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「中春こまわり君」 ~ 「がきデカ」 ・・・ (2) with「喜劇新思想大系」

 

 カムバックこまわり!「がきデカ」ワールドの記念すべき再開。二十数年の時を経てよみがえる、一時代のギャグの王者、こまわり君。そのこまわり君達が、実時代の経た年月同様、歳をくって中年前期世代として、社会人となりそこでも繰り広げているドタバタギャグワールド。2年前に二十数年ぶりの続編リヴァイバルを果たした「がきデカ」ワールド、「中春こまわり君」は04年ビッグコミック誌上で2回に分けて掲載され、話題を呼びました。今回もパチンコ新ソフトCR新がきデカ登場とコラボ企画なのか何なのか、関係あるのかないのか、しかしあのパチンコソフトの総登場人物の動きはよく出来てるぞ、CR新がきデカ。なのだけども、とにかく同時期登場、パチンコのこまわり君と、今回の3回分け連載で登場、ビッグコミックの「中春こまわり君」2年ぶりの第2部。で、今回、ビッグコミック10号、5月25日号掲載分、その後のジュンちゃんの巻、第2回。

 

 相変わらずシュールな展開のドタバタギャグですが、40歳ジュンちゃんの貧窮困苦な状況。母親は見離し、姉は雲泥の差のリッチそうな暮らしぶり。何もかもうまく行っているような姉、昔はツッコミ役のモモちゃんと、ボケ役ひとすじ、二度の離婚の末、薄情な前夫の元へ戻り介護に明け暮れる、絶望のジュンちゃん。今回読むと、昔の「がきデカ」時代に比べると、何か、スピード感はかなり落ちた気がします。でもまあ、あの世界は生きてます。変なお笑い世界です。面白くて笑えますよ。んでもって、前号で、栃の嵐の孫、栃の光の小料理屋で新人板前さんとした働いている、いかにも獰猛そうな土佐犬なんですけど、今回では、その犬が、ジュンちゃんを弄ぶ前夫の、愛人の義兄なのだと解る。シュールな展開ですが、ジュンちゃんの前夫は人間です。前夫の愛人も人間です。でもその女の娘の義兄は土佐犬なのです。まあ、秋田犬雑種の栃の光の女房は人間ですからね。いいんでしょう。で、ジュンちゃんのこの状況に、こまわり君と西城君が絡む。さて、この後の展開は如何なるか?待たれよ、次号。で、次のドタバタは5月25日発売のビグコミ11号ですね。6月10日号。

 それでは、「中春こまわり君」の元マンガ、1974年から81年まで、大人気で連載が続いた、山上たつひこ先生のギャグ大作「がきデカ」の話に移ります。


 当時の少年チャンピオンコミックス「がきデカ」を何冊か取り出して、パラパラ繰り、何話か読んでみたら、やっぱしおかしくて笑いました。漫画史に残る爆笑漫画「がきデカ」。本人はそう、思ってはいないかも知れませんが、やはり山上たつひこと言ったら「がきデカ」ですよ。本人が例え、いや違うと否定しても、一般世間的には、大きく、日本の漫画史的には、山上たつひこの代表作と言えば、それは「がきデカ」だと誰もが言うでしょう。シリアスな劇画作品に、SF的な異色作「光る風」という秀作もありますが、陰の代表作と言えば「喜劇新思想大系」だと思う。「喜劇新思想大系」とは、漫画史に残るギャグの名作「がきデカ」創造のきっかけとなった、艶笑ストーリー・ギャグ青春群像お笑い大傑作漫画ですが、これはまた追って書きます。

 僕は、多分、少年チャンピオンコミックスの「がきデカ」全26巻、全部持ってると思う。押入れのダンボール箱のどれかに、分かれて突っ込まれてるでしょう。数冊は探し出して、手元に出して来たんですけど。前の「中春こまわり君」と「がきデカ」書いたトコのコメント蘭で、僕は、2千年代になって読み返したら笑えなかった、と書き込んでますが、訂正します。今度は、笑いました。今回、何話かパラパラと読んで行ったら、数箇所でおかしくって、笑ってしまった。確か、3、4年前に読み返した時は、笑えなかったと記憶してたんだけど、おかしさや笑い感、面白さとかいうものは、多分、その時々の本人の立場、環境、精神状態、精神的状況などによって、変わって来るものではないかと思う。それは、笑いの傾向って、絶対、時代によって違うでしょうけどね。僕の前の世代、僕の後の世代、今のヤングの世代、好きなギャグ系漫画の笑いの傾向は違うでしょう。勿論、個人差もあるでしょうけど。

 僕の個人的な、漫画史的なギャグの流れはね、つまり、僕の幼少時からの、初めてギャグ漫画というものに触れて、その時大笑いしてからの、結局僕的な趣味という事になってしまうけれど、ギャグという言葉で呼ばれてなかった時期から、最初、先ずは「よたろうくん」の山根あかおに、次が「丸出だめ夫」「ズーズーC」の森田拳次、「おそ松くん」「天才バカボン」の赤塚不二夫、そして山上たつひこ、その後が「うる星やつら」の高橋留美子となります。ギャグ漫画と呼ばれ始めたのは、赤塚不二夫氏からですね。「よたろうくん」「丸出だめ夫」あたりまでは、ゆかい漫画と呼ばれていました。勿論、ワタクシの極く個人的意見でして、50年代から80年代まで、ギャグ漫画を描いて来た漫画家は数限りなく居ます。僕的な、漫画史に残るギャグの流れ、の思いです。僕は90年代からは、よく知りません。90年代からは解りません。僕的には、毎週の少年チャンピオンで「がきデカ」で大笑いしていた時、同時期に連載されていた「マカロニほうれん荘」は全く笑えませんでした。あんまりきちんと読んでないんですけど、「ドクタースランプ」も笑えなかった。まあ、個人的な趣味の問題も大きい事ですけど。

