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●漫画・・ 「豹マン」・「ジャンプ獅子」

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 「ジャンパー」というアメリカ制作のSF映画をDVDで見ました。SFといっても舞台は現代です。SF物語といっても、科学はあんまり関係なく、超能力モノですね。この世の中には、影に隠れて人知れず、テレポーテーション能力を持つ人々が何人も生きている。それは遺伝的な能力であり、一つの種族である。歴史の裏側で連綿と生き続ける種族であり、そしてそれを、テレポーテーション能力を持つ人々、ジャンパーを抹殺することを自らに使命と科した、狩人、パラディンという名の暗殺部隊も居る。パラディンは、ジャンパーがこの世の中に発生した時代から存在し、何千年もの間、ジャンパーを狩り続けている。パラディンの使命は、神にしか許されない力を使う、ジャンパーたちを根絶やしに殲滅してしまうことにあり、ジャンパーの一瞬にして例え1万キロメートル先でも、何処でも空間を自由に飛んで行ける超能力に対抗し、ジャンパーを抹殺する為のいろいろな武器を考案し、装備している。だが、パラディンたちは、一瞬にして空間を飛び、そのときに空間にねじれを生じさせるジャンパーには、撃った弾丸が何処に飛んで行くか解らない為に、銃器は使えない。ジャンパーを根絶やしにする為に、狩りをするパラディンから逃げ続けるジャンパー。今、主人公のジャンパーと相棒の二人が、パラディンに対して反撃に出て戦う、という物語ですね。

Photo_3  こうやってお話の設定を書いて行くと、SFといっても伝奇SFのようですね。映画はえらい中途半端な終わり方をする、と思ったら、後で知ったんですけど、これは3部作として制作される予定で、まだ続編が出来るんですね。原作は、スティーブン・グールドというアメリカの作家の、92年のSF小説らしいですね。原作小説「ジャンパー」と、映画のお話の内容はかなり違うそうです。僕がこの映画を見ていて思い出したのは、70年代末のある日本SFの一編の小説です。当時の日本サブカルチャー界は俄かにSFブームでした。ブームの大きな引き金は、78年の冬、夏と続けて公開された、「未知との遭遇」「スターウォーズ」の、2大ハリウッド特撮SF巨編映画でした。この時代、映画だけでなく、アニメも含めて小説や漫画など、雰囲気的なモノから知的なモノまで、若者を中心に世の中にはSFブームが漂っていました。あのサンリオが、SF文庫を出版したし、続々とSF専門誌が出版された。数ある欧米SFをゲリラ的に日本語訳して出版していたサンリオSF文庫は、あっと言う間に消えてなくなったし、メジャーのSF専門誌も十年後には結局、老舗のSFマガジンだけが残っていた、という有様でしたけど。そんな日本のSFブームの時代の、SF専門誌の中の、僕は、「SF宝石」に連載されていた、と思っていたけど、後に単行本として出版されたのが徳間書店となっているから、「SF宝石」は思い違いで、多分、「SFアドベンチャー」に連載されていたんだろうけど、毎月、連載分を読み継いで面白く愛読していた一編のSF小説が、鏡明氏著作の「不死を狩る者」でした。

