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○じじごろう日記。 2006-7 続き

宇宙快速船

宇宙快速船

じじごろう: 60年代の初め、まだまだ日本のTV放送黎明期といってもいいような時代に、一つのSFヒーロードラマ番組があった。その前から「月光仮面」なぞの仮面ヒーローもの番組はあったんじゃが、これは宇宙が出て来る、初めてのSFものじゃった。

ハチくん: 昔の、オコチャマ向けTVドラマだね。

じじごろう: そう。それは「月光仮面」や「七色仮面」と同じく、TVの子供向け番組じゃが、ヒーローの相手の敵役が、宇宙人や海底人、地底人という、当時としては画期的なSFドラマじゃった。家電のナショナルがスポンサーとしてタイアップ、提供松下電器産業の「ナショナルキッド」じゃ。何と、仮面ヒーローの名前に、スポンサーの会社の名前が付いとった。正義の味方「ナショナルキッド」は、アンドロメダからの使者、不死身の超人じゃ。

ハチくん: ふう~ん、そうか。昔の、子供達の憧れのヒーローだ。ウルトラマンの兄弟達みたいな、宇宙人ヒーローのルーツみたいなもんだね。解る。

じじごろう: TV放送のな、番組始まりのナレーションのうたい文句がな、いいか、『四次元の世界を克服し、不可能を可能ならしめ、あらゆる化学兵器より強く、正義と平和のために戦う、ナショナルキッド』、どうじゃ、素晴らしいじゃろ。これは1960年の8月から61年の4月まで、当時のNET、現テレビ朝日じゃな、そこで放送された。子供向けとはいえ、TV放送では初めての本格的SF特撮ヒーロードラマじゃ。TVも雑誌漫画の方も、原作者名が貴瀬川実となっておるのじゃが、TV放映のタイトルバックには、原作は、貴瀬川実と共に、何と海野十三の名前もあるんじゃ。

ハチくん: 誰、それ?

じじごろう: 日本SFの祖というか、日本SFの父みたいな人じゃ。空想科学冒険小説作家じゃ。こっちも日本SF黎明期の大作家じゃ。コアな日本SFファンなら知っとる有名な、戦中から戦後に活躍した作家さんじゃ。しかしワシにもよう解らんのじゃが、海野十三は没年が1949年なんじゃ。謎じゃな。

ハチくん: え?あ、そうか。1960年に始まる番組のタイトルバックに名前がある人は、既に1949年に亡くなってるんだね。ちょっとしたミステリー?

じじごろう: うん、まあ、原案とか、小説作品からの引用、参考とかかも知れぬな。ワシには詳しいことは解りません。

ハチくん: なあんだ。

じじごろう: なあんだ、とは何だ!もう、45年も前の話じゃぞ、馬鹿者。

ハチくん: 室町時代から生きている、じじごろうさんに、知らないことはないかと思ったのに。

じじごろう: わはははは。ワシは古寺のミイラか!?人を化け物扱いしおって。

ハチくん: 今回のじじごろうさんの話はこれで終わりなの?

じじごろう: いいや、ここからが本番じゃ。

ハチくん: げっ、まだ続くんだ‥。

じじごろう: 今、DVD化されて出ておるんじゃがな、若き日の千葉真一主演、当時の東映の特撮映画、「宇宙快速船」。この映画はじゃな、同じ東映制作のTVドラマ「ナショナルキッド」を劇場用映画でやったものなんじゃよ。主役ヒーローは別モノじゃが、設定は似たお話の、SFドラマじゃ。映画の方は、正義の超人ヒーローが、アイアンシャープという。ナショナルキッドは自分自身が空を飛んだが、アイアンシャープは小型ロケット、アイアンシャープ号で空を飛び、レーザービームで敵円盤を攻撃した。この当時の若き千葉真一は、TVヒーローものドラマでも、「アラーの使者」なぞの正義の味方を演じておった。昔じゃなあ、60年代初めの話じゃからなあ。特撮映画「宇宙快速船」公開は1961年じゃからのう。その当時の特撮ものとしては、けっこう、なかなかといえる代物じゃ。モノクロ映画ではあるけれどな。

ハチくん: ふう~ん。

じじごろう: 「ナショナルキッド」も、最初の話は、インカ金星人というヤツラが円盤で地球侵略に来る話じゃが、この「宇宙快速船」も侵略SFじゃ。海王星人がヤツラのロケットで、地球侵略に来襲する。迎え撃つ地球側は、エレキバリヤーという、分厚い電磁バリヤーみたいので、敵の攻撃を撥ね返す。自衛隊や軍隊の迎撃シーンは無いな。後は、超人アイアンシャープがアイアンシャープ号で大活躍、最後のとどめは地球側秘密兵器ミサイルで、敵母船ロケットを破壊して、ハッピーエンドじゃな。めでたしめでたし。

ハチくん: 海王星って、もうその頃発見されていたんだ。

じじごろう: 馬鹿者、当然じゃ。はっきりした事は一般的なカルチャーとしては知れてはおらんだったじゃろうがの。

ハチくん: 海王星が地表の無い巨大ガス惑星だって事とかね。実際、侵略に来る生物が居るとしたら、海王星の衛星、トリトンだとかだよね。でも、あーんな遠い惑星じゃ、暗いしとてつもなく寒いし、先ず生物なんて棲めないよね。

じじごろう: ああ。あまりにも太陽から遠すぎる。海王星の温度はマイナス218度といわれておるしな。いいんじゃよ、そんな事は。空想科学映画作品なんじゃから。面白いからいいんじゃよ。ところで、「宇宙快速船」にも「アイアンシャープの唄」という主題歌があるが、「ナショナルキッド」の主題歌は有名じゃった。

ハチくん: え?有名だったの?

じじごろう: そうじゃ。歌を教えてやる。

  
   雲か 嵐か 稲妻か
   平和を愛する人のため
   両手を高く 差し伸べて
   宇宙にはばたく 快男児
   おお その名はキッド
   えい ナショナルキッド
   ぼくらのキッド キッド
   ナショナルキッド

 どうじゃ。良い歌じゃろうが。

ハチくん: 知らねえよ。そんな歌は‥。

Photo_5スカートひらり

ハチくん: ああっ!何だよ、ジャック、その格好は?

ジャック: ああ。これね。今、巷で「スカートひらり」って良い曲が流行ってるんだ。それで、俺もちょっと履いてみたワケ。スカート。

ハチくん: そういえば最近、街で流れてるの、聞いた覚えがあるけど‥。でも、大きな秋田犬のジャックが何も、スカート履くことはないんじゃないかい?好きな曲なんだったら、ラジカセか何かで聴いて、楽しんでりゃいいじゃん。

ジャック: うん。俺も、音楽聴いて、踊ってたんだけど、それだけじゃ何だか物足りなくて、つまんなくて。いまひとつ気分乗らないからね、こうやってスカートというのを履いてみたんだ。

ハチくん: う~ん、スカート履いて踊るオスの秋田犬なんて、聞いたことないし、それに絵にならないよ。変だよ、ジャック。

じじごろう: おう、ジャック。何じゃ、その格好は?

ジャック: スカートひらり

じじごろう: おおっ。知っておるぞ!若い可愛い女の子達が踊って歌っておる、ノリのイイ曲じゃな。ワシも大好きじゃ。可愛い若い女の子が。

ハチくん: ああ~。また来たよ、変なのが‥。

じじごろう: 何じゃと!?誰が変なのじゃっ?馬鹿者。古今東西、このワシに知らんことはないワイっ。「スカートひらり」はAKB48という、あの秋元康完全プロデュースのアイドルグループが出した、第2弾シングルじゃ。グループ結成にあたって、13歳から22歳までの何処のプロダクションにも所属していない女の子たちから募集、条件は専用常演劇場である秋葉原の小劇場にほぼ毎日通えることなぞじゃ。2005年暮れにオープニングメンバー24名が決まり、第1回公演を行っておる。さらに追加メンバー募集で、若いピチピチにゃんにゃんギャル達が、続々参加して、増えており、チームA、チームBとあるのじゃ。可愛いギャルが多くて、嬉しい限りじゃ。なあ、ジャック。

ハチくん: ああ~、もう、泣きたくなるね、この変態爺さんには。

じじごろう: 勝手に泣いとけ。秋元康というと、あの歴史的素人集団女子高生ユニット、おにゃんこクラブの生みの親じゃな。あの後、秋元康が結婚したのは、おにゃんこ16番、高井麻巳子だったしな。夫婦はうまく行っとるんかいの?あれからどうなったろう?秋元康が建てた豪邸はおにゃんこ御殿などと呼ばれたもんじゃ。もうモーニング娘も廃れて来たし、ここらで、元祖素人清純系ギャルユニット組成プロデューサー、秋元康御大復活で、今、超話題の萌え系で揃えたギャルユニット、AKB48が大登場じゃ。どうじゃ、参ったか。

ハチくん: しかしまあ、この爺さんは、よくもまあ、恥ずかし気も無く、そんな美少女アイドルグループなんかに興味持って、詳しいよなあ‥。200歳にもなって。これから変態仙人と呼ばせてもらおう。

じじごろう: 誰が変態仙人じゃ、馬鹿者。ワシが200歳にもなるか!

