世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

夏至の頃のカルカソンヌのライトアップは待ちくたびれますが待つだけの価値があります(フランス)

2014-05-04 08:00:00 | 世界遺産
 地中海から北海までの舟運を確保するために作られた運河がミディ運河でした。運河は現在も小型船が行き来をしていて、クルーズ船や観光船も発着していて、その発着の中心地の一つがカルカソンヌです。この、カルカソンヌには、フランスでモンサンミシェルに次いで人気のある世界遺産の城塞都市があります。フランスで2番目に人気があるとのことですが、最寄り駅はごくごく普通の地方都市の玄関のたたずまいです。今回は、城塞都市とその麓に広がる町並みを含めて紹介します。

 カルカソンヌは、フランスの南西部、エアバスの本社があるトゥールーズの東南東100kmほどの所にあります。スペイン国境までも100kmほどで、地中海と北海を結ぶ交通の要所ということから、カルカソンヌには古くから要塞が作られてきました。時代と共に、要塞は巨大化し、他に類を見ない三重の城壁を持つ城塞都市になっています。城壁の内側は、お城の建物だけかと思うと、さにあらずで、普通の町並みが続いていて、その外れにいわゆるお城の建物があります。中国にも城壁に囲まれている都市が沢山あって、壁の内側には普通の町並みがあり、城壁や町並みの保存状態の良い平遥古城は世界遺産にも登録されています。世界的に見ると、城壁の内側には、城主とその取り巻きの館などしかない日本のお城のほうが、マイナーなのかもしれません。

 
 
 
 城塞都市(シテ)は、カルカソンヌの駅から南南東に1km半足らず。歩いても30分かからない距離で、丘の上のシテには最後が上りになりますが、さほどの辛さはありません。城壁の中の町は、細い道が多く、トレドほどではありませんが、気をつけないと迷って現在位置がわからなくなります。土産物屋が多いのと、食べ物や画多いのとは、日本の観光地と似た現象で、あまり好ましくはありませんが、フランスの美しい村などと同様に、綺麗な町並みが保たれているようです。

 
 シテの中の、いわゆるお城はコンタル城で、その周りには堀もめぐらされています。お城の建物の高台に登ると、遠くまで平野が続いているのが眺められます。平野が続いているということは、敵から襲撃を受けやすいと言うこと、それには三重の防備が必要だった、ということでしょうか。

 
 上から眺める景色もすばらしいのですが、ライトアップされたシテを、麓から見上げる景色も幻想的です。ただ、夏至前後に訪れると、なかなか暗くならなくって困ります。ロンドンとほぼ同じ経度にありながら、1時間進んだヨーロッパ標準時を採用するフランスで、さらに夏時間で1時間進んでいるので、太陽の位置より時計は2時間も進んでしまっています。この景色は10時頃まで麓で待たねばならないと覚悟が要ります。

 
 
 世界遺産の登録はシテの部分ですが、駅の南、シテの麓から西に広がる旧市街にも見所が沢山あります。500m四方ほどの町並みで、碁盤の目状の道路があるので迷うことが無い町並みです。南端の中央あたりには城門もあります。普通に市民が生活をしている町並みですが、博物館、教会の鐘楼それに噴水のある広場などがあって、住んでみたくなる町の一つに成りそうです。

 ヨーロッパや中国などに行くと、外敵が居て、その外敵から身を守るのが当たり前、言い直せば、争いごとが前提の文化のように感じます。わが国でも、多くの城があって敵の存在を感じますが、わが国の城は権力者がわが身を守るためにだけ作られたように思います。これまでの日本文化は、基本的には外敵の存在が希薄な平和主義の文化のように思います。このような文化を守って諸外国に広める努力をするのが良いのか、もっと現実的に外敵に備えたほうが良いのか悩ましいところです。ウインドウズXPの保守対応が停止をして、使い続けるのは危ない危ない!と言われています。コンピュータの世界も外敵だらけという現実は憂うべきことですが、そのことを利用して、一般のユーザがほとんど使わないような機能を付け加えて新しいOSを売りつけようとする独占企業も困り者です。


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