Photo_3   「不死を狩る者」は徳間書店から単行本として81年に刊行されていますが、僕が雑誌連載で愛読したのは70年代末頃でしょう。これもね、一応、SFの範疇の作品としてSF専門誌に連載されていましたが、内容は純然たるSFではなく、伝奇SFと呼ぶべきか、怪異小説でした。僕が今現在、「不死を狩る者」自体を所持していないので、内容を詳しくは語れませんが、メインストーリーは、何千年もの悠久の昔から存在する不死者と、その不死者ハンターの戦いを描いたお話でした。不死者といっても生存期間は、お話しの中では、江戸時代に生きていた人間が現代にも存在している、といったくらいの設定でした。不死者の一族は何万人も居る訳ではありませんが、けっこうな数が存在していて、この世の不死者の存在を知る、不死者ハンターたちは、不死者を殺したときに発するガス状の精気を浴びると、何とも言えぬ素晴らしい気持ち良さを味わい、ハンター自身もこの上ない精気・生気を得ることができる。その不死者の死亡時に放つ生気ガスを浴びてハンターは、僕も、70年代末に雑誌で読んだ後は再読していないので、あんまりはっきりしない記憶だけを頼りに思い返してますが、ハンター自身がまるで不老不死にでもなれるかのような、元気の源みたいな強力な精気を得ようと、不死者を探し出しては不死者を殺して行くんですね。そういうお話です。小説「不死を狩る者」の主人公は、二人の不死者ハンターで、けっこう数が居る不死者たちは組織だってこの世に存在しています。また、不死者側も、組織としてハンター対策の攻防を練っています。

Photo_2 つまり、悠久の昔からの、不死者とそれを狩る者の攻防という構図が、アメリカ映画「ジャンパー」のジャンパー対パラディンの構図と、物語の基本設定が非常によく似ているなあ、と思った訳でして。もっとも細かく言えば、不死者ハンターとパラディンの、相手を始末する目的は違うんですけど。70年代末の鏡明氏の作品と、スティーブン・グールドの92年の作品とが大変、設定が似ているといっても、特に日本でヒットして売れた訳でもない一編のSF小説を、アメリカの作家、スティーブン・グールドが読んで真似したとも思えないし。まあ、空想ファンタジー小説のこういう設定というのも、鏡明氏が考案する以前からあった、SF的な設定かも知れないし。映画「ジャンパー」も、まあ、面白かったし、続編も楽しみだし、鏡明氏の「不死を狩る者」もサスペンスタッチの怪異アクション小説で、かなり面白かった。もう一度読みたい感じですけど。
 SF作家、鏡明氏は、日本のSF界では、山田正紀氏、横田順彌氏、豊田有恒氏らと並ぶ、日本SF第三世代になりますね。もっとも、先輩の、星進一(新一)・小松左京・筒井康隆の日本SF御三家の文豪たちを第一世代と設定しますと、第二世代ということになりますけど。鏡明氏は、元々、電通に勤めるサラリーマンで、作家業よりも翻訳ものが多く、小説も書けば評論もこなす、マルチな文化人ですね。

Photo  さて、「Kenの漫画読み日記。」、ここから本題の漫画作品の紹介に入らなければならない訳ですが、文冒頭、映画「ジャンパー」の話から入りましたので、ジャンパーから、印象的に特異なジャンパーを着用している主人公が活躍している漫画、とかに行きたいのですが、そういう漫画作品も思い当たらないので、一生懸命探せばあるんでしょうけど、上着のジャンパーの話ではなくて、ジャンパーだからジャンプの話に持って行って、ひと跳び十数メートルとかいう超人ジャンプヒーロー。まあ、映画「ジャンパー」からなら本来、テレポーテーション能力を使う、超能力ヒーローでしょうが、僕が子供の頃憧れ熱狂した超能力ヒーローには、テレポート能力者はあんまり見当たらないんですよね。勿論、有名どころだと、あの藤子F不二雄先生の作品、「エスパー魔美」なんて、アニメ化で大人気を博した漫画もありますけど、僕自身は、「エスパー魔美」は、時代的に愛読してないし、アニメも見てないし、それ程よくは知らないんですよね。僕の子供の頃のSF漫画の超能力ヒーローが、主に使っていた特殊能力は何といってもサイコキネシス=観念動力ですよね。石ノ森章太郎先生のSF漫画にはときどき、テレポート能力を使う超能力者が出て来ていたけど。06年開始のアメリカ制作人気SF大長編ドラマ、「ヒーローズ」の主人公たちの一人、日系人ヒロの持つ特殊能力がテレポーテーションですが、あれは空間を瞬間移動するだけではなく、時間軸もタイムマシンのように移動できる能力のようですね。僕はドラマ「ヒーローズ」を断片的にしか見たことがないので、内容をちゃんと把握していませんが、十人以上居る超能力者たちの運命を描いて、第3シーズンまで大長編になった大人気ドラマのようですね。そういえば01(2千)年代前半のハリウッドヒットSF「Xメン」3部作にも、テレポート能力者の登場人物が居ましたね。まあ、要は、僕はテレポーテーションを駆使するヒーローが活躍する漫画作品を知らない、という話なんですね。厳密に調べて行けば、全く知らないこともない、けど、よくは知らないから、テレポート能力者関係はやめておこう。

