世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

ポルトガル発祥の町、最も住みやすいと言われ、城や教会、ポサーダもあるギマランイス(ポルトガル)

2008-02-10 21:43:22 | 世界遺産
 カゼルタ宮殿の庭園には、水を落下させる人工の滝がありましたが、水の落下する力で上下するケーブルカーがポルトガル北部のブラガ近郊のボン・ジェスズ教会にあります。ポルトの北東部にはいくつかの美しい町があって、ブラガもそのうちの一つですが、その中で世界遺産の町ギマランイスをボン・ジェスズ教会とあわせて紹介します。

 ギマランイスやブラガはポルトの東方向にありギマランイスの南にもアマランティという美しい町があり、各々がポルトからバスで1時間程度の距離です。ポルトを一つの頂点に、アマランティとブラガを他の2頂点とした3角形の底辺の中点がギマランイスといった位置関係です。ポルトから1泊2日で廻るのにちょうどといった距離になります。

 水を動力とするケーブルカーの動作原理ですが、車両の床下に水タンクがあって、上に上がった車両の水タンクに注水し、降りてきた車両の水タンクから水を抜くという動作を繰り返すことで、水の重力を利用して車両が上下します。

ボンゼスズ教会以外に、スイスやドイツそれに高知県にもあるようですが、高知のものは交走式ではなく1台の車両が上下しているようです。

 水力ケーブルカーでも登れてしまうボンジェズス教会ですが、教会正面の階段を登ってゆくと階段の踊り場ごとに泉があり、キリストの受難を表す礼拝堂が配置されています。階段の下から見上げると、白地に灰色の亀甲模様のような階段の連続はなかなか美しい造形です。

 さて、ギマランイスですが、中世以来の建物群を残す歴史地区が世界遺産に登録されています。12世紀にポルトガルを建国したアフォンソ1世が生まれた土地であるため、ポルトガル発祥の地とも言われています。その一方でポルトガル一の工業都市でもあるようです。歴史地区には、レンガ色の屋根に煙突がたくさんあって下部のアーチとの対比も美しいブラガンサ公爵館宮殿や、

修道院を利用した回廊と中庭の美しいアルベルト・サンバイオ美術館

それにギマランイス城跡などが散らばっています。

 ヨーロッパの古い町並みでは、緩やかにカーブをした小路をよく見かけます。見通せないことで、その先はどうなっているのだろうと興味が湧きますが、真っ直ぐにしなかったのは町の防衛のためなのでしょうか。

 歴史地区から2kmほど離れた丘の上に、修道院を改装したポサーダ・サンタ・マリーニヤがあります。ポサーダというのは、スペインのバラドールと同様に、城や修道院などを利用した国営ホテル群で、全国に30以上があります。ギマランイスには旧市街の中にもポサーダがありますが、サンタ・マリーニヤは丘の上にあって眺めもよく、規模もポサーダの中で最大に属するもののようです。修道院を改装した旧館に泊まりたかったのですが、工事中ということで新館の宿泊でしたが、アメリカンスタイルの画一的なデザインでないところが好ましい感じでした。町外れの丘の上に位置するので、夕食もホテルのレストランを予約しましたが、「何時に?」との問いに「6時半」と応えたところ、ディナーは早くても8時からだよ、と笑われてしまいました。8時に行ったホテルのレストランは、それでも早かったようで貸しきり状態でしたが、天井が高く遺跡の中で食事をしているような雰囲気でした。

 水力で動くケーブルカーは、水が落下するエネルギーを無駄にしない、巧妙な仕組みです。水力発電をして、その電力でモータを回して駆動する、という方式でないところがいいですね。地球温暖化が叫ばれても、いっこうに化石燃料の消費は減らないばかりか、むしろ増えているようです。バイオ燃料を得るためのトウモロコシなどの栽培のために熱帯雨林の面積が減りかえって炭酸同化作用による酸素の発生量が減る現象なんぞは、地球温暖化の問題の本質が議論されていない証拠かも知れません。IT化によって生産性が高まり、効率が良くなって、エネルギー消費量が減るのは好ましいことですが、コンピュータを始め、ほとんどのIT機器は、次の仕事を待っている間も無駄に電気を消費していることも忘れてはならないでしょう。


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