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●漫画・・ 「みどりの魔王」..(5)

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 この間、本屋へ行ったら、ちょっと遠くの郊外型大型本屋さんだけど、小学館の学年誌は、「小学一年生」「二年生」「三年生」があった。「一年生」と「三年生」は、けっこう部数が置いてあった。けど、どうしてか「小学四年生」が見当たらなかった。休刊になったのは確か、「小学五年生」「六年生」の筈。やはり学年誌も上級になるとあまり読まれなくなるので、本屋自身が卸しから取る部数を控えるのか。学研もついに、「学習」「科学」両誌を休刊にしたんですね。雑誌の“休刊”というのは、ほとんどが事実上の廃刊ですが、08年5月の報道では、学研は「学習」の廃刊を決め、「科学」の方は存続して行く方向とあったけど、“付録の魅力”の「科学」もついに廃刊になったんだ。少子化と呼ばれる時代ですが、小学生年齢対象の学年学習誌関係の雑誌は、本当に売れなくなった時代なんだ。

 学生時代、ずうーっと劣等生だった僕だが、特に小学生時代はひどく、学校の勉強はてんで出来ないが、また学校の勉強が大嫌いでほとんどと言ってもいいくらいに勉強しなかった。だから、僕は義務教育時代は熱狂的児童漫画大好き子供で、雑誌も大好きだったけど、活字のみを読むのが苦手で、雑誌の記事文はあんまり読まなかった。だからね、漫画と記事の割り振りが半分半分の学年誌はあんまり縁が無かった方だし、漫画が一つ二つだけの学研の「学習」はほとんど縁が無かった。でも、「学習」という雑誌は、読まないんだけど、例えば昆虫の写真とか図版が綺麗だし、雑誌そのものは好きでしたね。たまにクラスの比較的勉強の出来る良い子タチが今度の「科学」は付録が良い、って騒いでると、僕も真似て学校内で取って買った。でも僕は馬鹿子供だからその付録が組み立てられなかった。恥ずかしい話だけど。

 小学館の学年誌は、僕は小学四年くらいまで、本当にごくタマに本屋で買うこともあった。小さい頃は、山根青鬼先生の描く「とん子なぞなぞ日記」が好きだった。付録の小冊子版で付いていて、内容にとんちなぞなぞが満載だからだ。小1か小2のとき、藤子不二雄先生の「すすめロボケット」というSF冒険探偵漫画が載っていて好きだったな。SF冒険探偵漫画って、ほとんど幼児向けだから、ギャグ調も入れた単純な話でしたけどね。学研の「学習」「科学」を僕が目にしたのは、まあ、時々買ったのは、60年代ですけど、当時は、学校内で予約出来て、学校で買ってました。知らなかったけど、学校内での販売方にクレームが入って、家庭への訪問販売方になったんだそうですね。“学研のおばちゃん”というのが有名になったんだとか。訪問販売の女性でしょうね。60年代で学校販売が終わり、むしろ70年代の家庭販売(宅配)になってから売れ行き部数のピークを迎える。79年に「学習」「科学」合わせて630万部という、雑誌の売れ行きとしてはお化け的な販売部数を誇ったんですね。

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 60年代の児童漫画誌ほどではないにせよ、こういった小学館の学年誌や学研の両誌にも、僕なりの思い出がありますからね。60年代愛読した週刊少年キングは82年に廃刊になったし、子供の頃慣れ親しんだ雑誌が廃刊になってなくなってしまうのは寂しいものですね。本が売れなくなって行っている時代、特に雑誌が売れなくなった時代、何だかどんどん雑誌が少なくなって行き、なくなって行くのは本当に寂しいですね。

 さて、タイトルの「みどりの魔王」なんですが、画像の上の方が「みどりの魔王」で、下の方のは「てつのサムソン」です。両方とも、手塚治虫先生、桑田次郎先生と共に、戦後児童文化の一大センセーションである、ストーリー漫画の一時代を築いた、日本漫画史の開拓期の大家の一人である、横山光輝先生の作品で、小学館の学年誌に、「みどりの魔王」は65年から66年に掛けて、「てつのサムソン」は62年から64年に掛けて長期連載された、当時の大人気SFロボット冒険漫画です。横山光輝先生の代表作である「鉄人28号」の亜種作品、と呼んでもいいジャンルのものかも知れません。戦後児童出版界の一時代の、押しも押されもせぬ大人気流行作家であった、横山光輝先生が切り開いたストーリー漫画の二大ジャンルは、時代劇忍者ヒーロー活劇漫画と、「鉄人28号」を代表作とする、SFロボット冒険探偵漫画です。50年代後半から60年代の、当時の子供たちを熱狂させた二大ストーリー漫画ジャンルですね。どちらのジャンルも開拓したのは横山光輝先生で、両ジャンルの代表作、「鉄人28号」と「伊賀の影丸」はあまりにも有名で、漫画家・横山光輝の名を不動のものとしました。 デビュー当時からもともと時代劇剣豪漫画を得意とした横山光輝先生は、「伊賀の影丸」で忍者ヒーローの忍術対戦式活劇ものを確立しました。忍者漫画というジャンルを作り上げたのは、貸本界でリアリティーを追求して、あえて残酷味も挿入した史劇的忍者漫画を開拓して行った白土三平先生と、トーナメント方式のゲーム的な忍術対戦式の、シンプルなストーリー運びで作品を描いた横山光輝先生の、忍者漫画の二大潮流ですね。白土三平先生は、忍者の世界観をよりリアルに描こうとして、歴史時代劇的ティストを強調した訳ですが、横山光輝先生は後により複雑で仔細な歴史的な、時代劇や歴史劇漫画を描いて行く訳ですが、この時代の作品は子供向けの活劇漫画としてシンプルにワクワク感ばかりのヒーローものを描いてますね。

 という訳で、「Kenの漫画読み日記。」、タイトル「みどりの魔王」第5回を終わりまして、まだシリーズが終了せず、「みどりの魔王」第6回へと続く。

 

◆漫画・・ 「みどりの魔王」..(1)-2009-10/30
◆漫画・・ 「みどりの魔王」..(2)-2009-10/31
◆漫画・・ 「みどりの魔王」..(3)-2009-11/01
◆漫画・・ 「みどりの魔王」..(4)-2009-11/01
◆漫画・・ 「みどりの魔王」..(5)-2010-02/26
◆漫画・・ 「みどりの魔王」..(6)-2010-05/13
◆漫画・・ 「みどりの魔王」..(7)-2011-01/10
◆漫画・・ 「みどりの魔王」..(8)-2011-10/22
◆漫画・・ 「みどりの魔王」..(9)-2011-12/20

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