中島みゆきさんの映画を見てきた。もっと直截に言えば、今日は中島みゆきさんのコンサートを聴いてきた。「歌旅」と題された映画を観てきたのである。中島さんは、わたしに数歳年下のはず。わたしが彼女の歌をしったのは、30年以上も昔のことだ。彼女を語る誰しもが異口同音に言うように、わたしもまた、その歌詞の詩心に驚愕した。彼女の登場は、日本語の新しい発見だった。彼女の歌は、日本の詩であった。コンサートの最後に中島さんが、観客に感謝の意を込めて、一言だけと断って、次のように言い置いた。
同じ時代に生まれてきてくれて ありがとう
間髪を入れず、わたしはスクリーンに向かってつぶやいた。
同じ国に生まれてきてくれて ありがとう
映画館を出ても興奮冷めやらず、多摩川の堤を登戸から溝の口まで歩いて頭を冷やした。
2012.05.14 川崎市