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●漫画・・ 「東京ラブストーリー」-柴門ふみ

 

 80年代半ば頃から90年代、2000年代前半、青年誌に発表した、現代の若者の恋愛模様を中心とした青春群像劇コミックが次々に大ヒット、90年代半ば頃からはエッセイなど文筆業でも話題となり、90年代後半から2000年代前半、“恋愛の教祖”とまで言われた、青年誌を主戦場とした女流漫画家、柴門ふみの代表作の一つ、漫画「東京ラブストーリー」は、小学館の青年誌「週刊ビッグコミック・スピリッツ」1988年~89年に連載された作品で、この漫画も連載当時、人気があり話題になりましたが、91年にフジTVでドラマ化されて大ヒット、当時の社会現象のように話題となりました。“トレンディードラマ”という言葉がこの時代の流行語になったのも、このドラマからではないでしょうか。80年代後半から90年代TVの“トレンディードラマ”の、代表的な作品ですね。

 隔週刊(月2回刊)のビッグコミック・スピリッツが週刊誌になったのが、86年4月からですから、週刊誌連載で約2年間続いた漫画ですね。直ぐ後に、小学館のビッグコミックスで全4巻で発刊され、後に小学館文庫全3巻で発刊されてますね。僕はビッグコミック・スピリッツは1980年の創刊号から購読し続け、だいたい浦沢直樹の「YAWARA -ヤワラ-」が終了するくらいまで、毎号欠かさず読んでましたから、この「東京ラブストーリー」も雑誌連載時、リアルタイムで読んでます。でも、「東京ラブストーリー」はコミックスでの再読はしてないんじゃないかな。柴門ふみさんの漫画は、コミックスを買って来て読んだ作品も多いですが、この「東京ラブストーリー」はコミックスで読んでないように思う。柴門ふみさんの描く物語は、僕の柄じゃないというか趣味じゃないというか、等身大の青春群像劇でも僕の実生活とは掛け離れた舞台やシチュエーションだし、僕の好きな物語世界でもないんだけど、僕は柴門ふみ先生の絵がけっこう好きで、漫画は読みやすくて、当時もスラスラと読んで行けました。柴門ふみ先生の絵は特別うまいという訳でもなかったんでしょうが、この絵柄は当時、僕は好きでした。

 TVドラマの「東京ラブストーリー」というと、当時の“トレンディードラマ”の代表作で、トレンディードラマというと背景はバブル時代でしょうが、ドラマは別として、漫画の「東京ラブストーリー」を読んでみても、確かに主題はこの時代の若者たちの、恋愛を中心とした青春群像劇なのですが、別に背景に、特に“バブル時代”を感じさせるようなものはなかったと思います。主な登場人物たちはみんな個性的で、いろいろなタイプの若者が出て来ますが、当時の日本人の若者に実際居そうな性格で、まあ、創作物語世界だからご都合主義でお話は動きますが、若者の都会生活の中でありそうな恋愛模様だったように思います。確かに主要登場人物の一人、赤名リカはかなりキョーレツな個性ですが、あれは物語世界だから極端に描いてますが、あの性格に準ずるような、明るくてポジティブで積極的で行動力ある女性は存在するんじゃないでしょうか。物語中の赤名リカそのものでなくても、同じような資質を持った性格の女性は。

 僕は大人になってからも漫画好きで、20代30代は、暇さえあれば漫画を読んでたし、まあ、大人になってからは読むのは、青年コミック主体だったんですが、20代は雑誌でも毎号買って読んでましたが、雑誌で一度読んだものも未読のものも、コミックスを買って来ては読んでました。20代も、大量に溜まったコミックスの山も引越しの都度、廃棄処分してたし、一部は当時の古本屋に持ってって僅かな金銭に換えたこともありますが、30代に溜まったコミックスの山は、僕が中三卒業と同時に愛人の元へと行って、そのまんま会ってなかった親父が、自分のアパートの部屋から愛人と息子(親父とは血縁のない、愛人の連れ子)に追い出されて、長屋暮らしを始めて、その、親父の独り住まいの部屋の空いている押入れに、コミックスの山を大量のレコード盤ともども、置かせて貰ってたんですが、その後、親父は老齢で介護が必要な身体となって、老人施設に入り、それから長屋は取り壊しとなって、僕のコミックスとレコード盤の山は消えてなくなりました。それでも一部はこの部屋の押入れにあって、押入れのダンボールをガサゴソ漁ると、80年代のコミックス漫画本が幾つか出て来ます。

