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●漫画・・ 「いじわるばあさん」

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Photo_38  まだ小学生だったか、もう中学生になっていたか、はっきりしないのだが、子供の頃、当時の級友が、家で父親が「サンデー毎日」という週刊誌を取っているので、「いじわるばあさん」という漫画を読んでいると、学校で話していたのを、記憶している。多分、まだアニメの「サザエさん」が放送される前のことであったと思うのだけれど。その「いじわるばあさん」が漫画といっても大人向けの四コマ漫画であり、「サザエさん」と同じ長谷川町子さんの作画であるとは、僕も子供だったとはいえ理解していたと思う。TVのドラマ「サザエさん」は幼少時、江利チエミさんが主演していた。「意地悪ばあさん」のTVドラマの方は、主演が青島幸男さんだった。

 僕が子供の頃、青島幸男さんは喜劇役者というか、コントをやるコメディアンとして好きなTVタレントだった。勿論、幼少時、「シャボン玉ホリデー」は毎週見ていた。「泣いてたまるか」というコメディタッチであり、泣かせるシリアス味も持ったドラマが、毎週やっていて、確か隔週リレーのように、交替で渥美清さんと青島幸男さんが主演していたように思う。この、お話が毎週一回完結する連作、連続TVドラマ「泣いてたまるか」も、僕は渥美清さん主演の回は、あまり熱心に見ていなくて、大好きな青島幸男さん主役の回はいつも見ていた。まだよく憶えているお話が、犬が神様のはからいで人間になるヤツ。犬が人間になり、人間社会で生活するのだけど、理不尽なひどい目にばかり合い、その人間パートを青島幸男さんが主演していた。もうこりごりで、最後に元の犬に戻るのだが、人間を皮肉に風刺したドラマだったように思う。

Photo_39  「シャボン玉ホリデー」の中の青島幸男さんは、クレイジーキャッツの面々と一緒にやるコントに、出ていたというのは解っているのだが、シーンとしてははっきりとは浮かんで来ない。僕が小さ過ぎたからで、クレイジーキャッツは植木等さんの強烈キャラと「スーダラ節」や「ハイそれまでヨ」等のコミックソングと共に、面白おかしいイメージでよく憶えているが、この大ヒットしていたコミックソングの作詞が青島幸男さんだとは知る由もなく、僕の記憶に青島幸男像が刻み込まれるのは、当時よりもうちょっと、二、三年くらい僕が成長して、「泣いてたまるか」等のドラマや「お昼のワイドショー」の司会姿で見るようになってからだろう。今のTVのワイドショー番組の草分けが、この「お昼のワイドショー」だったらしい。元祖ワイドショー番組。青島幸男さんが、当時大人気の美人才女タレント中山千夏さんと一緒に司会をやっていたのは、よく憶えている。中山千夏さんは「あなたの心に」や「止まらない汽車」という歌も「お荷物小荷物」等のドラマも大好きだった、これも初代マルチタレントみたいな才気あふれる美女だった。

Photo_40  あ、タイトルだけど、TVドラマは漢字で「意地悪ばあさん」だけど、漫画の方はひらがなで「いじわるばあさん」なんですね。漫画本の「サザエさん」はいっぱいあったけど、「いじわるばあさん」の漫画本はなかなかなくてね。漫画の「いじわるばあさん」読んだ時はキャッキャッって言って笑ってた。中学生のときに単行本全6巻読んだと思う。6巻までしかないのを非常に嘆いた。「サザエさん」は50巻以上あるのに、何故「いじわりばあさん」はこんなに面白いのに、こんなにも少ないんだと。青島幸男さん扮するTVコメディの「意地悪ばあさん」も面白かった。しばらくして主演の意地悪ばあさん役が青島幸男が降りて替わった。それからは多分ほとんど見なくなったと思う。交替した二代目意地悪ばあさんが何というタレントだったかよく知らない。TVアニメでも、「いじわるばあさん」は放送されたが、あまり面白くなかったように思う。面白おかしかった、という記憶がない。長谷川町子さん作による四コマ漫画の毒が、アニメ版では無かったんじゃないのかな?少年時の子供心に、長谷川町子さんの漫画「いじわるばあさん」の毒は理解して、本当におかしい面白い漫画だった。

 青島幸男さんの訃報を聞いたのは今月、ついこの前のことで、12月の20日に惜しまれつつお亡くなりになった。正に才人。才気溢れるマルチなタレント。本来の「才能」という意味でのマルチタレント。大学院在学中からコントやバラエティの台本を書いて出発。まだまだ黎明期のTVの世界でマルチに大活躍。放送作家ばかりでなく、コメディアン、役者、司会、プロデューサーみたいな仕事までこなしていた。作家としては何と小説で直木賞まで獲得。そして、反骨精神を見せていた国会の参議院議員。政治家としては都知事にまでなった。本当に頭の良い人だったんだと思う。多才。政治家としてはどちらかというと、反政権的に皮肉り揶揄し風刺して、権力をつつく側で輝いた人なんではないかなと、僕は思う。だから都知事などという立場に居るよりは、あくまで野党サイドからとして、政権与党などの権力サイドを突き上げる方がよく似合っている、反骨の人だったという気がする。

Photo_41  四コマ愉快漫画「いじわるばあさん」の作者、長谷川町子さんは、国民栄誉賞までお取りになられている、日本プロ漫画家史上初の女流作家。ちなみに国民栄誉賞は漫画家では長谷川さんオンリーです(僕としては絶対、あと、手塚治虫先生は国民栄誉賞でなきゃ嘘だと思ってるんですけど)。長谷川町子さんといえば言わずと知れた国民的漫画(アニメ)「サザエさん」が代表作ですが、デビュー作もこの「サザエさん」の新聞四コマで、戦後すぐの1946年が作家デビュー。僕が中学生くらいの時に読んだ「サザエさん」や「いじわるばあさん」の単行本は、全て出版社が姉妹社でしたが、姉妹社って、確か、長谷川町子先生の実姉のお姉さんが起こした出版社ですよね。今の都内世田谷区の財団法人長谷川町子美術館の前身。

 「いじわるばあさん」の漫画は、「サンデー毎日」誌上に1966年から71年まで連載。姉妹社からの単行本は全部で6巻まででまとめられてましたね。僕は「サザエさん」は何冊かしか読んでないけど、この「いじわるばあさん」は6巻全部読んでます。僕にすれば、新聞連載で続いた生活漫画「サザエさん」より、数倍面白かったです。TVドラマの「意地悪ばあさん」て何回か、シリーズ分けで、断続的に放送されてるんですね。67年の回、70年の回、71年の回、81年の回。僕が見ていたのは最初のシリーズで、67年から69年まで続いた分。あとは単発のスペシャルものもあるらしい。途中で、青島幸男さんが参議院議員選挙に立候補した為、降板して、古今亭志ん馬とか高松しげおに主役を交替しているらしい。

 21日からのTVの報道番組では、都知事や国会議員も務めた有名人なだけに、26日の本葬後まで、そしてその後も、今年の重大ニュースの一つとしてだとか、毎日青島幸男さんの死を惜しむニュースが流れ、石原現都知事他有名芸能人等のインタビューの話等を映していました。調度同時期に、僕に取ってはムーミンの声の人、としてが一番印象深い、柴田錬三郎原作のTV時代劇ドラマ「御家人斬九郎」で主人公役の渡辺謙のグルメの母親役を好演していた、岸田今日子さんも亡くなられて、またお笑いブームに乗ってやっとメジャーの片隅に片足掛けたばかりで、大病を患い、一年の闘病を経たが虚しくも悲しい結果となった、漫才コンビカンニングの竹山の相方、中島さんの 死もあり、悲しいニュースばかりが続き、また今年は秋頃には、少年時代プロレスが大好きだった僕には印象深く残っていた、馬場や猪木の兄弟弟子のプロレスヒーローの一人、原爆頭突き大木金太郎さんの訃報も聞きました。そんな寂しいニュースの中でも、僕に取って一番大きなのはやはり、子供の頃や少年時代に面白く楽しいTV番組で慣れ親しんだ、青島幸男さんの死かな、と。寂しいですね。

 という訳で、06年最後の今回の「Kenの漫画読み日記。」の記事は、大晦日アップになりますが、20日の青島幸男さんの訃報を受けた形で、青島幸男さんといえばすぐに思い出す、あの頃の人気コメディ番組「意地悪ばあさん」だけに、カテゴリ分け60年代漫画作品で、お題「いじわるばあさん」としました。手塚治虫先生が亡くなられてからこっち、僕が子供の頃、刷り込みのように脳に刻まれた、当時のサブカル文化で時代を作り、まるで一つの文明のように時代を進めて来た、偉大なたくさんの才人たちが、ぽつりぽつりと一人、また一人と物故されて行っている訳なんですが、青島幸男さんも僕に取っては政治家としてよりも、「シャボン玉ホリデー」に代表される面白いTV番組を作り続けて、あの時代にサブカル文化の、大袈裟な言い回しですけど、一つの文明みたいのの、一側面を作り、見せて楽しませていただいた、ということで、忘れ得ぬ偉大なクリエイターだったな、と思います。僕のごく個人的見解ですけど。寂しいですね。

 で、ね。今回はホントは、カテゴリ分け映画にして、最近見た映画作品、いくつかのことを書き込む記事にしよう、と思っていて、最初、アントニオ・バンデラスとキャサリン・ゼタ・ジョーンズ主演の「ゾロ」続編、「レジェンドオブゾロ」の記事を書き込んだのですけど、続いて書き込むつもりの「サイレン」や「悪 -WARU-」、「スーパーマンリターンズ」等の記事を、書き込むまでに及びませんでした。ファンに取っては不意に来た、青島幸男さんの死についても、僕は何か文を書きたかったし、年を越すよりも年内に書いた方がいいと思って。で急遽、「いじわるばあさん」についてのブログ記事を書きました次第ですね。だから、この下に続く記事は、実は一番最初に書き込んだ文です。

