世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

リゾートの島のペナンには多民族の文化がごった煮状態になったジョージタウンがあります(マレーシア)

2014-11-16 08:00:00 | 世界遺産
 ヨーロッパ列強が入れ替わり侵略をして、次々と宗主国が変わる植民地になったマレーシアの町がマラッカでした。中国の華僑の文化も入り混じった混沌さが世界遺産に登録される元となったようですが、このマラッカと同じくくりとして世界遺産に登録されたのがペナン島のジョージタウンです。今回は、前回に引き続いてマラッカ海峡の歴史的都市群のうちジョージタウンを紹介します。

 
 ペナン島は、クアラルンプールの南100kmほどに位置するマラッカとは逆に、北300kmほど飛行機で50分ほどの位置にあります。島といっても、マレー半島とはさほどの距離ではなく、対岸のバターワースとは3kmほどの海峡を隔てるのみで、フェリーもしくは2本の橋を渡ってすぐの距離です。東西が12km、南北が24kmの長方形をしており、世界遺産に登録されているジョージタウンは、島の東北部でバターワースのフェリ-が発着する港の南西に広がる町並みです。ジョージタウンの名前は、200年前にイギリスに植民地として支配された時の英国王ジョージ四世にちなんでいます。フェリーの港の近くには、イギリスが植民地時代に作ったコーンウォリス要塞跡が残され、そばには東寺の提督のフランシス・ライトの像が建っています。今も残る大砲にはなぜかオランダの東インド会社のマークのVOCが残っていました。

 
 
 
 マレーシアなのに、ペナンの人口は華僑の末裔の中国系が多くを占め、次いでマレー系やインド系が多いようです。人種の坩堝のようで、この中に宗主国のイギリスの影響も加わって宗教施設を始め色々な文化がごった煮になっているようです。フェリーの港の近くにシティホールやタウンホールそれに税関の建物があり、これらの公共の建物はイギリスの影響を受けたコロニアルスタイルです。

 
    
       
            
 一方、そこから南西に広がる町並みは、混沌とした低層密集地で、華人街、インド人街などがあってその中心にはそれぞれの宗教施設があります。

 
 
 
     
 華人関連では仏教寺院として観音寺があり、クー・コンシーやヤップ・コンシーなどの霊廟に潮州会館などがあります。マラッカと同様にプラナカン文化もあり、裕福な邸宅のプラナカン・マンションが博物館として公開されています。概観のそっけなさに比べて、内部は豪華で、結婚前の写真の撮影にも使われていました。インド人街にはのヒンドゥー寺院があり、マレーシアは回教国なのでアチュ・モスクやカピタン・クリン・モスクの丸屋根もあ見えますし、宗主国が建てたセントジョージ教会のとんがり屋根もそびえています。

 
 この街中の壁に、自転車などの実物と絵とを組み合わせたり、針金を曲げて描いた絵などのストリート・アートが描かれています。このアートをめぐるツアーも企画されているくらい、なかなか面白くて見ごたえのある作品が多いようです。

 多民族国家では、宗教によって食べられるものが違ったり、しきたりが違ったりで、ホテルの顧客管理も大変ではないかと思ってしまいます。ホテルで使われている通信システムでは、泊り客への電話や泊り客からの電話に連動して、そのお客の情報が表示されてオペレータに知らされるシステムが数十年前から使われていました。現在では、もっと発達しているのではないかと思いますが、本当のサービスは、表示を見た後のオペレータの気配りによるんでしょうね。


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