世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

月夜に見てみたいタージマハル(インド)

2005-09-19 16:42:50 | 世界遺産
 タージマハルは真っ白の壁にレリーフが彫られていて、近づいて見るとこれらのレリーフもはっきりして、さらに美しさが際立つようです。この建築は、ムガールの王さまがお妃に送ったイスラム様式の廟なのですが、王さま自身はタージマハルが完成した時には失脚してしまって、幽閉された部屋の窓から完成した建物を眺める身になったそうです。通常イスラム教のモスクには丸いドーム屋根と尖塔を持っていて、タージマハルと似た形状の建物も多く見うけられます。しかしあの真っ白の優美な姿は他に類を見ないように思います。
 同じインドのデリーにフマユーン廟といって、こちらの方もタージマハルと同様に世界遺産となったイスラム建築があります。赤茶色をベースに白の線がアクセントになっていますが、多少地味で、くすんだ感じがします。
 これらの建物は廟つまりお墓なので、当然ながら棺が安置されています。棺は下層階に安置されているのですが、その上層階を土足で踏み歩かれないように、上層階には下層階の棺の真上にレプリカの棺が作られていて、真上には踏み込めないような配慮がなされています。
 タージマハルの観光は通常日中の時間帯のみですが、満月の夜だけは夜間の入場ができたようです。筆者が訪れたのは13夜ぐらいだったようで、月明かりの中の幻想的なタージマハルは見ることはできませんでした。ただ、最近は治安上の問題から、夜間の入場は中止されてるとのことで残念です。
 治安上の問題といっても、訪れる方に危害の及ぶ場合は、その問題の時間や条件を避ければいいのですが、文化遺産そのものに危害が及ぶのは文化財を退避させるわけにもいかないので困りものです。このコラムでも取上げたアンコール遺跡は、カンボジア内戦によって砲火による被害を被っただけでなく、保存の対策も打たれないまま放置され傷みが進んだようです。アフガニスタンのバーミアンの大仏の破壊事件は、ショックでした。これで実物は見れなくなったんだな、との思いです。
 コンピュータといえば、基本的な演算は2進数つまり0と1の組み合わせで処理されています。この0という概念と位取りで数を表すことはインド人の発明とされています。位取りによって数字を表す方法をアラビア数字と呼びますが、本来はインド数字と呼ばれるべきものです。この手法をヨーロッパに伝えたアラビア商人に因んでアラビア数字と呼ばれるようになったようです。インド人の発明が無ければ、コンピュータも生まれてなかったかもしれません。
 0の発見国は現代でも伝統的に数学分野での教育が盛んで、日本人が9×9の掛け算を暗誦しているのに対し、インドでは20×20まで暗誦しているそうです。したがって、有効数字が2桁どうしの掛け算であっても、20までなら暗算でこなしてしまうそうです。また、指を折って数字を数える場合も、我々日本人では片手で5まで、両手を使っても10までですが、インドの人は片手で16まで数えてしまいます。人差し指から小指まで4本の各指、それぞれの指の3つの関節と指先の合計4ポイント、4×4の16箇所を残された親指で順に押さえて行きます。「指折り数えて」という表現がありますが、インドでは「指押し数えて」とでも言うのでしょうか。16は2の4乗で2進数の4桁分です。やはりインドはコンピュータに縁の深い国なのでしょうか。


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