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●漫画・・ 「地球ナンバーV7-ブイセブン-」

  

 人類の未来世界、地球人の宇宙開発は進み、人間は火星を開拓して移住を進めた。移住した人間たちはどんどん火星開拓を進め、火星には豊富な資源があり余っていた。一方、地球の方は資源という資源を取り尽し、地球自体は老衰した星となってしまい、火星の資源に頼る有り様だった。そして、火星に移住した人間の中には、じかに降り注ぐ宇宙線のせいか何のせいなのか、火星人間の中に超能力者が誕生していた。地球の通常の人間には到底考えられない、不思議な能力を持った人間が、火星住民の中に増えていた。

 発展した火星社会では、人の能力も資源でも、地球よりはるかに優っている火星が、地球の支配下にあるのはおかしいじゃないか、という考え方が生まれ、火星が人類の主導権を握るべきだ、という思想となり、火星社会の中に拡がって行った。その結果、不満を持つ火星から多くの超能力者が地球に送り込まれ、地球の工場や施設の爆破などのテロを起こして、地球人に火星人間の力を見せ付けて行った。

 地球人の中枢である地球評議会は、地球の機能を麻痺させようと、次々と破壊行動を取る、火星から送り込まれて来た超能力者たちに手を焼き、対抗手段を講じた。 地球vs火星の全面戦争を避けたい地球代表政府は、火星の超能力者に対して、僅かながら地球にも存在する超能力者をぶつけることにした。

 地球ナンバーV7と呼ばれる少年(青年?)、ディック・牧は、地球評議会に呼ばれ、地球代表政府の秘密警察の長官から、作戦の詳細を聞く。地球評議会の任命を拒否する、地球ナンバーV7ことディック・牧。しかし、ディック少年の意志とは関係なく、地球に潜在する火星の超能力者たちは、地球秘密警察の建物から出て来た時点で、その人間を自分たちの敵とみなし、火星超能力者は相手にうむを言わさず、始末しに掛かる。

  

 地球政府の秘密警察がどうして、ディック・牧を火星テロリスト退治の執行役に選んだのか?というと、この時点から11年前の航空機の墜落事故で、乗組員・乗客全員が死亡したのに、幼いディックとその姉の姉弟の二人だけが助かっていた。そこで、奇跡的に助かった二人の子供を、地球政府は超能力者に違いないと目を着け、姉弟の存在を管理していた。政府は今回、少年~青年へと成長したディック・牧に、火星テロリスト退治の白羽の矢を立てたのだ。

 ディック少年(青年?)の意志とは関係なく、ディックを襲撃して来る火星から来た超能力者たち。V7=ディックを狙う火星の超能力者たちは、みんな個々に特殊能力を持っている。例えば発火能力を持って火炎を起こせる者や、睨んだ相手を思い通りにできる催眠術のような能力、強力な電気を起こせる能力、などなどと、とても凄い超能力を持ってるのだが、あくまで一人の超能力者が一つの特殊能力を有している。しかし、スーパー超能力者であるV7は、幾つもの超能力を使うことができる。V7を襲撃する火星の刺客は、次々とV7に返り討ちに合う。

 V7=ディック・牧は超能力テロリストの本拠地、火星へ行くことにする。地球でテロリストの面々を次々片付けていてもラチが明かないから、火星の本拠地へ赴いて、対地球テロ活動のリーダーに、地球での破壊活動をやめるように説得に行くのだ。V7は火星行きのロケットに搭乗して火星上空まで向かい、火星の地表から高度1万フィートの上空から、勝手にロケットの乗降口ドアを開けて、ロケットから飛び降りる。

 火星勢力の陰謀団リーダーたちは、火星の超能力犯罪者たちを監禁して服役させる、火星で一番厳重な牢獄、カナーリ刑務所に捕らえられている、極め付けの超能力犯罪者五人を超法規的に刑務所から出して、V7抹殺の任務に当たらせる。この超能力凶悪犯五人は飛び切り危険な超能力者たちだ。火星到着のV7はこのことを知らない。危うし、V7=ディック・牧。

 火星にはディックの無二の親友、ブレラントが居た。V7はブレラントの元にやっかいになるつもりだった。だが、ブレラントの家に、カナーリ刑務所から解放された最凶超能力者の一人が襲撃を仕掛けて来て、ブレラントの家は破壊される。実はブレラントもV7に負けじ劣らじとういうような、凄腕の超能力者だった。火星テロ組織側が送り込んで来た超能力者刺客と、ディックとブレラントはコンビネーション戦法を使って、超能力対戦を繰り広げる。死闘の末、最初の超能力者はブレラントが倒したが、V7を狙って次々と、カナーリ刑務所から開放された凶悪エスパーが襲撃して来る。

 各人一つだけの、個性的で超強力な超能力を使う、カナーリ刑務所収容凶悪エスパーたちと、壮絶な超能力戦を戦い続ける、V7ことディック・牧と盟友ブレラント。この物語上で語られる超能力者は、通常、みんな、一人のエスパーにつき一つの特殊能力なのに、ディックとブレラントの二人だけは、一人で幾つもの超能力が使えるスーパー超能力者だ。

 敵の超能力者のことは何も知らないディックとブレラントは、カナーリの牢獄を調べに行くことにする。脱獄も襲撃も困難極まりない鉄壁要塞、カナーリ刑務所には、対侵入・脱獄用の様々な攻撃システムが装備されていて、施設に侵入することは相当難しく、ディックとブレラントは命懸けで刑務所施設の中へと向かう。

 火星の地表の上で、特殊刑務所囚役の最凶超能力者たちと、ブレラントと共に凄まじい超能力バトルを続けて行く、V7ことディック。死闘を続けた末に最強超能力者たちを倒し、対地球テロを仕掛け続ける火星組織の首魁の元へと、V7たちは火星の都市部へ向かい、権力者の屋敷へ乗り込む。

 結局、最後は、地球側も火星側も普通の人間たちは、超能力者が化け物に見えて、全ての超能力者に対して恐れと脅威を抱き、超能力者との共存は怖くてたまらないから、全超能力者の拘束厳重監禁や、あるいは全超能力者の殲滅を考える。このまま地球や火星にとどまっていても、普通の人間に最悪殺されると踏んだ、V7やその姉、ブレラントや、全ての超能力者たちは、地球や火星から離れることにする。全超能力者たちは、数機のロケットに分乗して乗り込み、ロケットで地球を飛び立って、自分たちが安心して生活できる惑星を求めて、大宇宙の旅に出る…。 ・・・

 これが横山光輝先生の未来超能力バトルSF漫画、「地球ナンバーV7」の大まかなお話の流れの、ストーリーです。

 週刊少年サンデーは僕は、小学二年の新学期頃から断続的に読み始め、小六から中三の一学期か二学期くらいまでは毎号続けて読んで、高二の頃、再び続けて読んでから、その後はサンデーは読まなくなって、80年代、サンデーで「うる星やつら」が大人気連載時に、当時行き付けの行田駅近くの蕎麦屋で毎号読んでたかな。あとはサンデーは雑誌では読んでないな。「らんま1/2」や「ジーザス」とか「拳児」は全巻、新書判・少年サンデーコミックスで読んでたし。少年サンデーをちゃんと読んでたのは高二までだな。

 そんな、僕の少年サンデー読書ライフ(人生)の中で、サンデーが僕が最も面白かったのは、「地球ナンバーV7」が連載されてた頃の、週刊少年サンデーですね。あの時代のサンデーの漫画ラインナップはみんな面白くて、毎号楽しみだった。 

 「くたばれ涙くん」「歌えムスタング」「紅三四郎」「サスケ」「もーれつア太郎」「ドカチン」「河童の三平」「あかつき戦闘隊」「てなもんや一本槍」「マイティジャック」「21エモン」「ウメ星デンカ」「地球ナンバーV7」…。「地球ナンバーV7」連載期間前後のサンデーも凄く面白かったけどね。1966年~70年の週刊少年サンデーの漫画ラインナップは良かったなあ。実に良かった。この時代のマガジン・サンデーは最高でしたね。