 長々の、くどいくらいの説明が続きましたが、という訳で、今回の漫画お題のヒーローは、ESP的超能力者ではなくて、超人的運動能力のヒーローです。超常跳躍力のジャンプヒーロー。その名も、まんま、「ジャンプ獅子」。ひと跳び十数メートルくらいのジャンプ力を持つ、スパイヒーロー、ジャンプ獅子。ジャンプ獅子は、正義の特捜機関の特務工作員みたいな、007=ジェームズ・ボンドばりのスパイヒーローだったと思います。多分。この漫画も古くてねえ、漫画と呼ぶよりは劇画、貸本劇画の人気ヒーローでしたね。貸本出身の劇画の大家、南波健二さんの60年代前半の作品です。64年65年頃の作品かなあ。SFスパイアクション劇画。この「ジャンプ獅子」は貸本消滅後、復刻はされていない筈です。だから僕が小さい頃読んでから、読み返したことはありません。でも印象に残り続けていた非常にカッコイイ、超人探偵でした。何しろ、幼少時に貸本で読んだきりですから記憶はあやふやなんですが、武器は、ピストルをバンバン撃ったりしていなかったように思う。徒手空拳で戦い、得意技はその超人ジャンプ力と、あとは殴ったり蹴ったりの格闘喧嘩ですね。敵が科学力を使い、戦車みたいな兵器で攻めて来ても、超ジャンプ力でピョンピョンとタンクを乗り越えて行く。派手な格闘アクションシーンで強い、メチャカッコイイヒーローでしたねえ。懐かしい。

Photo_4  僕も、「ジャンプ獅子」に関する資料を持っていなくて、劇画の内容の詳細は解らないんですが、うろ憶えで、当時の約130ページの貸本体裁で、全部で10巻以上、12巻くらい続いたのではないでしょうか。敵は、けっこう科学兵器を駆使する大掛かりな犯罪組織なんですよね。「まっくら闇」の巻とか、球体戦車のようなものがパカッと二つに割れて、主人公ジャンプ獅子が挟まれて飲み込まれて、敵の要塞に拉致される。確か、そこで交渉に出て来た敵の幹部がサイボーグだったんじゃなかったかなあ。何しろ、幼少時のあやふやな記憶で。それから憶えているのは、敵の殺し屋で、背中にバッテリーを背負っているヤツ。電車の中で床に大量の水を撒き、相手を感電死させる殺し屋。後は、ジャンプ獅子が、ぴょんぴょんハイジャンプしてまわるシーンくらいしか憶えてないなあ。仕方ないよね、何十年も前の記憶だもの。子供時代に読み耽った多くの貸本漫画の、その中の数あるヒーロー達の中で、僕がどうして、「ジャンプ獅子」を印象深くよく憶えているかというと、僕は小1の幼少時から毎日家で、鉛筆書き漫画を描いて一人遊びしていて、小2の頃、自分の名前から取って、「ケン」というスーパーヒーローを編み出して、「ケン」を主人公にした幼稚なSF風ヒーロー漫画を描いていたんですよね。タイトルは幼くも単純に「ミスターケン」。スーパーサイボーグ、「ケン」のモデルがジャンプ獅子なんですよね。僕は、鉛筆殴り書き漫画の「ミスターケン」を小2か小3頃から中1頃まで描いていました。無論、最初は鉛筆殴り書きのひどい絵で、歳を一つまた一つと取って行くごとに、少しづつ絵が上達して行きました。飛行は出来なくて、マッハの速度で走り、ひと跳び15メートルのジャンプ力のある、スーパーサイボーグヒーロー・ミスターケンは、見てくれの姿形は、ほとんど、ジャンプ獅子の恰好で、能力やお話の内容は、当時の「エイトマン」や「サイボーグ009」等の人気SF漫画の真似でしたね。