 この間、押入れを漁っていたら、柴門ふみさんの「あすなろ白書-第二部-」のビッグ・スピリッツコミックススペシャルの第1巻と、「女ともだち」のアクションコミックス第2巻が出て来ました。「あすなろ白書-第二部-」の方は、1993年8月初版発行ですが、「女ともだち」は1984年9月第一刷本でした。「女ともだち」は、僕の東京圏在住時代、正確には、この84年は、埼玉県行田市に住んでいたときに購読したコミックス本ですね。「あすなろ白書」は柴門ふみ先生が、ヒット漫画を続けて発表していた、ビッグ・スピリッツに連載された作品ですが、「女ともだち」の方は何と、当時の双葉社の隔週刊誌(月二回刊)、別冊アクションに短編連作で連載された漫画なんですね。80年代の半ば近くから90年代に入ったビッグスピリッツなら、若い女性や女の娘も楽しんで読めるというような編集方針の、何か“おしゃれな青年コミック誌”感があったので解りますが、あの時代の「漫画アクション」や「別冊アクション」はやはり、男性向けのコミック誌だったと思います。「ビッグコミック」や「ビッグ・オリジナル」に比べれば若者向けだったでしょうが、内容は“男性コミック誌”でしたよね。勿論、当時も、アクションでも女性読者も多かったのかも知れないけど。そのアクション系、しかも別冊アクションに、この柴門ふみの漫画が連載され続けていたとは、意外そのものです。別冊アクションといったら、あの新田たつおの「怪人アッカーマン」が載っていた雑誌ですから。

 「東京ラブストーリー」などは一応、若い男性が主人公ですが、「女ともだち」の主人公は毎回全部、若い女性が主人公です。短編連作なので毎回一話終わりのお話だから、読み切り短編で、お話ごとに主人公は入れ替わりますが、毎回置かれる立ち位置は違えど、だいたい19、二十歳くらいからアラサーくらいまでの若い女性で、大学生だったりOLだったり専門職だったり、社会的な立場は変われど、恋愛や仕事に悩む20代くらいの女性たちです。その女性たちの一人称の独白が多い、この時代の都会生活の青春群像劇ですね。タイトルは「女ともだち」だけど、特に“女ともだち”がテーマになっていなかったり、その件の女ともだちが出て来てないお話もありますね。モロ直球、恋人との恋愛話で、ほとんど女ともだち関係ない話だったり。だいたいテーマは若者の恋愛ですよね。

 この「女ともだち」もそうですが、柴門ふみさんの漫画で多用されるのは、主人公の若い女性の独白とか心の内の思いを、喋りの吹き出しとは別に、コマの端に置く四角い吹き出し様のワクですね。この四角のワクに、主人公女性の独白とか心の内の言葉が入る。これは発音して相手に聞かせるセリフではなくて、自分の心の中で思っているコトゴトですね。この心の中の思いを綴った、四角いワク内文字が異様に多い。異様と言うと失礼ですが、主人公女性の思いの綴りはまるで、私小説みたいですね。私小説と言っちゃうと語弊があるかも。女性の主人公が自分自身の置かれる社会生活の舞台で、自身が臨んでいる恋愛や、対応している恋人やその他、友人・家族・職場の上司や同僚などとの人間関係、そういった自分の生活圏の中の周囲のコトゴトに対する、自分自身の考えや迷いや思いや、生き方などを、独白なり心の内の思いなりで、四角のワク内に文字で綴って表現して行く、という、漫画の作画方法ですね。この文字で表現している部分がとにかく多いのは、まるで、女流作家が、一人称で主人公の女性に語らせる手法で書く、女性小説みたいですね。