 「地球ナンバーV7-ブイセブン-」は小学館発行の週刊少年サンデー、1968年38号から69年13号まで連載された、横山光輝先生の傑作SF超能力バトル漫画です。コミックス版は朝日ソノラマから1974年に、大都社からは84年にどちらも全2巻で発刊されました。講談社漫画文庫版の発刊は一冊本で、2002年ですね。

 横山光輝先生は、週刊少年サンデー誌上では1961年新連載の「伊賀の影丸」から続けて、断続的に長編漫画を連載し続けてます。「伊賀の影丸」に始まり、66年から「仮面の忍者・赤影」、67年には「ジャイアント・ロボ」、68年の「地球ナンバーV7」と長編漫画の連載を続けて来ました。「地球ナンバーV7」以降はサンデー誌上では、長編連載は見なくなったようですね。横山光輝先生の大活躍は、何といっても60年代フルですね。

 勿論、横山光輝先生は70年代以降も、週刊少年チャンピオンの「バビル二世」「あばれ天童」などや、週刊少年マガジンの「闇の土鬼」などと、長編連載を持って活躍してますし、横山光輝の一方の代表作である、「水滸伝」や「三国志」などの歴史巨編漫画は、60年代後半から70年代に描かれてますね。「狼の星座」は70年代後半の少年マガジン、「史記」は90年代の小学館・ビッグゴールドで連載されました。横山先生も、デビュー直ぐから90年代くらいまで長年に渡って、人気漫画界で常に第一線で活躍され続けた、日本漫画界のレジェンド作家ですね。

 「地球ナンバーV7」は、それまでにサンデーで大人気を博した「伊賀の影丸」「仮面の忍者・赤影」の二大忍者活劇時代漫画を、今度はSFでやった活劇漫画ですね。時代劇である忍者漫画の「影丸」や「赤影」と、地球の未来社会が舞台のSF超能力戦漫画「地球ナンバーV7」は、敵味方のバトルシーンがそっくりです。時代劇である忍者漫画の「影丸」「赤影」に登場する、敵側の怪忍者たちの使う忍術と、「V7」に出て来る悪者のエスパーたちの超能力は、ほとんど同じと言ってもいいくらいよく似ています。中には、後の「バビル二世」に出て来る、“エネルギー衝撃波”と、漫画表現は全く同じ超能力攻撃もありますが。横山先生の「影丸」「赤影」で出て来る忍術は、普通の人が長い間の訓練で身に着けた体術ではなく、超能力的な忍術ばかりだった。まぁ、そっちの方が当時の読者の子供ウケしたんですが。

 「地球ナンバーV7」のお話の内容も、大人になって読み返すと、突っ込みドコロはいっぱいあるんですけど、一番大きいのはお話ラストの物語閉め方ですね。超能力者全員が数機のロケットで当てどのない旅に出る。目的地の惑星は具体的に決まってない。大宇宙流浪の旅で自分たちが居住できるな、と思える惑星が見つかったらその地に降りる…。そんなムチャクチャな。あまりにもあやふやな目標でとにかく地球を離れるなんて。未知の惑星開拓がいったいどれだけ大変な事業か。何かテキトーに地球人から逃げただけ、って感じですね。

 まぁ「地球ナンバーV7」を僕が雑誌連載リアルタイムで読んでたのって、僕は中学生だから、そんな、あんまり考えずにただ面白い·カッコ良いだけで読んでたのかも知れないけど、でも当時でもお話の終わらせ方に何となく違和感持ってたカモ。

 大人になって読み返して、ちょっと考えると、だいたいロケットで人類が行ける星って、太陽系内だけじゃないですか。火星の開拓に人類が全力で何年も懸かって来てるのに、ロケットで着いて直ぐに、未知の惑星を人間が住めるように開拓なんてできる訳ない。まぁ大人になった僕が、講談社ブルーバックスの太陽系天体のことを詳しく書いた本なんか読んで、少しではありますが宇宙のことを知識として素人ながらある程度知って、昔の漫画と実際科学と照らし合わせて、おかしいナ、とかって思った訳なんでしょうが。木星の衛星も土星のタイタンも、そこよりはるか遠い海王星のトリトンも、また、地球からはるか光速で4.3光年先の、太陽系外の一番近い天体、アルファケンタウリのことも少し知識を得て、昔の子供向け漫画を、まぁ気持ち、馬鹿にしたのかも知んないかなぁ…。

 

 最終的に人類の普通の人たちが、新たに生まれて来ている、新人類の如き超能力者たちに対して恐れと脅威を抱いて、普通の人間たち対超能力者たちの構図になる点などイロイロ、「地球ナンバーV7」の内容は、アメリカのハリウッド特撮大作のSF 映画シリーズ、「X-エックス-メン」シリーズに似てるな、と思われた方も多いのではないでしょうか。「エックスメン」の第一作の公開は2000年ですから、「地球ナンバーV7」の方が32年ほど早い計算になりますが、どちらもドラマ作りの参考にした、タネ本は大戦後欧米の50年代SF 文学でしょうからね。日本の60年代SF 漫画の描き手の作家さんて、けっこう50年代欧米SF を読んで勉強して、自分らの作品の参考にしてる漫画家は多かったんですね。映画「エックスメン」シリーズの基本設定も、50年代SF をベースにしているでしょうし。「エックスメン」はもともとマーベルのアメリカンコミックが原作ではあるのですが。

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(2018-7)68年の漫画「地球ナンバーV7」の物語の中で、最初の方の設定で、地球の植民地的な立場の開拓地になっている火星に、“超能力者”の人間がたくさん誕生している、という話になっていて、その理由として推測されるのが、地球に比べると火星には“宇宙線”が直接地表に降り注いでいるから、宇宙線の影響で火星にはいわゆるミュータントが多く生まれるのではないか、と説明されてるんですよね。事実から言っちゃうと宇宙線は生物には有害なものであり、無論人間にもとても有害で浴び過ぎれば死に直結するし、仮にミュータントが生まれたとしても負の意味がとても大きい者しか生まれて来ないし、超能力者なんて誕生する訳がありません。

 まぁ宇宙線=放射能と考えていいと思いますが、50年代60年代前半の欧米SF やそれに影響を受けた60年代日本のSF 漫画には、この宇宙線=放射能に寄って主人公が超能力者になってしまうという設定のお話が多かった。

 それで火星には直接宇宙線=放射線が降り注いでいるのに何故地球には直接有害な宇宙線=放射線が降り注いでいないのか?ということなんですが、そもそも無数に宇宙線の飛び交う宇宙空間で太陽系で一番多いのは太陽が発する宇宙線ですが、地球に比べて太陽から遠いところに浮かぶ火星の方が宇宙線が大量に降り注いでいる、という事実がどうしてなんだろう?ということになる。

 それは地球には磁気バリアーがあるので太陽からのも他のも含めてほとんどの宇宙線を、地球の地表に届く前に地球の磁気バリアーが跳ね返している。ここまでは僕も前々から、多分相当昔から知ってました。ではどうして地球には磁気バリアーがあるのに火星にはそれがないのか?実はこの疑問は僕も前々から思っていました。火星は地球よりもだいぶ小さいけど天体としてはかなり大きな惑星です(単純に直径で比較すると地球12756キロm、火星6794キロm、月3474キロm)。まぁ僕は前々から疑問に思っていたんだけど疑問に思うだけで終わっていた。調べれば解るものを。

 で調べることにした(今頃)。まぁ磁気というのは磁石が発するものですね。シンプルに言うと地球は大きな一個の磁石になっていて火星自体は磁石ではない。大きな磁石の地球は磁気を発していて磁気が巨大な地球を包んで磁気バリアーの役目をしている。火星は磁石ではないから当然磁気バリアーなどなくって生物に有害な宇宙線は火星表面に直接どんどん降り注ぐ。まぁ火星も表面には小さな部分部分で磁気を発しているところ(磁場)もあるんだそうです。ごく小規模でとても磁気バリアーの役目を果たすほどではないということらしい。

