銃撃後トランプの変わりようは、目を見張るものがありますね。少しはしおらしくなるのでしょうか。
そもそも銃撃される原因は何かと申しますと、大きくは2つ。
1.自ら作り出したアメリカの分断
2016年に大統領になったとたん、就任演説でアメリカ・ファーストを何度も叫び、世界から孤立するとともに、国内でも自分の支持者とそれ以外を分断する演説を行いました。その後も同じ主張を繰り返し、国内の分断は決定的になっていて、その後のバイデンもそれを修復できませんでした。
2.銃規制絶対反対の立場
16年の最初の選挙から一貫して、400万人の会員数を誇るNRA=全米ライフル協会を自らの支持母体とし、常に選挙活動で彼らからの資金と票をあてにしています。
彼らの標語は、「 Guns don't kill people, people kill people. 銃が人を殺すのではない、人が人を殺すのだ」というおバカなもので、銃がなければ人は人を簡単には殺せません。日本の銃による殺人の少なさを見ればあきらかです。
トランプの銃撃に使われたライフルはAR15という殺傷能力の高いライフルで、普通のライフルの15倍の威力があるといわれるものです。有効射程距離400m、弾の速さは秒速1千m。頭に当たれば粉々になるほどの威力があるそうです。最近のアメリカの銃乱射事件はほとんどがこのライフルが使用されているほど数多く出回ってしまいました。
トランプは大統領の時、銃規制問題でこのような殺傷力の高い銃を規制しようとする動きに反対し、これを野放しにした張本人です。
国民の分断と銃規制反対は、今後もトラウマを抱えるトランプを悩ませるに違いない。天に唾すれば自分に戻る。いままでどおりのやり方で選挙集会は開けないだろうし、開いても怯えた顔を隠すことはできないでしょう。
今回の就任受諾演説では最初の30分ほどはしおらしく分断からの修復を口にしていましたが、あとの1時間はいつものトランプ節に戻り、分断を煽る言葉が多い演説内容になりました。本音を隠せるほど器用な人物ではありません。
一方民主党内は前回私が投稿で申し上げたように、党内有力者もこぞってバイデンを降ろそうとしています。そして表立ってはっきりとは言いませんが、ハリスを担ぎ出す方向に収斂しそうです。
何故ハリスかは前回申しあげたように、第一に副大統領としての実績を持つこと。詐欺師からの成り上がりではありません。
世論調査でもトランプに対峙した場合、前回7月11日の私の投稿時は、トランプ48.0%対ハリス44.4%で差は3.6%でしたが、銃撃後の現時点でその差は 48.2%対46.3%とわずか1.9%差になっています。
トランプがバイデンに対して非難する「老いぼれ、ねぼけ」の言葉はハリスには通用しません。そしてもちろん「史上最悪の大統領だ」と言う言葉も吐けなくなります。
その点だけでも、トランプが大得意にしている非難の矛先をどこに向けたらよいか、わからなくなるでしょう。むしろ自分こそ「固陋な老いぼれ」の象徴になるに違いない。そしてなにより「女性」という初物に支持が集まる可能性があると私はみています。16年に嫌われたヒラリー・クリントンとは全く異なります。
「早く候補を換えること」、それが実行できるか否かにかかっています。
私自身はいつも申し上げているように、考え方は極めてリベラルで中道的な合理主義者です。犯罪者であり、女性蔑視のトランプは大嫌いです。
トランプの掲げる政策が矛盾だらけで支離滅裂であることは次回に回します。
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