ハチくん: 妖怪爺さんだからそれくらいはいってるだろうと‥。それよか、そうか、萌え系って、秋葉原から取ってAKBか、成程。48ってのはグループ構成人数だね?

じじごろう: ま、そんなもんじゃな。それよかワシも踊りたくなって来たのう。ジャック、スカートはまだあるのか?

ジャック: あるよ、そこ。幾つも探して来たから。俺、一度、スカートひらりっ、ていうの、やってみたかったんだ。

じじごろう: おおっ。それはいいのう、ジャック。ワシもやってみたいぞ、スカートひらりっ、ていうの。ちょっと待ってろよ、今、ふんどし脱いで、スカートに着替えるから。

ハチくん: ああ~、もう、止めてよ、二人で、そんな恥ずかしい真似は。じじごろうさんはどうせいつもふんどし一枚で歩き回ってる変態爺さんだからいいけど、ジャックは由緒ある日本犬の秋田犬なんだ。止めてよ。

じじごろう: ふん、どうせジャックは、秋田犬でも雑種の野良犬じゃ。お待たせ、じゃ。それでは、ジャック、あの土管の上からやるか。ひらりって、一緒に。

ジャック: ああ、やろう。

じじごろう: それではやるぞ。いちにの‥。それっ!

じじごろう:ジャック: ひらりっ!

Photo_7 ヘル・フリーゼズ・オーヴァー

ハチくん: あ、ジャック、どうしたの?そんな穴の中なんか入って。暑いだろ?

ジャック: いや、これが意外と涼しいんだよ。

ハチくん: え?そうなんだ。でかい穴だなあ。これって、ジャックが掘ったの?

ジャック: ああ。何日も掛けて一生懸命、掘ったんだ。

ハチくん: うう~ん、たいしたもんだ。よくこんなでかい穴、一人で掘ったなあ。もう、土管で寝るのは止めたんだ?

ジャック: ああ。地上はぶっそうだからなあ。ほら、ミサイルが飛んで来るっていうだろ。それで苦労して掘ったんだよ。俺はまだ死にたくないしな。

ハチくん: ああ、あれか。北朝鮮のミサイル連射事件だね?もうだいぶ前だよね。ええと、7月の5日だっけか。日本海に7発が落ちて大騒ぎしたやつだね。じじごろうさんなんか、何処で見つけて来たのか、ふんどしの上に迷彩服着て、オモチャの刀振り回して、戦争だって駆け回ってたっけ。そういえば、僕、もう忘れてたよ。

ジャック: これ、拾って来たんだよな。週刊現代の7月22日号。これに載ってたんだよ。北朝鮮の核実験は今年の9月9日だって。9月9日は北朝鮮の建国記念日らしい。だから、俺は掘ってるんだよ。

ハチくん: え!?すると、これは核シェルターなのか!?浅過ぎだよ。だいいち週刊誌の記事なんてアテにならないし、もし仮に万一、週刊誌の予想が当たったとしても、実験なんだから、地下核実験だろ。日本に核弾頭が飛んで来る訳じゃない。

ジャック: 9月9日が仮に実験だけでも、俺は今から準備して掘っとくんだ。もっとどんどん深く掘るよ。もっとずうっと深く。近いうちに、またミサイルが飛んで来るかも知れないからな。

ハチくん: この間の、日本海ロシア沿海州に落ちたのには、弾頭は着いていなかったんだ。命中精度はかなり良いものだって話だったけど。北はミサイルのセールスをしたいんだよ。

ジャック: ミサイルに弾頭が着いてなくて、空状態でも、原発なんかに落とされたら大変だろ?

ハチくん: そりゃあ、まあ、その通りだけど‥。

ジャック: この前の春先、だいぶ前の話だけど、季節柄俺はついHしててな、その時、猫のニャンゴーに言われたんだ。大将お盛んですねって。そのすごい精力はキン×マが原子力なんじゃないかって。誉められたんだろうけど、俺は原子力のキン×マなんか持ってるんだ。ミサイルを撃ち込まれたら一発だ。

ハチくん: うーん、それは比喩的に言ったんであって、ジャックのキン×マは確かに大きくて、ジャックは精力が強そうだけど、何も本当にジャックのキン×マが原子炉になってる訳じゃないんだ。だから大丈夫だよ。日本政府も日本国土にミサイルが飛んで来ることがないように一生懸命外交努力して、国連で非難決議を決めたし、六カ国協議も推し進めてる。そんなに心配することはないよ。

ジャック: いいや、解らねえ。すぐには飛んでは来なくても、いづれは解らねえぞ。年末でも、来年でも。だから俺は深い深い穴を掘って、食べ物とか蓄えとくんだよ。

ハチくん: そう言われると、ちょっと心配になって来たなあ‥。

じじごろう: おう、ジャック。どうしたんじゃ?そんな穴の中に入って。なかなか良いのう、その穴は。

ジャック: あ、じじぃ、何、入って来るんだよ!

じじごろう: いいじゃないか。もよおして来とるんじゃ。せっかくこんな立派なもの、作ったんじゃ。みんなで一緒に使おうぞ。

ジャック: あ、じじぃ、何、ふんどしなんか外してるんだよ!俺は雄犬だぞ。

じじごろう: 馬鹿者!誰がおまえの尻なんか使うかっ。我慢出来んのじゃ。

ハチくん: じじごろうさん、違うんだよ!この穴はトイレじゃないんだ!これはジャックが掘った核シェルターなんだよ。まだ掘ってる途中だけど‥。

ジャック: あっ、じじぃ!しゃがみこみやがって、ウ×コなんかするんじゃねえぞっ。

じじごろう: 我慢出来んのじゃ‥。おっ、なんじゃこれは?えらいグラマーなべっぴんさんと、CDじゃな。

ジャック: 地上が放射能汚染されると、何年も出て来れないから、いろいろなものを集めておくんだよ。俺のものに、触るな、じじぃ!

じじごろう: 何々、ほしのあき写真集。可愛い顔した乳の大きいオナゴじゃのう。こりゃあ、良いのう。こっちのCDは洋楽か。

ジャック: 早く、出てけよ。

ハチくん: じじごろうさんっ!我慢してたんじゃないの?早くしないと漏れるよ。

じじごろう: おお、そうじゃった。ジャック、ここでは駄目か‥?

ハチくん: 頑張って、公園の公衆トイレまで行きなよ、じじごろうさん。

じじごろう: せっかく良い便所が出来ておると思ったが、仕様が無いのう。ふんどしを着け直して‥と。どりゃ、公園までウ×コしに行って来よう。

ハチくん: ふうーっ。騒がしい爺さんがやっと行ったよ。どれ、見せてよ、CD。それから写真集も。

ジャック: ちょっとだけな。すぐ戻せよ。

ハチくん: ほしのあき写真集。この娘は今大人気のグラビアアイドルで、可愛くてナイスバディかも知れないけど、ジャック、おまえは犬なんだからさあ、人間の女の娘でなくて、雌犬に憧れろよ。こっちのCDは洋楽だね。おっ、イーグルス。渋いね、70年代に一世を風靡した、伝説のロックバンド。何々、「Hell Freezes Over -ヘル・フリーゼズ・オーヴァー-」ね。あ、これは良いよね。ベスト盤みたいなものだからね。再編成したイーグルスが、1994年からの全米ツアーを、実に14年ぶりで行ったのに先駆けて、新規録音されたスタジオライブ作りになってる、名盤だね。名曲あり、この時の新曲ありで、ばっちり良いアルバムなんだよね!

ジャック: ああ。俺は、「ホテル・カリフォルニア」が好きでね。まだまだいっぱい集めるつもりなんだ。それを戻してくれよ。

ハチくん: CDいっぱい集めるったって、オーディオ機器が無いじゃんか。音楽鳴らす機械がなくちゃどうしようもないよ。電気もいるから、引かないといけないだろうし。もっとも、今は携帯オーディオプレイヤーなんてものもあるしなあ。ソニーのウォークマンなんて超小型で何百曲って入るし。それと、写真集なんかじゃなくて、一緒に穴に入ってくれる雌犬をスカウトしなよ、ジャック。

ジャック: 先ずはこの穴をもっと深く掘らないとな。まあ、俺は独りで、ぼちぼちやって行くよ。

ハチくん: そうだね。ミサイルなんて危ないものが飛んで来て、近くに落ちたりしないように祈りたいね。何てったって、平和が一番だから。

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○じじごろう日記。 2006-7

B00005hqki09 Photo_4 ○ジョージ・ハリスン

ジョージ・ハリスン ダークホースイヤーズ 76~92

じじごろう:  何じゃ、朝っぱらから騒々しいのう。

ハチくん: ああ、じじごろうさん。おはよう。音楽を聴いてたんだ。良いよ、ケツメイシ。

じじごろう: 何、まだケツにイシがはさまっておるのか?ジャックに取ってもらえと言ったろう。ジャックはおらんのか?

