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「鉄腕バーディー」 ・・・第11集

  

  廃墟研なんてクラブを本当にやっている若者達っているのかなあ(?)。いやいや、「鉄腕バーディー」の中での話ですけど。もう一人の主役、というか半身の主役の、千川つとむ、なのですけど、彼が「バーディー」第7巻で、通う高校の廃墟研なる同好会グループから「廃墟探訪ツアー」なるものに誘われる。つとむは断るんだけど、彼の友人達はどーも、廃墟オタクなる者達らしい。つまり、趣味で、現在廃墟となっている建造物の探訪探検を行う集まりで、何かこう、不気味な感じを持つ廃墟なんぞに萌え、のオタクさんの集まりらしい。こういう「廃墟オタク」なんて若者達が本当に居て、実際に各地の廃墟を探しては訪れているのだろうか?廃墟といえども、敷地や建物には当然、持ち主がちゃんと居ようし、これは不法侵入という犯罪になる事ではないのか。と思うけど。実行している彼等はお構い無しなんだろうなあ。

 

 今回、11巻では、我らがバーディーはこの廃墟の一つで大暴れする。第9巻で出て来る写真の、ダムに水没した廃病院ですけど、この半分水没の病院廃墟が実は敵のアジトの一つで、ここにつとむの姉、千川はずみが表向きアルバイト仕事、実は検体として軟禁されている。千川はづみを救出せんが為、乗り込んだ、我らがバーディーが、現れた人形の一体、水妖と戦い、表向き廃病院の敵要塞の内側まで、乗り込んで行き大活躍するも、この11巻中めいっぱい戦って、長引いた戦闘の疲労に山間の藪の中で倒れ込んじまうんだよね。迫り来る敵集団だし、危うし、バーディーで、11巻は終わり、ハラハラ、イイトコで次回に続くとなりました。です。しかし、実際に廃墟研なる人達が居たとすると、彼等はやはり心霊趣味ともクロスオーバーする嗜好なのかな?ほら、よく居るじゃん、面白がって幽霊屋敷探検している若者グループ。決して一人じゃ行かないけども数を頼んで、巷で幽霊屋敷だと有名になってる無人の家、ここにキャーキャー大騒ぎして不法侵入しに行く、面白がりだけの悪趣味若者達。ここに出て来る、「廃墟オタク」なる人達は、ドキドキ幽霊屋敷探検趣味も兼ねた気持ちから、廃墟を探して探訪してるんだろうか?けっこう真面目な心霊探索趣味も持ち合わせているのかな?つまり、「心霊研究会」みたいな事やっている人達とも重なるもの、通じるものがあるものなのだろうか?その、趣味的なものが。と何でもないがささやかな疑問でした。

 「鉄腕バーディー」の作者、ゆうきまさみさんは1957年生まれだから、だいたい僕と同世代なんですねえ。東京生まれの札幌育ちA型との情報もあるけど、「バーディー」単行本の著者紹介では、北海道生まれB型。80年のプロデビュー。少年サンデー連載の「機動警察パトレイバー」が大ヒット、ブレイク。今や巨匠の域の漫画家ですね。「バーディー」を見て解るように絵がうまい!だいたい小学館系の人は端整な線の絵柄で、整ったきれいな絵を描く漫画家が多いように思うけど。小学館系の雑誌で長年育った漫画家さん、は、です。ゆうきまさみさんて何でも、新谷かおるさんの弟子筋なんだって。新谷さんは僕よかずっと上の世代だ。新谷かおるさんも少年サンデー系育ちかなあ?新谷さんはヤングキング(少年画報社)とかにも描いていたよなあ、確か。ゆうきさんの方が新谷さんの絵柄より線は端整だと思う。新谷かおるさんは「デザートローズ」だとか面白そうだけど、僕には、ちょっと、ついて行けない絵柄だなあ。うまいのはうまいんだけど、タッチ、絵柄が僕的にはあんまし。何と新谷かおるさんはあの大巨匠松本零士さんの弟子筋らしい。松本零士さんは有名な巨匠ですが、僕は絵的にはあんまし趣味でない絵柄の往年の漫画家だった。成程と納得。絵の癖、タッチが似ているような気がする。

 「機動警察パトレイバー」というSF漫画はアニメ化もされて有名な作品ですが、僕は読んだ事も見た事もありません。今大流行のメディアミックスの先駆け的作品らしい。アニメ監督の押井守さんだとかのクリエーター達が組んで進めたプロジェクトらしく、劇場用映画、TV放送アニメ、そして印刷連載漫画の方の担当はゆうきまさみさんで、行った各メディアコラボ。後に、キャラクター商品やTVゲームも当然出てるでしょうし。そうではなくて、始めに、ゆうきまさみさんの原作オリジナルの漫画があって、そこから立ち上げて来た、一つのメディアミックスプロジェクトなのかも知れませんが。済みません、よくは知りません。僕も「パトレイバー」のなまえくらいは聞いた事はあったんだけども、残念ながら詳しい事はほとんど知らなかった。興味もなかったから数年前に買って来て読んだ科学解説本、「ロボット漫画は実現するか」なる書物も、「アトム」や「鉄人28号」「エイトマン」の項は読んだけど、この「パトレイバー」のところは読んでいない。未来社会で、レイバーなる作業用機械が社会一般に普及するに連れて起こる、新型犯罪に対抗すべく国家的に組織された対レイバー犯罪警察機構、パトレイバー、みたいなモチーフのSF漫画なんでしょ?御免なさい、よく知らないんだけど、そんなだと思う。このレイバーなるものは要するに、人体能力強化機械というかモビルスーツというヤツか、それの大きいもので乗り込み式ロボットか、そういうテのロボット機械ですよね。まあ、おおざっぱな例で、マジンガーZやガンダム、メカゴジラみたいなものですね。レイバーとかパトレイバーはそれのもっと小型のものじゃねえかなあ?あんましよく知らなくてどうも御免なさい。