Photo_42  いやあ~、正義のヒーローものってやっぱり、痛快ですねえ。映画「レジェンドオブゾロ」をDVDで見ました。60年代、TVでやってた輸入ドラマ「怪傑ゾロ」を、幼少時モノクロで見て、70年代、映画「アランドロンのゾロ」を劇場で見て、90年代、「マスクオブゾロ」をビデオで見て、今回の続編ゾロ。格好良いし、痛快に尽きるねえ。とても面白かったです。しかし、キャサリン・ゼタ・ジョーンズって最高に美人ですねえ。驚きの正統派美女。ニコール・キッドマンもシャーリーズ・セロンも美女ですが、いづれ甲乙着けられぬというか、三人居ますが美女の双璧とでもいうような、感激する、屈指の最高クラスの美女です。正義に燃えるユーモラスな熱血漢の主人公を演じる、アントニオ・バンデラスも良かった。実にカッコ良かった。面白い映画でした。カリフォルニアがアメリカ合衆国に加入する時代。いったい何時頃の時代なのだろう?僕、アメリカ史、全然知りませんから、よく解りませんが、南北戦争の前です。アメリカ合衆国の一番最初は、東部13州からですよね。西海岸の方はその後でしょうからね。僕は少年時代、カリフォルニア半島って、USA内だと思っていたんですが、半島はほとんどメキシコで、半島付け根のところがカリフォルニア州なんですね。昔はアメリカかメキシコかはっきりしないような境界領域だったんでしょうね。だいたいあの辺はスペイン植民地だったんでしょうからね。アントニオ・バンデラスはラテン系俳優で、物語内では英語とスペイン語、話してたし。キャサリン・ゼタ・ジョーンズは物語中通して英語だけだった。ゾロは剣で戦ったが、敵は皆、ライフルのような銃を使っていた。時代的には、西部劇の背景とどうなるんだろうか?同時代的に重なるのか?今回の敵は、カリフォルニアの合衆国加盟を阻止しようとする、もともとの組織本拠地を欧州とする秘密結社みたい。その敵組織の新開発の秘密兵器が、石鹸から作るという、ニトログリセリン。北アメリカ史は複雑そうだなあ。メキシコ等中米と一緒に歴史を見ると、何か面白そうには思えるな。

 調べたのですが、僕が幼少時に見たアメリカのTVドラマの「怪傑ゾロ」は、アメリカの1957年制作のテレビシリーズですね。僕が見たのって、63年か64年頃だろうか?当時は裏番組で同じ時間帯に、同じく輸入のアニメ「ポパイ」がやっていて、年の離れた兄が「怪傑ゾロ」を見たがり、僕が「ポパイ」を見たがって、よく喧嘩をしていました。「アランドロンのゾロ」が1974年。スティーブン・スピルバーグ制作の「マスクオブゾロ」が98年。今回の続編「レジェンドオブゾロ」が2005年ですね。新シリーズ「ゾロ」は両方、監督はマーティン・キャンベル。アントニオ・バンデラスはスペイン人俳優。もともとスペイン映画に出ていたが、92年からハリウッド映画に出演しだした。今はもう、超一流のハリウッド俳優ですよね。

 という訳で、ワタクシの拙文ブログ記事を読んでくださった多くの方々、2006年中は、こんなサイトの書き込み記事を読んでくださって、どうもありがとうございました。2006年内はお世話になりました。迎える2007年が皆様に取ってとても良い年でありますように。2007年もよろしくお願い申し上げます。「Kenの漫画読み日記。」主人、Ken-mortima。

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●漫画・・ 「スパイキャッチャーJ3」 

 皆さんこんにちは。こんばんは。Ken-Mortimaです。ご機嫌よろしいですか。風邪とか引いてませんか?気をつけてくださいね。ノロウイルスとかインフルエンザとか。油断しないように、健康を大切にしてください。おはようございます。やはり冬。寒くなって来ましたね。12月に入ってもこの季節にしては暖かいような天候、気温が続いていましたが、やっと冬らしい寒さに入って来たんだけれど、20世紀の例年に比べれば明らかに暖かい冬。これからの異常気象が気になります。冗談でなく、これからの地球温暖化はものすごく気になります。来年、さらにその先の来年。極地の氷や、各地域での、例年にない異常に大きな嵐。何だか地球各地の天候が変化して来ていて、のほほんと暮らしていていいのだろうか?とか。明日のことを考え出すと恐くなるので、考えるのはやめよう。私も皆さんも各地の人類の方々も、来年は幸せでありたいですね。良いお年を。では。


 と、止める訳にはいかない。Kenの漫画読み日記。漫画のことです。またまたエラク古い漫画の話です。けど、本当は最初、DVDで見た、トム・クルーズ主演の「M:I:Ⅲ」がとっても面白かったので、カテゴリ分け「映画」で、ミッションインポッシブルのシリーズのこと、書き込んでいて、今回のタイトルも「ミッションインポッシブルシリーズⅠ.Ⅱ.Ⅲ」にしていたんだけど、やはりこれは、Kenの漫画読み日記。タイトルは漫画にしちゃいました。カテゴリ分けもやっぱ漫画。またしても古い、60年代漫画。でもM:I:Ⅲのこともけっこう書いてます。では、往年の漫画職人、堀江卓さんの作画で、60年代漫画作品「スパイキャッチャーJ3」です。しかし地球温暖化と異常気象は気になりますね。先ずは、ミッション・インポッシブルの話から。

Photo_28  確か昔の輸入TVドラマシリーズでは、指令は何かテープ入り小型機械で来て、テープの指令内容が終わると、自動的に小型機械ごと燃えて消滅していた。指令の声は「おはようフェルプス君。今回の君の任務は‥」で始まって、「‥健闘を祈る」とか何とかそんなような文句で声は終了したんじゃなかったか、と思う。何しろ僕は子供だし、確か夜の10時からのTV番組だったように思うが、僕は当時、この番組はさわりぐらいしか見ていなくて、毎週きちんと見ていた訳ではなく、よくは知らなかった。昔のTVドラマではタイトルは「スパイ大作戦」、主人公のフェルプス君はフルネームがジム・フェルプス。指令を受けたフェルプスが、メンバーを選択して、作戦を立てていたらしい。調べてみると、1966年から73年までフジテレビ系列で放送。随分長く続いていたんだねえ。全171話放送してるんだって。人気があったアメリカ活劇スパイものドラマだったんだなあ。だいたい子供の頃の僕は輸入アメリカ製ドラマは、コメディ作品はよく見ていた記憶があるけど、アクションものはあまり見ていない。「0011ナポレオン・ソロ」なんかも人気があったスパイものドラマだったけど、僕は番組はほとんど見ていない。この時の「スパイ大作戦」の米原題が「ミッション・インポッシブル」らしい。指令が来て人選に使うファイルの表紙のタイトルが、Impossible Mission Forceとなっていて、それがここの秘密組織名らしい。CIAじゃないんだ!

 実は僕は映画版新シリーズの第1作はちゃんと見ていなくて、何度かTVの洋画劇場で放送されたのをいつも終わり間近のクライマックスシーンくらいからしか見ていなく、内容をよく知らないのだが、映画版第1作は主人公はトム・クルーズ扮するイーサン・ハントだが、TVシリーズ主人公のジム・フェルプスもジョン・ボイドが演じて登場するらしい。フランス人俳優のジャン・レノが出てましたねえ。これは監督がブライアン・デ・パルマなんですねえ。トム・クルーズ初の映画プロデューサー作品。96年公開だったのか。けっこう昔だ。第2作はメチャクチャ面白かった。最後近くの格闘シーンがちょっとしつこかったが面白かった。トム・クルーズ演じるイーサン・ハントはメチャメチャ格好良かった。カッコ良さに痺れた。こっちはつい最近のような気がしていたけど、2000年公開の映画だったんですねえ。スリルとアクションと破壊の豪快さ。「M:I:Ⅱ」、メチャ面白かったです。で、06年公開のⅢです。第3作も面白かったけど、どっちかっつーと、僕はⅡの方が俄然面白かったなあ。物語の最初からトム・クルーズ、カッコ良かったし。

Photo_32  さてM:I:Ⅲのお話ですが、ここからは多少ネタバレになります。第3作での主人公イーサン・ハントは現場の活動家ではなくて、管理部の教官になっているようだ。そして最愛の恋人が出来、結婚を控えている。だが元々超一級スパイのイーサンには、現場復帰の指令が来る。自分の育てた可愛い美女スパイの救出だから、拒否は出来ずに受ける。仲間と共に作戦を成し遂げ、悪党一味の首魁は捕縛し、部下の救出は成功するが、美人部下の脳味噌にはカプセル型超小型爆弾が埋められており、ヘリで帰還の途中、結果見殺しにしてしまう。その後、自分らの組織Impossible Mission Force内に内通者が居て、捕縛していた敵の首魁は奪還されてしまう。最愛の恋人とは途中で結婚しちゃうんだったかなあ、その新妻は誘拐されてしまう。愛する新妻救出に燃えるトム・クルーズのイーサン・ハント。映画最初の画面に使われた伏線では、最悪の結果に‥。しかしどんでん返しがあり、驚きの幾つものひっくり返しで、命からがら何度も危機を脱する。最後は目出度し目出度しで、ほっとして安心し、見てる方は溜飲を下げ、トム・クルーズの、愛する女性への優しさと勇敢さとカッコ良さに拍手を送り、良い気持ちになる。という映画でした。やはりハリウッドエンタティンメント活劇映画の、爆破・破壊の豪快さとアクションですねえ。