ハチくん: そういえばこの頃見ないけど、ジャックじゃなくて、ケツメイシの音楽を聴いているんだよ、Jポップのラップ。「さくら」。良い曲でしょ。今じゃもう、ちょっと古いかもだけど、去年のヒット曲で、僕、お気に入りなんだ。

じじごろう: なあーにがラップじゃ。ちゃんと喋るか、ちゃんと歌うかどっちかにしろ。

ハチくん: でもこのコーラス部分のメロディーラインはなかなか素敵でしょ?

じじごろう: 何かよう解らんが、よくもまあ、ボロッちぃラジカセで同じ歌ばっかし何度も聴いておるのう。

ハチくん: ええーっ、心に沁みる良い曲じゃん。じじごろうさんは何かお気に入りの曲なんてないの?軍歌とか。

じじごろう: そうじゃな、1970年の「オール・シングス・マスト・パス」が今、無性に聴きたいのう。

ハチくん: げっ!洋楽?

じじごろう: そうじゃ、2001年に惜しくも58歳の若さで亡くなってしまったジョージ・ハリスンの、ロック史に残る名盤と誉れの高かったアルバムじゃ。今、あれが聴きたい。

ハチくん: ああ、ビートルズの一人でしょ?知ってるよ。そうか、もう死んでから5年も経つんだ。ジョン・レノンが80年の12月8日に射殺されたのは有名だけどね。

じじごろう: そうじゃ。ジョージは「静かなビートルズ」などとも呼ばれていたがな。ビートルズ時代はあまりパッとしなかったが、ソロ独立後のこのアルバム「All Things  Mast Pass」で、一躍「ロック界に不滅の金字塔」と絶賛された。まあ、ビートルズ時代末期には、「サムシング」や「ヒア・カムズ・ザ・サン」など続けて名曲を発表しておる。ビートルズ時代は、ジョン、ポールの影におって、思うように曲も出せんだったんじゃろ。ビートルズ解散のにおいがし始めてから、才能を開花させて来ておる。ビートルズ時代からメンバーの誰よりも早くソロアルバムを出しておるしな。

ハチくん: ジョージ・ハリスンていうと、盗作問題とか、エリック・クラプトンとの仲だとか、話を聞いたコトがある‥。

じじごろう: 盟友エリック・クラプトン、と言われるくらいの仲だったんじゃがな。ビートルズ時代のジョージの名曲「ヒア・カムズ・ザ・サン」は、クラプトンの家に遊びに行っとる時に生まれた曲らしいからの。ところがその後、ジョージは愛妻パティと別れ、パティはクラプトンの元へと走ったんじゃ。

ハチくん: げっ、複雑!

じじごろう: しかし、共に音楽を愛す達人ギタリスト同士、友情は続いておってな、ソロのアメリカツアーで喉を痛めたままライブを行い、観客の激しいブーイングに合い、すっかり意気消沈してふさぎ込んだジョージじゃったが、もう二度とライブ公演をする事を嫌がったジョージを勇気付けて、再びライブツアーを行わせたのもクラプトンなんじゃ。クラプトンに励まされ、それでやっと日本へやって来て、ギタリスト・クラプトンと共演して行ったのが、91年のジャパンライブじゃ。「ジョージハリスンwithクラプトンandヒズバンド・ライブインジャパン」じゃな。これは、91年、日本国主要都市で12回行われたライブの録音からピックアップ、バックにはギターの神様クラプトンとそのバンド、演奏されたのは、ビートルズ時代のジョージの曲とソロの大ヒット曲、と実に贅沢なものなんじゃよ。ジョージ・ハリスンとしてはアメリカ公演から実に17年ぶりに、観衆の前で演奏をライブで披露した、ライブ再起のきっかけの公演じゃな。

ハチくん: へえ~、解らないもんだねえ、ビートルズの一人にそんな事があったんだなんてね。ジョージとクラプトンは本当に仲の良い親友だったんだね。

じじごろう: ああ。後にクラプトンも述懐しとる。長い間お互いに精神的に支えあった大切な友達だったと、な。

ハチくん: 良いなあ、友情って。じじごろうさんと僕もそういう仲だよね。

じじごろう: 誰が、犬畜生と友情なんか持つか。

ハチくん: そんな事、言わないでよ、この間、僕がコンビニから貰って来た弁当、おいしいおいしい、って食べてたじゃん。

じじごろう: 馬鹿者!そんな話をするなっ。

ハチくん: さて、また、ケツメイシ聴こおっと。

じじごろう: そんなのじゃなく、これを掛けい。ボロラジカセでは音は忠実に再現出来んじゃろうが、まあ、仕方ない。

ハチくん: あ、ジョージ・ハリスン。「オール・シングス・マスト・パス」!

じじごろう: そうじゃ。昔のレコード時代なら三枚組じゃが、このニューセンチュリーエディションのCDは二枚組じゃ。ここに、くだんの盗作騒ぎとなった、大ヒット曲「マイ・スウィート・ロード」も入っとる。ワシはそうは思わんのじゃが、盗作問題で裁判で負け、ここでもジョージはすっかり意気消沈しとる。優しいやつなんじゃな、ジョージは。ジョージが、愛妻パティとラブラブだった頃にささげた大ヒット曲が「サムシング」で、この「All Things‥」の中の一曲、「Isn’t It A Pity」はパティと別れた時の曲じゃ。

ハチくん: ふう~ん。あれ、もう一つ持ってるのは?

じじごろう: こっちはベスト盤じゃな。ビートルズ時代からのアップルのレーベルから移った、ソロ、76年~89年のダークホースレーベル時代のベスト曲集じゃ。もっとも、この盤は今は何処探してもないのう。重版して作ってはおらぬのかな?解らぬが。DVDは出とるんじゃがなあ。「ダークホースイヤーズ1976~1992」。これは、 ジョージ・ハリスンのダーク・ホース時代のインタビュー、プロモーション・クリップなどで構成されたDVDで、1991年にクラプトンと共に行った ”ライヴ・イン・ジャパン” の映像も収録されとる逸品ものじゃ。ジョージは、80年暮れにジョンが射殺されて作った追悼曲があるんじゃけど、「76~89ベスト」と「ライブインジャパン」には入っとるんじゃが、このDVDでは収録されてないのう。「All Those Years Ago」という曲は、ジョージがジョンの死を悲しみ悼んで作った、ジョンへの思いを込めた名曲じゃ。バックには、ポール&リンダ、リンゴが参加しておる。

ハチくん: ふう~ん。成程ねえ。勉強になりました。でも僕は、ケツメイシがいいや。また「さくら」聴ぃこおーっと。

じじごろう: 何!?こりゃっ!

Et0604242ns ジーザス

じじごろう: 皆さん、お久しぶりじゃ。皆さんは、元気にしておったかいのう。ワシは、暖かくなってきてますます元気じゃ。もう、ちょこっとでも動けば汗ばむくらいで、すっかり春たけなわ、初夏とでも言いたいくらいじゃのう。 今日の話は、ウハウハものじゃ。皆は憶えとるかいのう?シーシーガールズを。シーシーガールズといっても、勿論、若いおねえちゃんが小便しとる姿じゃ無いぞい。90年代初頭、あのバブル期、大活躍のセクシーグループ、CCガールズじゃ。後に、95年から98年に掛けて、メンバー総入れ替えとなったんじゃがな。それで、便宜上、CCガールズというのは、初代と2代目とに分けられる。今日の話は、その初代CCガールズ、バブル期大活躍の方じゃ。バブル崩壊でも、泡と消えず、しっかり残っておる初代メンバーの一人、青田典子じゃ。

ハチくん: 他は3人とも結婚しちゃったけど、青田さんは今でもバラエティー番組とかで活躍中だよね。

じじごろう: わあっ、びっくりした!おまえ、おったのか。

ハチくん: さっきから横に居たじゃん。何の話するのかと思ってたら、ウハウハものとか…。

じじごろう: ええいっ、黙れ!青田典子はエロ面白いんじゃっ!

ハチくん: エロですか?

じじごろう: エロじゃっ!エロが良いんじゃ。今はエロの時代じゃ。幸田夾未はエロカッコイイ、ジェシカ・アルバはハリウッドのエロ可愛いじゃ。そうして我らが、青田典子はエロ面白いじゃ。バブル期、CCガールズとして一世を風靡し、バブル時代を背負った女、青田典子が、生まれ変わったんじゃ、バブル青田として!よみがえりの、再生じゃ! それで、また、良い歌を出したんじゃ。ノリノリ、セクシー、「ジーザス」。

ハチくん: ああ、TV番組の企画ものでしょ。テレ朝系の「ロンドンハーツ」ってバラエティーの。準レギュラーだよね。セクシー、って衣装とダンス?