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 劇場版の「機動警察パトレイバー」のストーリーなんですが、1999年夏、突如自衛隊の試作レイバーが狂って暴走した。それを境に、都内各所で次々と作業用レイバーが暴走する事件が起きる。何者かがコンピューターウイルスを使って機械を狂わせたコンピューターテロだった。警視庁特車2小隊のはみだしポリス達は姿なき犯人を追ってメガロポリスを駆け抜ける…。というようなお話らしい。僕は見てませんけど。これのシリーズ2も作られているんですねえ。映画DVDも発売中です。つまり、「パトレイバー」の世界観は、人間の行って来た、あるいは工作用機械車、トラクターだとかショベルカーだとかで行う、土木作業等の作業一般を、乗り込み式のヒト型の大型ロボットで行っている社会、なんですね。連載漫画やアニメが作られた時は近未来の時代設定だったんでしょうが、この劇場用アニメでは1999年の設定だから、もう過ぎてしまっている。無論、21世紀に入って数年経つ今、HONDAのアシモ君は二足歩行出来、しかも今の改良型はかなり早く歩けるらしいが、ああいうヒト型ロボットが何か作業を行っているのは見た事も聞いた事も無い。現実には、土木建設作業や破壊作業、掘削作業、工場での組立作業等も含めた、人間社会全般の工作作業を行う機械類を、何もヒト型にする必要なぞ無く、別に、ヒトが乗り込むのだったら、ヒト型でなくて自動車タイプの方が便利だし、理に適っているのである。前述の「ロボット漫画は実現するか」という書物の中で、ある科学者が言っているが、シュワちゃん主演のアメリカSF映画の中で、未来社会の一場面で、タクシー運転手がロボットで、普通の自動車を運転しているシーンがとても奇異に思えた、何故かというと、それならもう自動車そのものをロボットにした方がずっと合理的だからだ、という事でした。僕もそれは全くその通りだろうな、と思います。ヒト型ロボットにするより、土木工作機械のショベルカーに電子頭脳搭載した方が、話は早い。誰が考えても、もうそれの方がずーっと合理的だもん。

2794349  見つかりました。ありました、押入れから出て来た、青い表紙の、2002年実業之日本社発行、「ロボット漫画(マンガ)は実現するか」という本。「機動警察パトレイバー」の項は、テーマは「3K」で、話を聞く博士(コメンテーター)は、千葉大学教授野波博士。上記の僕の一文中の、シュワちゃん主演の映画とは「トータルリコール」というアメリカ映画で、これの1シーン、普通の自動車を運転するロボットのタクシー運転手に違和感を覚えたと話すコメンテーターの科学者は、「ロボット刑事」の項で、東工大教授広瀬博士、でした。それに追加してインタビュアーの編集者が話すエピソードは、SF作家野田昌弘氏の意見で、例えば未来社会でコンビニエンスストアにロボットが進出する、というのは、コンビニにロボット店員を置いて「お弁当温めますか?」とか言わせるよりも、もうコンビニの店を無人の全自動化にしてしまう方が、つまり店ごとまるまるロボット化してしまう方が合理的だし現実的だと、いう事でした。これから僕がイメージするに、深夜のコンビニ店で、店員が誰も居なくて、客が入るとドアに自動的に鍵が掛かる。いろいろな商品棚で何処からともなく人の声で商品説明などの音声サービスが入る。客は商品をレジを通さないと、ドアの鍵が開かず、店から出してもらえない。レンジでの商品温めなども全自動サービスのシステムが行き届いている。つまり店はひとつのメインコンピューターが管理して各所の冷蔵、保温やちょっとした商品移動などの動作を例えばマジックハンドみたいなもので行い、安全管理まで全部、全自動で行う、1コンピューター完全管理の無人コンビニ店。そんなものかな。ちょっと考えると何か味気ないというか寂しいような、誰もヒトが居ない無人店舗ばかりになるのは、無味乾燥で不気味な感じさえするけど‥。

Zero  

 「パトレイバー」の項で、SF漫画「パトレイバー」のお話の説明が、「ロボットのリアルな近未来、機動警察パトレイバー」と題してちょこっとされてます。作者ゆうきまさみさんは年代的に子供の頃「鉄腕アトム」や「鉄人28号」に親しんだ世代。特に旧日本軍が秘密兵器として開発し、リモコン操縦機で作動させる鉄人の操縦機を敵味方で奪い合うという設定が、鉄人28号のお話の科学技術のリアルな捉え方に影響を受けて、この「パトレイバー」というお話を描いたのだそうです。この作品では近未来社会で、建設土木などの3K仕事はレイバーと呼ばれる人型ロボットに人間が乗り込んで行なうようになり、レイバーが普及するとレイバーを使った喧嘩や犯罪が多発するようになり、警察もそれに対応するように武装し、それがパトレイバーなのだ、と説明されてます。この漫画は、レイバーが普及した社会というものを描いたところが画期的で、作品中、モーターショウならぬレイバーショウなども行われるエピソードがあるそうで、現実に3Kロボットが開発されつつある現在、の想像されるある一方向一側面を描いてるようですね。「ロボット漫画は実現するか」の本の「パトレイバー」の項で、正に3Kロボットの典型、野波博士の研究チームの開発する地雷探知ロボット、COMET3が紹介されてます。3Kの「危険」の絶対的代行、ですね。このCOMET3は人力だと一時間中り畳一~ニ枚程度の地雷探知が、一時間中り畳900枚程出来るんだそうです。もう能力は全然違いますね。COMET3は人型ではなくて、6足のどちらかというと腹ばいの、昆虫型ですね。(この時点ではCOMET3にはまだ地雷除去能力はありません。あくまで超優秀な地雷探知力のみ)。