 「がきデカ」の笑いの基本は、関西漫才のボケとツッコミです。それを漫画誌面の画面において誇張させて、オドロキと同時に爆笑させる。テンポも速く、スピード感もあります。「天才バカボン」「がきデカ」が出現する前の、ゆかい漫画の時代には、もっとずっとゆっくりしていた。時代そのものが昭和30年代でしたし、漫画誌的にも月刊誌の時代だった。これは大きいと思います。赤塚不二夫というギャグ漫画家が登場したのは、週刊誌の時代になってからなんですね。無論、赤塚先生は月刊誌でも沢山、作品を描いて来ています。でも、その個性、ギャグ漫画家としての特性を発揮したのは、週刊誌連載の「おそ松くん」からだと思います。そして「天才バカボン」から「レッツラゴン」へ。時代の流れを掴み、合わせて行ったのか、それとも時代の流れが赤塚ギャグを迎合したのか。それまでの、ゆかい漫画に比べて、赤塚ギャグ漫画はとにかくテンポが速い。それは勿論、まだまだ、ゆかい漫画からの昔ながらの、じいーんと来る、情に訴える面は、「天才バカボン」や「もーれつア太郎」に見られるような親子の情や家族愛、あるいは仲間との友情などの、ほほえましく心暖かな部分が、お話の味付けにかなりウエイトを持っていますけど。これがかなりドライになって行くのが、「レッツラゴン」からですねえ。または、「天才バカボン」の後半部に突入してからの、シュールなお話構成。というか、あの時代からは「天才バカボン」は明らかに、赤塚ギャグの実験場でしたけど。あ、天才、赤塚不二夫氏の話ではなかった。「がきデカ」の話だった。

 

 長期間に渡り、月刊誌連載を続けて来た、山根あかおに氏の「よたろうくん」は言わば落語でした。お笑いが落語で進んでいた。タイトルからして、落語の定番登場人物、のろまでゆっくりぼんやりボケという、キャラの与太郎の名前から取っていますもんねえ。「よたろうくん」て、1956年の講談社少年クラブからの連載なんですねえ!僕が幼少時愛読したのは「ぼくら」誌上です。どのくらい続いたんだろうか?多分、12、3年間か、それ以上。この漫画も、僕はおかしくておかしくて大好きでした。で、「がきデカ」は漫才。それもスピード感ある速い漫才です。だから、だいたい舞台は一箇所ですよねえ。せいぜい2箇所。漫才的ギャグ進行だけど、登場人物は多彩で、漫才というより、吉本新喜劇的。シュールと言えるような誇張されたオドロキのボケと、デフォルメされたツッコミで織り成す、漫画誌面上拡大吉本新喜劇。という感じですかね。この「がきデカ」世界開花のきっかけとなった、これもすごい秀作なんですが、「喜劇新思想大系」これについては、また書きます。

  

◆(2006-05/02)「中春こまわり君」 ~ 「がきデカ」 ・・・ (1)
◆(2006-05/14)「中春こまわり君」 ~ 「がきデカ」 ・・・ (2) with「喜劇新思想大系」
◆(2006-05/28)漫画・・ 「中春こまわり君」 ~ 「がきデカ」 ・・・(3)

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「魔物語 -愛しのベティ-」

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 またまたDVD映画鑑賞ネタになってしまうんですけど、それにしても、ニコール・キッドマンは素敵ですねえ。さすがはハリウッド第1級女優、違いますねえ。どんな役もこなす。「ザ・インタープリター」も「アザーズ」も、この前見た「ステップフォード・ワイフ」も、そして今回の「奥様は魔女 -Bewitched-」も。シリアスもコメディも性格を全く変えて役作りをこなす。知性的な美しさと、今回見たコメディでの可愛さ。どんな役でも、魅力を十全に発揮する。いやはやたいしたものです。ハリウッドではもはや大女優と呼ばれる一人なんだろうからなあ。とても楽しい映画でした。ニコール・キッドマンの「奥様は魔女」。

B0009b16te01  1960年代のTVドラマ、「奥様は魔女」は日本でも大人気の、不思議ホームドラマ・コメディでした。主演エリザメス・モンゴメリーが魔女サマンサ役をやって、50年代60年代のアメリカの家庭の専業主婦をこなし、楽しくおかしいホームドラマ・コメディをアメリカで、1964年から72年まで大人気で続け、日本でも66年から放送、人気を博し続けました。特に魔女の主婦、サマンサがばれないように魔法を使うときにやる、ピクピクピンて口の動き、流行りましたねえ。意外とあれ、難しいですよねえ。僕も子供の頃見た覚えがあります。向こうのサラリーマンの主人ダーリンと主婦サマンサが営む家庭に、サマンサゆかりの魔法使いが現れて織り成す、コメディーのホームドラマでしたから、子供時分の僕は熱心に見るファンではなかったけど。でも、両親と一緒にけっこうよく見ていたと思う。「可愛い魔女ジニー」って、似たドラマ設定のアメリカ番組がやってたけど、同時期の放送なんですねえ。記憶的にはもっと後かと思っていたけど。日本での放送は、こっちも66年からとなっている。同時期です。僕は、再放送で見ているのかしら。「可愛い魔女ジニー」の方が、ジニーそのものが色っぽくて、もうそろそろ色気でも覚えようかって年頃になる子供には、興味があったかも。でもまだやはり子供だったからやはり、そんなには熱心に見てはいない。ジニーは今でいうエロ可愛い、だったのかな。「奥様は魔女」は日本でもTV放送史に残る、輸入ドラマです。