じじごろう: そうじゃ。良いぞう、セクシーダンスは。ワシは、18、9の洟垂れ小娘なぞは駄目なんじゃ。あのくらいのオナゴにならんとな。歌も良い。一昔前の小室哲哉ミュージックじゃ。

ハチくん: ああ、そうだよね。番組内で、ロンブーの淳がプロジェクト組んで、小室哲哉他の協力で出来た新曲だよね。バブル期に相応しいあの頃の曲調で。何てったっけ?「ジーザス」?青田典子は38歳か。

じじごろう: 38歳でも、色っぽいぞうっ、バブル青田の「ジーザス」!ノリノリ小室ディスコ(クラブ)サウンド、「ジーザス」。皆さんもいかがですか。

ハチくん: あ、これは、「ジーザス」の宣伝なワケね。ふう~ん。

4/11放送ロンドンハーツスペシャル企画!
青田典子、音楽業界に殴り込み!?
ご存知、人気番組「ロンドンハーツ」
(テレビ朝日 毎週火曜日ヨル9時)から
アノ青田典子がCDリリース!

【収録曲】
 1. ジーザス (作詞:前田たかひろ 作曲:小室哲哉)
 2. ジーザス -tv mix-
 3. ジーザス -instrumental-

   

Photo_3 サスペクト・ゼロ

サスペクト・ゼロ

じじごろう: リアルな超能力じゃな。あれじゃよ。ほれ、よくTV番組で、局が海外の超能力者を呼んで来て、行方不明になった子弟とかを、捜索するじゃろが。あれ。

ハチくん: はい?誰に、言ってんの?

じじごろう: おまえしかおらんじゃろうが。映画を見たんじゃ。DVDで。趣向を凝らした、サイコホラーの変り種。ホラーというよりも、サスペンスかな。

ハチくん: じじごろうさんはホラー吹きだけどね。

じじごろう: 余計なことは言わんでよろしい。このアメリカ映画「サスペクト・ゼロ」は、殺人嗜好症の異常犯罪者を扱う、サイコサスペンスなんじゃが、テーマは、従来の、シリアルキラーを追うFBI捜査官の、謎解きや追跡劇や迫り来る危機、なんぞを描いたものとは、一工夫違う。サイコキラーもの映画なんじゃが、もう一つプラスアルファの面白味なんじゃよ。

ハチくん: ええ?何だかややこしくて解んないね。

じじごろう: 旧ソ連が研究開発しておった、軍事利用の超能力研究ノウハウを、米国FBIが自分トコに引き継ぎ、犯罪捜査に活用することとなった。実験段階の、最初の、FBI極秘プロジェクトで選ばれた数人は、犯罪者捜査の超能力訓練を受け、ある種、超能力を身に着けた。しかし、その超能力の捜査応用の実験段階の実施で、ほとんどのメンバーは精神が破壊され、実用実験は失敗に終わる。その超能力者の生き残りの一人が、野に放たれていて、ひどく精神的に苦しんでおり、自らがフリーな立場で、超能力を使って透視した凶悪異常犯罪者達を断罪していた…。というような話じゃわな。ちょっとネタバレになるけど。そして、その犯罪者狩りをしておる超能力者が、主人公のFBI捜査官にFAXで予知描画を送り情報提供する…。相当ネタバレになるけどな。そういうサスペンス映画じゃ。面白いぞ。「マトリックス」のキャリー・アン・モスがヒロイン役で出ておるの。

ハチくん: ふう~ん、成程ねえ。ちょっと怖そうだよねえ。しかし、話は全然、変わるけど、ソ連と言えば…。チェルノブイリ原発事故。

じじごろう: 何?そうじゃったのう、そう言えば、そんな悲惨な大事故が昔、あったのう。

ハチくん: 忘れようったって、忘れられない世界の大惨事だよ。チェルノブイリ原発は今、石棺と呼ばれて、事故炉は分厚くコンクリートで覆われているんだけど、調度、あの大事故から20年目になるんだ。あの放射能禍で、実に5万人以上の人間が犠牲になっているんだ。今でも被爆に苦しむ人達は数えきれないほど。覆ったコンクリは今ではひび割れなんかが出来てきてるらしいし、土中深く埋めるなんてコト、出来ないのかしら?

じじごろう: うう~ん、そうじゃなあ、もう二度と起こして欲しくない大事故じゃなあ。放射能禍というものは、一国だけでは済まぬ、周辺諸国の全ての生物を巻き込む災害になるからのう。今は世界の発電の主体は原子力じゃからのう。全世界国家レベルでメンテナンスは厳重注意じゃわいのう。

ハチくん: はい。そうです。

じじごろう: しかし、映画「サスペクト・ゼロ」と原発事故とは、全く関係ない事柄なんじゃけどな…。

Eva055タイムリミット

タイムリミット 

じじごろう: エヴァ・メンデスが良かったのう。主役のテンゼル・ワシントン扮する警察署長の、離婚を迫る別居中の女房役をやっておるが、ラテン系美人女優のポスト=ジェネロペと呼ばれるだけあって、なかなか魅力的なオナゴじゃ。

ハチくん: じじごろうさんのはそういうのばっかだなあ。じじごろうさんの映画評って、先ずは絶対、出演の美人女優だね。

じじごろう: 馬鹿者!ドラマには美貌のヒロインは絶対必要なんじゃ。特に、ホラー系では逃げ惑う美女を襲う怪物、このシーンはこたえられん醍醐味じゃな。まあ、この「タイムリミット」という映画はホラーじゃあ、ないけど。

ハチくん: うう~む。やっぱ、じじごろうさんの映画の見方は変態的だね。

じじごろう: 何が変態的見方じゃ。エヴァ・メンデスの健康的な浅黒い肌に、ちょっと大柄に見えるナイスバディなボディーライン。キューバ系のアメリカ人らしいが、ラテン系の情熱的な顔だち。たまらん美女じゃのう。1978年生まれ、フロリダ州ヒューストン出身で、ノースリッジのカルフォルニア州立大学に通っておった時に、モデルにスカウトされたのが、女優業へのきっかけらしい。しかし、カルフォルニア大に通っておったとは知的でもある美女なんじゃのう。やはり映画は何といってもヒロインじゃのう。美貌のヒロインで決まる。

ハチくん: この場合映画評なら、先ず、主演のテンゼル・ワシントンの紹介でしょ?助演ヒロインをそんなに詳しく紹介しなくてもいいんじゃないの?普通は、映画のお話の内容紹介とかの方が、重要だと、思うんだけど。

じじごろう: そこが、このじじごろう様の映画評のひと味違うところじゃ。ワシの映画紹介は、その辺の凡百の映画評とは訳が違う。

ハチくん: そんな威張る事柄じゃないと思うんだけど‥。

じじごろう: 罠に陥り、殺人の容疑を着せられようとしている、テンゼル・ワシントン扮する、町の警察署長。断然不利な状況から、自分の潔白を証明すべく奔走する。崖っぷち危機的状況の中で、罠を暴き真犯人を捕らえるべく走る主人公の姿をスリリングに描く、ハラハラムービー。と、いうようなもんじゃ。内容はの。警察署の中で、何度も容疑者に決定されようとする危ない状況を、知恵を絞りその場しのぎの取り繕いを、冷や汗もので一生懸命やっておる主人公T・ワシントンの姿が、ハラハラしながらも笑える。面白いぞ。

ハチくん: ガンアクション?

じじごろう: 拳銃撃つシーンは、何度かあるが、アクション映画というよりは、サスペンス映画の類になるな。とにかく、自分の身の潔白証明に奔走する主人公の、ハラハラドキドキ感を楽しむ映画じゃな。それと、何といっても、別れそうな状況の女房で同僚刑事という役の、エヴァ・メンデス。これが一番良い。Out Of Time=タイムリミット、皆さんも楽しんでくだされ。

ハチくん: もう、きれいなねえーちゃんの話ばっかしだね。

Photo_6 「シークレット ウインドウ」・「アイデンティティー」

ジャック: あー、腹減った。

ハチくん: 解離性同一性障害、だね。

ジャック: へ?‥。いや、腹、減った。

ハチくん: いわゆる二重人格とか、多重人格という、ヤツ。

ジャック: いや、俺はいつも腹が減ってるし、あんまし満腹で幸福感じてる時って、無いから、二重人格とは違うな。いつでも腹が減ってる状態の自分だけだ。滅多に満腹で幸福な自分は出て来ない、な。ん。

ハチくん: そんなに症例は多くはないんだよね。映画やTVドラマ、小説、漫画に至るまで、この解離性同一性障害を扱った創作物語は多いけど、病気の症例としては滅多にないもの、らしい。多重人格の病気で困っている人って、実際は滅多に居ないんだ。

