ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(債券投資の専門家)

新刊「投資は米国債が一番」幻冬舎刊
「証券会社が売りたがらない米国債を買え」ダイヤモンド社刊
電子版も販売中

Puffinさんの投資指針 その7

2015年09月05日 | Puffinさんの投資指針

(2)株式の買い方

 国内株式に関しては、日本の証券会社なら、どこを通しても買うことが出来ます。

今は、店頭型証券でもネット証券でも、24時間いつでもネットで注文を出しておくことが可能です。ただ、売買手数料は圧倒的にネット証券の方が安いので、こちらがお薦めです。

 どの証券会社にするか、これは大変迷う初心者の方が多いと思いますので、以下に代表的ネット証券会社の特徴を記します。

①   SBI証券:ネット証券最大手でソフトバンク系。銘柄ごとのリアルタイムの株価表示(板情報と呼びます)や株価チャート、四季報情報などの証券情報が素人にも見やすいです。売買手数料もかなり安い。最近、一般信用取引の売り注文がまだ少しですができるようになりました(一般信用取引を使った株主優待タダ取り法については、後述の【コラム】株主優待タダ取り法で)。

②   マネックス証券:独立系。米国株の取り扱いが最多で外国株の手数料が安く、特に年間100万円までの枠での売買利益が無税になるNISA口座を開くと、その口座内の国内外の全ての商品の購入手数料が翌月キャッシュバックになります。投信の扱う種類も多いです。取引ツールはネット証券にしては少し貧弱です。

③   松井証券:やはり独立系。全般的にネット証券としてはかなり手数料高めですが、手数料体系がユニークで一日の売買の総額で決まるので、少額の株式を複数売買する時はまとめて安くなることもあり、更に1日合計10万円以下の株式売買は手数料無料です。一般信用取引の売りが多くの銘柄でできるのも利点です。

④   カブドットコム証券:三菱系。1回注文を出すと最長2週間まで指定して連続して注文が有効になります。また、注文のバラエティが最も豊富で、色々な注文条件が出せます。資金のやり取りも三菱東京UFJ銀行との連携がスムーズです。手数料の50歳以上のシニア割引もあります。手数料は少し高めです。

⑤   楽天証券:名前の通り、楽天系。マーケットスピードというプログラムが高性能で定評があります。ただ、あまりに情報量が多すぎて、デイトレーダーなどのセミプロ向きです。

 

株式売買手数料比較は現時点ではこの5社では、10万円以下では無料の松井証券、30万円までならマネックス証券、それ以上ではSBI証券が安く少し差があってのマネックス証券・楽天証券・松井証券・カブドットコム証券、の順です。大手ですが、SMBC日興証券もオンライン取引なら意外と安いです。売買手数料最安は、他の中小ネット証券(ライブスター証券・岡三オンライン証券・GMOクリック証券)の方が若干安いですが各種ツールや注文種類が貧弱なので、私は使いません。

結局私は、国内株式の場合は、PCで板情報や株価チャートを見るためにSBI証券をブラウザで開き、売買そのものは注文方法が充実していてシニア割引がありメインバンクの三菱と連携しやすいカブドットコム証券をブラウザの別タブで開いてメインで使い、時折、松井証券も使っています。

米国株・上場投資信託ETFは、品揃えが豊富で手数料の安いマネックス証券にしています。

 

ここで、長期保有に限らず、株式売買においてトータルで利益を出すコツについて述べます。

「総論」の第二の項目で述べた、「資金管理」と「売買ルール」が全て、と言ってよいと思います。個人投資家の多くは、株式を漫然と買って、それが値下がりすれば損を確定することを恐れていわゆる「塩漬け」の状態にしてしまい、最後は金銭的にも精神的にも耐えきれなくなって大きな損を出すことが良く見受けられます。そうしたストレスだらけの株式売買から脱却する方法が、「資金管理」と「売買ルール」をはじめにきちんと確立する事です。

前述の通り、自分の総資産がいくらでそのうちどこまでどの程度のリスクを冒すことが許容できるか、そしてそれに基づいてきっちりした売買ルールを定めて何があってもそれを頑なに守る、という事が肝心です。

具体的には、まず買いから入る場合、どうしても欲しい銘柄があれば、成行買い注文すれば寄り付きで必ず買えますが、思わぬ高値になることもあるので、特に欲しい銘柄以外の場合、私は指値買い注文(大体前日終値付近を目安)で、買えなければ多少は指値を切り上げて追いますが、途中でスルーして深追いしません。

注文時に一番大切なのは、「リバース注文」とか「Uターン注文」と呼ばれる、買いの注文を出すと同時に、売りの「逆指値注文」もあらかじめ出すことです。「逆指値」とは、俗に「ロスカット(損切り)」と呼ばれる、買値より安い金額を定めてそれ以下になったら成行売り注文が発効されます。これによって、予想に反して万一株価が下がっても、予め損害額が限定されます。これ無しでの売買は、命綱なしでロッククライミングするようなものです。私は怖くてできません。この幅は、その人の年齢や総資産額、その分野の投資額、そしていくらの含み損までなら抱えても耐えられるかの精神的ストレス耐性度、によって違います。幅があまり少ないと、「ノイズ」と呼ばれる株価の微変動に引っかかりますし、大きいとその分当たった時の損害も多くなります。私の投資観では、1銘柄100万円分を購入するなら1銘柄当りの投資金額の2~5%、許容損失金額で2~5万円前後です。臆病者なので、相場環境が悪いときや自信がない時は投資金額を5分の1くらいにして投資銘柄数を増やして、リスクを分散する事も。初心者の方は、最低単元株数の多くは100株から始めた方が良いです。大体数万円から20万円前後で買えます。その場合の逆指値は、直近一週間の最安値付近、くらいが妥当でしょう。

投資全体では、個別の損得は一切こだわりません。全勝はプロでも不可能なので、トータルで利益が出ればよし、と考えるようにしています。例えば、プロ野球の世界でも、6割台の勝率を上げれば、優勝です。野球の場合は、大勝した試合も大敗した試合も、いずれも同じく1ポイントしか成績に反映されませんが、株式投資の場合はこれが、沢山の回数小さく負けても、いくつか大きく勝てば、トータルでプラスになりうるのです。所謂、「1勝9敗」でも利益を出すことが可能です。ロスカットで損が出た時に、「良かった、大損する前に逃げ切ることができた。」と心から嬉しく思えるようになれば、怖いものは無くなります。強いメンタルを持って、十分ブラッシュアップされた資金管理と売買ルールを確立して、それを愚直なまでに頑なに守る、これが、資金管理と売買ルールです。

 

 このようにして、狙う銘柄の買い注文を出しています。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« Puffinさんの投資指針 その6 | トップ | It’s the economy, stupid! »

コメントを投稿

Puffinさんの投資指針」カテゴリの最新記事