  

Img7fcec03f34xszk  今回の2005年アメリカ映画「奥様は魔女 -Bewitched-」は、エリザベス・モンゴメリーのやったサマンサ役を、新たにニコール・キッドマンがやる、というのとは違って、前作を踏襲した別ドラマです。リメイクだけども、お話自体はちょっと違う。60年代大人気のTVドラマのリメイクで、人気回復を謀ろうという落ち目の俳優ジャックが、新人女優を探し出す。魔女の主婦役に抜擢された新人女優は、実は本物の魔女イザベルであった‥。それから織り成すコメディの恋愛ドラマです。60年代前作を踏まえたお話で、同じ劇中登場人物は出て来るんですけどね、微妙に配役が違う。まあ、見てのお楽しみですけど、面白いです。モチ、主演ニコール・キッドマンは美しいし、役柄的に可愛いし、ホント、イイ!です。イザベルの口を動かす、ピクピクピンが見もの。僕は洋画を見ても、ニンマリすることはあっても、声を上げて笑う事は滅多にないのですけど、この映画では笑いました。おかしかった。まあ、もっとも、僕は洋画はサスペンスやミステリー専門だから、あまり声を上げて笑わないのも当然ではあるのですけど。

10002153281  というところで、漫画です。出た、いよいよ漫画作品。「奥様は魔女」のTV放映も映画も、扉に、箒にまたがって飛ぶ、魔法使いの帽子を被ったサマンサ役E・モンゴメリの似顔漫画アニメが流れました。扉タイトルバック絵アニメ、です。それとは関係ないんですけど、日本の魔女漫画。あ、そういえば、最近、日本のTVドラマで、日本版「奥様は魔女」、やってましたね。魔女主婦役が女優の米倉涼子で。ダーリン役が原田泰三。2004年の放送です。1回も見てないけど、あれはヒットしたのかな(?)。はい。TVドラマでなくて漫画ですね。漫画作品。漫画で、魔女を扱った漫画は多分いっぱいあると思います。魔女が主役の漫画で、僕がすぐにポンッと思いつくのは二つ。一つは三山のぼるさんの「メフィスト」。もう一つが原作・小池一夫、作画・叶精作の「魔物語」。今回は、「奥様は魔女」がコメディだったという事で、シリアス味が強くホラー系の「メフィスト」ではなく、「魔物語 -愛しのベティ-」の方で行きます。

 劇画「魔物語 -愛しのベティ-」は小学館ビッグコミックオリジナルに1980年から85年まで連載されて、同社のビッグコミックスでは全17巻で刊行されています。勿論今は絶版でしょうが、原作者の小池一夫氏の出版元から文庫とコンビニ版とでも呼ぶ軽装単行本で、新たに出ています。これも今現在、新刊で買えるのかどうか‥、ですけど、劇画物語としてはもう大長編の部類ですねえ。稀代のストーリーテラー小池一夫さんの、油の乗りきったというのか、一番活躍されていた時代の、多くの傑作を生んだ時期の、その傑作のひとつです。この頃の小池作品には、男女恋愛の「愛」をテーマにしたものが多い。もともと小池ストーリーは、初期はともかく中期からの数多い傑作陣には必ず一本、テーマに「愛」が通っていました。青年漫画・少年漫画に、真面目に考える「愛」というものを導入した、初めての人なのではないでしょうか。小池一夫原作劇画に通る「愛」のテーマは、ちょっと大袈裟に聞こえますが、ある種、哲学的なものでした。さまざまなシチュエイションの小池「愛」論が、各物語を通して展開されているのです。

 少年漫画に「愛」を初めて持ち込んだ人は、小池一夫よりも早い時期に、60年代からの漫画原作の王者、梶原一騎が居ます。「巨人の星」「あしたのジョー」等の代表作にもそれとなく、エピソードの一つとして、梶原流青少年向けの「愛」が挿入されていました。実際に「愛」をテーマにしたかの如き、「愛と誠」や「朝日の恋人」などの少年漫画原作作品も連載されました。しかしその説く「愛」は画一的で古臭い、男のロマンの付け足しのような愛だったように思えます。あくまで主役は男で、それを支える愛、あるいはもっと違う広い意味での理想的愛、だったように感じます。やはり、男女の仲の真面目に考える「愛」を劇画に持ち込んだのは、小池一夫でしょう。梶原の説くような、しょせん物語中の、そのまま行けば神の愛だとか人類愛にでも繋がりそうな、無理な理想的愛ではなく、そう、はっきりと男と女の恋愛の「愛」です。この「魔物語」も悪魔や妖怪、魔法の世界を描いて、テーマは男女の「愛」なのです。