 しかし、「鉄腕バーディー」の話に戻りますが、最初の頃に出ていた、同盟側の宇宙人の怪人とかは最近の巻では全然出て来ないけど、どうなっているのでしょう?また、同盟側と、連邦側が追う宇宙の凶悪テロリスト、クリステラ・レビとの関係は?とか、「バーディー」物語の設定や世界観はだいたい解っているが、まだまだよく解らないところが多いので、暇が出来たら一度、2巻から11巻まで通して読み上げるのがいいかも。と思いますけど、此の頃の僕はよく寝ますからねえ。暇さえあれば寝て、眠っている。疲れているのか何なのか、とにかくよく眠る。もう眠り過ぎ人生を過ごしているみたい。惰眠を貪る、という言葉があるけれど、身体が要求しているのならば仕方が無い事だろうが、とにかく暇さえあれば眠る事を何とかしたいと、本屋で「短眠法」なるハウツー本を手に取ったが、書いてる事が「こんなん出来るかーっ!」て内容だったり、何だか怪しげな胡散臭い説明なので、買うのはやめた。バーディー1巻(未読)も買ってまでは読もうとは思わないが、読めたら読みたいね。ここんとこ、気持ち的にあまりノリ気でないので、今回の記事は取り掛かりが18日だったのに、アップが大幅に遅れた。もともと文章書く事は好きなのだが、ど~も、最近はこのブログ記事書くのに、気ノリが無くて、書き進めずに、ちょこっとずつ書いて行って、ようやくアップ出切るかな、というトコまで来た次第。漫画「鉄腕バーディー」そのものは面白いSF漫画ですけどね。

814robotmanga  「ロボット漫画(マンガ)は実現するか」の中で書かれていた事に関係する問題ですけど、今、我が国の職業の雇用問題は深刻な状況で、昔は、金の卵と呼ばれていた中卒高卒者が今では職が無く、今は昔とは真逆の状態で、大学や大学院卒の高度の専門技術や事務管理能力を持つ者が引く手あまた状態。なんだそうです。多分、労働部分を海外の労働力コストの安い発展途上国等に、海外の工場設置や下請け的依拠をして対応している状況なので、国内の単純的な労働の需要が無くなって来ているのでしょうね。だから大部分の労働者は雇用機会が無くなる。高学歴の専門技術や高い事務管理能力を持つ求職者なんてしょせんは少数派でしょうし、大多数の労働求職者に仕事が無い、というのはこれはゆゆしき問題だと思います。それに拍車を掛けるのが、労働の機械化ロボット化ですよね。人間のする労働を機械が奪ってしまう。今はまだ僕の周りでも、単純作業の全自動機械化など歴然とは見られませんが、企業は全自動のロボット化は理想であろうし進めている事だろうから、早晩、大多数の労働者の、生活を支える仕事が無くなる状況は来る。という危惧は考えられます。ロボットが我々の社会にどんどん進出して来て、我々の暮らしが楽になるだけならばいいけれど、生活困窮に追い込まれるのは冗談ではない、大きな問題です。今すぐに日本産業の労働力全てが、ロボット機械に取って替わられる、というような事はないでしょうけど、しかし、今も、これからも、就職難などの雇用問題は政府は真剣に取り組んで、何とかしてもらいたいですよね。特に失業率が上がるような現象は絶対に抑え、避けてもらいたいです。大手企業が直接、労働力を雇わずに、派遣会社なるものがあちこちにいっぱい、にょきにょき出来て来る状況にイヤーな気持ちでいましたが、それが今度は労働力がロボットに取って替わられる、なんてのはゾッとしますね。皆が幸せな未来が来て欲しい。

※(2005-12/18)「鉄腕バーディー」第11集
※(2007-1/31)「鉄腕バーディー」第13集14集
※(2005-3/14)「鉄腕バーディー」⑧
※(2005-9/19)「鉄腕バーディー」第10集
※(2005-2/13)「鉄腕バーディー」
※(2006-5/1)「鉄腕バーディー」第12集
※(2005-06/19)「鉄腕バーディー」第9集 

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「木曜日のリカ」 ・・・ (1)

Thum_0004 Thum_0001  本年の流行語大賞にもノミネートされたのか、もう随分前から聞く言葉だから、昨年、一昨年あたりに既に挙がっている流行語なのか、よく知らなくてどうも済みません、なのだけど、ここ二、三年よく耳にし、今年は特によく聞き、活字で読んだ、一語、「萌え」ですけど、僕はこの「萌え」の意味がイマイチ、よく解らず、ど~も、アニメとかオタクとかコスプレとかと関係ありそうな言葉なんだけどなー、ワシ意味がよう解らしませんねん、という事で、昔からずうーっと関心と購入欲求はあったけども、一度も手元に置いた事ない、分厚い大判の本、昔は「現代用語の基礎知識」しかなかったのに、今はその本元はもっとコンパクトな形になり、昔ながらの大判は後追いの「イミダス」「知恵蔵」で、ついに僕も生まれて初めてこの新型毎年更新毎年新規発売の大判辞書型現在用百科事典の三誌のひとつ、「知恵蔵」を購入してきました、「萌え」の意味を調べるためだけに。昔ながらの大型の国語辞典では、「萌え」は載ってはいるだろうけど、本来の意味でしか説明されていないだろうし、今マスコミなどメディアで使われる流行語でもある「萌え」は、明らかに本来の「萌え」とは意味が違うだろうからと、「萌え」の意味を知るために、「現代用語の基礎知識」的なイマ用百科事典誌を近所の本屋さんに買いに行って、老舗「現基礎」はコンパクトになり過ぎて老眼状況になりつつあるおいぼれ予備軍化のワシには読むのに辛く(もう~ん、活字が小さいんだからあ~)、ホントは本屋行く前から第一候補の集英社「イミダス」はこの時期一冊だけ残っていたが、端々がめくれ上がり見た目汚く、新品を定価出して買うのは見た目良いキレイなものが欲しい僕にすれば、何冊も残るが見た目キレイな朝日新聞社の「知恵蔵」の方が外見が良くて、「知恵蔵」を買って来たのでしたが、「萌え」そのものの意味は説明されとらんやないかいっ!と怒るのでした。「知恵蔵」内では「萌え」は「趣都アキハバラ」の項目で「萌え」の言葉が引用されてるだけで、イマの「萌え」の意味そのものは解らず、結局、ネットのWikipediaで調べたらなる程良く解り、そうなのかと納得して、高い金出して買って来た、「知恵蔵」は何やったんやろ?と思いもしましたが、此の頃のTVバラエティー番組などでよく見る、メイド姿の若い女の子達が「おかえりなさいませ」という図の意味が解けたので、まあいいかな、とかと自分を納得づけた僕ちんでした。「趣都アキハバラ」の項で、これは「メイド喫茶」というものの演出らしいと解りました。メイド姿のウエイトレスが「おかえりなさい」と迎えてくれるという趣向の喫茶店という事らしいです。ふ~ん。