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 「ジャンプ獅子」を描いた南波健二さんは、貸本界でアクション劇画を描いて活躍していました。代表作は、ハードボイルド探偵アクション劇画、「タックル猛牛」シリーズと、当時TVで大人気だったアメリカ輸入ヨーロッパ戦線ドラマ「コンバット」の影響が強い、というか、ほとんど漫画版「コンバット」のような戦争劇画、「攻撃-アタック-」シリーズですね。「タックル猛牛」シリーズは、貸本で三十数巻という大長編の連作シリーズとなりました。人気劇画作家の一人だった南波健二さんは、貸本の短編アンソロジー誌にも、精力的に、主にアクション劇画の短編を描いていました。時には青春モノもあったと思います。貸本劇画の世界では、さいとうたかを・佐藤まさあき・辰巳ヨシヒロなどの劇画開拓世代の、弟分的世代になるんだと思いますね。南波健二さんは、60年代末の貸本出版界の消滅後、雑誌に移ります。貸本漫画家は主に、貸本消滅後、メジャー出版社の少年誌に移行できた漫画家と、中小出版社の成人誌に移ってエロ劇画を専門に描く漫画家とに別れます。南波健二さんは、メジャー誌の、週刊少年マガジンや週刊少年キングで連載を持ちます。週刊少年キング誌上では、当時、飛ぶ鳥を落とす勢いのスポコン劇画作家、梶原一騎氏の原作で、実在のプロ格闘技ヒーロー・沢村忠選手の活躍を描いたキックボクシング劇画、「キック魂」を長期連載し、週刊少年チャンピオンには、真樹日佐夫氏の原作で西部劇ヒーロー劇画「拳銃王子」を連載し、そして、週刊少年マガジンには、TV実写特撮予定だった、SF超人ヒーロー劇画、「豹マン」を連載して描きます。

Photo  南波健二さんが週刊少年マガジンに連載していた、超人冒険まんがと銘打たれた「豹マン」は、元々はTV実写特撮ドラマとして企画されていた、TVのコミカライズとなる筈だったヒーロー劇画です。初出連載は、週刊少年マガジン67年42号から翌68年の17号まで掲載されました。TVドラマの方は、パイロットフィルムまでは作られたものの、企画倒れで、とうとう放映実現には至りませんでした。TV怪獣ブームの草創期に、大人気を得たTV怪獣特撮ドラマ、「マグマ大使」を制作した、うしおそうじ氏率いるピープロが、次の特撮ヒーローものとして立案企画してた「豹(ジャガー)マン」や「豹マン」は、時期的なものや様々な理由が重なって、運悪くか、なかなかTV化の話が進まず、企画の話が二転三転した。その都度内容が変わって行き、初めは巨人ヒーローのジャガーマンが怪獣退治するお話が、等身大ヒーローとなったり、ヒーローデザインも大幅に変わって行く。タイトルも「ジャガーマン」から「豹マン」へ。お話内容もいろいろと変わり、結局、最後には「ジャガーマン」「豹マン」のTV化の話は消滅してしまった。そして、企画変更の都度、各雑誌にコミカライズの漫画作品が発生した。

