鍋物における東の横綱・アンコウです。西のフグを上品な美味しさとしたら、アンコウは野趣溢れる濃厚な味。とでも申しましょうか。この容貌、しかも殆ど捨てるところがない...。寒い冬にアンコウ鍋。アンコウの七つ道具といわれる肝や胃袋などを肴にして一杯。身は鍋、アンコウのダシを吸い込んだ野菜も最高の味。最後は雑炊。鍋まで舐めてしまいそうな美味しさです。アンコウと言えば茨城・那珂湊などが有名ですが、銚子沖は以前申し上げましたように、暖流・寒流・利根川の交差地点。アンコウの主要な漁場・鹿島灘(かしまなだ)からの入船もありますし、九十九里沖でも獲れるようです。今年は水揚げが少なく、値段が例年に比べ高くなっておりますが、それでも、他のものを我慢してでもアンコウ鍋を食べたい(私もそう思います)それだけ冬のアンコウには価値があります。日本人はアン肝好きで、聞くところによるとそのアン肝だけ海外から大量に輸入されているようです。これは如何なものか?と思います。需要があるから供給されるのでしょうが、アン肝は希少価値があるが故に美味しいと思います...。美味しいものは少し食べる。ここに有り難さです。また水産物、畜産物の肝は大変美味しく栄養豊富ですが、肝は肝臓。人間同様、体内に取り込んだエネルギー源の貯蔵場所であり、解毒の役割を持つ臓器。漁獲海域の環境が最も反映される部分です(畜産の場合は飼育環境)写真は銚子の割烹旅館さんで今正に“アンコウ尽くし”コースに供されようとしているアンコウです。アンコウはこういうプロがいるお店で食べれば絶対に間違いがありません。続きは明日。
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