Saibara_01  まあ、だいたい意味が解ったからいいんだけれど、「イミダス」の方だったらイマ語「萌え」の意味は載っているのだろうか?「知恵蔵」「イミダス」は十字に紐掛けされてたから中、覗けなかった。「イミダス」のパロ本パロ題だろうが「ムイミダス」という本を作家の清水義範さんが書いていたが、どんな本か手に取って内容を見てみたいなとは思っていたが、未だ手に取っていない。多分、ユーモア解語事典、みたいな辞書形式パロディー、まあエッセイ本だろう。昔なら海外もので、A・ビアスの「悪魔の辞典」とかを思わせるような、もっとくだけたものだろう、と思う。清水義範さんの著書で、挿画のイラスト漫画が西原理恵子のシリーズ本、「おもしろくても理科」のシリーズは「どうころんでも社会科」など面白くおかしく笑えて知識が身につく、読みやすくなかなか良い本です。これの挿画担当の西原さんの漫画イラストがメチャおかしくて笑える。著者清水教授と出来の悪い生徒役西原さんのケンカ漫才タッグが実にイイコンビで秀逸です。その、ひとつの、本作りが。笑わせて読ませて、しかも知識がついて実用的とくる。読んでいる僕の頭には知識は残ってはいませんが、読まないよりずうっとタメにはなっているとは思う。何かの。(何のだ?)。ユーモアたっぷりの作家、清水さんの著書「ムイミダス」もきっとユーモアナンセンス本で笑えて何がしかの知識の身に付く本なんでしょうね。最近の本で、西原理恵子さんはイラスト挿絵で、作家伊集院静さんとタッグを組んでいた。本屋で見つけたけど、中身は覗いて見ていない。

 以前にもこのブログで書きましたが、以前僕が大好きなシリーズで続けて何冊も読んで面白かったミステリ小説、作家森博嗣さんの犀川助教授と大学院生萌恵ちゃんのシリーズ小説の、あれは何だったかなあー、「封印再度」だったかな?何のお話だったろうか?忘れた、西之園萌恵ちゃんがSFアニメのコスプレして漫画同人誌大会に出るヤツ、その場面が、今回冒頭の文から書いてる「萌え」と漫画アニメのいわゆるオタク達の集う漫画同人誌大会(コミケ)にコスプレで出て来る、西之園「萌え」と重なって、思い出されるけど、こういうイマの若者文化や風俗を小説内で描く国立大学理系教授職の森博嗣さん、といい、「萌え」系オタク市場が莫大な経済効果を上げている事実といい、年寄りやわれわれ年寄り予備軍の世代はついこういうイマの若者文化を馬鹿にしがちですが、現実はもうこうなんだし、「萌え」に走る若者にもアタマの良い者はいっぱい居るんだし、「萌え」文化も侮れないな、という感じですね。※(西之園萌恵ちゃんがコスプレするのは『封印再度』ではなく『数奇にして模型』。)

 日本文学を代表する作家三島由紀夫は小学生の頃、辞書を読むのが大好きでいつも辞書を読んでいたそうなんだとか。三島由紀夫は東大法学部出身でもともとアタマの良い天才だろうが、この、おそらく7、8歳頃から普通の国語辞典を読んでいた事で後の文学の才能を現す基礎を作ったんだろな、と思うけど、今の子供達も少年時代から面倒くさがらずに楽しんでこの「知恵蔵」とかを初めのページから順繰り読んで行けたならば、これは相当に脳味噌鍛えになるような気がする。僕等年寄り予備軍でもとても良い行為だろうが、多分皆さん出来ないでしょう。僕も最初意気込みがあったとしても続かないでしょうね、絶対に。(現に知恵蔵は「萌え」を調べた後は雑誌の山に積まれたまんま)。僕は三島由紀夫の小説を読んだ事がありません。あの作家の作品の文体にはやたら漢字が使われていて、高校生の頃だったかやたら使われてる難しい漢字の並びが、読めないし閉口してたちまち降参という具合だったように思います。読もうとしたというよりも手に取ってみた経験で、中見て即退散だったと思いますけど。もっとも20歳を過ぎて一冊、三島が遊び心で当時の一般ヤング向けに書いた、簡単なエッセイ集を読んだ事があるような記憶がある。当然その時は三島はもうこの世の人ではなかったんだけども。でも、中学生になった頃かに、当時の平凡パンチかプレイボーイかのヤング向け雑誌のグラビアで、三島由紀夫と盾の会だかの色鮮やかな軍服姿で並ぶ写真を見た記憶もある。いや、三島由紀夫と「萌え」は関係ないんですけど。だが、三島由紀夫がやっていた肉体改造は「萌え」的に見る事が出来るし、軍服もコスプレとも取れる。三島由紀夫の生き方も「萌え」か?こんな事書いてると三島文学ファンや研究者、識者に怒られるぞ。