 では火星はそうではないのに何故地球自体が巨大な磁石になっているのか?太陽系の同じ岩石型惑星(個体惑星)なのに。

 地球の中身の構造は大まかにいうと、地表とその下のぶ厚いマントル層、このマントルは上部層と下部層に別れるんですが、とにかくぶ厚い層で、地球の中心には内核があって、下部マントル層と中心の内核の間に外核という層がある。地球規模ですからこの外核もけっこう厚い。

 で、この外核という層が液体金属なんですね。液体金属と聞くとついつい連想しちゃうのがターミネーターに出て来る液体金属のロボットですが、ターミネーター2のT1000やその他のターミネーターシリーズに出て来る未来のロボット。まぁ地球内部の内核·外核とは全然関係ない話ですが、ターミネーター2見たときは驚きのアイデアでしたね。昔から怪奇SF 映画に液体人間というのは出て来たけど、液体金属でできたロボットなんて。形状記憶合金というのがあるけど、どろどろの液体金属が個体の姿に戻るのは究極の形状記憶金属ですね。機械の集合体のロボットが液体金属でできていて個体の姿に戻ったり液体になったりするなんてちょっと考えられないですね。未来の科学でも、ありえねーっ、って思う。

 話を地球の内部に戻そう。中心の内核を取り巻く外核。この外核は液体金属でできている。多分どろどろに溶けたメチャメチャ高温の鉄が主体なんだと思いますが、この液体金属は流れて動いている。ぐるぐる回っているのかどういうふうに動いているのかよく解らないけど流体で動いてるんですね。地球規模の話ですからもの凄い大量の液体金属がある程度の速度で流動している。

  この地球内部の液体金属の流動が磁力を起こしているらしいんですよね。これが大きな磁気を発生して地球そのものが巨大な磁石になっている。地球両極からN極S極として発生した磁力が地球を大きく包み込んで磁気バリアーを作って、地球上の生物に有害な宇宙線をほとんど跳ね除けている。まぁ人間含めた地球生物や地球環境はこの磁気バリアーに守られているんですね。また太陽からは太陽風というのが吹いて来てるんですけど、地球に磁気バリアーがなければこの太陽風で地球の大気は吹き飛ばされてしまう。地球の空気を守るという意味でも磁気バリアーは大変ありがたい。地球の生き物が繁栄するためによくできてますよね。 

 死の星·火星にはこの磁気バリアーがない。火星にも微生物が居るんじゃないか?とかひょっとして火星の地下に水がありはしないか?とか火星の極には氷がある、とか推測されたりしてますけど。まぁ火星表面にはモロに宇宙線がバンバン降り注いでいる。どうして火星には磁気バリアーがないのかな?ところどころに磁場はあるらしいんだけど。

  火星の中心核は鉄などの金属でおそらく液体金属だろうと言われている。核が液体金属で周囲をぶ厚いマントル層が包んでいる。火星も地球と同じ太陽系の個体惑星で兄弟みたいなもんだから内部構造も似てるでしょうね。現代科学では火星も月も昔は巨大な磁場を持っていただろうと言われています。昔って十億年単位くらいの昔かも知れないけど。火星の核は液体金属だけど流体ではないということなのかな。

 ああ、外核のどろどろ鉄の流れの動きが解りました。地球の中心部は6000度くらいあるって聞いてたけど、地球の内核は主に鉄などの金属の塊で個体らしく、これが数千度の熱がある。数千度だからメチャメチャ熱い金属のでっかい玉。その内核の周りにどろどろに溶けた液体金属の層である外核がある。この層もけっこうぶ厚い。で、液体金属は内核付近で熱せられる。熱いからこの液体金属が上昇する。外核を取り巻くマントル層は個体でそんなに熱を持ってる訳じゃない。上昇した液体金属はマントル層まで行って熱が冷める。マントル層まで行って冷やされた液体金属は下降する。下に下がって行った液体金属は内核に近付いて再び熱せられる。液体金属はまたメチャメチャ熱くなって上昇する。マントル層まで行くとまた冷める。これが繰り返されて液体金属の対流になっている。

 この液体金属の対流が続くことに寄って電気が起こり、電気が磁場の力を強大にする。地球はその内部で電気を起こし地球自体を巨大な電磁石にしているんですね。地球の真ん中に両極をN極S極にして巨大な一本の棒磁石を入れた形になり、地球の広い周囲を磁気バリアー=磁気シールドが覆っている。それが地球の生き物に取ってとても有害な太陽風や宇宙線を防いでくれてる。まるで地球そのものが巨大な生き物みたいですね。 

 

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●漫画・・ 「キングロボ」 -黒いゆうれい編-

 アメリカで大活躍し名声高い、高性能ロボット、ロボット探偵。ロボット探偵と、それを作ったアメリカの天才ロボット科学者、ブレイン博士。ブレイン博士とロボット探偵の搭乗したジェット旅客機が日本の空港に着陸しようとしたが、飛行機の車輪が出ないトラブルが起きてしまい、胴体着陸に失敗した飛行機が大事故に見舞われようとしたその時、飛行機から飛び出たロボット探偵が、片羽を折り転倒大事故を起こそうとした飛行機の巨体を支え、大勢の乗客が乗ったジェット旅客機を大事故から救った。

 飛行機から颯爽と現れたブレイン博士は、日本のメディアの前で、華々しくその高性能を示したロボット探偵を、「ワシの作り上げた、人間と同じように考え、喋り、行動する最高の人造人間を見たか!」と、日本マスコミの面々に紹介する。メディアの記者が「日本に来た目的は何か?」と、ブレイン博士とロボット探偵に訊く。ブレイン博士とロボット探偵は、「アメリカで事件を起こして回っている、“黒いゆうれい”と呼ばれる恐ろしい殺人鬼がアメリカから逃げ出して、日本に潜伏したという情報を得て、“黒いゆうれい”を退治するために日本に来た」ということを答える。ブレイン博士とロボット探偵の来日と、アメリカの凶悪犯“黒いゆうれい”が密かに日本に来ている、という情報は、日本の新聞やテレビのニュースを騒然とさせた。

 黒いゆうれいが現れ、警官が殺害されたと一報が入る。宇宙人が作ったスーパーロボット、キングロボが出動、現場から、リモコン操縦で飛行し偵察や攻撃のできる、キングロボの両腕が肩から外れて、ロケットようにジェット噴射して、黒いゆうれい捜索に飛び立つ。警官隊の到着と、少し遅れてロボット刑事も現場へ現れる。偵察飛行中の両腕からの信号を受け、キングロボ本体も空を飛ぶ。それを追って、ロボット刑事も超高速で走って行く。

 自動車で、失神させた警官を乗せて逃げる黒いゆうれい。キングロボの到着で自動車を止め、黒いゆうれいは自動車から降りてキングロボに応戦。形勢不利な黒いゆうれいを救ったのは、突然現れたもう一人の黒いゆうれいだった。キングロボは身体の急所を、もう一人の黒いゆうれいに背後から撃たれて倒れる。二人の黒いゆうれいは、失神警察官を乗せたまま、アジトへと逃げ去る。

 ブレイン博士は実は、日本にある高級ホテルを経営していた。ケンジ少年と新聞記者・猿飛は、ブレイン博士が何か隠し事をしていて、怪しいと睨んでいた。二人は、ブレイン博士のホテルの部屋を密かに調べる。ブレイン博士の部屋から地下室への秘密の通路があり、地下はブレイン博士の実験室になっていた。折りしも、二つの実験台に、黒いゆうれいに捕らえられた警官と、ロボット探偵が横たわっていた。失神警官とロボット探偵を機械に懸けて、脳波移行を行っていた。

