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JESUS -ジーザス-

  90年代の週刊少年サンデーに連載されたアクション巨編、「JESUS -ジーザス-」は、同誌の1992年43号より95年20号まで長期連載されました。傭兵として軍事経験を持つ、凄腕の元殺し屋の主人公が、巨大犯罪組織と戦って行くサスペンス・ヴァイオレンスアクション劇画です。

 元傭兵でテロリストの、闇社会での凄腕の殺し屋としての通り名、JESUS-ジーザス-は巨大犯罪組織から大量のヘロインを横取りして、自分自身は死亡を装い、死んだことにして既に死亡が確認されている一般人、藤沢真吾に成りすます。ジーザスと仲間の手違いでヘロインを隠した学校用の黒板が、日本の新星高校に納品されてしまった。ジーザスはヘロインを取り返すため(自分らのヘロインを守るため)に、新星高校に歴史教員として就職する。もともと成りすました藤沢真吾が新星高校の教職に内定していたことと、ジーザスは容姿が藤沢真吾とよく似ていた。

 ジーザスが担任を受け持つクラスや学校でトラブルや事件が発生し、自分の正体を隠すためやむなくトラブル·事件解決に乗り出したり、担任教師として生徒や同僚教師を守るために凶悪犯罪者と戦うこととなる。また、大量ヘロインをぶん盗られた巨大犯罪組織24(トゥエンティーフォー)から、麻薬奪還と報復のため次々と刺客が送り込まれて来る。学校内や遠足行事の行程が、ジーザスと殺し屋たちとの戦いでたびたび戦場化する。

 巨大犯罪組織24の幹部の一人、三崎かおるがジーザスの死を疑い、ジーザスが死亡を擬装して一般人に成りすまして生活しているのではないか、との調査に、腹心の部下、御堂真奈美を藤沢真吾の勤める高校へ、学校の養護教員として送り込む。御堂真奈美もまた、その実体はテロリストであり凄腕のスナイパーだった。

 ジーザスが、24から送り込まれて来る数々の殺し屋たちとの戦闘を重ねる内に、ジーザス自身が敵の本拠地、24(トゥエンティフォー)のアジトへ乗り込んで行ったり、学校内で起こる事件的トラブルで生徒たちを守るため、陰に隠れて躍動し凶悪犯罪者を退治したりする中で、本来敵である御堂真奈美と共闘していつしか心を通わせたりする。

 90年代の週刊少年サンデーに大人気連載された「JESUS -ジーザス-」ですが、僕はほとんどサンデー誌上で読んだことはなく、全編コミックス単行本で読みました。少年サンデーコミックスで全13巻、面白くてコミックス新刊が出る度本屋さんで買って来て愛読しましたね。何てったって主人公のジーザスがカッコ良くって。

 主人公はアフリカ各地の紛争で腕を鳴らした元傭兵で、幼い頃から孤児としてニューヨーク·スラム街で育ち、少年時代はスラム街の不良たちを束ねたワルのグループのヘッドとして荒んだ日々を過ごす。傭兵業を終えて暗黒街の凄腕の殺し屋として活動し、闇社会で“JESUS ”という通り名で恐怖と共にその名を轟かす。

 本来、超クールな殺し屋ですが、漫画の物語では、けっこうユーモラスに描かれています。意外と熱血漢で正義感さえ感じさせるキャラです。学校の生徒や女教師を守るべく活躍する姿は正義の味方的なキャラに映る。

 長期連載された漫画の物語の中で、数々の刺客たちと命懸けの戦闘を繰り広げて行く訳ですが、ジーザスが敵の殺し屋と戦って相手を倒し、死ぬ間際の敵にトドメを刺すときに、ジーザスが吐くセリフ「JESUS この名を地獄に落ちても忘れるな」という決めゼリフがあります。これは傭兵時代から吐いているセリフのようで、敵の殺し屋との壮絶な殺し合い戦闘の末に、倒れて虫の息の敵に向けて必ず吐かれるセリフです。ココもカッコ良い!

 敵味方の間柄ながら、同じ新星高校の教員として生徒や学校を守るために、トラブルに対して共闘して行く内に、ジーザスと同志的に心を通わせ合う、本来は凄腕の殺し屋、御堂真奈美ですが、僕は最初、この御堂真奈美は男性キャラだとばかり思ってました。描き方がガタイが良くて肩幅広く大きいし、髪形も角刈りに近いような短髪なので男キャラだと思い込んでた。でも、途中からそう言えばちょっと胸が出てるかな、とか思い始めて、女キャラだったんですね。男女の闇社会キャラだけど、恋愛関係にはなりませんでしたね。ヒロインは同じ学校の、若くて美貌の英語教師、水谷小百合先生ですね。

 「JESAS -ジーザス-」の作者は、原作が七月鏡一氏、作画が藤原芳秀氏です。藤原芳秀先生は修行時代は池上遼一や本宮ひろしという、日本の劇画·漫画界のレジェンドのアシスタントとして画力を磨き、一本立ちしてからは小学館の雑誌で描くことが多かったですね。僕が最初に藤原芳秀さんの漫画を読んだのは、80年代末近くから90年代初期に掛けて週刊少年サンデーに大人気連載された、本格格闘技漫画「拳児」からです。当時の僕は武道·格闘技オタクだったので「拳児」は熱狂して愛読しました。その後、2000年代前半に青年誌の週刊ヤングサンデーに連載された「闇のイージス」も面白く読みましたね。でも「闇のイージス」は途中までしか読んでないかな。10巻くらいまで読んだろうか。まぁ、僕個人の好みとしては「JESUS」の方が面白かったかな。

 「JESUS -ジーザス-」は続編が、「JESUS -ジーザス- 砂塵航路」というタイトルで同じ小学館のビッグコミックスで2009年から刊行されて、2012年までで全14巻完結で刊行されてますね。僕はこの作品は未読です。あらすじを調べたのですが面白そうですね。読んでみたいアクション巨編です。

 

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