4092950616  という訳で漫画です。とは持っては行けないなあ。上記でも書いてるけど、僕は三島由紀夫の文学なんて読んだ事ないし、「萌え」関連では僕の漫画読書歴にはオタクの物語の漫画なんて無いしなあ。あ、そうか。上記の西原理恵子さんはもともと漫画家そのものなんだ。ただ上記文では、書物の挿絵的イラストレーターでしか扱っていないけど。教養エッセイ本「面白くても理科」のイラストそのものがもう、1本の漫画ではあるけれども。でも僕はちゃんとした、西原さんの漫画作品も著書も読んだ事、無いしなあ。困ったけれども…。ん?「面白くても理科」。上記の、作家清水義範さんのエッセイ本「面白くても理科」は理科ですね。理科はリカで、RIKA音つながりで、主役が美女のスナイパーもの、少年漫画だがお色気入りで活劇ハードボイルド、センチメンタル味ありのアクション劇画、これも古い漫画で御免なさい、昔の少年キング連載、主人公美少女の絵が実にイイ、小池一雄原作で「木曜日のリカ」。これで決まり。松森正の美女の絵が実にうまいんですね、ほれぼれする可愛くお色気美女、「木曜日のリカ」。ん、もうこれですね。RIKAはRIKAでも理科でなくて、美少女スナイパーのエージェント、リカ。御木本リカちゃんですね。漫画作品につながったぞ。

Thum_0002  少年向けのアクション劇画、「木曜日のリカ」は昔の週間漫画誌「少年キング」に人気連載されました、原作が小池一雄さん、漫画が松森正さんの作品です。70年頃の作品で、連載終了後に新書判コミックスで一度、全5巻にまとめられ、これがキングを出版している少年画報社のヒットコミックスで出されたのかどうか、僕はよく覚えていません。80年頃に僕はこの全5巻をデパートの催しもの場で行われていた古本市で手に入れてますけど、度々の引越しで失くしています。80年代末に小池一雄さんとこのスタジオシップで全5巻復刻再刊してますけど。これも手元に持っていたけど、何処やっちゃったか今はありません。この漫画が僕には愛おしく思われるのは、やはり抜群にうまい松森正さんの絵です。特に女性の絵は、ホントもう抜群に魅力的な美女を描きます。うなる程にうまい!松森正さんの絵を初めて見たのは、週間少年チャンピオンの創刊号頃で、まだ隔週刊だった当時です。多分、雑誌連載はこれが初作品ではないかと思うけど、多分原作付きで、「巨人の星」を思わせるような少年野球漫画、だったと思う、題名忘れたけど、この時からもう主人公少年の妹かの美少女の絵が可愛くて色気があってうまかった。で、次に目にする事となる「木曜日のリカ」で美少女の絵柄に、僕はトリコとなる。というのは少々大袈裟ですが、そのくらい、うまいなあ~、と当時、感心した、女性登場人物の絵、でした。そして、最近では、この「木曜日のリカ」は何と、新しい雑誌コミックス本形式で復刻されてます。例のコンビニ向けの読み捨てコミックス版。コミックスのような上質紙やケント紙のような良い紙質ではなく、雑誌用のザラ紙のちょい良いモノに印刷された、正に雑誌タイプの読み捨て版。原作者小池さんの出版会社から出してますね。

Se121_001sRyue15625img600x4501107783201img_0112  全然知らなかったんですけど、松森正さんは、日本劇画草創期の時代の立役者の一人、さいとうたかを、辰巳ヨシヒロ等と並ぶ、劇画創造の雄達の一人と数えられる貸本劇画出身の大御所、佐藤まさあきさんの弟子筋だったんですねえ。佐藤プロのアシスタントを長年勤めていた。言われてみれば、佐藤まさあきさんの代表作「日本拳銃無宿・影男」のシリーズ後期に出る、佐藤とは全然違う絵柄の美女の絵は、松森漫画の美人の絵ですね。成程。佐藤まさあきさんは自分の作る劇画の絵柄に頓着無く、絵柄の違うアシスタント達に平気で登場人物や背景を描かせていたんだそうです。でも、佐藤プロからは個性的で実にうまい絵を描く作家が何人も出ていますね。川崎三枝子、みね武、かざま鋭二、松森正。みやわき心太郎さんなども佐藤プロでアシスタントをやっていたのだとか。かざま鋭ニさんは長年、川崎のぼるさんのアシスタントもやっていた。同じ絵柄にこだわる、さいとうたかをのプロダクションと違い、まるで違う絵柄OKだった大らかな佐藤まさあきのところからだこそ、個性的なうまい絵を武器に、後にメジャーの雑誌漫画界で活躍する劇画家達を輩出したのでしょうね。その点、さいとうたかをはプロ性に徹して、自分の作品は同じ絵柄と徹底したのでしょう。でもそうだとここ出身の漫画家は皆同じ絵柄に育ってしまう。もう亡くなってしまわれたけど一時代の大御所だった園田光義さん(昔、ありかわ栄一)などは、多分さいとうプロ内でも描いていたのでしょうが、似た絵柄からは後年脱却して自分のオリジナル漫画を描いています。プロ漫画家が、絵も含む漫画の描き方がうまくなる早道は、プロのアシスタントに着く事でしょうが、どうしても師匠に絵柄が似るという弊害は仕方ないものでしょうね。

Imgb97d3f7dackw1g  という事で、僕の思い入れの深い、松森正さんの劇画は一回で書いてしまうのはもったいないので、またの次回に続けます。しかし、ホント、うまいですよねえ、美女の絵。もう惚れてしまうヒロイン画像。これこそ今流行の表現「エロ可愛い」ですね。「エロカッコイイ」ともいうみたいですが。松森さんの絵は正にこれ。コウダクミがなんぼのもんじゃい、ワシはこれ、「木曜日のリカ」ちゃんじゃいっ!でした。続く。