 脳波をロボット探偵に移されてしまった警官は、生命はあるが、でくのぼうのような、頭の空っぽ人間になってしまった。ブレイン博士は廃人警官に、大きな黒い布マスクを被せ、黒いゆうれいに仕上げてしまった。ロボット探偵の高性能電子頭脳のエネルギー源は、生きた人間の脳波だったのだ。ロボット探偵は定期的に人間の脳波を移さないと、動くことができないのだ。脳波を盗られた廃人・人間は、ブレイン博士の命じるままに動く黒いゆうれいとなって、次々と犯罪を犯していたのだ。

 人間の脳波を補充されて元気になったロボット探偵は、隠れて一部始終を見ていたケンジと猿飛記者を発見、捕らえてしまう。一方、壊れたキングロボを修理していた、ケンジの兄の一郎は、キングロボの回復に時間が掛かっていた。だが、何とかキングロボを修理することができた。実は一郎も、ブレイン博士とロボット探偵が怪しいと睨んでいた。

 警察に、黒いゆうれいからの宝石店強盗予告の紙片が入る。警察がガードする中、黒いゆうれいの運転する暴走トラックが宝石店に突っ込む。警察が応戦する中、ロボット探偵が現れ、黒いゆうれいをいとも簡単に、無残に撃ち殺す。ロボット探偵が黒いゆうれいを退治する騒ぎの中、実は店内では、別の黒いゆうれいが宝石商を弾き飛ばして、高額宝石を盗んで去っていた。

 黒いゆうれいとグルになって、ロボット探偵は、警察を宝石店玄関前に引き付けておき、裏では、別の黒いゆうれいがまんまと盗みを成功させていたのだ。一方、一郎はようやくキングロボを修理し終え、事件を知ってキングロボで出動する。犯罪仲間である黒いゆうれいとロボット探偵を追う、キングロボ。

 自動車で逃走する二人の黒いゆうれいは、実はブレイン博士とロボット探偵だった。逃走する自動車を見つけたキングロボは、ブレイン博士とロボット探偵の前に現れ、その、犯罪者の実の顔を指摘する。ロボット探偵対キングロボのスーパーロボット対決が始まる。

 ロボット対戦の結果、キングロボが勝利するが、ブレイン博士は人質に取ってある、一郎の弟ケンジと猿飛記者の捕らわれの身の映像を見せ、キングロボに手を引かせ、ブレイン博士は倒されて動かなくなったロボット探偵を自動車に積んで、アジトへと逃げ去ってしまう。

 一郎は警察に、実は黒いゆうれいを操って犯罪を起こしているのはブレイン博士とロボット探偵であることを教え、警察に協力して貰って、一計を案じる。警察署長がブレイン博士のもとへと、修理依頼でキングロボを送り付ける。キングロボまでも自分の犯罪の道具にしてしまおうと考える、ブレイン博士。しかし、これは一郎の作戦だった。

 アジトで、ケンジの脳波をロボット探偵の電子頭脳に移そうとしている、ブレイン博士だった。縛られた猿飛記者の反撃で、ケンジの頭に填まった脳波移送機械が外れ、ケンジは自由の身になり、ブレイン博士に体当たりする。ケンジが暴れたはずみで、脳波移送機械がブレイン博士の頭に、すっぽり被せられる。自動的に機械が作動し、ブレイン博士の脳波がロボット探偵へ移される。失神して倒れるブレイン博士と同時に、ロボット探偵がよみがえる。

 自分の生みの親であるブレイン博士の脳波移行で、生き返ったロボット探偵は、今の脳波エネルギーが切れてしまったとき、次の脳波エネルギーを補充してくれる者が居なくなり、今のエネルギーが切れたときが自分の最後と悟って、怒り狂い、ケンジと猿飛記者を殺そうと襲う。正にそのとき、眠っていたキングロボが動き出し、猿飛記者を襲うロボット探偵を攻撃する。二つのスーパーロボットの戦いが周囲の機械を破壊し、ブレイン博士の実験室が爆発炎上を始める。

 爆発炎上する実験室から、ケンジと猿飛記者を救い出したキングロボ。ロボット探偵は実験室と共に爆破されてしまう。警察署長、ケンジ、猿飛記者、キングロボの足元に、破壊されたロボット探偵の電子頭脳の欠片が飛んで来て落ちる…。

 以上が桑田次郎・作画の傑作SFロボット活劇漫画、「キングロボ」の第二話、「黒いゆうれい編」のお話の内容です。

 「キングロボ」は、週刊少年マガジン誌上で平井和正・原作-桑田次郎・作画で「エイトマン」が大人気を得ていた1963年から64年、少年画報社の週刊少年キング誌上に連載されていた、桑田次郎先生単独作画の、同じスーパーロボットSF 漫画です。「エイトマン」のヒットはTV アニメ化されて高視聴率を得て、当時の誰もが知るほどの超大ヒットでしたが、「エイトマン」ほどは世間に認知されはしなかったにせよ、「キングロボ」は、当時の週刊少年キングの看板漫画になるくらいのヒット漫画でした。

 「キングロボ」の週刊少年キング連載期間は、1963年11号(創刊第11号)から64年28号までの、半年間くらいの間ですね。「キングロボ」は当時の週刊少年キングの看板漫画の一つではありましたが、漫画人気は期待したほどは伸びなかったようですね。マガジンの「エイトマン」の連載が1963年20号から65年13号まで、二年近く続いたのに比べると、「キングロボ」の連載期間はぐんと短いですね。しかも「エイトマン」の連載終了は、仕方なく打ち切られた格好でしたからね。また、週刊少年キング64年29号から、同じく桑田次郎・単独作画で「エスパー3-スリー-」の連載が始まります。「エスパー3」は年内の43号で連載終了するから、この漫画も長くは続かなかったですね。「エスパー3」の後を受けたのが、またまた同じく桑田次郎・単独作画「少年ジュピター」で、この作品の連載開始が、週刊少年キング65年第1号から。「少年ジュピター」も連載漫画としては短かったですね。65年13号で連載終了でしたから。

 小学生時代の僕は、もう児童漫画キチガイみたく、少年漫画が全ての子供時代でしたから、桑田次郎の漫画はどの作品もみんな超大好き状態でした。子供の頃の僕は特にSFヒーロー漫画大好きで、当時のSFヒーロー漫画の描き手作家、横山光輝、手塚治虫、桑田次郎はその御三家でしたねえ。石森章太郎、両·藤子不二雄、その他にもSF漫画の描き手作家は、久松文雄さんなど、いっぱい居ましたね。僕は、全部大好きでした。

 僕の小学校低・中学年時代は、児童漫画のメインはSFヒーロー漫画で、望月三起也氏も関谷ひさし氏も石川球太氏も、その他の多くの漫画家も、児童雑誌でSF漫画を描いていました。当時の児童漫画の王道はSFヒーローもので、65年に「ハリスの旋風」、66年に「巨人の星」が当時のマガジンで連載が始まって、大人気を博して後、少年漫画の王道は、SF漫画から、学園熱血漫画やスポーツ根性感動漫画へと取って変わられて行きました。60年代半ばからの梶原一騎氏の登場が大きいですね(梶原一騎氏はそれ以前でも漫画の原作業をやってましたがブレイクは『巨人の星』からですね)。

 週刊少年キングや月刊少年画報での長編連載や、月刊別冊少年キングでの短編掲載など、60年代半ば頃まで、桑田次郎先生は少年画報社の少年雑誌に作品を描いてましたね。「キングロボ」「エスパー3」「少年ジュピター」とキング誌上で、長編連載としてはどれも半年に満たないくらいの短い期間の連載漫画が断続的に続きましたが、その後、65年キング34号から始まった「エリート」は、原作に「エイトマン」と同じ、SF作家・平井和正を得て、「エリート」は哲学性のある内容の濃いSFヒーロー漫画として人気を博し、66年21号まで長期連載が続きました。