 ハラハラドキドキと、危険と派手なアクション、スケールの大きな破壊シーを見て、痛快な気分に浸りたいならやっぱり、ハリウッド活劇映画ですねえ。僕は日本映画ではこういうのは見たことは無い。日本でもパニック映画だったらあるのかな?現実にはスパイ天国といわれる日本ですが、スパイ活劇なんてものは日本映画にはあまり無さそうですねえ。今まで、そういう映画、あったんだろうか?僕は見たことはないけど。日本のアクション映画ってヤクザ映画と重なりそうですねえ。東映ヤクザ路線とかと繋がっちゃいそう。日本にはギャング映画って無さそうだよねえ。TVドラマだと僕の少年時代に、「キーハンター」だとかやってたけど。そうか、日本だと、アクションものは刑事ドラマになるんだ。一方の刑事ドラマ。「西部警察」とか「あぶない刑事(デカ)」とか、かな(?)。「はぐれ刑事純情派」や2時間サスペンス劇場ものではなく、刑事たちの絡み相手が組織のヤツ。特に多いのが麻薬関係の組織暴力団が敵の刑事ドラマ。これだと日本のアクション映画(ドラマ)だね。 日本の映画でもTVドラマでも圧倒的に、人情持込みのこぢんまりしたものが多いみたい。犯罪者と刑事の心象風景を描いて、時に泣かせるヤツ。どうしても貧乏くさくなるのも、予算のせいか。後はコメディになっちゃうもんなあ。まあ僕は、ヤクザ路線映画も「新幹線大爆破」や「日本沈没」などのパニック映画もほとんど見たこと無いんで、はっきりとは論じられないんですけど。「日本沈没」ってSFかパニックか?子供が見れば、初期の「ゴジラ」もパニックものかも知れない。だいたい僕は日本映画はそれ程、見てないもんなあ。勉強が足りない。

 少年時代に見ていた「キーハンター」は面白かった。宇津井健がキャップをやってた「ザ・ガードマン」は見ていなかった。「キーハンター」の組織は、国際警察とも関係しているような大掛かりな組織だった。公安警察みたいなものだったのかも知れないけど、まあ、日本のスパイ組織というか、スパイバスターチームみたいなもんだったんだろうな。ドラマストーリーの詳しい内容までよく憶えてないけど。だいたい僕は子供の時、少年時代に読んだ漫画のことは、よく憶えているけど、TVドラマのことはあんまり詳しくは記憶が無い。まあ、いいんですけど。「キーハンター」にはこの間亡くなられた名優丹波哲郎さんが出演していて、チームのキャップを演じていた。野際陽子、千葉真一、谷隼人という主演の面々もみんな歳を取ったなあ。日本のアクションドラマでも、刑事ものはいっぱいだけど、こういうスタイルのアクションものはあまり他に類を見ない気がする。僕はドラママニアではないし、どっちかっつーとTVドラマはあんまし見て来てない方だから、よく知らない方なんだけど、「キーハンター」みたいな設定やストーリーのアクションドラマは他になかったんじゃないか?もう一つの丹波哲郎主演ドラマ、「Gメン75」というのは全く見ておりません。僕はこの時代って、私生活で、全くTVを見ていなかった時期ですね。ていうかTV持たなかったんだな。「Gメン」という言葉から麻薬Gメンを連想するが、公安みたいな組織だったのかな?解りません。 

 さて、映画「ミッション・インポッシブル」の話を書いて来て、昔のTVドラマ「キーハンター」にまで話が及びましたが、スパイを扱った漫画ですけど、僕の漫画に関する記憶ではあまり「スパイもの」の漫画作品の心当たりがありません。無論、今までの日本漫画にはスパイものは絶対にあるんでしょうが、僕には情けないことに思いつかない。90年代の少年サンデーで人気を博した、藤原芳秀・画の「ジーザス」も主人公は国際的な殺し屋だし、同じ作者の「闇のイージス」もスパイではない。かの有名な「ゴルゴ13」もエピソードの中によくスパイは出てくるものの、主人公は殺し屋のカリスマです。超一流の殺し屋が主人公の漫画ドラマって、多いですけど、スパイが主人公の作品てなかなか思い当たらないですねえ。リアルドラマだったら、何か、戦時中・戦前の中国大陸を舞台にしたものがありそうな‥。90年代末のビッグコミック連載の、かわぐちかいじの「YERROW」なんかはそれっぽいけど。違うかな(?)。よく知りません。済みません。お得意の僕の幼少期、60年代だったらね、「スパイキャッチャーJ3」というのが「ぼくら」に短期連載されていた。作画は堀江卓先生。TVドラマで放送されたので、一応コミカライズ作品。

Photo_27  漫画の「スパイキャッチャーJ3」は、1965年の講談社の少年漫画誌「ぼくら」に連載されています。作画は堀江卓。堀江卓さんは古くから居る名漫画家です。50年代後半60年代の有名な作品や傑作が多い。主に月刊少年雑誌の世界で活躍されていて、50年代後半にはラジオやTVドラマ化、あるいは映画化された「天馬天平」や「矢車剣之助」などの時代ものから、「ハンマーキッド」のような現代劇探偵アクションものなど、当時の子供達を熱狂させた作品を、量産した職人漫画家です。無論、週間少年誌にも、少年マガジンの「隠密剣士」などの連載も持っていました。僕が幼少期、漫画を読み始めたのが1963年からですから、僕の印象に残っている作品は、月刊誌「ぼくら」掲載の「赤い風車」「少年ハリケーン」「黒い編み笠」等ですね。資料によると、堀江卓さんはお生まれが1925年生まれだそうですから、今はもう80歳にもなられるんですねえ。一番活躍されて、少年活劇漫画を精力的に量産されていたのが、30代40代前半頃になる訳ですね。そうやって考えると、随分長年月の経っている話だし、何だかすごいなあ。隔世の感。

 「スパイキャッチャーJ3」のTVドラマの方は、65年10月から66年3月まで、NET現テレ朝系列で放送されているんですねえ。主人公J3役が川津祐介。これにも丹波哲郎が日本支部長役で、出てるんですねえ。何でも、国際警察秘密ラインTULIPの隊員らしい。対する敵の悪の組織が、国際叛乱謀略グループTIGERだって。まあ、スパイアクションものですね。原作脚本の都筑道夫は局に頼まれて、「007」や「ナポレオン・ソロ」の外国スパイもの活劇を参考にしてストーリーを作り上げたらしい。あ、今思い出したけど、そういえば「少年ブック」に川崎のぼる作画で「スカイヤーズ5」というのが連載されていた。集英社の月刊誌「少年ブック」の66年から68年に掛けて連載。これも国際警察のエリート隊員が悪の組織の謀略を防ぐ、いわばスパイアクション漫画ですね。まんま、アメリカ映画の「007」シリーズのコミカライズ版を、さいとうたかをが描く漫画作品が、小学館の月刊誌「ボーイズライフ」に連載されていた。思い出せばあるもんだな。「0011ナポレオン・ソロ」もさいとうたかをが「冒険王」に描いていて、大人気連載だった。懐かしい。

 「スパイキャッチャーJ3」の原作脚本の、都筑道夫さんも、娯楽小説の職人みたいな人だったと思います。ハヤカワミステリマガジン初代編集長。娯楽小説分野は全てこなしてのけた作家ではないでしょうか。もうお亡くなりになって何年か経ちますが、本格推理、スパイアクション、探偵ハードボイルド、名探偵推理、時代劇、怪談スリラー、SF‥。長編、短編、何でも自在に面白い物語を紡ぎ上げた。超級のエンタティンメント作りの才人でしたねえ。また雑学の薀蓄がすごい人だった。僕は都筑道夫さんがエッセイの中で、「日本で一番、怪談小説を書いた作家として残るようになりたい」と書いていたのを憶えています。昔、僕は都筑道夫先生の短編作品をいっぱい読みました。特に短編ミステリと怪奇小説です。怪談の短編は本当にたくさん読みました。長編で読んだのは、怠け者だが頭脳抜群の物部太郎の活躍する本格推理シリーズと、娯楽活劇ものくらいかなあ。だいたい昔の僕は、短編小説を読むのが好きだったんですよねえ。都筑先生のものはどれもみんな面白かった。

Photo_31  「スパイキャッチャーJ3」も後に、ご本人が小説化しているみたいですねえ。僕は読んでないんですけど、タイトルは「暗殺教程」となっている小説らしい。僕が青年時に読んだ長編、「なめくじに聞いてみろ」という、何と呼んだらいいのかピカレスク(?)でもないかな、プロの殺し屋同士の殺人合戦ミステリというような娯楽活劇サスペンス。これは読んだ時、ものすごく面白かったんですけど、後に知ったんですが、岡本喜八監督作品で67年に映画化されてるんですねえ。映画のタイトルは「殺人狂時代」。70年代末のSF専門雑誌に「銀河盗賊ビリーアレグロ」なんて、スピード感溢れるおもしろSFも連載してました。モチ、小説です。誰だったか当時若手の作家がエッセイで書いていた、都筑道夫先生に言われた作家としての教訓、「君、小説を書くのなら必ず、起承転結を着けなければ駄目だよ」、とのお言葉。別に僕が小説を書いている訳ではないけど、これは何かズン!と来る言葉ですよね。成程、と。さすがは物語作りの職人。あらゆるジャンルのストーリーをちゃんとお話にしてしまい、お金を払って読んでもらう小説世界を構築する、正にエンタティンメントの職人。ですね。


 Photo_33 M:I:Ⅲに戻って、最初救出するも結果殺された、トム・クルーズの弟子ジーン役の女優は美人だし、イーサンチームの仲間の女スパイ役をやった、マギーQは長身でスレンダーなエキゾチックな美女でカッコ良く(猫姫様のご指摘どおりそんなに背は高くはなかった)、どっちも良かったが、イーサンの婚約者=新妻の女優はあんまし美人でもなかったなあ。まあ、私の好みの問題ですけど。

 

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●漫画・・ 「赤き血のイレブン」

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Photo_22  トヨタ提供FIFAクラブワールドカップの2006日本大会もいよいよ佳境、残るは後、3位決定戦、決勝戦となりましたが、ロナウジーニョのボールを操る技術はすごいですねえ。正にあれこそサッカーに於ける神業なんでしょう。魔術師の異名で称されたりしていますが、見ていて驚きのボール操りの手品師です。今回は6大陸から各トップのクラブチームが出て来て、クラブ世界一を競っているようですが、アジアナンバー1の韓国全北は5位に着いたようです。日本人岩本選手が居るオセアニア代表オークランドチームは6位。昔は確か、ヨーロッパ代表対南米代表の決戦のみでしたよねえ、トヨタカップって。代表というか、欧州ナンバー1チーム対南米ナンバー1チームの一騎打ちのみ。僕はサッカーはてんで詳しくなくて、よく知らないんですけど、いつ頃から各大陸代表決戦形式になったんでしょう?僕は知りません。僕はJリーグが出来てからもサッカーはまるで知りませんでした。2002年の日・韓共同開催FIFAワールドカップの時に俄かファンになって、オリンピック気分で日本代表チームを応援していただけです。日本が負けたら興味失くして、後の試合はTVでも見てません。その後も、プロ野球に比べれば、サッカーはあまり興味は無い方ですね。僕らの世代まではまだ野球でしょう。一般的にサッカーファンて、僕らの世代よりも、どんどん若くなるに連れて増えて行っていると思う。(無論、僕らと同世代や上の世代でも、大のサッカーファンという人も、当然居ると思いますけど。)

