタイアップで雑誌の裏表紙などの広告に載っていたマミーのは、乳酸菌飲料の森永マミーでした。森永マミーとタイアップということは、同じ一峰大二先生の「電人アロー」が田辺製薬のアスパラとタイアップしていて、TVアニメ放送の企画があったけど消滅したように、「ミサイルマン・マミー」も森永製菓提供でTV放送の予定があったけど、ポシャッたのでしょうか?よく解りませんけど。

 ちなみに僕が子供の頃食べてた安価なビスケット、マミーはパラフィン紙みたいな紙包みのパッケージで、円筒状に包んだ中に丸いビスケットが15枚か20枚くらい入っていました。子供の頃は、安いお菓子だったのでよく買って食べてました。僕はてっきりマミー・ビスケットも森永製菓の商品だと思い込んでいたら、違ってました。僕の食べてたマミービスケットが何処の商品か解らないのですが、調べてみると、パッケージが違うけれど、「マミー」という名の商品名のビスケットは以前、カバヤから出てたようです。

 「ミサイルマン・マミー」の主人公は、英太郎少年の操縦に寄るとはいえ、対災害用に作られたスーパーロボットのマミーです。マミーという名で思い出すのは、マミービスケットもそうですが、ミイラ男の“ザ・マミー”ですね。60年代に日本にも来たことのある悪役レスラー。全身を汚れた包帯で巻いた怪奇レスラー。あの、コスチュームはどうやってたんだろうな。まさか、イチイチ試合の度に包帯を巻いていた訳でもあるまい。表面を包帯様に覆ったコスチューム服だったのかな?

 僕はザ・マミーの試合は一度も見たことはなかったけど、小学生時代、漫画雑誌の情報とかで、ザ・マミーの存在は知ってました。子供の頃はプロレスのリアリティーを信じきっていたので、悪役レスラーのマミーは恐怖的な存在でしたね。プロレスのマミーの由来は米国制作の怪奇映画の「ミイラ男」からです。

 50年代後半から60年代に、たくさんのアメリカ製の怪奇映画が日本に入って来て上映され、後にTVでも放送されました。日本公開用のタイトルは「ミイラ再生」だけど、アメリカでの原題は「ザ・マミー:The Mummy」です。リメイクの「ミイラの幽霊」も原題はザ・マミーだし。40年代から60年代の英米怪奇映画の主役は、ドラキュラやフランケンシュタイン、狼男ですが、ミイラ男も三大怪奇スターに並ぶ恐怖映画界のスターでした。

 アメリカ怪奇映画の「ミイラ男」のシリーズも続編とかリメイクとか、けっこう数、作られてますね。僕はこの時代の英米怪奇映画を映画館で見たことはないけど、TVの洋画劇場でよく見ました。怖かったです。僕の小学校上級頃の時代、TV番組で、タイトル「ショック」というアメリカの怪奇映画をTV放映するシリーズ番組があって、この「ショック」の中でも「ミイラ男」の映画を放送してました。当時はこの番組を見ると怖くて怖くて眠れなくなるんだけど、怖いもの見たさで毎週見てました。怖かったなあ。土曜か日曜の夜だったと思うんだけど。土曜の夜10時頃から放送だったかな?確か、全薬興業の提供だったように思うけど。金曜の夜だっけかな?はっきりは思い出せない。

 ネットで調べたら、ど~も、TV の怪奇映画劇場の「ショック」は、1964年の放送らしい。64年は僕はまだ八歳だなぁ。そんな小さかったかな?このネット情報では「ショック」で放映された怪奇映画はだいたい1930年代に作られた劇場映画を、日本でTV 放送するにあたり、一時間番組に編集し直したものなんだとか。1930年代制作とか、アメリカって進んでたんだなぁ。そりゃ戦争負けるよ。