 「キングロボ」のお話の基本設定は、キングロボ本体は宇宙人の作ったスーパーロボットで、その宇宙人は実体を持たないガス状生命体であり、一郎青年とキングロボ二体のロボットの電子頭脳領域を行き来している。つまり、ガス状生命体が入ってるときにどちらかのロボットが動き、片方はマネキン人形みたいに全く動かない。「キングロボ」第一話、ゾリンゲン博士編では、終盤、破壊されたキングロボ本体をゾリンゲン博士が収拾して改造し、ゾリンゲン博士の操縦で動くことも、ほんのいっとき、あったけどね。

 物語設定リアルタイムから遡ること14年前、あるガス状宇宙人は地球の近くを円盤で航行してた。この円盤が故障して地球不時着を余儀なくされる。地球の地表へ落下する円盤は、山肌の岩石に激突、円盤も破壊されたが山肌の岩々も破壊されて飛び散った。岩石片は運悪く、一台の乗用車に落下激突した。乗用車の二人の大人は即死し、幼い赤ん坊だけが生き残った。

 ガス状宇宙人は、悪いことをしたという罪の意識から、地球上で暮らしてこの赤ん坊を育てることにする。宇宙人は地球上で生活するための身体を二体作る。普段の生活用のロボット、一郎の身体と、戦闘能力や地下掘削能力などイロイロな能力を備えたスーパーロボット、キングロボだ。宇宙人は一郎のロボットで、ケンジと名付けられた赤ん坊を14歳の少年まで育て上げた。

 ケンジが事件に巻き込まれたことで、一郎は本当のことを話さざるを得なくなる。親愛なる兄と慕った一郎が、実は兄でも人間でもないと解ってショックを受けるケンジ。やがてケンジも事情を納得して、自分の身の回りで起こる怪事件に、兄·一郎とキングロボと共に解決に向かい行動する。…といった話ですね、「キングロボ」は。

 突っ込みどころはいっぱいありますが、昔から気になっていた一番大きな納得いかないコトは、宇宙人はガス状生命体で、素通りしちゃうから握手もできないし、物にも触れない。どうやってキングロボなどロボットを作れたのか?ふだん生活してる研究所施設も建ててるんですよね。物に全く触れないのにどうやって立てれたのか?ガス状で実体がなければ地球上での物理的なことは一切できない。ガス状宇宙人の栄養源とかエネルギー源は、いったい何でどうやってそれを摂取しているのか?こういう説明が一切ないのが、僕としてはちょっと不満だったかな。

 一郎本体に研究所を作らせればイイじゃん、て思うけど、山肌岩石激突で円盤はぶっ壊れたし、先ず一郎ロボットを製造する施設が要る。一郎が先か研究所が先か、になる。ちなみに研究所は、宇宙観測研究所で、ガス状宇宙人もいつかは故郷の星に帰りたいから、天文台から宇宙を観測して、自分と同じ宇宙人の円盤が地球の近くを通らないか見ている。地球近辺を航行してたら発信して連絡を取り、地球に着陸して貰って乗っけて貰って、故郷の星に帰ろうという目的がある。いつかは一郎兄さんも宇宙に帰り居なくなる…、というコトで、ケンジも憂鬱になって悩んだりもするのですが。

  週刊少年キングに「キングロボ」などが掲載されてた60年代前半、僕は毎日欠かすことなく近所の貸本屋に通っていたのですが、当時は児童漫画雑誌は月刊誌六誌はその貸本屋で取り扱っていたのだけど、マガジン·サンデー·キングの週刊漫画誌は扱っていなかった。そのため僕は毎週、マガジンを購読し、小遣いに余裕があればサンデーを買って来ていた。それで僕がキングを読むのはときどきになっていた。だからキングを読むのは飛び飛びになっていたんですよね。

 僕の毎日通う貸本屋が店閉まいするのが、多分僕が小五の五月頃だと思う。その閉店半年前くらいからだったかな、マガジン·サンデー·キングも取り扱うようになった。マガジンとサンデー二冊に、藁半紙の分厚いのみたいな、質の悪い厚紙のカバー掛けて、糸閉じして合本して、キングは一冊単独でカバー掛けて、貸し出ししてた。僕は相変わらずマガジンは購読し、サンデー·キングは貸本屋で借りて読んだけど、直ぐに貸本屋は店閉いした。だから「キングロボ」も雑誌連載中は飛び飛びでしか読んでない。「キングロボ」をちゃんと読んだのは、雑誌連載終了後に単行本になったものでだ。

 当時はまだ新書版コミックスが刊行される前で、児童雑誌連載の漫画作品をまとめて刊行してたのは、B6判ハードカバー本でだ。貸本漫画の主流はA5判ソフトカバー本だったけど、中にはB6判ハードカバー本もあった。講談社や小学館、集英社、光文社から、自分とこの雑誌の人気漫画をまとめて単行本にして刊行してたのは、B6判ハードカバー本だった。その内、光文社がカッパコミックスと称して、雑誌と同じ大きさのB5判の単行本で、人気漫画をまとめたものを刊行し始めた。1965年頃からかな(64年からみたいですね)。雑誌形式の一作品単行本ですね。一方、小学館の週刊少年サンデーは、サンデー連載の人気漫画をまとめて、別冊少年サンデーとして刊行し始めた。「伊賀の影丸」とか「サブマリン707」とかの連載分をまとめて収録し、新人漫画家などの短編作品を二つ三つ載っけて、サンデーの別冊扱いで月刊誌として刊行してた。

 B5判カッパコミックスには、月刊誌「少年」連載の人気作品、「鉄腕アトム」と「鉄人28号」が腰巻きオビみたく付録のキャラクターシール着けて、カッパコミックスで続々刊行されて行ったけど、他の出版社も似たような形で、漫画をまとめて雑誌形式の単行本として出してた。「キングロボ」は連載分をまとめたものを少年キングの少年画報社からでなく、東邦図書出版から、東邦の漫画として、全部で三巻(済みません、全部で五冊くらいだったかも知れない)だったのかな、刊行された。雑誌サイズのB5判で巻頭16ページくらいがオールカラーで、ページ数は100ページから150ページくらいだったのかな。東邦図書出版は僕は貸本であんまり見た記憶がないんだが、貸本漫画の出版社だったらしい。「キングロボ」と同じ形式で、他にも子供向けのヒーローもの漫画を出してますね。「黒いゆうれい編」は、東邦の雑誌版コミックスの第2巻(済みません、3巻目の収録かも知れない)に収録されてた。

 「キングロボ」は2004年にマンガショップさんから復刻版で全二巻で刊行されてますが、その前に90年代半ば頃だろうか?アップルボックスクリエイトさんから全二巻で復刻刊行されてますね。東邦の雑誌版の後は、新書版などではコミックスは出てないんじゃないかな。僕が「キングロボ」をまとめて全編読んだのは、東邦の雑誌版コミックスで読んだんですね。僕が読んだのは僕が小五か小六くらいの頃かな。雑誌連載中の「キングロボ」は学校でもけっこうみんな知ってて、学校でクラスメートの子供たちと「キングロボ」の話をしたのを憶えてます。小三時だろうな。キングロボを反対から読むと“ボログンキ”になる、とか言って他愛もないことで友達とゲラゲラ笑ってた。スーパーロボットが逆読みで“ボロ”になるのが可笑しかったんでしょうね。馬鹿みたいだけど。

 2004年に発刊されたマンガショップさん刊行の復刻版コミックス「キングロボ」上下巻の腰巻きオビには、「昭和38年に誕生したもう一つのエイトマン。それは日本初の合体ロボだった」とキャッチーの言葉が書かれています。分離合体ロボというと僕なんかは、「ウルトラセブン」のペダン星人が対ウルトラセブン用に作って持って来た、分離合体ロボ、キングジョーを思い出します。キングジョーの初登場は1968年の1月ですから、分離合体ロボとしてはキングロボの方が4、5年早い。ペダン星人の作った無敵ロボットが分離合体ロボだから、「キングロボ」に対して敬意を表して名前を“キングジョー”にしたのかな?キングが着くのは偶然か?「ウルトラセブン」の脚本家は、同じSF 創作者としては桑田次郎の「キングロボ」知ってたろうしな(ウルトラマンの生みの親の一人、金城哲夫氏に敬意を表して『キングジョー』と命名したという説もあります)。