ジャック: 俺はいつも腹が減ってるけど、これは病気じゃないと思うんだが。いや、実際に此の頃は、いつも満足いくほど食べてないし‥。

ハチくん: ちょっと、調べてみたんだけど、病気としての解離性同一性障害は、1980年代から米国を中心に研究が進み、報告例も急増している。近年の報告では多数の人格の症例が見られる。人格の交替は突然起こり、言葉つきや態度まで変わる。幼い人格、敵対する人格などさまざまで、主人格は他の人格の記憶を持たないことが多い。従って日常生活に記憶が欠落した時間を体験することになる‥。と、解説してある。そういう病気なんだよな。これの主原因はPTSDらしいんだ。

ジャック: ああ、そうかい。ところで、そのPTSDってのはうまいのかい?デミグラスソースとか、掛かってたりして。

ハチくん: PTSDとは、訳すと心的外傷後ストレス障害と呼ばれている。医学用語だね。代表的なのが幼い頃の虐待体験とかだ。

ジャック: 何、街娼?じじごろうが喜びそうな事だね。街娼なんて、あの爺ぃ、相当なスケベだから。

ハチくん: いや、食べ物の話でも、街に立っている女の人の話でもないんだ。実は映画の話をしてるんだよ。この間、DVDで見た映画の話。ひとつはジョニー・デップが主演したサイコサスペンスの映画で、これは原作があのスティーブン・キングなだけに、怖かったよ。洋画タイトルは「シークレットウインドウ」。もうひとつは、主演はジョン・キューザックや、若い街娼女役のアマンダ・ピートになるのかな。こっちは、最初の設定は、幽霊屋敷ものホラーのような、逃げ場の無い閉ざされた地域で連続殺人が起こる、サスペンス映画なのだが、これが最後になって、話がひっくり返る。勿論、幽霊ものホラーじゃなくて、サイコサスペンスなんだけど、この物語のキーワードは、洋画タイトルの、「アイデンティティー」そのものだね。

ジャック: 何かよう解らんが、腹の太る話じゃないな。DVDってのはケチャップ掛けたって、食えねえもんな。

ハチくん: あんまり話しちゃうと、映画のネタバレになっちゃうからなあ、映画の話は難しいんだけど、これがまあ、冒頭に僕が話した、解離性同一性障害=多重人格が、二作品とも、重要な鍵になるドラマ=映画作品なんだよ。「シークレットウインドウ」も「アイデンティティー」も、こういったミステリサスペンス映画は必ず、最後近くのクライマックスで、どんでん返しやあっと驚く展開が設けてある。驚きの、実はこうなんだ、という解説だとかがね。どちらもホラー味のミステリサスペンスとしては面白い映画だけど、怖さでいうと、「シークレットウインドウ」の方が怖かった。 

ジャック: 今、小学館の漫画誌、ビッグコミックで山上たつひこ氏の「中春こまわり君」というのが短期集中連載でやってるけど、それの元漫画で、70年代後半大人気だったギャグ漫画「がきデカ」、それに出て来る、雑種の大型秋田犬、名前が栃の嵐。その栃の嵐と俺はよく似てるんだ。同じ雑種の大型秋田犬だし。ただ、色が俺は白いけど、栃の嵐は色つきだな。青っぽい灰色みたいな毛並みの秋田犬種だな。大型の日本犬だ。俺と同じ。でもあいつは金持ち犬でさ、うらやましいよ。話の途中から、グラサン掛けて、背広着ちゃってよ。

ハチくん: しかしこういったいわゆるサイコものって、言い換えれば狂人を扱った話だから、多重人格=解離性同一性障害とはっきりあらわしちゃうと、病人を狂人扱いする差別に繋がるという問題が発生してしまうから、そこのところを明確に解説は出来ないはね。つまり、多重人格の一つが殺人狂という事にして、ドラマを面白く作っている訳だから。サイコホラーには、こういうのは多いよね、「ジギル博士とハイド氏」の昔から。

ジャック: 何だか解んねえけど、俺は秋田犬種の大型日本犬だから、余計に腹も減るんだよ。

ハチくん: 創作物語の映画という、エンタティンメントとしては面白いけれども、症例は少ないとはいえ、世界中で考えればたくさんの、病気で苦しむ人達も居るのだから、あまりはっきりとは明確にしない方が良いよね、やっぱり。

ジャック: 映画の話は済んだのかい?じゃあ、何か食い物探しに行こうぜ、ハチ。

ハチくん: ああ。ミステリ映画につきものの美貌のヒロインがあんまし、これってのが両作品には居ないんだけど、まあ、「アイデンティティー」のアマンダ・ピートくらいかな。じじごろうさんが嬉しがる美女系登場人物は。ベッドシーンはどっちもそんなにないしなあ。

ジャック: ハチよう、じじごろう誘って、食い物探しに行こうぜ。早く。

ハチくん: ホラー系のサスペンス映画の好きな人は、この二作品、どうぞ。

Photo Photo_2 宇宙快速船

宇宙快速船

じじごろう: 60年代の初め、まだまだ日本のTV放送黎明期といってもいいような時代に、一つのSFヒーロードラマ番組があった。その前から「月光仮面」なぞの仮面ヒーローもの番組はあったんじゃが、これは宇宙が出て来る、初めてのSFものじゃった。

ハチくん: 昔の、オコチャマ向けTVドラマだね。

じじごろう: そう。それは「月光仮面」や「七色仮面」と同じく、TVの子供向け番組じゃが、ヒーローの相手の敵役が、宇宙人や海底人、地底人という、当時としては画期的なSFドラマじゃった。家電のナショナルがスポンサーとしてタイアップ、提供松下電器産業の「ナショナルキッド」じゃ。何と、仮面ヒーローの名前に、スポンサーの会社の名前が付いとった。正義の味方「ナショナルキッド」は、アンドロメダからの使者、不死身の超人じゃ。

ハチくん: ふう~ん、そうか。昔の、子供達の憧れのヒーローだ。ウルトラマンの兄弟達みたいな、宇宙人ヒーローのルーツみたいなもんだね。解る。

じじごろう: TV放送のな、番組始まりのナレーションのうたい文句がな、いいか、『四次元の世界を克服し、不可能を可能ならしめ、あらゆる化学兵器より強く、正義と平和のために戦

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●漫画・・ 「DEATH NOTE -デスノート-」 ...⑫(完結)巻  

08874131 408874041601_1  最近はねえー、何か記事書く気が起きなくて、いや、書きたい漫画タイトルはいっぱい思いつくし、漫画も「寄生獣」は全巻読み返したし、「リモート」はコンビニ版で続編3冊続けて読んだし、押入れから「ゲゲゲの鬼太郎」の文庫が出て来て読み直したし、一緒に出て来た白土三平の作品集も再読した。80年代大活躍した劇画原作者、狩撫麻礼のコトを書こうかとかも思った。でもパソコン開くと、ついネットの、ニュース記事とか他のブログ記事とか読んで行ってて、自分のブログ記事書き込む気になれないんだよねえー。どうしてか?解りません。ただ、やる気が起きなくて。最近はTVばっかし見てるしなあー。TVのニュースショー番組とバラエティー番組ばかり見て過ごしている。このところDVD映画も全然見てねえなあー。

 という訳で漫画です。もうだいぶ前に読んだ漫画。「デスノート -death note-」の最終巻。12巻完結。「デスノート」を1巻から続けて読んで行って、11巻まで読み上げたのが、確か6月下旬ですね。で、続巻の12巻を待ち、完結巻である第12巻を読み上げたのが7月の、5日か6日頃です。本屋さんの店頭発売が7月4日頃で、すぐ買って自分の自動車の中で読んだ。いやあ~、「デスノート」全12巻、本当に面白い漫画でした。いきづまる頭脳戦のサスペンス、次がどうなるか、はらはらたまらぬ、ぞくぞく感の面白さがありました。この長編漫画の面白さの醍醐味はやはり、優秀な頭脳どうしの策や考えの読み合いと心理戦ですよね。一つ間違えば死、という絶対の断崖絶壁感を伴いながら、慎重に慎重に推し進めて行くゲーム、という、緻密ではらはらぞくぞくする味わいですね。これがミステリサスペンス好きにはたまらなく嬉しい。まあ、ミステリやサスペンスのファンだけでなく、普通一般の漫画読みにも魅了させたのでしょうけど。映画の方はどうなのかなあ。興行は成功してるんだろうか。もう公開からかれこれ一ヶ月を過ぎましたよね。観客動員数の成績は良いんだろうか?数字は伸びてるのかな?知らないけど、前後編二部構成の前編だからなあ。後編公開時に前編DVD発売して、相乗的に収益を伸ばそうって事、なんだろうけど。