 アメリカの悪役プロレスラー、ザ・マミーも、当時の少年漫画誌の記事やプロレス漫画の題材でよく紹介されました。僕の記憶にあるのは、1970年の別冊少年マガジンで掲載された、大増ページ読みきり漫画のシリーズで、三本とも真樹日佐夫氏の原作による、怪奇レスラー漫画の三つの中の1本、ザ・マミーを取り上げて描いた漫画、確か、作画は影丸譲也氏だったと思うけど、タイトルは「地獄のミイラ」だったかな?何だったかな?忘れた(別冊少年マガジン1970年1月号『地獄の使者ミイラ男』)。ミイラ男は当時の月刊・冒険王にシリーズ連載されてた、同じく真樹日佐夫氏・原作で一峰大二氏の作画による「プロレス悪役シリーズ」でも取り上げて描いてたんじゃなかったかな(?)。

 「ミサイルマン・マミー」のマミーと、アメリカ怪奇映画のザ・マミーや昔のプロレスの悪役レスラーのザ・マミーとは、何の関係もありません。しかし、原作担当の久米みのる氏は、どうして対災害用のスーパーロボットの名前を「マミー」にしたんだろ?ミイラ男とは全然関係ないし、率直にいうとマミーって「お母さん」だよな。

ミサイルマンマミー (上) (マンガショップシリーズ (4)) コミック 一峰 大二 久米 みのる

ミサイルマンマミー(下) (マンガショップシリーズ (4)) コミック 久米 みのる (著), 一峰 大二 (イラスト)

キングZ〔完全版〕【上】 (マンガショップシリーズ (171)) 単行本(ソフトカバー) 一峰大二 (著)

キングZ〔完全版〕【下】 (マンガショップシリーズ 172) 単行本(ソフトカバー) 一峰大二 (著)

ウルトラマン (第1巻) (Sunday comics) コミック 一峰 大二 (著), 円谷プロダクション

ウルトラマン (第2巻) (Sunday comics) コミック 一峰 大二 (著), 円谷プロダクション

どろんこエース (上) (マンガショップシリーズ (39)) コミック 一峰 大二 (著)

ウルトラセブン ザ・ベスト コミック 一峰 大二 (著), 桑田 次郎 (著)

スペクトルマン 1 (カドカワデジタルコミックス) Kindle版 一峰大二 (著), うしお そうじ (その他)

どろんこエース (下) (マンガショップシリーズ (39)) コミック 一峰 大二 (著)

ナショナルキッド〔完全版〕【上】 (マンガショップシリーズ 281) コミック 貴瀬川実 (著), 一峰大二 (イラスト)

風雲ライオン丸 (カドカワデジタルコミックス) Kindle版 一峰大二 (著), うしお そうじ (その他)

黒い秘密兵器 第1巻―大長編野球コミックス (サンデー・コミックス) コミック 福本 和也 (著), 一峰 大二 (イラスト)

快傑ライオン丸(1) (カドカワデジタルコミックス) Kindle版 一峰大二 (著), うしお そうじ (その他)

宇宙人マッハ〔完全版〕【上】 (マンガショップシリーズ 184) コミック 棟 明郎 (著), 一峰 大二 (著)

閃光マック+パトロールX〔完全版〕 (マンガショップシリーズ (131)) コミック 一峰大二 (著)

七色仮面【上】 (マンガショップシリーズ 353) コミック 川内康範 (著), 一峰大二 (著)

ナショナルキッド〔完全版〕【下】 (マンガショップシリーズ (283)) コミック 貴瀬川実 (著), 一峰大二 (イラスト)

