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2014年の資産運用  アメリカ人と金利

2014年01月03日 | 2014年の資産運用
 今年は新たに「2014年の資産運用」をテーマにブログを開始いたします。よろしくおねがいいします。

 三が日も終わりますが、今年は5日が日曜日のためか、なんとなく正月は五が日までのような気がしますね。

 昨年12月18日からのアメリカ旅行中、株や為替、金利など金融市場は大きく動きました。その間アメリカにいて、金融市場のニュースは日本をはるかに凌ぐほど得ることができました。テレビも金融専門チャンネルばかりでなく、全米ネットワーク局のニュースが以前にもまして多くの時間を経済・金融に割いていました。私は普通、旅行中はiPADを持ち歩くのですが、アメリカではインターネットに頼らずとも、多くの経済・金融関連のニュースがあふれていました。

 今回の旅行中にFRBの緩和削減(テ―パリング)開始の決定があったことも、アメリカの一般の人々の関心を金融ニュースに集めたのかもしれません。日本ではほとんど一般ニュースにはならない金利の動向は、一般のアメリカ人の関心を常に引き付けています。

 なぜなら、引っ越し好きのアメリカ人は極端に言えば、誰もが不動産投資家だからです。不動産ローンを組むのに当初は低い変動金利を利用することが多いのですが、その後金利を変動物から固定物へ変更したり、その逆を実行するチャンスを常にウォッチするのです。また自動車や家具などの購入もローンを組むので、金利動向にとても敏感です。

 特に自宅担保のホーム・エクイティ・ローンとよばれる、一般のカードローンなどより金利が低いローンを頻繁に利用します。ホーム・エクイティ・ローンは、不動産価格が上昇すると、ローンの枠が広がります。ということは、金利と不動産相場両方から影響を受けるため、両方の相場への関心は必然的に高くなります。

 こうした事情から、今回のFRBの決定が今後の長期金利にどう影響するかについて、全米ネットワークでも専門家の討論を含め長々と特集番組を組んだりしていました。

 逆に為替の動向については、これだけドル高になっているにもかかわらず、大きな扱いはほとんどなく、旅行者だけが気をもんでいるようでした。

 さてその長期金利ですが、アメリカ経済の好調さを反映して10年物が3%に乗せ、30年物も4%付近にまできています。株は金利上昇をものともせずに上昇し市場最高値を付けました。金利に関するアメリカのアナリストの予想は、コンセンサス(予想の平均値)で来年末の水準は現在より0.3%程度の上昇というマイルドなものです。私はそれよりは上に行く可能性が強いと見ています。

 次回はその理由について書いていくことにします。


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