 柴門ふみさんの漫画はほとんどが主人公は若い女性だったと思いますが、「東京ラブストーリー」は個性豊か過ぎる赤名リカが目立ちますが、一応主人公は若い男性の永尾完治ですね。

 週刊ビッグコミック・スピリッツ創刊35周年記念企画で、2016年9号に、1988年89年に連載されて大ヒットした漫画「東京ラブストーリー」の続編が掲載されました。この続編ストーリーでは、齢50歳になった本編の主人公、カンチが、同じように歳を取った赤名リカと、ひょんなことから再開するシーンから物語りは始まるそうです。僕は読んでないけど。

 僕は子供の頃からあんまり少女漫画は読まず、それでも小学生当時は機会があれば、少女漫画を読むこともあったけど、僕の小学生だった頃の時代は、少女漫画も売れっ子男性漫画家が描いてる場合が多く、女性の漫画家が本当に少なかった。少女漫画が爆発的に開花するのは24年組の登場からでしょうね。僕は中学生くらいから完全に、少女漫画を読まなくなった。何だか青年時から大人になって、少女漫画というか、リアルに“恋愛”をテーマにした漫画は苦手になってしまいましたねえ。リアルな恋愛テーマ漫画アレルギー、みたいな。でも青年時から大人になっても、当時の青年漫画誌に掲載された「高校生無頼控」のような、小池一夫さん原作の劇画はよく読んでた。独特のお話運びかも知れないけど、小池一夫原作劇画にはお話の中に、男性側に取っての恋愛が、お話中の今一本の柱になってる作品が多い。ただ、リアルな恋愛を描いたというよりも、男性サイドに取って都合が良かったり、男性側の理想だったり、やはり男性側からの一方的な恋愛を描いていたと思う。テイストがかなり違うけど、当時の梶原一騎さん原作の劇画も、描く“恋愛”は男性側の理想でしたね。「朝日の恋人」とか「愛と誠」とか。僕が20代半ばから30歳頃まで愛読した、女流漫画家・高橋留美子さんの「めぞん一刻」は、恋愛漫画だったけどコメディだったしな。同時期の少年サンデーの「うる星やつら」も大好きな漫画だったけど、あれも恋愛要素の入った漫画だったけど、ジャンルとしてはもろギャグ漫画ですね。

 青年誌を主戦場とした女流漫画家、柴門ふみさんは青年誌でストレートに“恋愛”を扱った漫画を描いたけど、同時に作品の中身は、読者と同世代の女性の等身大の生活ライフを描いた。スピリッツには当時もけっこう女性読者も着いてたけど、果たして別冊アクションとかに女性読者が居たんだろうか、って疑問も残るな。いづれにせよ柴門ふみさんが、男性コミック誌で描く、二十代で都会で生活する女性たちを中心とした、若者群像劇は、大いに読者の共感を得て人気漫画となり、続々とバブルからバブル破裂後直ぐくらいの時代に、TV ドラマ化されて、流行や社会現象くらいの勢いで人気になった。数々の漫画作品のヒットと、そのTV ドラマ化の人気で、漫画家・柴門ふみは“恋愛の教祖”と呼ばれるようになった。