Photo_23  漫画作品ですとね、サッカー漫画は何てったってやっぱり「キャプテン翼」でしょうが、実は僕は、このサッカー漫画の名作を読んだことありません。アニメ放送も一度も見たこともありません。これだけで、サッカーファンからは国賊のように思われるんじゃないかと心配になりますが、「キャプテン翼」はすごい作品らしいですねえ。少年ジャンプ黄金期の連載漫画もコミックスもさることながら、そのアニメは世界制覇。アニメ作品は世界中で放映され、「キャプテン翼」に子供時代に影響されてプロ選手になったというヨーロッパの名手など、世界各地にそういうプロ選手が居るという程だというから、もうびっくりです。無論、漫画やアニメの「キャプテン翼」に影響されて、サッカーを始めた日本人もワンサカ居ることでしょう。漫画作品としての「キャプテン翼」も長大なシリーズになっていて、各シリーズブロックとなっているようです。最初のオリジナル作品の初期シリーズは、週間少年ジャンプに1981年から88年まで連載が続き、ジャンプコミックスで全37巻。何でも、小学生編、中学生編、ジュニアユース編から成っているそうです。作者は東京都出身で60年生まれの高橋陽一さん。デビューが、ジャンプ誌掲載の「キャプテン翼」の読みきり作品だったそうです。

 僕でも、昔から、「キャプテン翼」の名前と絵柄くらいは知ってましたけどね。「キャプテン翼」について調べると、拡がりが厖大できりがないので、もう、いろんなパートを詳しく紹介するのは止めときます。ただ、アニメ放送も何回もされて、映画化も何度もされて、ゲームソフトもいっぱい作られて、漫画作品も何シリーズにも渡っています。21世紀に入ってからもシリーズが断続的に、ヤングジャンプ誌で連載されています。とにかく漫画史に残るものすごいスポーツ成長ドラマ漫画ですね。僕は恥ずかしながらも、解りません、「キャプテン翼」の世界。サッカーもよく知りません。サッカーというスポーツが、世間的に知られ始めて来たのは、昭和40年代ですよね。確か僕が小学校高学年の時には、もう、学校のグランドでボールを蹴っていたように思う。高校生の時の冬の体育の授業は毎回サッカーをやってた。僕は身体が大きいとただそれだけで、キーパーをやらされてました。僕が初めて触れたサッカー漫画は、1970年の週間少年キング連載の、「赤き血のイレブン」でした。

Photo_24  僕らの世代まではまだまだ野球の世代です。少年時の僕たちには、サッカーというスポーツ主題のスポ根漫画は新鮮でした。「赤き血のイレブン」は、少年キングの70年2号から71年21号まで連載。作画は園田光慶、原作は当時のスポ根漫画ストーリーの王者、梶原一騎です。貸本劇画出身で、さいとうたかをプロダクションでも仕事をしていたことのある、園田光慶氏は劇画タッチの絵のうまい漫画家でした。「アイアン・マッスル」という作品の劇画描写が、当時のプロの漫画家や漫画研究家に衝撃を与えたのは、有名な話となっています。梶原一騎は言わずと知れた、この時代の漫画原作の帝王ですね。まだサッカーは早かったんだろうなあ、この時代には流行というまでは火が着きませんでした。この頃、少年漫画誌では俄かにサッカー漫画が増えたんですけどねえ。少年サンデーの「くたばれ涙くん」、少年画報の「サッカー番長」、少年チャンピオンの「雲を蹴飛ばせ」だとか。それでもぼつぼつサッカーに興味を持つ少年達は出て来ていて、少しづつは増えて来てたんでしょうけどねえ。

Photo_25  「赤き血のイレブン」はアニメでTV放映もされました。1970年の4月から71年4月まで日本テレビ系列で放送されています。僕は、漫画もキング誌上で時々読んで、このアニメ放送を見ていました。アニメ主題歌やエンディングの歌が大好きでした。エンディングの歌「我が友玉井真吾」は軽妙なメロディーで、ちょっと演歌調子で詩もよく、鼻歌に軽々出るような良い歌でしたねえ。でも何故か、ドラマ内容はあまり記憶にないんですよねえ。主人公の高校生、玉井真吾の放つ、オーバーヘッドキックや、独自で開発した必殺技、サブマリンシュート。それまでの少年野球漫画世界の「魔球」を、サッカー漫画に持ち込んだ初の作品でしょう。相貌が「巨人の星」の星一徹に似た親爺は、確か実家が小料理屋かすし屋で、板前かすし職人だったと思う。高校サッカー部の監督が主人公を鍛え導く、厳しい師匠格のキャラだった。

Photo_26  この当時で僕が読んだ他のサッカー漫画は、記憶にあるのは後は、「サッカー番長」くらいですね。サッカー版学園スポーツ漫画。確か、舞台は、高校ではなく中学校ではなかったか?1950年代の少年誌の王者「少年画報」の末期、「少年画報」が隔週刊化され、その時に毎号100ページ巨弾連載された、当時の「キックの鬼」や「学園番外地」と共に看板漫画だった作品。吉岡道夫原作、小島利明作画で隔週刊「少年画報」69年か70年頃のスポ根漫画。後はもう、雑誌「冒険王」の「夕やけ番長」内の1エピソードで、母校中学校のサッカー部の助っ人キーパーとなった主人公が、対敵アメリカンスクールの天才サッカー少年のオーバーヘッドキックと対決するヤツ、くらいだなあ。このお話でもサッカーの驚異の神業はオーバーヘッドキックとして描いてあるから、今ではプロ選手なら誰でもやるオーバーヘッドキックも、当時の梶原一騎先生には、サッカーのものすごいウルトラワザに見えたんだろうなあ。「夕やけ番長」は梶原一騎原作、作画荘司としおの、60年代後半から70年代初めの、大長編学園熱血感動漫画でした。

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○じじごろう日記。 2006-12 続き

○ラストクリスマス

じじごろう: おはよう、ハチ。良い朝を迎えたか?

ハチくん: あれ?じじごろうさん。どうしたの?トレンチコートなんか着て。こんな朝早くから、何処か行ってたの?

じじごろう: 冬じゃからな。朝晩は冷え込むし、北風も吹いとるし、ワシだって人並みに冬の格好をせんとな。

ハチくん: でも‥。ちょっとコートの前を開いて見せてよ。

じじごろう: こうか?

ハチくん: ああ、やっぱり下はふんどし一枚の裸なんだ。これで、女の娘の前でコートの前を開けたら、昔で言うデロリンマンだね。

じじごろう: おお、懐かしいのう。その昔、少年ジャンプに載っておった、ジョージ秋山のギャグ漫画じゃな。あの頃から、女の娘の前でコートの前を広げて、中の素っ裸と陰部を見せる一種の痴漢が増え、あの時代からそういう痴漢のことを、格好がよく似ておったことからデロリンマンと呼んでおった。あれじゃな?成程、デロリンマンか。わははは。って、馬鹿者!誰が、デロリンマンじゃい!

ハチくん: 一度は納得してるじゃん。まあ、いいや。超人乞食爺さん、じじごろうさんでも人並み寒さは感じるんだね。良いことだよ、じじごろうさん。で、お召しもの着て、朝から何処行ってたの?

じじごろう: けなされてるか、ほめられとるのか解らん言い方じゃのう。まあ、いいが‥。ちょっと朝のゴミあさりじゃ。朝一の清掃車が来る前に生ゴミを見に行っておったんじゃ。朝飯の確保にな。たいしてめぼしいものは無かったな。これから朝のコンビニの裏廻りじゃ。

ハチくん: さすがだね、じじごろうさん。早起きして食べ物の調達なんて、ホームレスの鏡だよ。間違ってもコンビニ店員の女の娘の前で、トレンチコートの前をはだけたりしないようにね。

じじごろう: 馬鹿者、ワシがそんな不埒な真似をするか!全く、ホームレスの鏡とか持ち上げてみたり、人を痴漢呼ばわりしてみたり。いかんぞ、ハチ!そういう態度は。犬の風上にも置けんぞ!しかし‥、楽しそうでもあるな、女の娘の前でコートの前を広げて、中のふんどしを見せるのは。いや、どうせやるなら、ふんどしも取った方がいいじゃろうな。考えると、何だか楽しそうじゃのう、ワクワクするぞ。

ハチくん: 絶対いけないよ、じじごろうさん!コンビニは残飯のおもらいだけにしとかないと。デロリンマンごっこなんかやると、警察に捕まるよ。

じじごろう: じゃあな、ハチ、ワシは急ぐんでな。

ハチくん: ああっ、もう行っちゃうの?

ニャンゴー: ハチさん、ご機嫌如何ですか?おはようさんでがすね。やっぱり冬だ、朝晩は随分と寒くなりましたね。

ハチくん: あれ?猫のニャンゴーじゃんか。久しぶりだなあー。元気してたの?

ニャンゴー: ええ、まあ、元気は元気ですがね。あの、じじごろうさんは見ませんでした?

ハチくん: え?ああ、今居たんだけど‥。ゴミあさりか、おもらいに行ったみたいだよ。

ニャンゴー: ちぇっ、ちくしょう!また逃げられたよ。

ハチくん: えっ、どうして?じじごろうさんに何か用があるの?