◆(2005-12/09)「木曜日のリカ」 ・・・ (1)
◆(2006-10/02)漫画・・ 「木曜日のリカ」 ...(2)


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「少年キング・少年ジャンプ・少年チャンピオン」創刊号

 今晩は。皆さん、お元気ですか。Ken-mortimaです。師走に入り、朝晩がめっきり冷え込んで来ました。風邪などを引かぬよう気をつけてくださいね。この間、本屋さんに行ったら、今年の春先くらいかに読み上げた文庫本のミステリ小説、小野不由実さんの「黒覗の島」が漫画化されていました。今は他のメディアの作品の漫画化がたくさんありますね。映画、TVドラマ、小説、でのヒット作は必ず漫画化される。今は「漫画化」などとは言わずに、「コミカライズ」と洒落た呼び方をします。TVやラジオで聞いても、本で読んでも、洒落て、英単語での言い回しをする言葉の、多い事。雑誌で読んでいて、何の事かさっぱり解らず、英和辞典で引いてみたり、後で解ったりして、ああ、そういう意味の英単語か、解んねえじゃねえか、日本語で言えよ!と思う言葉がたくさん。特に、TVで見たり聞いたり、雑誌で読んだりの、文化人の対談。これに、世の著名な文化人達が英単語での言い回しを使い、その場で意味が掴めない事もけっこうある。まあ、言葉のカタカナでの言い回しが、時代の流れに乗り、新しく作られて行っているんでしょうけれど。今の流行歌の歌詞なんてもう顕著ですよね。ひどいのは半分は英語詞。文法的には合っている一英文を並べてるんでしょうけど。あれ、英語部の意味が解って聞いてる人ってあんまり居ねえだろうなあ、と思う。今の歌のタイトルはもう、九割がたは英語だし。戻ろう、「黒覗の島」。それで、コミカライズ作品の「黒覗の島」は読んではいません。小説で読んだから。ミステリ物語は、やっぱ小説で読むのが一番面白いですね。逼迫感とかワクワク感、ドキドキ感が圧倒的に違う。リアリティーの強い作りの映画も良いけど、やっぱ小説で読むのには適わない。ミステリに限って、ですよ。特に本格推理小説。漫画化はやっぱしあんまりね。漫画でのものはあんまり良くないように思う。それでも、「金田一少年の事件簿」はけっこう良かったです。あのシリーズ漫画は面白かった。あれは、僕は、コミックスでは読んだ事無いけど、連載のお話がひとつ終了すると、いわゆる少年マガジンの別冊方式の雑誌形式でB5版で総集編が出てた。あれでだいぶ読みました。あれは、連載と同じB5版で絵が大きかったから読みやすくて良かった。「金田一少年の事件簿」も、作者は過去の推理小説の名作傑作の数々から、トリックやお話のタイプをどんどん取り上げて行き、長期連載で人気を保持し続ける事をやってのけたのでしょう。多分。少年マガジンの編集部内で「金田一少年」プロジェクトチームのようなものが組まれていたかも知れない。ヒット漫画を続けて行く為には作者と編集者は一体ですから。売れる漫画作品の為には出版社会社員編集者はものすごく努力する。例え名前が出ずに影に隠れた功労の存在であろうとも。多分、万作のヒット漫画の影には全てといっていいくらいに、奔走する担当編集者の縁の下の大きな力があるのでしょう。と、思います。市場主義企業出版会社の社員サラリーマン編集者達の、多大な功労の多量の汗が、大ヒット漫画を支える。のだと、思う。

 小野不由美さんの小説は、ミステリ小説「黒覗の島」も面白かったけれども、大長編「屍鬼」が良いですね。実に良い作品です。ミステリというより怪奇ものかな。どちらもサスペンスでくくってもいいけど。って僕はまだ「屍鬼」は2巻の途中までしか読んではいないけど。面白いです。最近は寄る年並みには勝てず、めっきり体力が落ちて、忙しいし、ミステリ小説もじっくり読めなくて。歳食ったらあんまし寝なくなる、ってあれ、嘘ですね。寝ないと体力が全然持たない。年寄りが朝早く起きるのを、年取ったらあんまし睡眠時間取らなくてもよくなるんだ、と年寄りになるのを楽しみにしてたらそんな事全然無い。視力は衰えるし。視力って要するに眼球の力が衰えるんですね。加齢と共に弱り行く各細胞の、眼球の細胞も確実に弱って行っているという事です。ああ、歳は取りたくないもんじゃ。古来、権力者が不老不死に憧れ続け、不老不死を夢見ていたのがよく解る。これは往年の大巨匠漫画家、白土三平さんの奇作「イシミツ」を読めばよく解ります。あ、そういえばこの「Kenの漫画読み日記。」も、あの大大巨匠史劇漫画家、白土三平先生はまだ取り上げてはいなかったな。白土先生の時代劇劇画ラインにはいくつもの傑作が並びます。50年代劇画黎明期から80年代90年代の劇画円熟期まで活躍された、日本漫画史には絶対に外せない屈指の巨匠でしたよね。「忍者武芸帳」と「カムイ伝」と「サスケ」はあまりにも有名です。「サスケ」は知名度はそうでもないかな。