 死神が登場するという、ファンタジー性の極上ミステリサスペンス漫画、「デスノート」全12巻ですが、これって、空想して、死神でなくてもし貧乏神だったら‥、ってパロディぎみに作品世界を考えて行くと、すごく面白いです。退屈な貧乏神が下界に落としたプアノート。このノートに書き込まれた人間はたちどころに貧乏になる‥。こうやって、死神でなく貧乏神でやると、殺伐としていなく、怖くなく、ただ笑えます。プアノートを拾った人間が、TV番組でセレブだとかいって威張って金持ち自慢している、鼻持ちならない成金野郎の名前を、試しにノートに書き込んだら、あら不思議、とたんにその奴は破産して貧乏になる。こうなると、人情的に、ノートの所持者は、先ずは堀江とか村上とか福井だとかいう名前を即座に書き込んでしまうでしょう。そうするとつじつまの合う理由で不運が重なり、堀江も村上も福井も、TVで世間を騒がす金持ち達は赤貧の境遇に落ちてしまう。楽しいでしょうねえ。私服を肥やすだけのあくどい金儲け野郎は、TVのワイドショーなんかで自分の持つ豪邸や高級外車や宝石を自慢する自称セレブおばはん達は、このノートに、みんな名前を書き込まれてしまう。あっという間にホームレスでボロを着て呆然と佇む境遇になる。貧乏神が落とした、人間を貧乏の極めにまで落とし込むプアノート。名前を書き込めば、その者は近々必ず赤貧の境遇に落ちる。貧乏神の棲む貧乏界が支配するプアノート。良いなあ。これだと露骨に死と繋がる訳ではないので、陰惨でなくていいよね。物語世界感に恐怖さがなくて、笑える。だから、主人公の悪党も、殺戮者のキラではなくて、人を貧乏にする、プア。プアは大量貧乏人産みだし者。

 漫画「デスノート」では、キラの信奉者や、キラに粛清されることを恐れる者たちで、キラ社会なるものが出来てしまったが、プア社会というものが出来るだろうか?プアに貧乏にされることを恐れる者があふれても、プアは金持ちは面白くないからどんどん貧乏にして行くだろうし、貧しい庶民の側は、嬉しいばかりだろう。プアが鼻持ちならない金持ち達を貧乏にして行く事は、庶民側は痛快に思い、プアを称賛するだろう。でも、富っていうものは、片方が無くなれば、何処かへと移るものだろし、ひとところに集まっていた富が、プア様の粛清で、分配されて行き、富の分配で、大多数の庶民が一律に同レベルの経済層になるとするならば、何だか共産主義みたくなってしまうなあ。もし、貧乏神の降臨とプア様の粛清で、「プアノート」という物語を描いて行くとするなら、けっこう経済学の勉強をしとかないと、物語の中で背景として、移り行く社会現象が描けないぞ。これはでも、かなりの経済通の作家が、プア様が気に入らない金持ち達を、ノートに書き込んで行く事で、どんどん超貧乏にして行き、それに拠ってこの社会がどう変動して行くかを、つぶさに描いて行けば、相当面白い物語になりそう。だけど、これはきちんとした物語を作るのは、かなり難しそうだなあ。

 ホント、誰か経済通の作家さん、「デスノート」本編のパロディで、死神を貧乏神に変えて、退屈な貧乏神が落としたプアノートを拾った、現社会に対して疑問を持つ、貧しく真面目な青年がプアノートを駆使して、世の中を変えて行く、「プアノート」という物語を緻密にリアルに描いてくれないかなあ。これはしかし、拾った青年、プア様となる主人公のキャラクターがかなり物語を左右しますね。まあ、本編「デスノート」もそうでしょうけど。主人公が、理想的共産主義者で、富の分配がきれいに平らになされ、民が全部一律同レベルの経済層となる、民の貧富の差が無い世界を作ろうとするならば、これは本当に出来そうですよねえ。だって金持ちになったとたんに否応無しに、貧乏にされてしまうんですから。ただし同じ事ですよね、共産主義の欠点は補えないんだから。プアノートの力だけでは、共産主義の欠点には波及出来ない。そして今までの数々の社会主義国家が独裁体制だったように、これもプア様の独裁となる。後はプア様の人間性とか人格の問題ですよね。やはり主人公のキャラにより物語は大きく変わる。共産主義は理想ですよね。ユートピア。昔々の経済学者たちも、まさか共産主義国家が恐怖政治の、強制管理下の地獄社会になろうとは思いもよらなかったのでしょう。人間様の出来そのものが、本当に、神様が愛すべき、自己犠牲的な慈愛に満ちたとても優しい、天使みたいな良いものだったならば(そこまででなくとも、人類全てが、決して争い事をしない優しい良い人達ばかりだったなら)、共産主義も社会主義もきっと成功したんだろうなあ。ただしそれだと、人類はとっくに他の生物に淘汰されて全滅してるだろうし、進歩も、進化もまるで望めなかったろうしね。

Dn_3_1  という訳で、SF経済ものストーリー「プアノート」の構想を長々書き連ねて来ましたが、構想なんてそんな、立派のものではなくて、まあ、思いつきの案というか空想というか、ワタシの妄想を書いてみたのですが、パロディとしては面白いものなんじゃないかとは思いますけど。自分で喜んでるだけで、けっこうつまんないものですかね。面白くないか。やはり、本編ですね。「デスノート」本編は、小畑健さんの絵も素晴らしいし、ホントに面白い漫画でした。最終12巻では、いよいよこの物語の凶悪の主人公キラ様が死にます。天才的知能凶悪犯キラ。でも自分では、自分の凶行を、現世界を良い世界に作り変えるために、善行を行っていると確信しているんですよね。だがキラには、絶対的に自分の善行を確信している訳でもない、ようなふしも見える。やはり悪人の心は持っていて、それにも自分で気付いているようでもある。自分の中の悪も解りながらも、悪びれず、開き直って人間の大量殺戮を行う。しょせん冷酷非常で、独りよがりな、冷徹な独裁者でしかない。何よりも楽しんでるしね。エルやニアと知能戦を続けながらも、周到に殺人を繰り返し続け、スリリングなゲーム感を楽しみ、その自分の殺人の成果に、満足した喜びを持っている。やっぱりキラはとんでもない馬鹿悪党ですよ。知能は優秀だが、感情など情緒面は白痴的な、欠陥人間です。完璧な情緒障害者ですな。

2005021302  さて、この「デスノート」最終12巻の中で、気になって、僕がどうしてもそこに捉われるのが、死を目前にしたキラが、死神リュークの前で思い出す、初め頃のエピソードで、その時の二人の会話した話の内容。「デスノート」の世界では、死神界の掟やデスノートの決まり事というルールが細かに設定されていて、それの解説が、コミックス全巻の一話毎の、一節区切りになされているのですが、これがかなり細分化された緻密なルールが敷かれている。この一節終わり毎の規則解説が、言わばデスノートの取り扱い説明書みたいなものです。で、この完結巻に載る、最後の解説が、「人間はいつか必ず死ぬ」と「死んでから行く所は無である」です。ここなんですよね。僕はこれに気持ちが捉われる。最後のキラに向かい、冷徹に死を宣告する、死神リューク。キラこと夜神明が死の直前に思い出す、リュークとの話。「人間って奴は皆、天国や地獄の存在を本気で信じきっていると思っていたが‥」「天国も地獄も無い。生前何をしようが、死んだ奴の行く所は同じ‥死は平等だ」という事で、死んだら無なんですね。つまり、このデスノート世界では、死神という死を司る神は居るが、死後の世界なんて何も無いんですよ。生命は死の時点で消滅し、無くなる。僕はここが面白いなあ、って思いました。つまり生命の発生は自然科学的で、生命は進化論的なものなんですよ。理屈どおりにごく自然に生命は発生して行き、その生命の終わりには死神という神様が関わる。そして生命は消える。あの世も来世も、輪廻転生も何も無い。ね、面白いでしょ。

 だからこの「デスノート」世界って、人間の編み出した全ての宗教を否定している世界なんですね。だって、宗教って、死後の世界を保障するものだもの。天国や極楽とか地獄とか、来世とか、次の生まれ変わりだとか、あの世とか、そんなものは何も無いんだと言ってるんですから。だからそういう意味では科学的ですけど、死神が存在するというのが非科学的です。だからこの世界では、人間には救いが無いですね。多分、この「デスノート」世界には、いわゆる神=ゴッドは存在しないんでしょうね。存在する神は、生物の死を支配している死神だけ。僕は、これが、この物語を創った作者の、世界観や思想が面白いな、と思いましたね。宗教は成立しない。宗教的な死生観で道徳は説けなくなり、唯物的な人道的な道徳律だけになる。何か話がややこしくなって、脱線して行ってますね。まあ、僕はつい、そういう事を考えてしまったというだけです。別にこの物語の世界観に同意して、神様も仏様も否定する訳ではありません。まあ、だいいち、死神なんて存在する世界ですからね。娯楽フィクションです。

