世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

ルガーノはスイス第3の経済の中心地という顔が不思議に思う湖畔の素敵な町です(スイス)

2014-11-02 08:00:00 | 世界の町並み
 町の中に多くの丘があって、丘に登るためのエレベータやケーブルカーがあったのがポルトガルの首都のリスボンでした。登山用のケーブルカーはわが国でも数多くありますが、スイスではケーブルカーより傾斜の急なピラタス登山電車もあって、登山電車のほうが目立つような感じもします。こんなスイスにあって、鉄道駅から、町の中心のある湖畔までケーブルカーのあるのがルガーノです。こんかいは、そのルガーノ近郊を紹介します。

 
 ルガーノは、スイスが東西幅10km程度でイタリアに大きく食い込んでいて、南に20kmほど行くとイタリアのコモになります。イタリアのコモは、コモ湖の湖畔のリゾートですが、その北のルガーノも、コモに似てルガーノ湖畔のリゾートです。口の悪い人に言わせると、両者の違いは、北イタリアで治安の悪いコモに比べて、スイスのルガーノは安心に過ごせる町との評です。イタリアまで通じている鉄道の駅は、町の西側の小高い所を通り抜けていて、駅のそばからケーブルに乗って下ると湖畔に出られます。カナダのケベックにもセントローレンス川の河畔にケーブルが通じており、ナイアガラにも同じように河畔に下りるケーブルがあり、共に水のそばまで下りてゆく状況が似ています。

 
 
 ケーブルで下った湖畔には、気持ちのよい散歩道が続いていて、特徴的な山容のサン・サルバトーレ山やモンテ・プレ山が湖の向こうにそびえています。湖岸から見上げると、大きなホテルや別荘と思しき建物が斜面に張り付いている様子は、ここが保養地場と感じさせてくれます。ところが、ここルガーノはスイス第3の経済・金融の中心地で、100を越える銀行が集中しているという顔も持っています。

 
 一方、ケーブルカーの上の鉄道駅のそばからは、世界遺産に登録されているベルニナ鉄道の南端の駅のティラーノまで走っているポストバスが出ています。ポストバスといのは、かつては郵便物を運んでいた馬車の名残で、鉄道の走っていないところを網の目のように結んでいるバスです。現在でも、郵便物も運んでいるそうですが、ほとんどが地元民や観光客の足となっています。このバスは、ルガーノ湖やコモ湖の湖岸に沿って走り、なかなか眺めの用路線の一つです。コモ湖ってイタリア領のはず?そうなんです、スイスのバスなのですが、路線のほとんどがイタリア領内を走ります。途中の休憩地点もイタリア領ですし、終点のティラーノもイタリア領です。ちなみに、ベルニナ線のティラーの駅は、駅の外はイタリア領なのですが、改札を入るとスイス領になるため、パスポート・コントロールがあります。ティラーの駅を出発しても、しばらくはイタリア領内を道路との併用軌道で走ります。

 ルガーノを通っている鉄道線は、イタリアとスイス、あるいはスイスと通り抜けてドイツの都市とを結ぶ国際列車が頻繁に走っています。ヨーロッパは、陸続きのために、列車が国境を通り抜けて走り回っています。国によって電化の方式が違うのが当たり前で、通行する側もフランスからドイツでは左側通行から右側通行になります。電源だけでなく、信号システムも多種多様なようで、かつては機関車を付け替えていたようですが、現在は複数のシステムに対応する列車が生まれています。フランスからオランダまで走っているタリスでは4種類の異なる電源、信号システムに対応しています。一方、わが国でも交流と直流の両方に対応できる電車もありますが、何とはなしに大層で、特別なんだ!と言いたげです。たしかに、コストはかかるんでしょうが、これだけコスト削減に努力していて、なぜヨーロッパの鉄道に比べて料金が高いのでしょうか。


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