 突然、話が変わりますけど、もう、ちょっと以前の話になるけど、NHKの特集番組で、フリーターとニートの若者達を集めて、有名人を何人か呼んで、この人達の現状と今の就職の問題を語り合う、討論番組をやっていて、その中のフリーターの一人に、「漫画読み屋」という仕事を個人的にやって、毎月かつがつ何とか食べるだけの生活を送っている若い人が出ていた。この「漫画読み屋」という仕事は、彼が発明した仕事で、いわばストリート声優のような路上パフォーマンスを聞いてもらう、変な職業だ。若者の集まる下町の路上に、人気漫画本を何冊か並べて、客の選んだ漫画本の数ページを、声優よろしく臨場感たっぷりに演技的に読んで聞かせる。一回百円で月十万程度稼ぐらしいが、若者の話から推察するに、どうも税金も健康保険も払っていないようだ。これは毎月毎月食べるためだけの生活の、仕事のようであった。いや、長々と書いてきたけど、僕が言いたいのは、僕のブログ名「漫画読み日記。」という題は、この「漫画読み屋」さんの書いている日記と思われやしないだろうか?とその時に僕はちょっと心配したという事です。「漫画読み屋」なんて仕事をやっている人は、この人くらいで、居ても日本中でも数える程度でしょう。でも僕も「漫画読み」とタイトルでうたっているし、ひょっとしたらカン違いして読んでみて、なーんだ違うじゃんこれー、みたいな事になっているケースもあるのではないかと、その時はいっそブログタイトルを変えようかとも思ったものです。「漫画読み日記。」というけど、いわば漫画感想文主題。それもおっそろしく古い漫画のものが多い。長島監督から引き継いだ原監督が「ジャイアンツ愛」と言っていたのを思い出し、題名をいっそ「漫画愛通信」なんてものに変えようかとも思いましたが、まだ現状です。まあ、諸般の事情からこのブログを閉じようかと思った事もあったくらいです。でも続けてます。

 という訳で漫画です。上記文でニートやフリーターの事に触れたから、そういう事関連の漫画か?というとさにあらずです。ニート関連だと、原作狩撫麻礼で作画たなか亜起夫の双葉社アクション系の名作「ボーダー」なんかがあるんだけど、それに関して書くのは止めといて、今回は上記文の中の一文「おっそろしく古い漫画が多い」から、またしてもおっそろしく古い漫画の関連、というか歴史、漫画史ですね。今回はワシが、今はなき「週刊少年キング」、今も健在「週刊少年ジャンプ」「週刊少年チャンピオン」の創刊号から続けてその年の何号かあるいは十何号かまでは購読し続けたんですよ、というまあ、漫画関連自分史からのささいなエピソードというか思い出を、まあ書く訳です。何て事ないです。独りよがりの勝手な思い出ひたり、です。はい。


 一番古いのは1963年の少年キングの創刊ですけど、少年チャンピオンから行きます。少年チャンピオン創刊号には当時の大人気スポーツ‐スター沢村忠が表紙に載っていました。沢村忠さんは、当時産声を上げた新格闘技スポーツ、キックボクシングのスター看板選手でした。空手とボクシングの合いの子みたいな初めて見る全く新しい格闘スポーツ、キックに全国の少年達は熱中したものです。少年チャンピオン創刊号っていつなんだろう?だいたい69年か70年くらいの筈。69年の夏頃ですね。誌名から、創刊号にキックのチャンピオン沢村忠、2号は確か当時のプロレスチャンピオンのジャイアント馬場だったように思う。もしかすると3号の表紙かもしれない。と、いうふうに各界のチャンピオンの写真で表紙を飾ってたんじゃないかな。しばらくは。少年チャンピオンは最初は月二回刊の隔週刊誌で、創刊13号くらいまで隔週で行き、14号か15号できちんとした週刊誌となった。老舗の月刊漫画誌「冒険王」と「まんが王」を発刊している秋田書店の出す、初週刊誌で、売れ行きビッグな絶対の2大週刊漫画誌「マガジン」「サンデー」に対抗すべく、秋田書店も気合を入れて、さいとうたかをの時代劇読みきりに、手塚治虫「ザ・クレーター」、貝塚ひろし「赤い牙」、ジョージ秋山「ざんこくベービー」、月刊誌「冒険王」の大人気看板漫画の「夕焼け番長」のアナザエピソード編を筆頭看板に持って来て、豪華布陣で新創刊に臨みました。僕はこれを新創刊から15号くらいまで続けて買って読んでいた。看板漫画「夕焼け番長」も週刊化と同時に終わり、看板漫画は週刊化1号の第14号くらいから梶原一騎原作、かざま鋭次作画の「朝日の恋人」に譲る。考えてみれば、この頃から梶原一騎の新たな試みで少年漫画の新境地として、「恋愛」というものを描いて行ってるんだな。マガジンの「愛と誠」といいこの「朝日の恋人」といい。梶原一騎って、熱血スポーツ根性ものの漫画原作ばかしでなくて、こんな少年漫画の新たな領域開発とかやって来たんだ。やっぱ、一時代の漫画原作の独占的帝王の座を維持していただけはありますな。何かと黒いウワサ話が周囲を取り巻く御仁でしたが、偉大な少年ものお話メーカーでした。週刊化したチャンピオンに新たに始まったさいとうたかをのユーモア探偵もの活劇、「がらがら」という漫画が、当時、僕は好きでした。69年頃当時の少年チャンピオンはホント良かったですねえ。
 


 お次は「少年キング」。古いです。昔は、週刊漫画誌といえばこの三誌、「マガジン」「サンデー」「キング」。後発の「キング」が売れ行きではちょっと他二誌に比べて劣っていたかも。でも「少年キング」のファンの子供達も当時は多かった。まだまだ漫画誌といえば別冊付録のいっぱい着いた月刊誌の時代に、月刊誌「少年画報」のところから、63年に初創刊、少年マガジンと少年サンデーの創刊が59年です。出遅れる事、4年。でもだいたい、この当時のサンデー、マガジン、キングの執筆陣は同じような漫画家達でしたね。週刊「少年キング」創刊から5号まで、当時幼少の僕は買って来て読みましたね。でも、その後はあんまし読んでないかなあ。どちらかというとマガジン、サンデーばかしを読んでいた。週刊少年キング創刊号というとね、漫画の布陣は、本元兄貴分「少年画報」の看板「0戦太郎」の兄弟漫画で、同じ辻なおき作画の「0戦はやと」、吉田竜夫作画「少年忍者部隊月光」とかで、少しして11号とか13号あたりから桑田次郎「キングロボ」とかが始まる。う~ん、さすがにワシも古過ぎて憶えておらんなあ。望月三起也「秘密探偵JA」とかはまだもうちょうっと後だしなあ。「ワイルド7」はまだまだ後の漫画です。この創刊号の二大戦記漫画「0戦はやと」と「月光」はすぐにTV放送される。「はやと」はアニメ、「月光」は実写で、ドラマの方は何故か現代劇になっていた。この頃、初期の「キング」には、藤子不二雄さんの「フータ君」なんて載っていたなあ。百万円貯蓄のために全国回る、旅もの愉快漫画。毎回扉に、それまでの貯蓄金額が掲示されてた。