 あと、もう一つ思ったのがね、このストーリーの以後の世界。キラが死んで、死神リュークが死神界に帰り、人間界にある二冊のデスノートを焼却して、お話がエンドした後の、ストーリー。これが気になってしまった。人間達は果たしてどう行動するのか?だって、夜神明がデスノート拾ってキラになったのが高三。夜神明が警察に就職した時には大学院生。そして間もなくキラとして滅ぶ。つまりね、この間、5、6年間くらいの間に、人間界にデスノートが三冊も現れ、死神も3匹現れているんです。アメリカ政府も国連も黙ってないでしょう。死神とデスノートのシステムを知れば、人間達は必ず死神とコンタクトを取ろうとする。だってデスノートを手に入れれば世界を支配出来るんですから。これは世界中で大騒動になりますよ。アメリカ大統領は必ず、死神大王にメッセージを送ろうとするでしょう。人間の、世界の指導者達は、人間がデスノートを持つ事を永遠に封じるように、やはり死神界とコンタクト取るようにするでしょうね。世界の学者達は、死の謎と死の法則を解き明かし、死をコントロール出来るようにする為に、やはり死神界とコンタクトを取ろうとするでしょう。ああ、こんな事ばかり考えてると、アタマがおかしくなるなあ。もう止めようっと。はじめの、貧乏神とプアノートのことといい、このデスノート連想といい、全てがワタシの妄想でした。今回は結局、超長々と、妄想を書き連ねて綴っただけの話でした。馬鹿馬鹿しいコトです。おしまい。

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●漫画・・ 「黄色い手袋X」

477591031001  だらしなく昼寝をしていて、ふと目が覚め、ぼんやりと何事か思っていて、思いが、もう二、三ヶ月もTVのニュース番組やワイドショーで騒がれ続けている、秋田県藤里町の児童殺害事件の事に行き当たり、この二、三日で容疑者が供述し出した新事実に、自分の気持ちが囚われると、僕のような人間でも、やりきれないような気持ちで胸が痛くなりました。無論、自分一人では到底、生きて行くことの出来ない、非力な児童が、頼らざるを得ない、自分が最も信頼を寄せる母親に、手を掛けられて正に死ぬ程苦しい目に合わされている時、幼い少女がいったいどんな気持ちだっただろうか?と考えると、僕は何だか涙があふれて来ました。殺人犯の被告は、実の幼い娘を橋の欄干越しに投げ落としたと供述していますが、僕には、その時もう既に被害者はこと切れていた様にしか思えません。TVのニュース番組でも、そのような意味合いの解説をするコメンテーターの意見も多い。事の最初から嘘ばかりで、嘘に嘘を重ね続けた言動の殺人犯の被告は、逮捕前後からは、その場しのぎの嘘で、真実から逃げよう逃げようとしているように見える。今の被告の頭にある事は、どうしてでも極刑からは逃げようという事だけではないのか。二人もの幼児を殺めながら、しかも一人は実子でありながら、未だに如何に刑を軽い方に持って行くかばかりなのではないのか、という気がします。

 18日の午後からの秋田署の会見では、既に米山豪憲君殺害で逮捕されている畠山鈴香被告は、大きな泣き声を上げながら、実子彩香ちゃん殺害について自供し、警察は連続児童殺害犯として再逮捕するそうです。今のところ、川に魚を見せる為に橋まで連れて行き、帰るのを嫌がりダダをこね始めたので、橋から突き落としたと、殺人の衝動性をアッピールする供述をしているようです。でもどーも、いろいろな見地から、計画性殺人の可能性も強そうではあります。マスコミもそういうニュアンスを含ませたコメントを多く入れて報道しているし、警察も今現在の被告の供述を全面的に信じて結論付けている訳ではないようです。同じ殺人でも、衝動性か計画性かで罪の重さは変わって来る。まだまだこの捜査は続いて行くようです。それにしても恐ろしいものですね。隣の殺人鬼。9歳、、彩香ちゃんは、近隣の証言から、母親から児童虐待やネグレクトを受けていたようです。そんな正に鬼のような母親を信頼して庇っていた、優しい女の子綾香ちゃんが不憫でなりません。

 ちょっと昔の話になりますけど、深夜のタクシーに乗ったときに、運転手さんが話していたこと、深夜時間帯によく水商売の女性を帰宅に乗せるが、幼い子供を託児所に預けてそれを引き取り、家路に着く仕事帰りのホステスさんも多い。運転手さんは感心して言ってました。ホステスしながら一生懸命、子供を育てている。女の人のたくましさはすごい、と。女の人のその強さには男は適わない、と。その時僕も、そうですねえ、と同意しました。それを思い出しました。エロオヤジの身包み剥いでケツの毛までも毟り取っても、子供を豊かに育てようとする、女の人のパワーはすごい。僕は本当に女の人の子供を守る力は、並大抵のパワーではない、と思い続けていました。その思いが根底から覆される事件ですね。自分の身内が死んだ時、事故ではなく事件であれば、上限が1千万以上もある何がしかの給付金の制度もあるそうですね。被告はそれを知っていて、まとまった金欲しさの犯行ではないのか?という説も出ているようです。信じられませんね。鬼子母神でも、他所の子供をさらっては喰らい、していたけど、我が子を誘拐されると狂ったように動転し、自分の子供を返してくれるなら以後、他所の子はさらわないと誓ったという。この被告の行状は、鬼子母神よりもどのくらい劣るか解りません。しかも、一度事故死に決まった綾香ちゃんの死を、警察の目を殺人に向けさせる為に、豪憲君を殺害した可能性の疑いまである。殺人鬼といっても、鬼でも、よしてくれ、俺達でもそんなひどい事はしないと、辛亥に思われそうです。

 動物でも、鳥でも魚でも、自然界では親は子を本当に一生懸命育てます。親は子を守る為には自己犠牲的に動きますよね。身を捨ててでも、子を育ててる。美しいなあ、って思います。9歳、彩香ちゃんはまだ幼児ですよ。お母さんを信じて一生懸命です。被告も、こんな優しい娘だったら、将来、自分の力になったでしょうに。精神面、物量面で支えや力になってたかも知れません。9歳の彩香ちゃんも、7歳の豪憲君もどんな素晴らしい将来が用意されていたことか。どんなふうに人生を感動して生きて行ったか。幼児が死ぬという事は悔やまれることが大きいものです。しかし、このところの悲惨な事件を考えると、子供は10代後半や20代前半で親兄弟をバットや金槌で叩き殺し、寝ている間に家ごと火を付け焼き殺し、今回のようにまさかの事件で、幼少時の子供は母親に殺される。やりきれませんね。育児ノイローゼなどや、病的な理由の幼児虐待もあるようですけど、この畠山被告に限っては病的な兆候は全然、見受けられなく思える。しかし、病的な理由の幼児虐待に関しても、とにかく児童虐待というものは全て、自治体や周囲、世間が、何とか対策を万全に考えなければいけない大きな問題ですよね。

9784775910115  さて、漫画ですけど、上記文中で、比喩的に、鬼子母神の話を出しましたが、僕が多分、生まれて初めてこの鬼子母神の話を知ったのは、子供時代の少年雑誌「ぼくら」1966年5月号の、巻頭カラー掲載、「黄色い手袋X」での短編第1作「こころの宝の巻」の中で、でしょう。「黄色い手袋X」は本編は、週刊少年マガジンに1966年連載された、覆面ヒーロー漫画です。漫画作画が桑田次郎、原作は日本仮面ヒーローの元祖、「月光仮面」や「七色仮面」の生みの親である、川内康範さんです。川内康範先生は古くから正統派ヒーローもの物語を多く創作されて来た作家であり、多くの歌謡曲の作詞も手掛けられている有名な作詞家でもあります。もうかなりな御歳になられるでしょうがいまだ健在のことと思います。仮面ヒーローものの新しいものというと、「レインボーマン」などがありますね。新しいといっても、今から考えれば随分昔の超人ヒーロー物語ですけど。日本TV黎明期の子供向け国産ヒーロー物語を創作し続けた、昭和30年代後半から40年代に活躍された一時代の雄ですよね。

 66年の雑誌「ぼくら」に連載された「黄色い手袋X」は、5月号の「こころの宝の巻」を皮切りに、例月号1作短編読みきり(第四話『電気人間の巻』は中篇で、このお話は4回続きました)で、全5話が連載されました。少年マガジン連載版の本編「黄色い手袋X」長編作は、今までに何度もコミックス単行本化されて来ていますが、この短編作品はこの度初めて、漫画ショップより「外伝」としてまとめられて初単行本化されました。ここに「こころの宝の巻」以下全短編作が収録されています。ヒーロー「黄色い手袋X」は、宇宙人やサイボーグやロボットではなく、あくまで人間の覆面ヒーローで、月光仮面の正統派ヒーロー性を踏襲した、悪人でも殺さない、正義の味方です。武器は、伸縮自在で金属警棒にもムチにもなる、電撃能力のあるステッキ1本です。当時子供だった僕は、「ぼくら」でも「少年マガジン」でも正義の覆面ヒーロー黄色い手袋Xの活躍にワクワクしたものです。