 ヤクザ者の肝川胆平が仇討ちの殴りこみに出掛ける途中で助けた可愛い女の子は、実は魔界の次期女王候補ベティ‐バレンタインであった。最初、ベティが人間胆平にベタ惚れするものの、お話はいろいろな方向へと展開する。やがて魔界が舞台となり魔界の掟なぞあって、人間胆平の愛が試され、二人に試練が訪れる‥。長い長い物語中、ハラハラドキドキや活劇シーンありで、ファンタジーの中にもあくまで愛を描く、コメディー味の大長編劇画です。作画は叶精作さん。非常に絵のうまい漫画作家さんです。小池一夫とのタッグを組んだ劇画名作は数知れず。初め、さいとうたかをプロで、アシスタントを4年間やって、小池一夫のスタジオシップへ。後に独立。漫画作家だけでなく、プロのイラストレイターとしても定評があり、Macを使った精緻なCGイラストも作画する。僕が、小池一夫原作・叶精作作画で一番好きな作品は、SF劇画「ブラザース」ですね。いつかここで、「ブラザース」を書こう。

 

 僕は、「魔物語 -愛しのベティ-」は雑誌連載で、多分ほぼ全編読んでるんじゃないかなあ。と思う。後にコミックスでも読み返しているけど、とても全17巻ではない。コミックスでは読んでても、10巻までくらいですね。似たお話傾向の作品に、同じ小池一夫原作で、作画を永井豪氏がやった漫画、「花平バズーカ」というのがある。これも、人間花平と魔女との恋愛の「愛」を描く作品。青少年に考えさせるところがありますよ。尚、知らなかったんですけど、小池一夫氏の制作で1986年にアニメ映画が作られているんですねえ。これはオリジナル原作のコミックス1~3巻のお話を脚色したストーリーらしいです。一応、成人向け指定ビデオになっている。

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「-・・・・・・・-」

Osyare

 いやはや考えるもんですねえ、今、小さな女の子とその、若いお母様に、大人気らしい、「おしゃれ魔女-ラブ&ベリー」、通称ラブベリ、ゲーム機拡がりですねえ。ゲーム機の世界にいろいろな、子供の夢中になる遊び要素を混み入れして、その母親まで、その世界に巻き込み、熱中させるという、ゲーム機商業戦略。知りませんでした。こういうものが街で流行していたなんて。子供達のカード収集遊び心を捉え、そして女の子特有の着せ替えおしゃれ心を捉え、ゲーム機の窓の中の、着せ替えした自分のお人形さんを、ファッショナブルに踊らせる‥、しかもそこに競いがあり得点がある。次は上得点を‥という向上心はリピーターを限りなく呼ぶ。これに女の子の保護で着いて来る遊び心を持つ、比較的若いお母さん達がはまる。う~ん、やりましたねえ、セガ。今の時代、昔若き頃、産業社会で、身を粉にして働いて来て日本経済を作って来た、年配の人達が馬鹿にして卑下するようなものが大流行し、金を生んで行く。セガはアパレルにも乗り出したらしい。ゲーム機の中の夢のヒロインと同じものを着たい、着せたい。金儲けとは考えるよなあ。

1131843736  この「ラブベリ」のソフトの基本設定をプログラマーが作って、各種着せ替えのファッションを入力する時、ファッションデザインを考えるのは実際の服飾専門の人達らしい。プロか専門の学校を出た人達かが、ファッションデザインを作る。ファッションアイテムはどんどん増える。子供の収集ファッションカードもどんどん増える。「美少女戦士セーラームーン」とかのSFみたいな世界のヒロインとは違うから、実際に作ったお洋服も普段の生活の中でおしゃれに着れる。一般人に金を落とさせるように色々考えますよねえ。泡沫ゲーム機ソフトの世界ですから短期勝負でしょうけど。SEGAはムシキングも作ったんでしょ。バーチャルリアリティーみたいな世界の中で子供を虜にする。子供達は外へ出て身体を動かし仲間と実際に物事を行うのでなく、画面の前でほとんど限りなく一人に近い状態で遊ぶ。いや、別に、僕は批判している訳ではないんですけど。ただ、現象がそういう事だなと、思ってるだけでして。その内、このラブとベリーのキャラクターがゲーム機の外に出て行き、漫画になったり、アニメになるのかも?でも、ソフトのCG絵は無機質っぽいからなあ。けっこう、決められるままに着替えて、自己表現はせいぜい踊るくらいのアンドロイドっぽさがウケてる要因なのかも。

Top_lb  しかし、じじい臭いって言われちゃうけど、僕等が子供の時代まで親なり先生なりにそれとなく教え込まれた、質素倹約や物を大切に、の精神は、この大量消費時代には経済活性の妨げとなる。これは何か、市場資本主義の根本的欠点のような気がする。勿論、再利用という形で物をぐるぐる回すというやり方等、考えている訳でしょうけど。今は昔みたいに修理して使うのでなく、即買い換える時代ですからねえ。技術屋が修理して長持ちさせる事よりも、同製品がもう1台売れた方が、やはり経済活性はするんだろうからなあ。製品が複雑になっちゃっていて、修理が簡単には行かない、という事もあるかもしんないけど。

 で、冒頭、今流行ゲーム、「ラブベリ」で始めたんで、今回はこのところの、ワタクシが目に付いた巷のニュース、話題なぞを、だだっと書き連ねてみます。先ずは、ゲーム機関係で、もう一つ。あの携帯ゲーム機「ゲームボーイ」をヒットさせた任天堂の、新携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」が大ヒット、ばか売れしたんだとか。何と、ニンテンドーDS機は販売実績750万台!なんだって。あの、松嶋菜々子がTVでCMやってた頃は、生産が追いつかず、しばらく品切れ状態だったとか。あのCMでやっているソフト「脳を鍛える大人のDSトレーニング」なんて、我々オヤジオバサン世代でもやってみたいゲームだよね。別にRPGファンとかでなくとも、普通一般の健康趣味の人達にも興味をそそる。このソフトもばか売れで、販売実績480万本!だって。それと、よく知らないんだけど、「おいでよ動物の森」、通称オイモリというのが、300万本突破のばか売れらしいです。こういうヒットゲームは、親子で楽しんでいるんだそうな。親子でウケる。「ラブベリ」とおんなじキーポイントですな。え~と、ゲームの事をいろいろと書きましたけど、インチキみたく思われるかも知れませんが、実はワタクシ、全くゲーム類はしません。子供時代からあんましゲーム関係には興味の無いガキでした。ただ、最近の話題で目に付いて。