ニャンゴー: 師走に入りましたからね、貸した金、戻して貰おうと思って、捜してるんでがすけど、いつも居なくなるんですよ。

ハチくん: ああ、それで慌てて行っちゃったのか。さすがだな、じじごろうさん、逃げ足は速い。

ニャンゴー: 感心して貰っても困るんで‥。ちくしょう、仕様が無えな。どっちの方、行ったんですかい?

ハチくん: 多分、市の運動公園の向こうの団地辺りじゃないかな‥。あの辺りのゴミ集積所は、ゴミ収集車が来るの遅いから。

ニャンゴー: そうか、あっちの方か。ハチさん、済みませんね。じゃ、どうも。

ハチくん: ああ、またね。

じじごろう: 済まんな、ハチ。当てずっぽうな方向を、猫に教えてくれて。悪いな、かくまってくれて。

ハチくん: あっ!居たんだ、じじごろうさん。コンビニに残飯貰いに行ったんじゃなかったの?

じじごろう: ああ。土管の裏に隠れて、様子を見ていたんじゃよ。猫に、コンビニとは違う方向教えてくれたのは嬉しかったよ。おまえはやっぱり、良いワシの飼い犬じゃ。ご主人様を庇うとは名犬じゃぞ。

ハチくん: 違うよ、今は対等の仲だよ。昔は飼い犬だったけど、今は同じ乞食仲間。

じじごろう: なんじゃと!おのれ、犬の分際で、人間様に何ちゅう口の利き方じゃ。

ハチくん: そんなプライド持つなら、猫になんか金借りるなよう。で、いくら借りてるの?

じじごろう: 3千5百円。済まんがハチ、何とかならんか?持ってたら立て替えておってくれんかの?

ハチくん: 野良犬の僕がそんな金、持つ訳ないじゃん。あ~あ、クリスマスも近いのに一文無しとは寂しいなあ。じじごろうさんは猫に借金まであるんだしね。

じじごろう: ああ。ついつい百円、二百円と借りておったら、積もり積もってな。

ハチくん: 何に使ったのさ?

じじごろう: うん、ワシだってたまには缶ジュースも飲みたくなるし、人並みに賞味期限内のおにぎりを、ちゃんとコンビニのレジを通して買って、食べてみたいしな。それが人情ってものよ。

ハチくん: 威張って言うセリフじゃないなあ。それは何だけど、もうすぐ来るクリスマスくらい何とかしたいね。

じじごろう: 腹の減った時は歌を歌うのがいいぞ。

ハチくん: おっ、良いね!山下達郎の「クリスマス・イブ」とか。

じじごろう: いやいや、ワムの「ラストクリスマス」じゃ。

ハチくん: じじごろうさんは全然見掛けによらず、洋楽が得意だもんね。不思議だよね。ふんどし一枚でヨタヨタ歩くハゲの乞食爺さんが、事もあろうに洋楽を口ずさむなんて。びっくり!の事実だよ。「ラストクリスマス」なら僕もよく知っているよ。有名だ。良い曲だね。僕も好きなクリスマス曲。

じじごろう: ヨタヨタ歩くハゲの乞食で悪かったな!全く口の悪い野良犬じゃな。野良犬やホームレスでも心は錦じゃ。もっとこう、気品というものを持って生きろ、ハチ。ふんどし一枚のホームレスだろうが、小さな野良犬でも心は貴族じゃ。気持ちは気高く生きんと駄目じゃぞ!

ハチくん: はい、はい。全くちょっとトレンチコートとか羽織ると、偉そうになるんだから。何処で拾って来たコートか知らないけど。

じじごろう: まあ、いい。今年のクリスマスはみんなで「ラストクリスマス」でも歌おうぞ。達郎の「クリスマス・イブ」でもいいぞ。

ジャック: 俺は歌なんかより、七面鳥の丸焼きというものを一度、喰ってみてえなあ。

ハチくん: あ、ジャック!居たのか。そうだね、今年こそは25日の夜中の余ったケーキじゃなくて、24日にケーキを食べたい。

じじごろう: そうじゃな。みんな、夢は広がる一方じゃな。さあさ、とにかく今はコンビニの裏に三人でご飯貰いに行こう。

ハチくん:ジャック: そうしよう!

 デロリンマン

○From Hell

ハチくん: 「現代版・切り裂きジャック、英東部で売春婦5遺体発見!」なる見出しの、恐ろしげなニュースが入って来ているんだけど、英東部サフォーク州で今月12日、女性の2遺体が見つかったそうで、今月に入ってから同地域で次々と売春婦の遺体が発見されており、これで犠牲者は売春婦ばかりが5人となっている。この殺人事件はどうしても19世紀末に5人の売春婦が殺された「切り裂きジャック事件」を想起させて、英国では今、大騒ぎになっているそうだ。

ジャック: 何か恐ろしそうな話だな。いわゆる連続殺人事件ってヤツだな。

ハチくん: ジャック・ザ・リッパー、昔の西欧の有名な猟奇殺人事件で、切り裂きジャック事件だね。この実際にあった殺人事件を題材にして作ったフィクション映画が、2001年のアメリカ映画「フロム・ヘル」だよ。最近の「パイレーツ・オブ・カリビアンⅠ・Ⅱ」なんかの映画でも大ヒットした、今のアメリカ映画界で大活躍中の、大人気白人俳優ジョニーデップと、美人女優へザー・グラハムの主演だった。事実に忠実に作られた作品という訳ではなくて、あくまでこの古い猟奇事件に想を得て作られたフィクションだ。19世紀末の出来事で、結局、当時迷宮入りの謎の怪奇事件だ。これを映画として娯楽的に面白く、複雑なストーリーを作り上げて、上質のサスペンスに仕立てている。

ジャック: 何だよ、俺のことを褒めてくれているのかと思ったら、アメリカ映画の外人俳優の話かよ。

ハチくん: は?確かにジョニー・デップは白人の超美形だけど‥。ん?

ジャック: だから最初、言ったろ?俺のこと。ジャック・ザ・立派、って。

ハチくん: ああ、そうか。ははは。確かにジャックは立派な秋田犬だけど、そのことではないんだよ。Jack The Ripper、ジャック・ザ・リッパーとは切り裂きジャックの英語での呼び名さ。当時、イギリスではこの連続して娼婦ばかりを惨殺した殺人鬼をジャック・ザ・リッパーと呼んで恐れたんだよ。

ジャック: 何だ、紛らわしいな。それにそんな恐い殺人鬼と一緒の名前だなんて、いい迷惑だ。冗談じゃねえ、俺は悪い人間たちこそ噛みつくこともあるが、殺人なんてぶっそうな真似は絶対しねえぞ。

ハチくん: そりゃあそうだろう。歴史上の連続猟奇殺人事件のこの「切り裂きジャック事件」は、1888年のロンドンで、2ヶ月間に渡って行われた売春婦ばかりを襲った事件で、犠牲者は20人近く居るという説もあるけど、確実なのは5名だけだ。全て、犠牲者の遺体は無残な殺され方で、劇場型殺人事件の元祖ともいわれている。「切り裂きジャック」から題材を取ったミステリなどの文学作品も多くてね。日本でも、島田荘司の「切り裂きジャック百年の孤独」などというミステリ小説もある。百年経ったドイツ・ベルリンで同じ連続猟奇殺人事件が起こるという話だ。ロンドンの切り裂きジャック事件と同じ時代を舞台にして、調度同時代設定のヒーロー探偵、シャーロック・ホームズと夏目漱石をロンドンで推理対決させる話も、島田荘司は書いている。「漱石と倫敦ミイラ殺人事件」というミステリ小説。こっちは切り裂きジャック事件とは関係してないけどね。いづれも島田荘司の作家年譜では初期時代の傑作だね。島田荘司のなら、比較的新しい作品に、スコットランドのネス湖湖畔の寒村を舞台にした「魔神の遊戯」や、「上高地の切り裂きジャック」などの似た雰囲気のサスペンス・ミステリもあるなあ。

 

ジャック: ああ、解ったよもう、おまえが文学的なのは。

ハチくん: 現在の、イギリスの売春婦5名の猟奇殺人では、有力情報に高額な懸賞金を掛けたらしい。未だ容疑者等事件の詳細は解っていないが、この5名の売春婦殺害は同じ加害者による連続殺人くさいね。恐ろしいことだよ。現地の警察は住民に外出時の注意を呼び掛け、市民も、特に女性は充分注意して、夜の外出時は男性同伴などで出掛けているらしい。恐いよねえ、連続殺人鬼だなんて。

ジャック: ああ、そうだな。こういう凶悪事件に比べれば、じじごろうの痴漢行為なんて可愛いもんだな。

じじごろう: 誰が痴漢行為じゃ、馬鹿者!

ジャック: あっ、じじごろう!警察に逮捕されたんじゃなかったのか?

じじごろう: 馬鹿者、誰が逮捕されるだなどと、間抜けな真似を‥。いやいや、誰が痴漢行為なぞ、不埒なことをするか!

ハチくん: 居たんだね、じじごろうさん。今、切り裂きジャックの話をしてたのさ。

じじごろう: 知っておる。聞いておったぞ。映画の「フロム・ヘル」は良かったぞ。実に良かった。娼婦役のヘザー・グラハムが。美人で。

ジャック: ちぇっ、またこの爺ィは女の話か。もう、おまわりは早くこのドスケベ爺ィを逮捕して刑務所に隔離しろ!

じじごろう: 何じゃと、この馬鹿秋田犬雑種のクソ野良犬が!おまえこそ狂犬病で早く保険所に捕獲されろ!

ジャック: 言いやがったな、この死にぞこないミイラ爺ィ!

じじごろう: おのれ、ちょっと大きな日本犬かと思って、デカイ態度を取りおってからに!おまえみたいな馬鹿犬はこのワシが成敗してくれる!