9784775910313  この短編「こころの宝の巻」のお話の中でも、出て来る悪党は、男でしたが、我が子を溺愛しています。読んでから実に40年くらい経っている訳ですし、面目無や、この度出た単行本を未だ読んでいないので再読を果たしておらず、詳細をよく憶えておりません。ただ鬼子母神のエピソードが物語中に効果的に使われていたのは憶えています。さすがは学校の勉強なぞ全くしなく、少年時代を漫画ばかりで過ごしていただけの事はあります。我ながらこんな事は40年くらい経とうが、よく憶えている。男だろが悪党でも、我が子は溺愛する。それを全く、この度の事件ときたら‥、いやはや何とも、生物界では許し難い事‥。しかし、昔々の我が国の貧しい農村では、年頃になった娘が色町に売られて行くなぞがあり、東南アジアの一部地域の貧しい農民達にも同じ事があっているようで、人間の営みにはいつも人身売買の悲しい歴史が横たわっていたし、自力で生きる力を持たぬ弱い人たちが、悲惨な目に合う事は、出来るなら避けて欲しいと望むばかりですね。
(※『こころの宝の巻』の中の、鬼子母神のエピソードは、仏陀が鬼子母神の末子を隠して鬼子母神を戒める、という解説になっています。)

 

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●漫画・・ 「リモート -remote-」

06361094 406361223609 06361077  7月5日、北朝鮮から発射されて日本海に落ちた、計7発のミサイルの事件は、その後も毎日、トップニュースで一日中報道されています。その後、当事者国となる日本とアメリカは、この問題を国連に提出して、日本政府が中心となって、国連安全保障理事会にて対北朝鮮制裁決議安を採択決定に持って行くように、常任理事国5国非常任理事国10国へ働きかけて、進めています。今のところ、中国、ロシア以外の国は全部、賛成なのですが、常任理事国が一つでも拒否を示すと、この案件は採択されず、否決となります。日米はロシア、中国に拒否権を行使しないように働きかけているようですが、北朝鮮の友好国である両国はなかなか日米の意向に、首を縦に振らないようです。日米の働きかけに、ロシアは棄権する可能性も出て来ているようですが、六カ国会議の主催国的立場にある中国は依然、拒否権発動の姿勢に傾いているようではあります。国連に案件提出後、アメリカのヒル国務次官補が大急ぎで、ロシア、中国、韓国、日本を歴訪、事態の進展収拾に急いでいますし、10日辺りで、もう中国の武大偉外務次官が北朝鮮へと行っていると思われます。いったいどう進んで行くのか、この危機的状況のニュースは、5日からこっち、目が離せません。

 何でも中国は日本に対して、答えを何日か待ってくれるよう、言っているとか。北朝鮮サイドと話をした中国が、今後どういう態度で出るのか?また、5日の7発発射後、新たなテポドン2号の発射準備に掛かっていた北朝鮮は、果たして二発目の長距離弾道弾用ミサイルを発射してしまうか?話し合いに飛んで来た友好国中国に対する義理からも、それは絶対にしないか。アメリカはこの後、米朝二国限定の話し合いの席に応じるのか?我が国が危機的状況の当事者国であるだけに、この先の進展がすごく気になります。発射後の声明からしても、ミサイルによる恫喝脅迫の意味が濃いようですから。ロシア沿海州に落ちたミサイルはほぼ同じ地点に着弾(弾頭は取り付けてませんが)している。短距離用中距離用の命中精度はかなり良い訳です。弾頭が付いてなくても、少量の火薬でも、原発など狙われたら日本はたまりません。瀬戸際外交の北朝鮮の行動に、仮想敵である隣国日本は最大の危機的状況です。日本海側の都市や町の国民は、毎日、気が気でない状態でしょう。早く解決して欲しい。毎日、ニュースから目が離せない。あまり大騒ぎし過ぎても、思う壺にはまる、という意見も出ているようですが‥。

Img10242465104  さて、Kenの漫画読み日記、読んだ漫画のことを書き込もうと思った訳ですが、5日の朝からこっち、毎日この事件の報道が気になって気になって、暇さえあればニュースを見て聞いて進展を気にしている状況なので、日記文として、北朝鮮問題を文頭、書き込みましたが、読んだ漫画感想文がメインなブログなので、漫画の話に行きます。別に、アジアの国のことや戦争関連の漫画ではなく、ごく最近読んだ漫画、ミステリ漫画で面白かった少年推理探偵漫画「リモート」です。俗にコンビニ本と呼ばれる雑誌タイプの、講談社プラチナコミックスの、ミステリ漫画として面白かった一冊、「リモート -remote-」。今出てる、コンビニ本漫画「リモート」の数冊の中の一冊、「山小屋の殺人鬼」編です。この、読んだ1冊には、3本の中篇作品が収録されています。どれも推理探偵漫画作品で、ミステリとしてとても面白かったです。原作はあの、「金田一少年の事件簿」の作者、天樹征丸さん。「金田一少年の事件簿」シリーズで、推理探偵もの娯楽作品としては実績のある、作家の作品だからミステリ漫画として文句なく面白いんです。楽しめます。

 推理探偵漫画「リモート」は、ミステリとしてはアームチェアデテクティブものですね。安楽椅子探偵もの推理探偵漫画作品。ミステリでのこのジャンルの始祖は、相当昔々に遡る、バロネス・オルツィの「隅の老人」シリーズあたり(1930年発表作品)になるのでしょう。それ以来、このミステリジャンル作品は数多く書かれて来ていますし、世界ミステリ史に残る傑作も多い(アシモフ博士の推理小説作品『黒後家蜘蛛の会』シリーズもこれになりますね)。近頃の作品では、小説家東野圭吾の直木賞受賞作、「容疑者Xの献身」の探偵役である物理学者湯川先生。僕は未だ長編「容疑者Xの献身」を読んでいないのですが、同じ湯川博士が活躍する「ガリレオ探偵」シリーズの第一集は読んでいます。第二作品集「予知夢」も買って来たものの積ん読状態です。いけない。ガリレオ探偵湯川先生は大好きキャラですけど。記憶に残る、アームチェアデテクティブものでは、阿刀田高の傑作短編連作探偵小説。タイトルや主役探偵の名前をもう忘れてしまっていますが、難事件を抱えた老刑事が、寺の住職と囲碁をさしに来る。頭脳明晰な住職は、碁の相手をしながらとつとつと話す刑事の難事件を、世間話に聞きながらも推理して行き、難点を解き明かし、事件解決に導く。この作品集は一冊だけだったけど、すごく面白かったです。もうだいぶ昔に読んだものだけど。
(※大学の物理学教授、湯川学先生も、けっこう現場に赴いているので、純粋な安楽椅子探偵とは言い難いようではあります。失礼しました。)

06361195  「リモート」の探偵役、氷室警視は、自分で動く金田一少年とは違って、自室にこもったまま一歩も外に出ない。活動役は可愛い美少女、彩木刑事。ギャル刑事彩木くるみは、携帯電話をイヤホンで聞きながら、推理の天才、氷室警視の指示を聞いて動く。事件を考えて推理し、一つ一つの行動を支持するのは、密室でじっとしたままの氷室で、その指示を携帯で聞いて行動し、実際に事件解決へと持って行くのはギャル刑事くるみ。つまり、氷室は、アームチェアデテクティブ、安楽椅子探偵なのですね。漫画タイトル「リモート」の意味はここから来ているのでしょう。ちょっとくるみちゃんには可哀相な言い方だけど、氷室のリモートコントロールで動くかの如き彩木くるみ刑事の、事件解決への一つ一つの行動。探偵役の氷室という警視は、何か過去の事件のトラウマから自室から一歩も出ることが出来ない、という病的なキャラみたいですね。まだ一冊しか読んでいないので、面白いからまだまだ続けて読もうっと。

223b4c13  漫画「リモート」は講談社の週間ヤングマガジンに連載された、ヤング向け推理探偵漫画で、原作・天樹征丸、作画・こしばてつやの作品です。同じ講談社の少年マガジンに連載されていた、同じ天樹征丸原作で大人気の少年向け推理探偵漫画「金田一少年の事件簿」シリーズとよく似た作品構成となっている、いわば兄弟作品のような漫画ですね。この「リモート」もTV実写ドラマ化されていて、2002年10月から全10回で、日本テレビ系列で放送されています。主演が、氷室警視役に、キンキキッズの堂本光一、彩木くるみ役に深田恭子です。漫画の方は講談社コミックスで「リモート」全10巻で刊行されました。僕は、こういう天才的頭脳を誇る名探偵が、昔から大好きなので、影的存在の表に出て来ないで頭脳だけで活躍する、体力的にはからきし弱くて駄目だが推理の天才、というアームチェアデテクティブのキャラには、いつでもこたえられない魅力を感じます。読んでみたいなと思っています、直木賞受賞作、「容疑者Xの献身」にも、物理学者湯川のアームチェアデテクティブぶりの魅力が、遺憾無く発揮されているのだろうか?と気になってます。最近、本読まねえしなあ‥。いかん。

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