Photo_2  TV実写特撮ドラマ企画として、初めにピープロが用意したストーリーが、地球の地上征服を狙う、地底人類マントルが地上に送り出す大怪獣どもを、地球人類の平和のために、遠い宇宙からやって来た巨人ヒーロー、ジャガーマンが退治して行く、というお話で、この内容に一番近い形でコミカライズ化されたのが、月刊誌冒険王に連載された分の「豹(ジャガー)マン」です。しかし確か、冒険王版のジャガーマンも、巨人ヒーローではなく、等身大ヒーローであったように思います。便宜上、コミカライズ化と書いてますが、結局、TV化は無かった訳ですけど。冒険王版「豹(ジャガー)マン」の作画は、永島慎二さんで、この方も貸本出身ですが、けっこう古くから雑誌にも描いていました。代表作となったのは、梶原一騎さんの原作付きでTV放映された「柔道一直線」でしょうね。もっとマニアックには「漫画家残酷物語」などの、あの時代では非常に個性的な作品がありますけど。次が講談社系雑誌の「豹マン」ですね。

Photo_3  TV企画が変更され、等身大ヒーローとして、姿形も、野生の猛獣の豹そのものの、体毛や模様のある顔姿になりました。設定も宇宙人ではなく、人間の探偵青年が正義の科学者に改造されて、地球を救う超人ヒーローになる物語。ちょっと「エイトマン」なんかに似た設定ですね。サイボーグ化されたのかしら。こっちの設定のお話の方でコミカライズ化されたのが、講談社の雑誌に載った「豹マン」です。月刊誌「ぼくら」の方では毎月のぶ厚いB6版の別冊付録で、68年1月号から7月号まで、オリジナルストーリーの長編が3話で、連載が続きました。こちらはSFヒーロー漫画の第一人者、桑田次郎さんの作画。そして週刊少年マガジン版が、南波健二さんの「豹マン」です。こちらのマガジン版は、原作に作家の宮崎惇さんが着いています。小説家、宮崎惇さんは、元々SFなどのジュブナイルも多く手掛けてこられた作家さんで、僕が幼少時、漫画を読み始めた頃の少年マガジンに、「ミスターサルトビ」という探偵ヒーロー活劇を、小説で連載されてました。僕は子供の頃は、漫画は嫌という程読むが、活字が大の苦手で、本はおろか教科書も読まないような馬鹿ガキでした。なので、「ミスターサルトビ」も毎週掲載されていたのは知ってましたが、一度も読んだことはありません。だいたい、60年代までの昔の、少年向け雑誌は月刊でも週刊でも、けっこう読物にページを割いていた。絵物語、少年向け小説、子供向けの情報記事、読者ページ。巻頭カラーグラビアページも、少年たちが夢見て胸踊るような、SF的な情報記事をカラーイラストの口絵で解説している。昔は夢があったなあ。今は子供向け雑誌も巻頭グラビアはほとんど、半裸の女の娘の写真ばっか。

 南波健二氏描く「豹マン」も、これといった武器は持たず、徒手空拳で戦うヒーローでしたね。やはり、飛行能力は持たず、超人的跳躍力を発揮してハイジャンプしながら攻防していました。もっとも、超人改造した味方の博士が開発した、超ハイテクスーパーカーに乗って、この車の能力を駆使して敵を追跡、戦闘しますが。この車、空も飛ぶし。ジャンプヒーロー、豹マンの敵は、第一話のエピソードでは、地球征服を企む侵略宇宙人ですね。いろいろな怪物たちを操って豹マンを苦しめる。このお話の中で、途中で、侵略宇宙人たちの基本体である怪光生物が、小さな町のオンボロ団地の住民に取り付くエピソードがありますが、僕、何か、こういう怪奇ムードのお話が好きなんですよね。古くは、「SFボディスナッチャー」「インベーダー」や「マグマ大使」の人間モドキのように、普段普通に生活している市囲の住民たちがある時から徐々に変わって行く、入れ替わって行く‥、という怪奇エピソード。このシュチュエイションが僕、昔からゾクゾクして何とも好きなんですよね。隣のあの人も会社の部長も家のお姉ちゃんも、何だか人が変わってしまっている‥、という怪奇ムード。好きですねえ。