 キングロボは両手に羽が生えて、羽というか翼が出てロケット噴射で飛んで機銃掃射するし、両足はドリルになって掘削し、土中に潜るはコンクリ壁も掘り壊す。勿論、両足も離れて飛ぶ。キングロボは五体バラバラで飛行できる。操ってるのはガス状宇宙人とかイロイロ画期的なアイデアのSFスーパーロボット漫画だったのに、連載はあんまり続かなかったなあ。何故だろう? とにかくカッコ良くて、僕の子供時代、桑田次郎先生の数々の漫画作品にはどれも魅了されました。楽しかったなあ、あの頃。

 週刊少年キングに連載された「キングロボ」のお話は長編が四話あって、一番長いお話が第一話の「ゾリンゲン博士編」ですけど、小学生の頃の僕が一番印象深く憶えてたのが第二話の「黒いゆうれい編」だったので、今回は「黒いゆうれい編」をピックアップして取り上げました。謎の犯罪集団“黒いゆうれい”と、それを追うロボット探偵が、実はグルになっていて、黒いゆうれいの正体はロボット探偵に脳波を移送された、でくのぼうの廃人·人間だった、なんて凝ったストーリー作りで、子供時代に読んだ漫画でも記憶に残ってた。

キングロボ (下) (マンガショップシリーズ (2)) コミック 桑田 次郎 (著)

キングロボ 上 Kindle版 桑田次郎 (著)

キングロボ (1) Kindle版 桑田次郎 (著)

キングロボ (2) Kindle版 桑田次郎 (著)

キングロボ 上 オンデマンド (ペーパーバック) – 2012/9/28 桑田次郎 (著)

キングロボ コミックセット (マンガショップシリーズ) [マーケットプレイスセット] コミック 桑田 次郎 (著)

 

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●漫画・・ 「けものみち」

 幼少時、両親を不慮の事故で亡くして天涯孤独の身となった、この物語の主人公、月形潔は父親の親友に育てられていたが、多感な少年期、大恩のある父親代わりの、葵学園創立者・九条総一郎の太腿をナイフで刺してしまう。その後、事が警察ざたになることを案じて、九条総一郎は月形潔を少年の内から、留学と称してアメリカへと出してしまう。アメリカ生活をする中で成長して行く月形潔は、逆に恩人・九条総一郎の男としての偉大さに気付き、恨みよりも尊敬の念を持つ。波乱のアメリカ生活を送る青年期の月形潔は、アメリカで凄絶な経験をして大人となる。急死した九条総一郎の後妻である、若き九条彩子が学園を継ぎ、二代目理事長となっていた。

 都内きっての名門校、葵学園だったが、立地が都内屈指の繁華街、赤坂に学校があり、学園の周囲は夜の歓楽街が取り囲んでいる。名門優良校・葵学園にも不良化の波がじょじょに及びつつあり、女子生徒の中には夜の街に出て深夜・明け方まで遊び、悪い大人の甘言に騙され女子高生売春まで行う生徒まで出て来ている始末だった。大都会の闇に呑まれそうになっている学園の危機に、前理事長の大恩を返すべく、十年以上の時を経て、アメリカから、成長して大人になった月形潔が帰って来る。前理事長の遺言に従い、月形潔は名門・葵学園の理事として就任する。学園を守る使命を遂行する、月形潔の命懸けの学園防衛戦が始まる。

 

 赤坂、夜の歓楽街の裏側に巣くう悪い大人たち、暴力団関係の大人たちから学園の生徒を救うべく、夜の街に繰り出す月形潔。女子高生売春を斡旋して金儲けをしているヤクザ者たちをこてんぱんに伸ばし、ディスコやクラブに出入りして店の裏側で大麻など違法薬物を購入しようとする男子生徒を家に返し、またまたヤクザ者たちをこてんぱんにやっつけてしまう。

 ストリートファイトの喧嘩の腕は抜群の強さを誇る月形潔の得意ワザは、神技ナイフ捌きだった。ニューヨーク裏町の不良どおしの闘争の中で磨き上げたナイフ捌きの腕前は超一流で、あっという間に何人もの敵勢の衣服やベルト、指先までも切り落としてしまう。驚異の硬度を誇る特注ナイフは、ヤクザ者たちの振るう日本刀の刃さえ折ってしまう。

 葵学園·理事の月形潔は剣道部の面々に学外パトロールを依頼する。剣道部主将·巽次郎と月形は男と男の契りを交わし、剣道部·全部員と酌み交わし、学外パトロールを使命とする昭和新撰組を、剣道部を中心に結成する。これより昭和新撰組は赤坂の街をパトロールし、夜の街中に出歩く学園生徒に注意を呼び掛け、補導を行う。昭和新撰組を結成した剣道部は、柔道部やボクシング部、拳法部の部員たちと確執が生じ、ひと悶着あるが、校外での争いの果てに、剣道部の軍門に降り、和解の後、柔道部·ボクシング部·拳法部は昭和新撰組の第二隊となる。

 赤坂歓楽街の裏側で暗躍する暴力団組織は、月形潔を倒す刺客をニューヨークから呼び寄せる。ナイフ使いの黒人で名をマックザナイフといい、そのナイフ捌きの腕は類い希なる素早さだった。昭和新撰組最強の主将·巽次郎の剣道のワザを持ってしても、マックのナイフ捌きの前では手玉に取られてしまう。

 月形を倒す刺客、マックと月形とはアメリカ時代の因縁があった。月形がニューヨークに居た少年時代、裏町の不良界で一度、ナイフ使いの雌雄を決する対決があって、マックは月形に破れていた。マックは雪辱をはらす再戦でまたも月形に敗れてしまい、二度とナイフの使えない身とされてしまう。

 夜の赤坂の街の闇を牛耳るダイヤモンド興業と、その組織の上位にある薔薇興産。薔薇興産会長職にある、夜の赤坂の女帝·ローズ御影。ローズ御影は葵学園の理事の一人を色仕掛けで篭絡する。葵学園理事長・九条彩子にダイヤモンド興業の魔の手が迫る。また、月形潔の情婦である赤坂芸者、千秋にも魔の手が伸びる。ダイヤモンド興業のヤクザ者たちをこてんぱんにのして行く月形潔。

 赤坂の闇組織は、月形潔に第二第三の刺客を送って来る。元プロのキックボクシング全日本チャンピオンで、アーチェリーで五輪級の腕前の用心棒の男。ナイフ捌きの凄ワザの使い手、月形潔にはストリートファイトでの、ある信条があった。それは、素手の相手とのタイマンには武器は使用しない、という自らに科した掟。そこを突かれて、無手の月形は、全日本チャンピオン級のプロ・キックボクシングの腕と素手で対決することとなる。元キックボクサーはもの凄く強く、簡単に月形は敗れてしまう。身体を癒して後、再戦で相手の男に何とかアーチェリーを持たせ、アイデアで勝機に持ち込み、元キックの用心棒をナイフ技で、再起不能の身に落とす。

 次に送られて来た刺客は、巨漢のプロレスラー崩れ。海坊主のような巨漢の外人レスラー崩れだったが、これまた月形の信条を突いて来て、素手のタイマンに持ち込んだにもかかわらず、外人レスラー崩れの巨漢は、月形のアイデア勝負で失神して敗れてしまう。そして月形の前に、ついに最強の敵、仕込み杖の、ステッキに真剣を仕込んだ、居合いの達人・木内猟介が立ちはだかる…。