 東京周辺における、メイド喫茶に代表される萌え系アイデア喫茶の隆盛。僕なんか、「ほんまかいな?」って思っちゃうんだけど、繁盛してるんだろうからなあ。ツンデレだとか。「ツンデレ」って表の看板に明記してあるんだろうか?店入って、いきなりの態度だと、やはり帰っちゃうよなあ。場所の条件にもよるんだろうなあ。


 あとは、日本の川とか湖、池の淡水魚などの生態系を壊し続ける外来魚の話。噂話などでは済まされなくなった実態。アマゾン川やミシシッピー川原産の大きな魚がどんどん増え続けていて、昔ながらの日本の淡水の生態系が破壊される一途らしい。中にはアメリカ産のとてつもない巨大魚や、かのピラニア系の魚までが見つかっている事実。大きくなって処分に困った外国産観賞魚を、その辺の池や川に放してしまう珍魚ペット愛好家達。いいだろう、ってちょっとした軽い気持ちが、日本の生態系破壊に繋がっている。

 政治関連だと、ここのとこ連日、竹島の領土問題が騒がしかったですねえ。TVの硬いネタ系の討論番組でも毎回取り上げられています。確かに今勃興している、お互いの領土という、大きな国際問題で、特に韓国サイドが激しくヒートアップしています。討論番組の政治家、知識人らの言うように、韓国側も合意して、国際的な場所に預けるのが一番良いような気がします。国際司法裁判所でしたっけ?第三の国々に考えてもらう。お互いにもう、国際的な機関に判断を任せる。韓国もジャパンバッシングの材料にして大騒ぎばかりをしないで、冷静に他のあまたの国々に歴史上やいろいろな事を考慮してもらって、国際的判断をしてもらう。そこで決まった結果をどちらも飲む、と。即決はしないで熟考して二、三年は掛けて調査した上で、ですね。せっかく、韓流ドラマや韓流映画、そしてお互いの音楽など、ポピュラーな文化面ではうまく交流して行ってるんだから、政権は何もそれをワザワザ反日感情をあおる事ばかりしなくとも‥、と思いますね。


 あとはやはり中国の脅威というのはありますよね。いろいろな事柄で。雑誌で読んだのですけど、2011年から2020年頃までに、中国の台湾侵攻はあると予想される、とか。台湾が領土化すれば日本も中国に呑み込まれてしまうと、危機感を持つ知識人は多いようですね。日米同盟を組む日本国。中国が台湾を侵攻しようとした場合、米国のF15は沖縄から飛び立つ。中国側は沖縄の米軍基地を攻撃する。中国本土の空軍基地を日本の国土から飛び立った戦略爆撃機が狙う‥、という事もありうる。こんな事になったら日本はどうなるか解んないですよね。のほほんとは絶対構えては居られない。
 何事も、政治の問題は、いろいろな立場の人が居る訳で、簡単には判断出来ない難しい問題ですが。特に国際問題は難しいですよねえ。

 2月頃だったか、福祉関係の講演を聞きに行ったときに、講師の大学教授が、当時話題になっていた、米軍沖縄基地の一部をグァムへ移転する費用を、日本が、え~と、済みません金額忘れました、全額ではないけど、一部莫大な費用を負担するという事について、怒っておりまして、一般庶民の弱者に苦難を強いて来ているのに、小泉純一郎という人は、どうしてあんなに人気があるのか不思議でたまらないと、小泉政治の批判をしておりました。それがここに来て、どびっくり!驚嘆の額、米軍再編の日本国負担は何と3兆円だと。この3兆円負担はほぼ決まったようなものなんでしょ?これは今世間でもっとも大きな話題の一つですよねえ。「週刊現代」の俳句形式コラムで、高橋春男氏が打つ、皮肉俳句。「功績は自殺者の数顔涼し - 小泉首相の功績、歴代首相中No.1」。ますます拡がる格差社会。

 村上龍ホストで、ホステス小池栄子の日本経済のキーマン紹介番組、TV東京の「カンブリア宮殿」にmixi代表笠原健治さんて30歳の社長と、はてな代表の同じく30歳、近藤淳也社長が出演していました。どちらも名前は知っていましたけど、何やっている会社かは知りませんでした。番組見てだいたい解りましたが、mixiってどうやって収益を上げているんだろう?「はてな」のやっている「人力検索はてな」の世界って、僕が前回紹介したベストセラー書「Web進化論」で著者の言っている事を、そのまま体現している会社、という気がしました。そのまんまやないかい、と。「Web進化論」は「はてな」の事を解説しているようなもんや、という感じ。