 僕自身は二十代から三十代、青年コミックの雑誌漫画をよく読んでたので、雑誌に掲載されてる柴門ふみさんの作品も、よく読みました。後でコミックス単行本で買って読んだ作品も、何冊もあります。でも、男性の僕が特別好きだった漫画ではなかったかな。等身大の恋愛を描いた内容って、そこまで興味がなかったかな。社会生活の中で普通にありそうな恋愛を描いたものが多かったので、恋愛漫画アレルギーみたいなものもある僕に取っては、そんなに興味津々、面白い内容の漫画でもなかった。ただ僕は、柴門ふみ先生の絵は好きだったんですね。特別、漫画の絵がうまい訳じゃないけど、この何か、チャチャッと描いたような絵柄が好きだった。だから、柴門ふみ漫画には絵で惹かれたというのはありますね。同じ内容でも、少女漫画専門の女流漫画家が描いてたら、読まずに飛ばしてたかも。それと、柴門ふみさんの漫画を読んでた頃って、僕が二十代後半から三十代前半の時代だから、僕自身、同世代から少し下くらいの年齢の若い女性が、何を考えどういう生活してるのか、漫画を通して情報や知識として知りたかった、というのもあった気がします。まあ、別に柴門ふみの漫画を読んで“恋愛”のお勉強をしようとかは、全然思わなかったでしょうが。ちなみに僕は、柴門ふみ先生の作品が原作のTV ドラマは、一編も見たことありません。まあ、昔は僕は、TV のドラマ番組はほとんど見てなかったですからね。トレンディードラマの代名詞たる、当時の「月九」でも見たのはたった一作品、「ひとつ屋根の下」のみです。あ、でもこれは「1」と「2」二作品見てるな。長い月九の歴史で見たのは、あとは「ガリレオ」の「1」と「2」だけですね。でも、僕も歳取って、ここ十年くらいは割りと、TV ドラマ見るようになりましたね。

 「僕の唄は君の歌」は、雑誌連載でなくてコミックスで読みました。これは、多分、当時、タイトルから買って来て読んだんでしょうね。このタイトルは洋楽好きの僕が若い頃お気に入りだった、エルトン・ジョンのヒット曲♪Your Song の、日本販売用シングル盤の日本語タイトルでしたからね。それでタイトルから買って来て読んだんでしょう。コミックス本は何処か行っちゃってて手元にないし随分昔に読んだ本なので、ストーリーをよく憶えてないけど、確か歌手志望の女の娘が、割とけっこうドジで三枚目な部分も多いんだけど、プロ歌手目指して一生懸命頑張るのに、傍に居る若い男性が絡んで来るよーな、何かそんな青春劇じゃなかったか(?)。「僕の唄は君の歌」はヤンマガの連載なんですね。これの前が柴門ふみ先生、初の連載、「P.S.元気です、俊平」。「P.S.元気です、俊平」は僕は多分、読んでないですね。もしかしたら昔、一巻くらい読んでるかも知れないけど。これもTVドラマ化された作品ですね。僕はあんまりヤンマガは読まなかったからなあ。柴門ふみ先生はメジャーになるまでオール青年誌発表かと思ったら、デビューは別冊少年マガジンの短編読みきりなんですね。80年代末頃から2000年代初め頃まで、TV界では、柴門ふみの漫画作品を原作として、青春恋愛ドラマを作るのが、それこそトレンディーの一つだったみたいですね。

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 昔の話になるが、まあ、ここのサイトで僕が書き込んでいる話の大半は昔のことなんだけど、昔といっても比較的新しい昔、多分、90年代後半だと思うんだけど、当時、FMラジオで日曜日の夕方、ユーミンのDJで「松任谷由美のサウンドアドベンチャー」というラジオトーク番組をやっていて、調べたら、85年に始まったこのFM番組は2002年まで放送されてたということだから、多分90年代後半のいつかだと思うんだけど、このユーミンの番組には毎回ゲストが居て、ある回、漫画家の柴門ふみがゲストで来ていた。ユーミンが番組冒頭で、今回はユーミン、フーミンの二大恋愛教祖の恋愛論でお送りします、みたいなことを喋ってた。調度、フーミンこと柴門ふみが“恋愛の教祖”と呼ばれて、漫画以外の活字エッセイにも人気があってメディアで話題になってた頃だったんで、ラジオを聴いてた僕もイイトシしながら、ちょっと興味深く聴いていたと思う。

 まあ、僕が別に自分の実生活で恋愛マニュアルの一種として役立てようとか思って聴いてたんではなくて(当たり前だが)、ただ、“恋愛の教祖”と呼ばれる、メディアで大人気の頭の良い女性の二人が、事実、この時代、二人とも女性たちのカリスマの一人ですよね。特にユーミンはもう長いこと、カリスマ“恋愛の教祖”でしたよね。二人の恋愛に対する考えの論理展開を楽しみに聴いたんだと思う。でも、結局、二十年近く経った今、このときのトークの内容なんて全く憶えてませんけどね。