ハチくん: あ~あ、また喧嘩になっちゃったよおー。映画「フロム・ヘル」は事件に、当時のフリーメイソンが関与しているという、ひとつの推理を設定して作ったストーリーで、とても面白い歴史ものサスペンス映画です。フリーメイソンとは会員が、信仰に厚い社会的地位のあるハイソな人たちで構成された、歴史ある西欧の秘密結社で、このミステリ映画では重要な鍵です。

〔※後日譚【ロンドン】2006年12月に英イングランド南東部サフォーク州のイプスウィッチで売春婦5人の他殺体が見つかった連続殺人事件で、イプスウィッチ高等法院は08年2月22日、5人を殺害したとして元フォークリフト運転手、スティーブ・ライト被告(49)に最高刑の終身刑を言い渡した。英国では死刑は廃止されている。〕

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○じじごろう日記。 2006-12

Photo_29 Photo_30 ○ハンカチ王子

ハチくん: あれっ?じじごろうさん、居るじゃないの。行ってしまったんじゃなかったの?

じじごろう: 居て悪いか。ずうっと、おったわい。いったい、このワシが何処に行くと言うんじゃ?

ハチくん: だって、お盆が終わると、仏様はあの世へ戻るんでしょ?てっきりもう、逝ってしまって、二度と戻って来ぬものと。

じじごろう: わははは。笑い事か。誰が仏様じゃい!ぴんぴん生きとるわい。ほんの数日、顔を見せんとすぐ、これじゃ。人を死んだ事にしおって!

ハチくん: そうだね、じじごろうさんは不死身だもんね。死んでたとしたら第二次世界大戦だよね。B-29の爆撃で戦死、とかそういう世界の人だよね。仏様だとしたら英霊って呼ばれる人だよね。すると、わあー、良かったじゃない。15日に総理大臣にお参りしてもらって。

じじごろう: わははは。笑い事ではないわい。人を死んだ事にするなと言っておるじゃろうが。おまえ達はこのワシを、今まで幽霊と思ってつきあって来たのか!?

ハチくん: う~ん、多分、この辺で、じじごろうさんのことを知ってる人は、幽霊とか妖怪とか、お化けとかそういう類のものだと思ってるんじゃないの?だから、幽霊だとしたら、太平洋戦争でミンダナオ島とかそんなところで戦死したんだろうって。良いじゃないよ、じじごろうさん、英霊なんだから、みんなに敬われてるんだよ。あれ?もっと昔かなあ。ひょっとして日清日露とかいうやつ?え、もっと前?まさか応仁の乱とか‥?

じじごろう: わはは‥。笑う気も起きんわい。馬鹿者!誰が英霊じゃ。誰が応仁の乱じゃ。年寄りをからかうのもいい加減にせんか。お盆はのう、ワシも先祖の霊とか、先に逝ってしもうた友たちの霊とかをのう、独り静かに偲んでおったのじゃ。お盆とはワイワイ騒いだりせずに、そうやって亡くなった人たちを偲んで、供養し、静かに過ごす季節なのじゃ。このバチ当たり犬め。

ハチくん: 何がバチ当たり犬だよ。ところで、知ってる?高校野球の決勝戦。すごい激闘だったんだよ。決勝戦が15回まで戦って決着つかず、実に37年ぶりの再試合。早稲田実業の斉藤投手は今大会、熱投948球なんだ。すごいでしょ!?

じじごろう: おお、知っておるぞ。ハンカチ王子じゃな。

ハチくん: ああ、すごい!じじごろうさんが知ってるんだ。珍しいね、こんな世間の最新ニュースを知ってるなんて。じじごろうさんて、今頃、ビートルズが来日だの、バブルが崩壊しただのって、言いそうだからさ。日本軍が真珠湾を攻撃したとか、平賀源内がエレキテルを発明したとかさ。昨日今日のトピックみたく言いそうだもんね。

じじごろう: わははは‥。って、笑っておれんわい。馬鹿者っ!人を痴呆呼ばわりするのでないっ!ワシが見た目、老人じゃからって、すぐにボケ老人扱いしおって。ハンカチ王子くらい、知っておるわい。有名じゃからの、ハンカチが。ネットでプレミアがついておる‥。

ハチくん: ああ、そっちの方だね。もう、じじごろうさんてすぐに、お金になるかとか、食べられるかどうか、とかだもんね。済みません、今は認知症っていうんだよね。差別語は使わないからね。でも、痴呆とかボケ老人とか、自分で言ってるんじゃないか。まあ、それはさておき、激闘を制して優勝した早実の斉藤佑樹君、今、大人気なんだよね。ジャニ系アイドルを凌ぐ勢いで人気爆発中。白熱根性の連投と、甘いお坊ちゃんマスク。さわやかで強くてクリーンな国民的アイドルとして、世間で大騒ぎ。

じじごろう: そうじゃな。正に国民的アイドルの人気じゃな。甲子園での毎試合、使っておった青いハンカチ、あれが世間で話題沸騰、同種の青色ハンカチを欲しがるファンが溢れかえっとる。

ハチくん: 何でも全く同じ商品はもう製造していないらしいからね。同じ物がネットのオークションにのぼれば、プレミアがついて高値になる始末。すごいね。もし本当に斉藤君が、試合で使って汗拭いたハンカチだったら、想像以上のとんでもない値段がつくんだろうね。

じじごろう: 何?それは良いのう。群馬県の親元まで行って、使い古しを貰って来るかのう。

ハチくん: そんなの駄目だよ、くれっこないじゃん。

じじごろう: そうか。ワシもハンカチ王子の斉藤佑樹君にあやかって、ふんどしを青色に染めようかと思おとるんじゃ。それでの、世間でワシは、こう呼ばれるんじゃよ。ふんどし王子。

ハチくん: ふんどし王子は流行らないと思うなあ‥。絶対、流行らない。保証する。笑われて、今以上に馬鹿にされるだけだ。それだけは止めてよ、恥ずかしいから。それにだいいち、とても王子になれる年齢じゃないし。

じじごろう: そうかのう‥。 ワシもアイドルとして華々しく生きたいんじゃがのう。

ハチくん: じじごろうさんはもうある意味アイドルじゃないか。コジキ界の長老アイドル。不老不死のコジキ仙人。ハンカチ王子の、斉藤君なんか真似る必要はないよ。立派に、ホームレス界では存在感あるんだから。

じじごろう: そうか。そういうもんかの。じゃが、ワシもちょっとは、おしゃれしたいからのう。青いふんどしで街に出てみようと思う。

ハチくん: それくらいならいいんじゃないの。でも僕にはその格好であんまり近づかないでね。しかし、斉藤君、これからも、アメリカ遠征もあるし、早稲田進学かプロ球団入団か、今後の野球生活、野球人生、頑張って欲しいね。ファンのみなさん、マスコミのみなさん、時にはそっとしてちゃんと休ませてあげてね。

Photo_28 ○愛は地球を救う

じじごろう: 時々テレビを見るんじゃが、近頃のお笑いは面白いのう。

ハチくん: え!?じじごろうさん、お笑い番組とか見てるんだ。

じじごろう: ああ。お笑いもいっぱい居るが、何といったか、あの、『欧米か』と言うやつ、あれは面白いのう。

ハチくん: ああ、タカ&トシ。今売り出し中の人気漫才コンビだね。有名だよ。でも、それよか、この辺りでは、じじごろうさんの方がもっと有名だよ。何よりも面白いって。何しろ、ふんどし一枚でふらふら目的も無いように、彷徨い歩く姿が、それだけでメッチャ面白いって。この近所の人たちはみんな、テレビなんか見てるより、じじごろうさん見てる方が、よっぽどおかしくて飽きないんだって、評判だよ。

じじごろう: 何じゃと!?何をたわけたことを言っておるのか、この馬鹿犬め。ふざけたことを言うもんじゃないぞ。年寄りを敬わんか!この知性と教養が噴出しておる、万能の長老である、このワシを!

ハチくん: はい、はい。そう言えば、そうか。じじごろうさんて、最近はテレビ見て過ごしてたんだ(?)。

じじごろう: おう、そうじゃ。今も巷では話題になっておるじゃろう。『愛は地球を救う』と。

ハチくん: ああ。『24時間テレビ』だね。民放TV局が中心になって全国的に行われてる募金活動だ。

じじごろう: そうじゃ。あれでワシもな、運動をやろうと思ってな。この募金箱を持って、この辺りの民家を一軒一軒回ろうかと思おとるんじゃよ。まあ、昔の坊さんがやっとった、托鉢みたいなもんじゃな。

ハチくん: え?駄目だよ、じじごろうさん。『24時間テレビ』は家宅訪問の募金はやってないんだ。警察に捕まるよ、募金詐欺で。

じじごろう: 何じゃと?恵まれない人たちを助ける慈善活動じゃろうが。自分で言うのも何だけど、ワシは立派なホームレスじゃ。募金して貰う権利はある。

ハチくん: いや、多分、募金して集まったお金は、ホームレスの人たちには行かないと思うよ。身障者とか、生きて行くのに大きなハンデを背負ってる人たちとか、世界中の途上国の餓えている人々や、病気に対してろくに医療も受けれない人たちなんかの、諸外国のとにかく本当に貧しい人々に、行くんだよ。多分‥。

じじごろう: 自分で言うのも何じゃし、自慢じゃないが、ワシも貧しいぞ。

ハチくん: う~ん、確かにじじごろうさんは貧しいけど、超人的に元気だし、何しろ、日本の冬をふんどし一枚で越せるし、何食べても平気だし。厚顔無恥で馬鹿みたく精神力も強いし‥。募金を貰う対象じゃないだろうなあ‥。

じじごろう: それは褒めとるのか、けなしておるのか?つまらんっ!本当につまらんっ。

ジャック: あれをやれば良いんだよ。目立つし‥。

ハチくん: あ、秋田犬のジャック。あれって何?