 という訳で、超人ジャンプヒーロー、豹マンのお話でした。50年代半ばから60年代の十余年という短い間に隆盛を極めた、当時のアングラ文化、貸本からの出身で、貸本消滅後も雑誌で活躍された漫画作家さんたちも、もう皆さんご高齢になられて、中には亡くなられてしまわれた方も少なくはありません。時代は流れ、時代ははるか過ぎ去りましたねえ。貸本時代は良い時代だったなあ。はるか、懐かしい。

(2016-7) テレポーテーション能力に関しては昔から疑問に思っているのが、例えば映画でも漫画でもアニメでも、超能力者の主人公がテレポートすると、地球上の行きたい地点に瞬時に行ける訳ですけど、地球そのものは太陽の周りを公転してるんですね。地球の公転速度はおおよそ秒速30キロです。カチカチと言う間に30キロ先までふっとんで行っちゃう。メチャメチャ速い。秒速30キロを時速換算すると、何と時速108000キロ。音速は温度に寄って微妙に左右されるそうですが、宇宙空間で音速はあり得ないけど、仮に極低温の宇宙空間でマッハ換算すれば、多分だいたいマッハ100。マッハ100!ですよ。もうムチャクチャな高速です。僕は昔から思ってたんです。地球上でテレポートなんかしたら宇宙空間に放り出されるんじゃないかって。だって地球は時速10万キロで移動してるんですよ。テレポーテーション能力を使うのに二秒掛かれば、地球は60キロ先に移動している。秒速30キロでぶっ飛んでる地球のある地点にうまく着地できるのかどうか?テレポーテーション能力が地球の重力の影響を受けるというのもどうか?僕はテレポートすれば宇宙空間に放り出されるという気がするんですけど。テレポーテーション能力って、物理学者とか科学者が真面目に学術的に考察してるのかな?どうなんだろ?僕も調べたコトないから解りませんが。例えば「理論的にはありうる」とか、そういう解を出した学者って居るのかな?普通に考えると、あれは、別次元を抜けるのかな?例えば四次元空間に一旦入って、出て来る先が地球上の行きたい場所、とかいう。地球上の地上と別次元との間に時間が影響しないというコトで。異次元に一時間居ても、地上に戻れば一瞬だという。四次元とか異次元世界が空間のトンネルで、SF の宇宙航行でよく言う「ワープ」みたいな。ワームホールとかね。パラレルワールド理論とも重なるけど、よく、空間は何層にも重なってる、って言いますね。ただ、空間と空間を結ぶ穴が見つかってないだけだって。パラレルワールドに行って戻って来てこちらの世界の時間が掛かってなければ、こちらの世界で見ている人から見れば、一瞬消えるからテレポートしたように見えるのカモ。地球はかなりの高速で自転してるから戻って来たとき地球が自転した分だけ移動しているから、地上で端で見ている人からすればテレポート移動したように見えるのカモ。テレポーテーション能力は、異次元移動って考え方か、空間を折り曲げるという考え方か、あるいは時間を止めるという考え方か。でも、いくら超能力者でも、個人の力で空間を折り曲げるってのはちょっと凄過ぎる。平坦な紙を左右から押して浮き上がらせると折り曲がったところで紙面がくっつく。あの理論ですね。ワープというのもこれですよね。時間を止めるというのもちょっとなあ…。超能力者SF でよくやる時間を止める能力は何処まで影響するんだろ?地球上だけというのも変な話だし、例えば太陽も金星も止まっているのか?地球は自転してないのか?いろいろ突っ込みどころが出て来る。時間を止めるっていうのもムチャクチャ過ぎる能力ですね。

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