 この時代は僕がラジオを聴いていたのは、自動車の運転中だけですから、当時の仕事は日曜出勤も多かったから、多分、日曜日の常勤というか昼勤務が夕方五時で終わっての帰りの時間でしょうね。職場からの帰宅途中で自分の車の中で偶然聴いたんでしょう。別に、毎回楽しみにしてたラジオ番組があった訳でもないし。あ、でも、五時に仕事を終えても、引継ぎや退社準備で五時から始まる番組の冒頭のユーミンの紹介、今回はユーミン、フーミンの二大恋愛教祖がうんぬん、は聞けませんよね。ということは、仕事帰りじゃなくて、休日に何処かへ遊びに行った帰りの車の中、かな。まあ、別にドーデモイイことですけど。 

 女性のリスナーだったら、こういう“恋愛”をテーマにした創作物で仕事してる人、特に同じ女性で、共感を得られる創作物、ユーミンはポピュラー音楽で柴門ふみは漫画やエッセイで、人気が高く時代のカリスマ的存在に見られている人たちのトークは、興味津々で聴いたんじゃなかろうか。逆に男の方は、こういう女性が話す現実に即した恋愛論は、あんまり面白いとは興味は持たないんじゃないかなあ。男はもっと即物的に、モロ実戦用の、恋愛マニュアルみたいな情報を欲しがる気がする。男は女たちの恋愛話なんて、普通、あんまり耳を傾けないでしょ。男は例えばデートの際の注意事項とか、そういう実戦的なハウツーにばかり興味が行きそう。

 “コイバナ”って言うくらいだし、コイバナは女性特有のものですね。男はあんまり“コイバナ”なんてしませんよね。男同士が集まってコイバナとかやってると、端で見るのも気持ち悪いだろうし、男は自分の“コイバナ”語るのは自身が恥ずかしいですね。女性ばかりの集まりでは、何時間でもコイバナ続けられるでしょ。みんな自身のコイバナ語って、お互い関心持って聞くでしょ。“コイバナ”は女性のものだなあ。男ばかりの集まりでそういう話となると、女性のルックスとかスタイルが良いとか、あるいはケツが良いだの、もうエロ目線になりますよね。美人の表面の話かエロ目線の話か。もし男が自分のコイバナをするときは、信用の置ける相手に対して、一対一で真剣な話をするときですね。真面目な相談みたいな。女性同士の集まりみたいに直ぐにイージーにコイバナが始まったりしない。恋愛について考えてるのは、やはり女性の方が頻度や時間やその深さ(内容の濃さ)まで、男性とは比べ物にならないくらいですね。少女漫画や女流が描く漫画と、少年・男性漫画を、内容で比べても一目瞭然な感じですが。

 まだ高校生だったか、いや高校卒業した後だったか、年下の友達が、女子ばかりの運動部のクラブ活動の話して、部室に女子ばかり集まってるシチュエーション指して、「あいつら男の話ばっかりしてるんすよ」みたいなこと言ってたけど、女の子はもう少女のときから集まればコイバナに花咲かせてるものなんでしょうね。僕は中高の女子の運動部の部室の状況なんてまるで知らなかったから、その話聞いたときは新鮮でした。

 70年代末から80年代に入って、少年漫画にもラブコメが入って来るし、僕らよりずっと下の世代は案外、男の子ばかり集まってても“コイバナ”話して盛り上がるものなのかも知れないですね。僕ら世代はもう今、爺さん域に入った古い昭和の世代だし。僕らはみんなでコイバナなんてちょっと恥ずかしいけど、僕らよりも下の世代は割りと平気で素直にお互いにコイバナ語り合って盛り上がれるのかも。よく解らないけど。漫画ジャンルで言うと80年代以降の少年漫画、青年コミックには、ラブコメや恋愛要素の入った等身大の生活描く内容のお話がぐんと増えたし。でもやっぱ、“コイバナ”というと女子の集まりですね。