 いよいよ「少年ジャンプ」です。「少年ジャンプ」は歴史的に少年漫画誌の帝王ですよね。だって一時期は600万部が出てたんですよ。僕が子供の頃、「少年マガジン」が百万部突破したって大騒ぎしてたんですから。一週間に600万部出る雑誌ってものすごい事だと思います。少子化は進んで行ってるし、ゲームやケイタイ、パソコン等等、新たなホビーメディアが出て来て子供人気はそっちの方に行ってるし、もう後にも先にもこの少年ジャンプの打ち立てた記録を塗り替える事は、出来ないでしょう。だって、今、印刷漫画産業はジャパン少年少女漫画を輸出している時代ですからね。多分、国内ではもう伸ばしようがない。それは国内でもあらゆる年代に向けて、多種多様な漫画が送り出されているんでしょうが。漫画劇画の売り上げ伸び率アップはもう頭打ち状態ではないでしょうか?という気がする。だが、しかし、コミックス形態の単行本漫画では、累計売り上げが、「ナナ」の1600万部や「鋼の錬金術師」の1200万部、「バガボンド」が同じく1千何百万部、「静かなるドン」は確か3千万部を越えたのではないか、「名探偵コナン」や「ワンピース」だって1千万部を越えているという、怪物的売り上げ部数を打ち立てた漫画が、ざっと挙げてもこれだけあるし、まだまだこの数字に迫る漫画はたくさんあるだろう。今は漫画は雑誌が売れないでコミックス単行本で売れる時代だそうだけど。僕は別にこういう事に詳しい訳ではないので、はっきりした事は何も言えないのではあるが、やはり日本の漫画産業はまだまだ隆盛なのかも知れない。と、いうか、今は「メディアミックス」という形で売って行こうという時代ですね。要するに、一本のヒット漫画から他のメディアへとつないで行き、多彩な経済効果を上げて行くやり方。この今回の文、冒頭に書いている、「コミカライズ」というのもそうです。ヒット映画は漫画化して売る。ヒット漫画をTVドラマ(アニメ)化して、また漫画の販売部数を伸ばす。そこから今度はゲームへと行く。ゲームが売れれば次はキャラクター商品を売る。全て市場経済の中を回り、各方面で経済効果をあらわす。そうやって単なる趣味や娯楽が市場経済の中をめぐって、各所でお金を生んで行く。そうやって文化はアメリカ型市場経済の中で発展して行く。という感じですかね。少年ジャンプ誌内での競争システムの売れない漫画は即打ち切りの如く、金を稼ぎ出さない漫画はすぐに淘汰される。金を稼ぎ出さない文化はいつまでも日の目は見れない。

 



 済みません、何だか話がどんどん違う方向に行ってしまった。こういう事を一人で考えてるのって、けっこう好きなもんで、つい。やはり、子供の頃、独り言をぶつぶつ言っていた「変わった子」の癖が抜けきらずに、一人、何でもない事柄をつい考え続けちゃう。まあ、子供の頃の僕は学業成績のてんでよろしくない、どちらかというとアタマの悪い「出来ない子」の方に寄せられていた子供でしたけど。子供の頃、いったい何考えていたんだろう?「超人ヒーロー」の事ばっかしか?まあ、馬鹿な子でしたからねえ。少年ジャンプの事、書かないといけないのだ。「少年ジャンプ」創刊号。「ジャンプ」は、それまで月刊漫画誌「日の丸」と「少年ブック」を出していた集英社の、マガジン、サンデー、キング、に続き、チャンピオンよりひとつ前に出した初週刊誌です。「日の丸」は僕がものごころついた頃に廃刊となり、「少年ブック」も当時の月刊誌6誌では売り上げは下の方だった。というか、6誌中6番目だったんじゃないのかなあ?という気もしてるんだけど。「少年ブック」の休刊(廃刊)はいつなんだろうか?67年か68年くらいかなあ。月刊誌「少年ブック」が事実上、隔週刊漫画誌「少年ジャンプ」に変身したようなもんだね。一、ニ年くらいしてジャンプは週刊誌化する。「ジャンプ」の場合は、当時の売れっ子豪華執筆陣で攻勢を掛けて来た「チャンピオン」とは違い、最初から新人で勝負を掛けて来ていたふしがある。事実、少年ジャンプ創刊号当時の看板に持って来たのは、新人、梅本さちおの「くじら大吾」だった。梅本も新人といっても既に貸本メディアで描いていた若者だったんだけれど。「少年ジャンプ」を大部数を売るメジャー漫画週刊誌に押し上げたのは、新人、永井豪の「ハレンチ学園」と新人、本宮ひろしの「男一匹ガキ大将」だしね。本宮も貸本業界で描いていた、当時は誰も知らないような若者。初期の「ジャンプ」では川崎のぼるの「男の条件」という、若き漫画家の卵の青春と生き様を描いた作品が好きだったね。これも梶原一騎作のストーリーだったけれど。やはり梶原イズム作品で、漫画業界で、自身の筋を通しぬく男の気概を持った硬骨漢の主人公を描いた、スポ根ではないが、やはり熱血漫画。途中から読んでいないから、後半どうなったか解らないんだけど。

 

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