 芸能関連ニュースでは、驚きはキョンキョンと亀梨くんのツーショット。ラジオの芸能ニュースでフライデーにスクープされたと聞いたんですけど、雑誌で読むと、やっぱつきあっているみたいですね。今や爆発的人気のカトゥーンのトップアイドル亀梨くんだから、キョンキョンは女の子にメチャクチャ恨まれるだろうな。雑誌によると、こういう時、芸能プロダクション側は、近々破局説を流す筈だとか。その後しばらくつきあいが続こうとも。雑誌情報では、週の半分は亀梨くんがKyon2宅に寝泊りする半同棲状態なんだって。40歳小泉今日子の熟女テクで20歳の美少年亀梨和也を虜にしたとか。ほんまかいな。40歳の女性を熟女呼ばわりはちょっと辛いですねえ。小泉の元夫、永瀬正敏は歌手中島美嘉と不倫交際してたんですねえ。知らなかった。中島美嘉は歌やキャラがけっこう好きです。まあ、別に芸能人同士が誰と誰が付き合おうと構わないんだけど。

 後はねえ、ホリエモンが保釈祝いの豪華合コンパーティーを開きそうな噂だとか。ホリエモンは今の状況でも、今後の金もビジネスも女もちっとも困らないだとか。今や視聴率の女王、細木数子の占い的中率は34%だと「PHPカラット」という雑誌が算出しているらしい。はずれ率64%だって。同じ内容傾向の高視聴率人気番組がそうそう何年も人気を維持出来る訳もないから、あのレギュラー2番組もそんなに長くは続かないだろうからなあ。あの態度からは、100%近い的中率でもやりそうですけど、でも、予言が34%当たるってのはけっこうすごいようにも思える。予言というよりは予想なのか(?)。言葉巧みに解説する理論武装術。喋る話は、確かにけっこう頭脳の良いオバサンだと思えるよなあ。何人かブレーンが居るのかも知れない。高視聴率維持の為には、局関係もタレントさん関係も一致協力状態なのかも。解んないけども。細木数子さんが激怒したという、細木数子さん暴露本「細木数子の黒い真実」、売れているみたいですねえ。

487233512001  う~ん、そんなトコかなあ。ここ1週間から10日近くでワシの目に付いた、TV、雑誌のニュース情報関係。だらだらだらっと長々並べてみました。参ったなあ、でもここから何か漫画に繋げないじゃないか。漫画が思い当たらない、思いつかない。ベリラブやニンテンドーDSの事を書いたから、ゲーム関係の漫画はどうか?僕は基本的にゲームやらないから、ゲームテーマの漫画は読まないし、読んでも来てないからなあ。その昔、「ゲームセンターあらし!」という人気漫画があったのは知っているけど、掲載雑誌をパラパラやった程度だもんなあ。「ゲームセンターあらし!」は1978年から83年の小学館ころころコミック連載で、作者はすがやみつるさんですね。内容は調べれば解るだろうけど、ちゃんと読んだ事ないです。店舗用大型ゲーム機攻略がテーマの漫画なんだろうな、多分。これが今回の主題漫画って事でオチにしたら、インチキだろうからなあ。どうしようか、漫画。

 決めたっ。もう漫画無し。番外編。今回はテーマ作品の漫画はありません。どうもごめんなさい。いくつか前に、純粋に漫画作品1本でなく、「貸本マンガRiturns」というタイトルで、漫画関係のエッセイ評論本を題材にしましたが、あの番外のより、さらにひどい番外編。で、テーマ漫画がないので、今回のタイトルは「…」です。ご勘弁を。次回はちゃんと漫画作品の解説、入れます。

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「中春こまわり君」 ~ 「がきデカ」 ・・・ (1)

 

 2年前、やはり3回構成だったのかな(?)、小学館ビッグコミックで、70年代後半、一世を風靡した感のある当時の大人気ギャグ漫画、「がきデカ」の続編となる、当時は小学生であった主人公こまわり君が、38歳の中年前期世代となった「がきデカ」ワールドを、コンパクトに描いた佳作を掲載、話題となったが、今年春、世間のGWに合わせてかそれとは関係なくか、ビッグコミック5月10日号から、3回続きで、40歳になった主人公こまわり君のドタバタシュールワールドを描く、「中春こまわり君」が掲載。2年前の38歳こまわりワールドでも、同じく歳を取った、逆向小学校のクラスメイト仲間達も中年前期として登場、超久々に、こまわり君とドタバタを演じた。今回は2年後、そのまた続編で、40歳になっております「中春こまわり君」。エリート小学生だった西城君も、級友のしっかり美少女だったモモちゃんと結婚していて、何故か、こまわり君と同じ大企業の同僚サラリーマン。(2004年ビッグコミック誌上では2回構成でした。この時、漫画家、江口寿史氏もアシスタントとして、作画を手伝っております。)

 漫画家、山上たつひこ氏の「がきデカ」というと、70年代後半の当時の少年チャンピオンの販売部数をドカンと押し上げたスパーギャグコミック。当時、チャンピオン出版元の秋田書店が社屋を新しく豪勢なビルに立て替えた時に、業界では、チャンピオン連載の「がきデカ」と「ドガベン」の人気でチャンピオンが大幅部数を伸ばし、利益を上げたお陰で、ビルが建ったと言われ、新社屋は当時、がきデカドガベンビルと呼ばれた、という噂話が流れたとか。もう、当時は、小学生中学生、若者にまで大人気、漫画のお話中に、こまわり君のやる、意味不明の一発ギャグ、「死刑!」「八丈島のキョン!」などが流行した。74年から81年まで週刊少年チャンピオンに連載。少年誌連載でありながら、毎回、過激な下ネタギャグが頻発、当時の全国のPTAなどからヤリ玉に上がる。無論、僕もこの漫画は大好きで、連載中も雑誌で読み、後にコミックスでも全巻読んでいます。毎回、腹を抱えて大笑いしてました。