 赤坂の街に夜な夜な開帳される、違法闇カジノの最強の用心棒、木内猟介。済みません、月形潔と居合いの達人·木内猟介の戦いがどうだったか、忘れたし、今ここにその、超合金ナイフ対仕込み日本刀の格闘シーンが載ったコミックス本がないんで、確かめることもできないんですが、ダイヤモンド興業が倒れ、薔薇興産のローズ御影も失脚する。昔からの腐れ縁の恋人どおしの仲だったローズ御影と木内猟介は、確か二人一緒に去って行くんだっけかな(?)。

 その後の展開は、赤坂の夜を爆音鳴らして猛スピードで走りまくる暴走族の一団が、月形と昭和新撰組に絡んで来る。六本木の夜に君臨する暴走族、スペード鉄騎団とその女頭領マリー。月形との抗争の中でマリーと月形は解り合えるが、実はスペード鉄騎団の後ろには九州に拠点を置く暴力団勢力、玄海グループが居た。玄海グループは六本木の夜を制圧し支配する。

 確か、スペード鉄騎団·頭領のマリーが、月形と通じたことから玄海グループに拘束され、裸に剥かれて縛って吊るされ、拷問みたいな暴行を受ける、SM みたいなシーンがあったと思う。玄海グループには東京侵出のリーダーである幹部の男が居て、この幹部の男が合気道の達人で腕っぷしがメチャ強いんだよね。

 玄海グループ対、東京のナワバリを死守しようとする関東の暴力団、千早組の暴力団抗争が進む。月形が理事を勤める葵学園の立地する赤坂も、抗争に捲き込まれようとしている。そんな中で、玄海グループ東京侵出リーダーの幹部、戸狩と月形が最初にあいまみえる。相手が素手ならばこちらも無手で闘う月形は、戸狩の合気道の凄ワザの前に子供扱いで手玉に取られ、月形は敗れる。

 この後、月形はドスを構えた戸狩と、今度は得意のナイフを持って再戦したりするし、また、月形の情婦(愛人)だった赤坂芸者·千秋が記憶をなくし、一時期、戸狩と関係が深くなって行くようなエピソードもある。まあ、僕は雑誌連載リアルタイムで全編読んでるし、コミックス版全10巻でも全編読み返してるけど、後半部の本は手元にないし、後半部のストーリーはちょっと忘れてます。あい済みません。芸者の千秋は、愛人っていうか、月形は独身だから普通に恋人どおしだよね。戸狩と千秋の仲が深まって行く中での、月形のジェラシー的な感情とか見ものですね。最後は千秋の記憶は戻るんだっけか? 

 原作・真樹日佐夫-劇画・影丸譲也の、格闘アクション劇画の黄金コンビで送る、ハードボイルド格闘ヴァイオレンス巨編「けものみち」は、1970年代後半の、秋田書店発行の青年コミック誌「プレイコミック」に連載されました。「プレイコミック」は1968年に創刊された、隔週刊(月二回刊)の、青年向けのコミック中心の雑誌です。

 60年代後半に入って、67年から69年頃までの間に、それまでになかった青年向けのコミック雑誌が、雨後の筍のようにニョキニョキ、各出版社から創刊されました。双葉社の「漫画アクション」、秋田書店の「プレイコミック」、小学館の「ビッグコミック」、少年画報社の「ヤングコミック」…。みんな、67年から69年の間頃の創刊ですね。60年代後半に入って、世間一般で「大学生が漫画を読む!」と驚かれた頃です。それまで子供の読み物だった、少年漫画を「週刊少年マガジン」など、高校生、大学生、若い社会人が読むようになった。実際、60年代後半に入って来ると、少年漫画週刊誌の漫画の内容が、お話のレベルが高くなった。収録されている漫画のストーリーのレベルが、一般的な小学生読者にはちょっと難しいようなレベルの内容になって来た。それまで小学生対象だった児童漫画雑誌が、小学生時の読者を持ち上がって行ったんですね。読者と雑誌が一緒に成長して行った感じかな。

 マガジン・サンデーを高校生以上の青年が読むようになって、大人読者の娯楽にも対応できるコミック誌が必要になって来た。時代に応じて、67年から69年の間に次々と青年コミック誌が誕生した。一つは貸本の衰退もあるでしょうね。貸本漫画は小学生も読んでたけど、お話のレベルは児童漫画雑誌に収録された児童漫画よりも、対象年齢的に内容が高かった。児童漫画誌が小学生向けだったら、貸本漫画は一般的に中学生以上から青年・大人向けだった。昭和30年代から40年代アタマくらいまで、よく貸本漫画は、中卒で工場で働く多くの若者の娯楽、と言われてましたからね。男性・女性とも。戦後を終えてまだまだ貧しかった、昭和30年代から40年代前半の時代に、貸本漫画は、中学を出て工場労働に就いている、勤労少年・青年の仕事を終えた余暇の娯楽だった、と言われてましたね。

 原作・真樹日佐夫-劇画・影丸譲也のハードボイルド巨編、「けものみち」の、「プレイコミック」連載期間がはっきりした期間が解らないんですよね。どうも済みません。僕の持っているB6判コミックス「けものみち」第1巻の初版発行が1986年ですが、この本は「プレイコミック」発行の秋田書店発刊のコミックスではなくて、日本文華社の発行なんですよね。秋田書店発行の秋田漫画文庫全10巻の発行が始まるのが1980年ですね。秋田書店からは「けものみち」のB6判コミックスは発行されたんだろうか?出てないんじゃないかなあ。いきなり秋田漫画文庫の文庫サイズで発行されたんじゃないかなあ(?)。隔週刊(月二回刊)の連載でコミックス全10巻の量って、何年くらいの連載期間が掛かったんだろ?

 「けものみち」がプレイコミックに連載されてた期間が70年代後半から、いっても、まあ、80年代アタマくらいまでの間であることは間違いない、と思うんですけどね。勿論、僕は「けものみち」は当時のプレイコミック誌上でリアルタイムで読んでますけど、後にコミックス版でも再読完読してます。これが日本文華社発刊のB6判全10巻ですね。だいたい、僕がこの時代のプレイコミックを毎号、本屋や駅のキョスクで買って読んでたのは、「けものみち」の続きが読みたかったから、というのが第一でしたからね。

 「けものみち」の主人公、月形潔には憧れましたねえ。雑誌連載で読んでた当時、コミックスでまとめて読んでた当時。月形潔はカッコ良かったなあ。お兄さんの梶原一騎の描くヒーローもカッコ良いんだけれど、僕は真樹日佐夫さんの描くヒーローの方が好きでしたね。キャラに憧れました。日佐夫氏とお兄さんとでは、同じスポーツ・格闘技のヒーローを描いても、キャラの味が違う。真樹日佐夫氏の描くヒーローの方が、何ていうか、ヒーローキャラにアソビがある。梶原一騎氏の生み出すヒーローは硬いですね。四角四面というとオオゲサだけど、何ていうのか、教条的というか、ヒーローが硬い感じ。悲壮というかね、何か精神的にアソビのないようなヒーローキャラが多かった気がする。それに引き換えると日佐夫氏の作るヒーローキャラは、もっと自由な雰囲気がある。ヤクザっぽさというと誤解を呼ぶが、ちょっとヤクザっぽさみたいなフリーな雰囲気。ともすればアウトロー的な感じかな。正義感の持ち主だけど、アウトロー的な感じ。何か、「正義!」とかいう悲壮感じゃなくて、もっと自由な感じかな。こんなふうに言っても伝わらないですね。梶原一騎の劇画と、真樹日佐夫の劇画を読み比べてもらうしかない。そうすれば、キャラクターの違いが解る。

 「けものみち」の主人公、月形潔は、基本、ハードボイルドな硬骨漢キャラですね。身体の中心に一本太くて硬い頑丈な骨が通っているような、揺ぎ無い屈強な精神力の柱を持っていながら、ユーモアでも感じさせそうな落ち着いた余裕がある、男の中の男のカッコ良さ、というか、そんなヒーローキャラですね。どんな困難な状況でも自分の信条は決して曲げないような強靭な精神性と、表面にそれを見せない余裕ある態度。カッコ良いなあ。漫画読んでた若い頃は、月形潔のハードボイルド・キャラに憧れまくってましたねえ。