ジャック: 『24時間テレビ』の目玉。24時間100キロマラソンだよ。毎回やってるだろ。今年は確か、のっぽの漫才コンビがやってるんだろ。

じじごろう: おう、秋田犬雑種で野良犬のジャック。おまえもよく保健所の手を逃れておるのう。

ハチくん: ジャック、そうだね。昨年は確か、史上最高齢のランナーで、丸山弁護士だったよね。じじごろうさんが出場したら、最高齢なんてそんなものじゃ効かない、ギネス級超高齢マラソンランナーだ。

ジャック: 超高齢ハゲゴリラ爺さん100キロ耐久マラソンランナー。話題になりそうだ。

ハチくん: うん、そうだね。それで、お腹のとこに大きな空き缶か何か提げて、おもらいしながら100キロ走るの。沿道の人たちから硬貨投げてもらって。いいね。

じじごろう: おう、なかなか良いアイデアじゃな。ハチ、おもらいの空き缶はおまえが持って、後ろからついて走れ。

ハチくん: いやだよ、そんな、恥ずかしい。空き缶なんか提げて、100キロなんて長い距離、とても走れないよ。絶対、無理。

じじごろう: 馬鹿者!おまえらは犬じゃろがっ。

ジャック: 無理無理。この暑いのに。俺、暑いから、涼しい日陰探して寝て来るからな。じゃあな、ハチ。食い物、探し行く時、声掛けてくれ。

ハチくん: ああ。僕もここ暑いから、何処か日陰探そうっと。読書でもして知性でも高めるかな。

じじごろう:  何が、野良犬が知性じゃ。ふんっ、どいつもこいつも、やる気がないのう。そんな事ではこの世知辛い世の中、生きては行けんぞ。ワシは一人で、24時間家宅訪問募金をして回るからな。

ハチくん: 警察に捕まっても、身柄引き取りに呼ばないでね。もっとも犬じゃあ、身元引受人にはなれないだろうけど…。あ~あ、行っちゃったよ。知~らないっと。

Photo_23 ○君の瞳に恋してる

ハチくん: じじごろうさん、何か浮かれてるね、紙切れ持って。おっ、写真?

じじごろう: ああ。ワシは今、恋しとるんじゃよ。

ハチくん: 何だい、それ?あ、週刊誌のグラビアページの切り取り写真じゃん。

じじごろう: ああ‥、せつない、この気持ち。雑種の汚い犬にはわかるまい。

ハチくん: わかんねえよ。解りたいとも思わないけど。何だよ、雑誌の切れ端写真持ってさ。恋しただのって変なことばっか言って。夏場の暑さでついに頭、やられたんじゃないの?それ誰の写真?

じじごろう: 君の瞳に恋してしまった。

ハチくん: 小さな切れ端写真だから解りにくいけど、もしかして、これは‥。

じじごろう: 知花くららちゃん。

ハチくん: おお。知ってる。今、有名じゃんか!何と、世界第2位の美女。今年のミスユニバース世界大会で準ミスに輝いた美女だよね!知花くらら。

じじごろう: そうじゃ。ワシは知花くららちゃんに恋しとるんじゃ。君の瞳に恋してる、なのじゃ。

ハチくん: うわっ、気持ち悪りぃ。大丈夫なの、じじごろうさん?それと何で、君の瞳に恋してる、なの?

じじごろう: それはな。この間、夜のビートたけしがやっておるTV番組見てたら、知花くららちゃんが出とったんじゃよ。で、その時に、彼女のこの1ヶ月の間の忙しさをフラッシュで次々、仕事や生活を映像で流しておってな。その流れる映像のBGMで「君の瞳に恋してる」が使われておったのじゃ。この明るくテンポの良いソウル調の曲が、彼女の陽気で元気な仕事ぶりの映像に実にマッチしておってな。それで、君の瞳に恋してしまったんじゃ。そういう訳。

ハチくん: ああ、80年代に大ヒットした、ボーイズタウンギャングの「君の瞳に恋してる」だね。80年代の日本のディスコでも、当時は掛かりまくり。色あせず、今でもいろんな番組のBGMで使われてる、とっても明るい良い曲だね。あれかあ‥。

じじごろう: 良い曲じゃろうが。それがもう、天使のような知花くららちゃんの絵と実に合っておってなあ。行動的で躍動感あふれる大柄な美女、くららちゃんの動きに、もうぴったし。

ハチくん: ミスユニバース世界二位の美女も、ふんどし一枚の変態ホームレス爺さんに惚れられたんじゃあ、たまんないね。

じじごろう: 何じゃと、貧相な、この野良犬めがっ!ワシのこの胸にときめく純粋な愛を、何ちゅう言い方をするんじゃ!

ハチくん: あははは。それはどうもごめんなさい。知花くららさんは身長が173センチあって、決して細身には見えない、ナイスバディで大柄に見える健康美の女性だよね。南国沖縄出身で上智大卒の才媛だし、性格も陽気そうでアクティブそうだよね。TVの仕事にピッタシのキャラかも。今、忙しそうだね。彼女のアクティブ性と南国育ちの陽気なキャラには、確かにボーイズタウンギャングのCan’t Take My Eyes Off Youの曲がよく似合うかも。

じじごろう: 何じゃ、毛唐の言葉なんぞを使いおって。馬鹿者、日本語でしゃべれ、日本犬の雑種のくせに。

ハチくん: 君の瞳に恋してるの原題だよ。これはもともと1971年のフォーシーズンズのフランキー・ヴァリの大ヒット曲なんだけど、80年代3人組のソウルボーカルグループのボーイズタウンギャングがカバーして、またしても大ヒットしたんだ。僕は最初、男性黒人ボーカルの裏声だと思っていたら、メインボーカルは黒人女性だね。脇二人は白人男性。見るからにハードゲイのような男達だけど。この頃、ゲイがゲイの歌を歌ってるんだ、って噂が飛んでたしね。

じじごろう: どーでもいいよーなことをよく知っておるのう。おまえのような小さな雑種犬は、細川たかしの矢切の渡しとかを、こよなく愛しておるのかと、思ってたぞ。

ハチくん: 小さな雑種犬で悪かったけど、僕は演歌はあんまし趣味じゃないんだ。それよか、ハイカラぶってポピュラー曲なんかの名前を言ってるけど、江戸時代の化石みたいな爺さんのじじごろうさんは、せいぜい軍歌でしょ。ラバウル小唄とか歌ってなよ。

じじごろう: 何じゃと!おのれ言わせておけば、好き勝手なことを‥。この矮小な野良犬めが、退治してくれる!あ、待て、逃げるな‥。

Photo_27 ○ディープインパクト

ジャック: ディープインパクトって馬がよう、ヤク打ってたらしいなあ。俺は元手の金なんて持たねえからよお、競馬はやったことないけど、居るんだなあ、馬のシャブ中。

ハチくん: ああ、この間フランスの凱旋門賞に参加して第三位になった名馬、ディープインパクトだね。実質、世界一を決めるようなレースだからね、世界第三位になったよーなもんだ。シャブ中だなんて言ったら、ジャック、多くのファンの皆さんから怒られるよ。

ジャック: しかしヤク中なんだろ?もっとも馬は自分じゃ注射は打てないんだろうからなあ‥。口とか鼻とかからかな、マリワナとかコカインとか?

ハチくん: どっちにしろそんなもん、馬は自分じゃやれないし、やらないよ。レース後の理化学検査で、フランスでは禁止されてる薬物の成分が検出されたらしいんだよ。日本ではOKな薬物成分なんだけどね。イプラトロピウムっていって、呼吸器系に作用して気管支を拡張する効果がある成分らしいんだ。凱旋門賞に入った3着までの馬に対して検査が行われるのが慣例らしい。まだ今のところ、入賞3着という成績がどうなるのかまでははっきりしてないらしいけど‥。

ジャック: なんだ、気管支がラクになるくらいか。ヤクをやったって言うからよ、俺はまた天国をフワフワ浮いてるようなイー気持ちになるとか、三日三晩寝なくとも頑張れるとか、そーいうのかと思ったのによ。まあ、馬もそんなイー気持ちになっても仕様がねえか。ワハハハ。

ハチくん: ディープインパクトも今年限りで引退らしいけど、まだいくつか国内のレースには出走する。でもこれからの国内レースには影響は無いらしい。薬物もレース対策のドーピングというよりは、治療の為の投与という見方も強いしね。しかし凱旋門賞は失格かもね‥。

ジャック: でもよ、呼吸器がラクになれて、早く走れるんなら良い薬だよな。近頃俺も動くのが面倒臭くてよ。そんな薬でもやって、本来の犬のように軽やかに走ってみたくてな。

ハチくん: 怠けて寝てばかり居ちゃいけないよ、ジャックは。

じじごろう: おう、そうじゃ、ジャック。保険所の犬取りの兄ちゃん達から逃げる為にも、おまえも薬物やった方がイイぞ。

ジャック: あ、いつの間に‥、じじごろう。ハチ、このクソ爺ィを早いトコ何処かにやってくれ!

Photo_24 ○ディープインパクト ‥(2)

じじごろう: 随分長い間、休んでおったのう。先月なぞ一つも記事書き込みが無かったぞ。巷では大変なニュースや事件が溢れかえっておるというのに。この前は、はるか昔、馬の麻薬取締法違反のコト書いた記事じゃろが。え~と、10月19日の書き込み記事じゃ。何をやっておるんじゃ、このブログ主のnaojiiというヤツは。怠けてばっかりおるのう。

ハチくん: それを言っちゃあお終いだよ、じじごろうさん。それに馬の麻薬取締法違反って、ディープインパクトの話じゃないか。10月1日のフランスの凱旋門賞大会のレース前に、呼吸器治療の為に使った薬物が誤って床の寝藁に飛散してしまい、それをディープインパクトが摂取していて、検査時に身体に成分が残っていて、薬物反応が出たってことでしょう(?)。日本の競馬界では禁止薬物でも何でもないものなんだし。ちょっとしたケアレスミスのアクシデントだよ。11月26日のジャパンカップでは見事、優勝したし。巷の大変なニュースって、じじごろうさんの印象に残るのは、例えば何なの?

じじごろう: それは決まっておるじゃろう、あの大事件じゃよ。何ということか、あの日本を代表するような美女キャスターが事もあろうに、漫才師と結婚するなんて!