 この「がきデカ」がチャンピオン連載中、僕は実は東京都下、保谷市に住んでおりまして、毎回よく、漫画の場面に、西武線保谷駅や駅前通りの店などが実名で出て来るので、嬉しかったです。その当時、作者の山上たつひこ氏が練馬区大泉に住まわれていた為で、当時は僕もよく行った石神井公園と思しき公園や、西武線の石神井公園駅や大泉学園駅がお話の舞台に出て来ていました。当時、僕が一人で暇な時にぶらぶら歩いた街や公園です。保谷駅の隣のひばりが丘とかにも、よくレコード買いとか散歩に行ってましたね。ひばりが丘はあんまし漫画に出て来てない気がする。ああ、懐かしい。確か、保谷市は今は無いんですよね。周辺の市と合併して名称が変わってますよね。あの頃、漫画家山上たつひこ先生を訪ねていっぺん行っとけば良かったなあ。僕は、あの当時は散髪は、大泉まで歩いて行っていたのに。今、山上たつひこさんは、金沢市在住なんだそうです。え~と、保谷市は、2001年に隣の田無市と合併して、名称が、西東京市になっているんですねえ。よく行ってたのに、知らなかったけど、ひばりが丘は当時の田無市内だったんですねえ。ああ、懐かしい。この当時、僕はもうムチャクチャ西武ライオンズの大ファンでした。

 ギャグ漫画「がきデカ」は日本漫画史的には、革命的な、というとちょっと大袈裟かな、そのくらい新しい爆笑漫画でした。当時としては、新感覚の新しいギャグ漫画で、そもそも主人公の設定から、日本で唯一最初の小学生の子供警察官。本人が言ってるだけだから事実かどうかは解らない訳ですけど。それまでの日本のゆかい漫画やギャグ漫画になかった、掟破りのシュールな展開。というか、要するに、主人公の怪人、こまわり君は何の前触れも無く、突然、動物に変わったり、大人の水商売系の女性になったり、禿げた中年のオヤジになったりする。一番有名なのは、突然、鹿(キョン)になり、発する一言、「八丈島のキョン!」。急に場面がそれまでの流れとは関係の無い場面に変わり、変態したこまわり君が、何か妙ちくりんなセリフを言う‥。ギャグの基本は、関西漫才のボケとツッコミ図式ですけどね。ボケ役の、こまわり君やそのお父さんがあっと驚く非常識なボケを行い、真面目な常識人の西城君やこまわりのお母さんが怒って突っ込む。ヒロイン二人、美少女姉妹のモモちゃんとジュンちゃんでも、ジュンちゃんがソフトにボケて、真面目で勝気なモモちゃんが突っ込む。でも、当時としては、これは、全く新しいギャグ漫画でした。

 ビッグコミック5月10日号では、3回構成の第1回目。「がきデカ」のちょっとゆるいマドンナ、ジュンちゃんが、こまわりや西城と同じく40歳となり、二度の離婚を経て苦労をしている。そうして大阪の最悪元亭主のところに戻っているらしい。心神喪失状態のジュンちゃんを救う為に、昔の級友であり仲間のこまわり君と西城君が、ジュンちゃん救済に乗り出す。このお話に、25年以上前と同じように、シュールな展開と場面がたっぷり盛り込まれて、漫画は続いていく。大阪へ向かったこまわりはどうなるのやら?さて、お話はビッグコミック10号へと続くとあいなります。ビグコミ5月25日号読んだら、またこの続き、書あーこおっと!あ、2年前の前回から登場ですけど、往年の名作「がきデカ」レギュラーの名犬の野良犬、栃の嵐の孫にあたる、栃の光という秋田犬種の野良犬が、人間の嫁さんもろうて、小料理屋をやっています。当の栃の嵐はもう寝たきりで、ボケて始終遠吠えを続けています。ああ、隔世の感がありますねえ。

 

◆(2006-05/02)「中春こまわり君」 ~ 「がきデカ」 ・・・ (1)
◆(2006-05/14)「中春こまわり君」 ~ 「がきデカ」 ・・・ (2) with「喜劇新思想大系」
◆(2006-05/28)漫画・・ 「中春こまわり君」 ~ 「がきデカ」 ・・・(3)

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「鉄腕バーディー」・・・第12集

B00081u4io01 03_1  美女、ニコール・キッドマン主演の映画「ステップフォード・ワイフ」をDVDで見ました。これはSFといえばSFといえるんですが、寓話ですね。コメディータッチの、不思議な話です。扱っているテーマはリアルなんですけど、寓話の世界で描かれたコメディーになっている。でも、怖い世界です。こうやって書いても、全然意味が解らないでしょうけど、少しでも、お話を解説に掛かると、即ネタバレになってしまうようなお話世界なので。(う~ん、テーマ言えば、50年代主婦と現在の社会進出した女性、ですね)。シリアスな作りではなく、寓話に作ってますねえ。でも、これはSFっていえばSFなんですよ。よくは知らないんですけど、原作があり、一度映画化はされているようですね。ラストのひとひねりも良いです。
 主演の美女、ニコール・キッドマンはうまいですねえ。まだ見ていないけれど、この演技で、「奥様は魔女」のサマンサ役もやっているのかな。ちょっと前に見た、「ザ・インタープリター」のヒロインの役とは正反対の性格を作っている。さすがはハリウッドの第1級女優、違いますねえ。顔が美しいだけじゃない。ニコール・キッドマンは目元なんか知的ですもんねえ。やはり頭が良くなけりゃ、ハリウッド大女優なんてこなせないだろうからなあ。良いなあ、ニコール・キッドマン、美しくて。ニコール・キッドマンは意外と額が広かった。