 

◆ ワルふたたび/ワル外伝 コミック 影丸 穣也とJ・Kプロ (著), 真樹 日佐夫 (原著)

◆ ワル 1 Kindle版 真樹日佐夫 (著), 影丸譲也 (著)

けものみち 1 Kindle版 影丸 譲也 (著), 真樹 日佐夫 (著)

けものみち 10 Kindle版 影丸 譲也 (著), 真樹 日佐夫 (著)

[まとめ買い] けものみち Kindle版 著者: 影丸 譲也, 真樹 日佐夫

けものみち 1~最新巻(文庫版) [マーケットプレイス コミックセット] コミック 影丸 譲也 真樹 日佐夫 (著)

 

 日本文華社って、今のぶんか社の前身なんだな。というか途中で改名して「ぶんか社」になったものらしい。創業はけっこう古くて、戦後の1948年、元文藝春秋社で働いていた方が創業したものらしい。今のぶんか社というと、ストーリー四コマ漫画を集めた漫画雑誌が目立ちますね。でも現在のぶんか社はファッション誌から、自動車·バイクの趣味系の雑誌など、多岐に渡って出版業を営んでるようですね。コミックスも確か、ぶんか社コミックスのレーベルで刊行してますね。

 

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嵐からの隠れ場所

 
 
            
 

 2016年10月13日、スウェーデンアカデミー・ノーベル賞選考委員会は、2016年のノーベル文学賞はアメリカのシンガーソングライター、ボブ・ディラン氏に授与される、と発表しました。ノーベル文学賞をミュージシャンが受賞するということは、史上初の異例のことで、全世界が驚きました。もともと、ボブ・ディラン氏の名前は、数年前から、噂では候補に挙がってはいましたが、まさか、本当に文学賞をミュージシャンが取るとは、世界中の大半の人は夢にも思っていなかったでしょう。ボブ・ディランの生み出すポピュラー音楽の、その作詞の「詩」の文学性が卓越して高かったということでしょう。一方では、激動の時代に民衆を動かした反戦ソングなどの功績から、本来はもっと早くにノーベル平和賞を貰うべきだった、などとも言われています。

 

 ボブ・ディランの名曲、「嵐からの隠れ場所」、英語原題♪Shelter From The Storm は、オリジナル初発表は、ディランのオリジナルアルバム第15作目にあたる、1975年公表のアルバム「血の轍 -Blood on the Tracks-」に初収録されていますが、このときのオリジナル版の曲はアコースティックギター中心で、後はハーモニカの音が目立つくらいで、昔ながらのフォークソング調の曲なんですが、翌1976年に発表されたライブアルバム、「激しい雨 -Hard Rain-」に収録された、ライブ版「嵐からの隠れ場所 -Shelter From The Storm-」は、もう正にロックそのものの曲調で、このライブは全曲、バックはロックバンドでがんがん叩きつけるようなロックそのもののような曲調が多く、まあ、中にはアコースティック調で奏でたバラード曲もあったのかも知れませんが、ロックで叩きつけるように演奏される♪Shelter From The Storm は印象的でした。このアルバムの中のロック版♪ Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again も最高だったな。

 

 当時、都会のサラリーマン時代の僕は、男のくせにだらしがない、傷付きやすく、とにかく落ち込みやすくて、ガラスみたいなハートに毎日ヒビが入ってました。まあ、こういう性格はこの時代もこの後の時代でも変わらないんですが、この頃特に毎日バリバリとガラスのハートにヒビが入りまくってた。でも傷付いて落ち込んだからって、部屋で独り塞ぎ込んでばかりでも居られない。翌朝には会社に出勤しないといけない。傷付きまわってヒビだらけのメンタルを何とか元に戻さないとならない。でないと翌朝会社に行けないから。

 

 会社から帰ってからの毎回の僕の心の修復作業が、夜遅くアパート周辺の空き地を探してそこまで走り、その空き地でナワトビを跳ぶこと。若い頃の僕はナワトビ跳ぶのが大好きでした。僕はナワトビ-ハイになったことが何度もあります。それと、これ、洋楽ロックやアップテンポのポピュラーを、大音量で聴くこと。夜遅いとヘッドホンで聴いてましたが。

 
 

 僕が70年代後半から80年代前半頃はボブ・ディランが大好きで、その当時出るアルバムは出たら即買ってたし、アルバム・The Freewheelin' Bob Dylan を初め、60年代から70年代前半に出たアルバムも遡って購入して聴いてました。ディランの曲は、僕は、アコースティックバージョンよりも60年代後半からのエレキギター主体のロックバージョンの方が好きでしたが、アコースティックなフォーク、The Freewheelin' Bob Dylan の中のシンプルな曲も好きでした。

 
 

 世の中に出て行って傷付き回ってアパートに帰って来て、僕の心の修復作業では、ボブ・ディランのロックなナンバーは最高でした。「嵐からの隠れ場所-Shelter from the Storm-」は、ロック調も素晴らしかったけど、アコースティック版も良かったな。ザ・バンドとの共演ライブ版の「偉大なる復活-Before the Flood-」で演奏される、ロック版の「風に吹かれて」と「ライクアローリングストーン」も良かったなあ。こっちも最高だった。ディランのロックにビシビシ、ハートを叩かれて、「しっかりしろよ」と声掛けられてるみたいで。あの時代は、随分、ディランの曲を代表とする、洋楽ロックやアップテンポのポピュラーミュージックに救われました。折れて潰れてしまいそうなハートを何とか修復して貰っていた。「お入りと彼女が言った。あなたにあげる、嵐からの隠れ場所を」-フォーク版の♪Shelter from the Storm には癒されました。♪Don't Think Twice, It's All Rightなんて曲はズバリ、邦題「くよくよするなよ」だしね。

 

 若い時代にボブ・ディランの曲々に出会えたことは幸せでした。

 

 ボブ・ディランも、もう75歳になるんだなあ。

 
 

 僕が若い頃、何度も経験したナワトビ-ハイですが、いわゆるランニング-ハイと同じもので、古館伊知郎さんなんて若い頃、アナウンスの実況中継で、早口で長々喋っている内に、トーク-ハイを経験したと、昔TV番組の中で話してました。ランニング-ハイは有名ですね。僕は若い頃はナワトビ跳ぶのが大好きで、特に深夜、一人でナワトビ跳んでると楽しくて止まらなくなっちゃって、30分とか40分以上も一人で跳び続けてました。多分、一時間以上もあったろうな。断続的にですけどね。このとき、何度もナワトビ-ハイを経験しましたね。条件は、必ず深夜で、誰も居ない空き地ですね。深夜の広々した公園とか。そこで一人だけで黙々とナワトビを跳ぶ。ナワトビ-ハイになると、もう楽しくて楽しくてたまらなくて、ビュンビュン跳びながら、一人でゲラゲラ笑ってるんですね。何だか知らないけど嬉しくてたまらない。それで一人でゲラゲラ笑っている。独り爆笑を長々続ける。もしこのとき端で見ている人でも居れば、頭のおかしい人と映ったでしょうね。ナワトビ-ハイを経験してたのは、せいぜい30過ぎくらいまでかなあ。昔は良かったなあ、いくらでもナワトビが跳べて。楽しかった。

 
 
 

※Kenの漫画読み日記。2010-03/21「Like a Rolling Stone」

 

※Kenの漫画読み日記。2015-11/27「BROTHERS-ブラザーズ-」

 
 

◆激しい雨(紙ジャケット仕様) Limited Edition ボブ・ディラン 形式: CD

 
 

◆血の轍(紙ジャケット仕様) Limited Edition ボブ・ディラン 形式: CD

 
 
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