  もう随分前だけどTV だったかラジオだったか、とある女優か女性タレントの人が、“恋愛の教祖”と呼ばれる漫画家、柴門ふみの漫画をいっぱい読んだ上で、「この作家さんは自身が恋愛豊富な人のように思えない。頭の中の想像でイロイロと描いているように思える…」みたいなことを話していたのを覚えている。ユーミンの話でも、ユーミンの都市伝説で、実際、本当にやってたのかも知れないけど、ユーミンは深夜のファミレスに一人で変装して行って、食事やお茶してるカップルが話してる近くの席に座って、カップルの会話を聞き、気になることはメモして、シンガーソングライターである自分の作詞の創作の参考にしているのだとか。

 ユーミンさんもどうだろう、そんなに恋愛経験が豊富な人のようにも見えないけど。結婚は松任谷正隆一人だけだし。ユーミンは昔、亭主の不倫で随分苦しんだようですけど。後にユーミンがけっこう歳取ってから、歳取ってからって失礼だけど、亭主の不倫の後にご自分も若い男との不倫がスキャンダルで取り沙汰されてましたよね。あくまでウワサだったけど。松任谷正隆さんの方は女房以外の女性関係はけっこうお盛んだったよーな。知らなかったんだけど、ネット回ってて拾ったゴシップで、昔は松任谷正隆さんと女優の名取祐子さんの不倫交際は有名だったらしいですね。これは僕、知りませんでした。けっこう深くて続いた不倫だったんだとか。その創作する無数のポピュラー音楽群の歌詞の内容から、“恋愛の教祖”として時代のカリスマだったユーミンさんも、そんなに恋愛経験豊富でもなくて、やっぱり持って生まれた、想像力じゃないかなあ。作詞も作曲もやるユーミンの才能でしょうね。

 「恋愛」というのを考えたとき、女の人でいわゆる「尻が軽い」とか“ヤリマン”とか呼ばれる、エッチが好きで簡単に男と寝てしまう女性の、イチイチのエッチ、ごく短い付き合いは、あれは「恋愛」ではないんでしょうね。では、「片思い」は恋愛か?片思いが過ぎてストーカーになってしまってるのは、あれは何だ?何か、あれも恋愛のような気がする。勿論、思われてる方は全く恋愛じゃないけど、片思いでひたすら相手を思い続ける狂おしい日々、なんてのは、その人に取っては重大な「恋愛」なんじゃないのかな。それとも、「恋愛」とは相思相愛じゃないといけないのか。相思相愛も親密なときもあれば希薄なときもあるし、始まりや終わりは片思いに近い状態ですよね。

 何年か前、22股とかいう女子大生タレントが出て来て、ちょっとの間、話題になってたけど、22股はウソでキャラだった、ってその後述懐してましたね。何股とかしてる女性の一人一人は「恋愛」か?昔はモテル女性は「アッシーくん」とか「メッシーくん」とか居たもんですが、モテル女性にとってのああいう男は「恋愛」じゃないですよね。でも、気に入られようと必死な男側は「恋愛」なのかも。いっぱい男が居て天秤に掛けてる状態の女性にとって、その男付き合いは「恋愛」か?「恋愛」の条件も境界があいまいですね。逆にモテル男にとって、何股もしてるのは「恋愛」か。男でも女でも、いっぱい異性のセックス有りの付き合い相手が居る人たちって、本命が一人居てそれだけが「恋愛」なんだろうか?同時に二人の異性を愛してる複数「恋愛」もある訳か。ああ、ごめんなさい。同姓同士の恋愛も勿論、ありますよね。昔はプラトニックラブという言葉もあった。

 柴門ふみさんの作品には三角関係を描いたものも、もっと複雑な四角関係みたいなのを描いたものもあるけど、作中に不倫もけっこう出て来ますね。不倫も道ならぬ恋だけど、あれもやっぱり恋愛ですね。シチュエーションに寄るけど、妻子持ちの上司が若い女性の部下に手を出して、それが男側が遊びだったときは多分、男側は「恋愛」じゃないんでしょうね。でも、女側が本気になって「奥さんと別れて欲しい」とか思い出したら、「恋愛」なんでしょうね。

 

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