 という訳で、漫画です。今回は漫画作品に移るのが早い。美しい、ニコール・キッドマンでしたが、「ステップフォード・ワイフ」が、まあ、SFといえる映画だ、という事から、SFつながりで、SF漫画。
 出ました。読みました。Birdy The Mighty-Yuuki.Masami第12集。ホントは、もう、けっこう前に出て、読んでからだいぶ経つんだけどね。ワシと同世代、ゆうき・まさみ先生の一大宇宙冒険活劇スーパー・ヒロイン‐スペースオペラ「鉄腕バーディー」も12巻まで来まして、今夏7月初めにはもう、13巻が出るという‥。いやはや待ち遠しいですね、13巻が。第12集、今回のは、ちょっと展開がねえ、変わって来ていまして、時間的に相当、逆戻りしてしまう。しかも舞台は、今までみたいに我らが地球の日本国内ではない。12集冒頭は今までどおり、日本で、山奥ですけど、途中からお話の流れが、変わって来るもので‥。

409151074401  宇宙の凶悪テロリスト、クリステラ・レビを追って、地球に舞い降りた、宇宙の連邦警察捜査官、バーディー・シフォン。日本人のフツーの高校生、千川つとむは、バーディーの捜査のまきぞえをくって、人格のみバーディーの身体に移殖するはめに。二つの人格を納めた一つの身体の、スーパーヒロイン、バーディーが宇宙警官として、地球上日本国内、主に東京で捜査を続ける。で、いろいろとありまして、いっぱい活劇がありまして、レビやその周辺関係と密接なつながりのありそうな怪しい、謎の宗教団体の総本山のある山奥へ。いや、その近くの、湖に沈む怪しい廃病院を探り、潜入したら敵がワンサカ。強敵も居て、バーディー激闘。瀕死まで行かないけど、まあ、そのくらい体力疲弊し、バーディー森の中で倒れる。後は千川つとむに戻るんだけど、捜査官バーディーは相当おかしくなってしまった。で、治療の為に、バーディーの宇宙船へ。根本的治癒の為に、千川つとむの人格のまま、バーディー記憶の過去帰りをする事となった。それが治療。

 という訳で、12巻は、後半はバーディーの記憶をたどり、過去帰り。千川つとむは、宇宙船の治療器のカプセルの中で、バーディーの幼少時から現在までの人生の追体験をする事になる。バーディーの人生を、生い立ち、半生を見る事になる、という方が適切かも。だから漫画で描き出されるのは、幼女、少女時代のバーディーと、その育つ異世界。超人的能力を秘める子供バーディーは、未来の連邦警察宇宙捜査官となるために、連邦内のとある惑星で訓練を受けるんです。この惑星では、いろいろな形態の宇宙人達がごっちゃに暮らしている。地球人と同じ形態の、バーディーらアルタ人は、野蛮で、比較的下等な種族らしい。連邦内での種族的階級も低いようですね。いろいろな種族がごっちゃなフツーの幼年学校では、バーディーはいじめられたりしています。やむなく、家庭学習へ。ここではバーディーのお母さん役や家庭の先生代わりが、人形の1体、ヴァイオリン。人形というのは、「鉄腕バーディー」の最初から出て来ますが、この銀河世界の連邦や同盟では、ロボットの事を人形と呼ぶようです。地球上では数々の強力人形と戦闘を繰り広げるバーディーですが、ここではヴァイオリンは母親代わりの親密な優しい人形です。

 バーディー達アルタ人は、連邦内でも身分的に低級で、連邦内惑星でも、スラムのようなところに溜まっている人達が多い。下層民として、反政府的な暴動や、テロ行為も多いようで、その後、未来においてバーディーが追跡する事となるクリステラ・レビもこのスラム連中を扇動しているらしい。まあ、こういう、宇宙の世界観があるんですねえ。このバーディー世界は、勿論、作者ゆうきまさみ先生が創造された、想像された世界でしょうけど。昔からSFにはスペースオペラってジャンルがありまして、スペースオペラには必ず、ヒーローの活躍する、地球上のあたりまえの現実社会とは全く違う、空想の宇宙世界があり、そこが舞台であります。「宇宙英雄ペリーローダン」にしろ、栗本薫氏の「グインサーガ」にしろ。(グインサーガは始まった頃、全100巻予定とか言ってたのが、もう越えて何巻にもなりますよねえ。)

 いえ、こういう世界を想像で作り上げるのはすごいなあ、と思いまして。法則、景色、制度、生物、環境‥、ありとあらゆるものを細部まで、世界をひとつ作り上げなきゃならない訳ですから。「スターウォーズ」の世界もそうですよねえ。「鉄腕バーディー」の世界も、地球上でバトルなんかやってる分は、単なる異星人SFなんですけど、今12巻みたく、銀河宇宙の何処かの星の世界が舞台だと、もう、「鉄腕バーディー」もスペースオペラだな、と思ったしだいでして‥。「鉄腕バーディー」は小学館ヤングサンデーにて絶賛連載中。

 

※(2005-12/18)「鉄腕バーディー」第11集
※(2007-1/31)「鉄腕バーディー」第13集14集
※(2005-3/14)「鉄腕バーディー」⑧
※(2005-9/19)「鉄腕バーディー」第10集
※(2005-2/13)「鉄腕バーディー」
※(2006-5/1)「鉄腕バーディー」第12集
※(2005-06/19)「鉄腕バーディー」第9集

 

 

 

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