ハチくん: え?それって、藤原紀香と、お笑い芸人の陣内智則のこと?陣内は漫才師じゃないよ、吉本興行のピンのお笑いタレントだよ。なあんだ、じじごろうさんの言う大変なニュースや事件て、そんな他愛も無い話のことなのか。確かに来春早々、結婚て発表したみたいだね。何だ僕は、もっと大きな社会問題とかだと思ったよ。例えば自殺者が連鎖続出した、各地学校のイジメ問題。ここんとこ、大変な教育問題になってたし。それから、県政の首長たる、地方トップの知事からが汚職に手を染めている、あちこちで噴き出し、騒ぎになっている談合介入などの黒い疑惑の数々。実際に逮捕された県知事も出ている程だし。これも大きな社会問題だ。後は、今は児童虐待事件も数多く続いてるし‥。大変な事件て、そういうニュースじゃないの?

じじごろう: 馬鹿者!藤原紀香だけではないわいっ。この間は、一時期は癒し系の名を欲しいままにした井川遙が結婚してしまったぞ。それから優子りんがお笑い芸人濱口と付き合っておって、優子りんの事務所が横槍入れた事件もあったし、次長課長の井上はグラドル山本梓と付き合っておると噂じゃし、レーザーラモンHGは可愛いモデルと結婚するし、お笑いスピードワゴンのイトダが安達祐実と結婚したのは周知の通りじゃ。マジック漫談のマギー審司は美人モデル嬢と結婚するしな。いやはや今やお笑い芸人は大モテじゃな。井川遙の相手は実業家(ファッションデザイナー)のようじゃがな。とにかくお笑い芸人風情が若い美女にモテまくりじゃが、これこそ21世紀に入ってからの不思議な社会現象じゃろが。異常気象とこの問題は21世紀の特異な大現象じゃ。

ハチくん: 何を言ってんだろうね、この爺さんは。この夏の暑さを通り越してから、脳味噌が煮えて乾燥しちゃったんじゃないの?もう冬に入って寒いんだからさ、煮えて乾燥した脳味噌、冷やして少しでも元に戻さなきゃ。じじごろうさんの言う問題って、全部通俗もいいとこ、芸能界の下世話な話ばっかりじゃん。そんな、どのタレントがどんなグラビアアイドルとくっつこうと、どーでもいいことでしょ?ほら、もっとイロイロと今、世間を騒がしてる問題があるでしょ?タウンミーティングの政府のやらせ問題もあったし。もっと大きい事では、共謀罪法案の国会審議、それから防衛庁の防衛省への格上げ、とかさ。政治の大変な問題がいっぱい世間を騒がせてるじゃん!

じじごろう: 馬鹿者、誰が脳味噌が煮えて乾燥した爺さんじゃ。ワシのような天才的頭脳は時には、低俗なTV番組に出ておる通俗タレントどもの話でもしとらんと、いつも難解な問題ばかりを考えておったらヒートアップして爆発するんじゃ。何しろ高級で精密な電子頭脳みたいなもんじゃからな、ワシの脳味噌。優子りんのフルネームは、小倉優子といって、本人はこりん星からやって来たと言っておるんじゃ、知るまいが、この馬鹿犬。

ハチくん: 別にどーでもいい事だよ、そんなの。あのね、小倉優子は1983年生まれで現在23歳、千葉県茂原市出身で、グラビアアイドル出身のバラエティタレントだよ。それだけ。それからネットのニュースで読んだんだけど、藤原紀香と陣内智則は年内にも入籍して来年早々挙式するらしいよ。別にどおって事ない出来事じゃん、こんなTVタレント同士の結婚なんて。ねえ、何かもっと高い次元のニュースを話そうよ、じじごろうさん!このところの大きなニュースでさあ、プーチン大統領批判を続けていた元FSBスパイのロシア人が、ロンドンで毒殺された事件とかさあ、あるじゃない?大変な国際ニュースが。

じじごろう: おお、聞いたことあるぞ。そのニュースは。その毒物が何でも大変な代物らしいな。いってみれば核物質。人体の中で放射線を出し続けて内臓を破壊し、苦しませながら死に至らせる激毒物。人間の身体の中で小さな核爆発を起こさせるようなもんじゃな。

ハチくん: お、すごい。最近の硬派なニュースを知ってた!毒殺された元FSBスパイの名はアレクサンドル・リトビネンコ氏。最初報道されたのはタリウムと言われていたけど、正確にはポロニウムというアルファ(α)線を出す放射性物質だそうですね。ニュースとしては今、元KGB高官であり、元FSB長官の、プーチン大統領が関与しているのかどうか、問題になってるよね。イギリス対ロシアの国際問題化もしそうな雰囲気だし‥。

じじごろう: う~ん、しかしワシはそういう話よりも、若いネーチャンがどうしたこうしたのニュースの方が良いのう。ほれ、今年のミス慶応のエントリー学生の中にAV出演の過去を持つ娘がおった、という‥。

ハチくん: 知らねえよ、そんなのは。

じじごろう: 今年のミス慶応開催直前になって、大本命と言われていた女の娘が姿を消してしまったそうなんじゃ。何でもその娘が少なくとも14本のAVに出演しておるそうな。内容のエロ具合もなかなか過激なもんらしい。嬉しいな。AV女優としての名前は美濃浬というそうじゃな。是非、見たいものじゃ。

ハチくん: 馬鹿じゃないの?じじごろうさん。イイトシこいて、嫌になるね、全く。また、そんな変態根性出して。年齢を考えなさいよ。もう650歳くらいなるんでしょ?

じじごろう: 誰が650歳じゃ、馬鹿者。それより、馬の話はどうなったんじゃ?ここのタイトルはnaojiiが「ディープインパクト2」にしておるぞ。

ハチくん: ああ。凱旋門賞は失格扱いだけど、ジャパンカップは優勝したし、引退直前の最後の試合に期待が掛かるね。何でも、次の有馬記念当日の中山最終レースの後に、ディープインパクトの引退式を執り行う予定らしいよ。最後の有馬記念では有終の美を飾って欲しいね。

Photo_25 ○ラストクリスマス

じじごろう: おはよう、ハチ。良い朝を迎えたか?

ハチくん: あれ?じじごろうさん。どうしたの?トレンチコートなんか着て。こんな朝早くから、何処か行ってたの?

じじごろう: 冬じゃからな。朝晩は冷え込むし、北風も吹いとるし、ワシだって人並みに冬の格好をせんとな。

ハチくん: でも‥。ちょっとコートの前を開いて見せてよ。

じじごろう: こうか?

ハチくん: ああ、やっぱり下はふんどし一枚の裸なんだ。これで、女の娘の前でコートの前を開けたら、昔で言うデロリンマンだね。

じじごろう: おお、懐かしいのう。その昔、少年ジャンプに載っておった、ジョージ秋山のギャグ漫画じゃな。あの頃から、女の娘の前でコートの前を広げて、中の素っ裸と陰部を見せる一種の痴漢が増え、あの時代からそういう痴漢のことを、格好がよく似ておったことからデロリンマンと呼んでおった。あれじゃな?成程、デロリンマンか。わははは。って、馬鹿者!誰が、デロリンマンじゃい!

ハチくん: 一度は納得してるじゃん。まあ、いいや。超人乞食爺さん、じじごろうさんでも人並み寒さは感じるんだね。良いことだよ、じじごろうさん。で、お召しもの着て、朝から何処行ってたの?

じじごろう: けなされてるか、ほめられとるのか解らん言い方じゃのう。まあ、いいが‥。ちょっと朝のゴミあさりじゃ。朝一の清掃車が来る前に生ゴミを見に行っておったんじゃ。朝飯の確保にな。たいしてめぼしいものは無かったな。これから朝のコンビニの裏廻りじゃ。

ハチくん: さすがだね、じじごろうさん。早起きして食べ物の調達なんて、ホームレスの鏡だよ。間違ってもコンビニ店員の女の娘の前で、トレンチコートの前をはだけたりしないようにね。

じじごろう: 馬鹿者、ワシがそんな不埒な真似をするか!全く、ホームレスの鏡とか持ち上げてみたり、人を痴漢呼ばわりしてみたり。いかんぞ、ハチ!そういう態度は。犬の風上にも置けんぞ!しかし‥、楽しそうでもあるな、女の娘の前でコートの前を広げて、中のふんどしを見せるのは。いや、どうせやるなら、ふんどしも取った方がいいじゃろうな。考えると、何だか楽しそうじゃのう、ワクワクするぞ。

ハチくん: 絶対いけないよ、じじごろうさん!コンビニは残飯のおもらいだけにしとかないと。デロリンマンごっこなんかやると、警察に捕まるよ。

じじごろう: じゃあな、ハチ、ワシは急ぐんでな。

ハチくん: ああっ、もう行っちゃうの?

ニャンゴー: ハチさん、ご機嫌如何ですか?おはようさんでがすね。やっぱり冬だ、朝晩は随分と寒くなりましたね。

ハチくん: あれ?猫のニャンゴーじゃんか。久しぶりだなあー。元気してたの?

ニャンゴー: ええ、まあ、元気は元気ですがね。あの、じじごろうさんは見ませんでした?

ハチくん: え?ああ、今居たんだけど‥。ゴミあさりか、おもらいに行ったみたいだよ。

ニャンゴー: ちぇっ、ちくしょう!また逃げられたよ。

ハチくん: えっ、どうして?じじごろうさんに何か用があるの?

ニャンゴー: 師走に入りましたからね、貸した金、戻して貰おうと思って、捜してるんでがすけど、いつも居なくなるんですよ。

ハチくん: ああ、それで慌てて行っちゃったのか。さすがだな、じじごろうさん、逃げ足は速い。

ニャンゴー: 感心して貰っても困るんで‥。ちくしょう、仕様が無えな。どっちの方、行ったんですかい?

ハチくん: 多分、市の運動公園の向こうの団地辺りじゃないかな‥。あの辺りのゴミ集積所は、ゴミ収集車が来るの遅いから。

ニャンゴー: そうか、あっちの方か。ハチさん、済みませんね。じゃ、どうも。

ハチくん: ああ、またね。

じじごろう: 済まんな、ハチ。当てずっぽうな方向を、猫に教えてくれて。悪いな、かくまってくれて。

ハチくん: あっ!居たんだ、じじごろうさん。コンビニに残飯貰いに行ったんじゃなかったの?

じじごろう: ああ。土管の裏に隠れて、様子を見ていたんじゃよ。猫に、コンビ・・・

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