  園田光慶先生が貸本時代の執筆名、ありかわ栄一名義で週刊少年キングに連載した柔道劇画、「車大助」はキングの1963年21号から64年30号まで連載された熱血柔道漫画ですが、この作品は原作付きだとは憶えてたけど、原作者は久米みのる先生だったんですねぇ。久米みのる先生の原作だとは憶えてなかった。「車大助」が、園田光慶先生が貸本ではなく市販の児童漫画雑誌に連載を持った、最初の作品なんじゃないかな。柔道の国際試合で主人公が対決する怪人柔道家が、ソ連のサンボ出身の選手で、大助が組んだとたん、凍りつかせるような冷気を発する怪物みたいな柔道選手だったシーンだけは、何か記憶してる。柔道漫画だけど、まるでSF 超能力バトル漫画みたいに、怪人選手が登場して戦ってた。

 ネットで調べたら、週刊少年キング誌上では、この後も久米みのる先生は園田光慶先生と組んで連載を持ってますね。キング64年31号からは同コンビで39号まで「巨人ジャンロ」、同64年41号から52号まで「ホームラン探偵局」と、64年いっぱいまでキング誌上にコンビ作を連載しています。いずれにしても久米みのる先生の漫画原作は、60年代前半が多く、60年代後半に入ると原作漫画作品を見なくなるなぁ。少なくとも僕は久米みのるさん原作の漫画を60年代後半に読んだ記憶はないかなぁ。

 キング連載の「巨人ジャンロ」も「ホームラン探偵局」も、ありかわ栄一名義ですね。タイトルは覚えてるし、多分、子供の頃読んでるんでしょうが内容はほとんど記憶してないですね。執筆名に園田光慶名義を使い出すのって66年くらいからかな?僕は子供時代、漫画週刊誌はマガジン·サンデーは毎週欠かさずくらいの勢いで読んでたけど、少年キングは毎号とは行かず、飛び飛びみたいになってたからなぁ。「車大助」「巨人ジャンロ」「ホームラン探偵局」は全編完読はしてないな。

 「ミサイルマン·マミー」第一話の「黒い怪ロボット編」の敵役というか、物語悪者の牧博士の悪だくみって、地球上から戦争をなくすためには世界中の兵器と武器をなくしてしまえばいいんだ、という考えは、その思想そのものは理想的な良い考えですよね。今現在も休むことなく地球の何処かで必ず続いている戦争や紛争も、人間が兵器や武器を持たず使えなければ、戦争といってもただの殴り合い、喧嘩になる訳ですから。喧嘩で終わる。せいぜい使っても棍棒持つくらいのものでしょう。戦争·紛争に比べればもの凄く被害が少ない。被害は、ひょっとしたら死者さえ出ないかも知れない。世界中から戦争をなくすためには、兵器·武器をなくせれば理想的ですね。

 問題はその方法で、実際、そんな方法はないでしょうし、昔のSF 漫画に“鉄喰いロボット”とか出て来てたけど、“鉄喰いバクテリア”みたいなものを世界中に大量にばら蒔けば、兵器や武器はだいたい金属でできてるから、世の中の戦争兵器を無力化できるかも知れない。でも、兵器や武器以外も無力化して人間が文化的生活をおくる上でもの凄く困ることになる、という致命的欠点がある。人間の血液中にも鉄成分があるから、人体にさえ影響が及んでしまう。まぁ懲りない人間は金属製が駄目なら、強化プラスチックとか非金属製の武器を作ってしまうでしょうからね。

 物語での牧博士のやり方は、取り敢えず片っぱしから兵器を破壊して回ろうと、先ず自衛隊基地の軍艦や戦車から、巨人ロボットの生み出す高圧力空気で押し潰して回る訳だけど、兵器や軍事基地を壊すと同時に、そこに居る人々を一緒に殺してしまう訳だから、いくら相手の大半が自衛隊員や軍人でも、これは大量殺戮の重大な犯罪ですね。とりもなおさず、牧博士の使う巨人怪ロボットそのものが、一つのスーパー兵器な訳ですからね。実際の戦争も、テロという戦争を仕掛けられて、テロとの戦いと言って戦争で応える。テロを制圧できるのは、数多くの犠牲者の出る戦争しかない。何かやりきれないですね。果てしなく続く殺し合い…。

 

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