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Puffinさんの投資指針 その9

2015年09月11日 | Puffinさんの投資指針

 【Ⅳ】会社四季報を利用した国内株投資

私は、東洋経済新聞社の会社四季報オンラインの有料会員に登録しています。グレードが色々あって、ガッチリ稼ぎたければ情報量の多い(その分高価ですが)一番上のグレードで。しかし情報量も半端ないので、読むだけで結構手間暇がかかります。適当でよければ、下から2番目のグレードでも十分です(私は後者)。ログインすると、毎日10から20くらいの新着情報が見られます。基本、見出しだけ目を通しています。その中で、「史上最高益」とか「大幅増配」、「株式分割予定」などを見つけたら、夜のうちに買い注文を出しておいて翌日自動的に買うだけです。数分もかかりません。

株式の購入で大事なのは、やはり資金管理と売買ルールです。その手法は、【Ⅲ】長期保有を目的とした国内外の株式投資、の(2)株式の買い方と(3)株式の売り方と同様です。

短期売買の場合、特に下落リスクが常にありますので、逆指値の売り注文を必ず建てる必要があります。

 

前述の方法だと、利益は限られてくるので、もう少し手間をかけるならば、四季報オンラインでは、数十項目の条件の中から複数条件を設定して、上場全銘柄(4000社以上あるそうです)の中から串刺し検索によるスクリーニングが出来ます。あとは上から順に買うだけです。4000社の内の上位1%でも40社。そんなに管理するのは面倒なので、私はさらに1回の検索で購入予定は数社に絞っています。毎週水曜夜に数字が最新のものに更新されるので、週1回だけやれば十分です。資金管理と売買ルールは、前述と同じです。

 

四季報オンラインの大きな利点は、年4回発売(毎年3月・6月・9月・12月の第2金曜)される投資家のバイブル「会社四季報」掲載予定の内容が、予めわかることです。日本の富裕層は高齢者に偏っており、ネットが使えない人も多いので紙ベースの情報に頼ります。第2金曜に四季報が発売されると皆が週末読み込んで(2000ページ以上あるので)、眼を引く銘柄に週明けの寄り付きに一斉に買いが殺到するので、予め買っておいてその寄り付きに売りをぶつけるだけです。相手の手牌がオープンな状態で麻雀するようなものです。同様の事をしている人はいるもので、過去5年間20回の機会で損が出たのは1回だけだそうです。唯一の例外は、2011年3月号。発売当日の3月11日(金)に発生した東日本大震災で、週明けの東証は大荒れになりました。但しこれも、地震発生は午後2時46分だったので、予めロスカットを設定しておけば金曜の場中に下がり始めた段階でロスカットされ、損害は限定的でした。東証は厳重なセーフティーシステムを取っており、地震で停電が頻発しても売買は恙なく執行されました。個人が地震に慌てて注文を出そうとしても停電やネットトラフィックの混乱でできなかったようですが、予めロスカットを出してあれば自動的に約定されます。これも大切な資金管理です。

 

私はキャリア1年半ほどですが、全損しても良いつもりの200万円で始めて1年半で1000万円を超えました。投資金額が増えると、より多くの銘柄が買えるのでリスクもさらに分散され、当然利益の絶対値も増えます。始めはゆっくりですが、途中から雪だるま式に資金が増えました。上場会社の内部情報を入手して売買するとインサイダー取引で検挙されますが、民間の新聞社が勝手に発行している季刊誌の事前情報を入手して売買するのは、完全に合法です。

 

【Ⅴ】新規上場株式(IPO)投資

IPO(新規公開株)とは、株式会社が新規に株式市場に上場するために、投資家に呼びかけて予め未公開株式を配分して購入・保有してもらう制度です。その後、新規公開株が上場して最初に付く初値は、多くの場合、最初の配分価格よりも値上がり(十数%から場合によっては10倍以上も)する、日本だけの固有な現象です。どこの証券会社でも買えるのではなく、銘柄ごとに幹事証券会社が発表され、その幹事証券会社でブックビルディングというものに応募して、一般の人は抽選に当選しないと買えません。かなり高倍率なので、抽選に頼るなら、なるべく多くの証券会社に予め口座を保有しておく必要があります。私は30社以上の口座を持っています。取り敢えずは、前述したいくつかの代表的証券会社で口座を持てば十分です。申し込みルールは各証券会社でまちまちなので、実際に試してみてください。私の場合、純粋な抽選で当選するのは、年間約50銘柄で延べ300回くらい各証券会社に応募して年に4~10銘柄くらいです。今は金融庁の指導で、全割り当て株数の10%以上を抽選に回す決まりになっています(会社によっては全部抽選の証券会社もあります)。それ以外の株式は、裁量配分と呼ばれる、証券会社の独自裁量でお得意先の投資家に個別配分されます。当然、大きな預け資産があって、しかも証券会社が儲けを出したい商品の購入にも積極的にお付き合いしてくれる投資家に限られます。一般に、野村證券で10億・大和証券で5億・中堅証券でも数千万から1億の預け資産がないと、難しいです。私はせいぜい、中堅証券で忘れた頃にぽつぽつ貰える程度です。

IPOに当選して買えたら、売り方の基本は、上場前日の夜もしくは当日の朝にでも成り行き売り注文を出しておいて、市場がオープンしたら、初値で売るのが無難です。その後、ストップ高になる銘柄もありますが、逆にストップ安で原価割れすることもあるので、下手に欲を出さないことが賢明です。IPOだけは銘柄選びが大変重要で、色々個人のブログで沢山の情報を提供してくれますので、ネットで調べて参考にして申し込んでください。

短期売買のIPO投資は、幹事証券会社に指名されるのは、顧客数が圧倒的に多く昔からのノウハウがある大手証券が殆どなので、私の取引は前述の店頭型証券がメインになっています。しかし最近は、ネット証券のSBI証券・マネックス証券もよく幹事になっています。マネックスは、完全抽選制で、私はNISA口座を持っているので、IPOのように巨額の利益が入っても無税なので使っていますが、なかなか当選しないのがジレンマです。

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