世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

世界的なオーケストラを持つバンベルクには川の上に建つような旧市庁舎があります(ドイツ)

2013-06-02 08:00:00 | 世界遺産
 町の中央部にソーヌ川とローヌ川とが流れている都市がフランス中央部のリオンでしたが、二股に分流したレグニッツ川に挟まれた中州のような土地に中世の町並みを残すのがドイツのバンベルクです。ドイツの多くの都市が、第二次大戦で壊滅的な破壊を受けていますが、バンベルクは、被害にあうことが無く旧市街が世界遺産に登録されています。

 バンベルクはドイツの中南部、東西からくびれた部分を結ぶ線のやや東よりに位置しています。ロマンティック街道の北の起点となるヴュルツブルグからローカル列車で東に1時間くらいの距離にあります。旧市街は鉄道駅の南西方向、歩いて15分くらい、マイン・ドナウ運河とレグニッツ川に囲まれた幅600m、長さ3kmほどの細長い島のような場所です。

 
 
    
 島の中央部には朝市の立つマクシミリ広場があり、近くにはロマネスクの聖マルティン教会が建っています。このあたりの町並みは、いかにも世界遺産の旧市街といった雰囲気があり、噴水のそばにはガーベルマンと呼ばれるフォーク状の武器を持つ男性像が立っています。この感じ、どこかで見たような~と思ったら、虫歯のミュータンス菌のアニメに似ているんです。

 
 島の中央部を通り越してレグニッツ川まで来ると、レグニッツ川が、さら二股に分かれていて、突端のようなところの橋の上に、旧市庁舎の建物が建っています。この建物はバンベルクを象徴するような存在になっていて観光ポスターの題材になっているようです。川のほうから眺めると、まるで建物が川に浮かんでいるかのような感じがします。

 
 レグニッツ川を渡って丘を登っていくと、やはりロマネスク様式のバンベルク大聖堂が二本の尖塔を従えて建っています。この大聖堂のバンベルクの騎士像というレリーフが有名です。


 

 教会の向かい側には、新宮殿が巨大な姿で広がっていて、その背後には見事なバラ園があります。このバラ園から見下ろすバンベルクの市街は、赤い屋根の連なりの中に、教会の尖塔が見え隠れをして、チェコのプラハとちょっと似ているな、と感じます。

 バンベルクは人口7万人程度の小ぶりな都市ですが、世界に冠たるバンベルク交響楽団を擁しています。また、17世紀には大学も設置され、大学都市としての顔も持っています。日本で言えば、静岡県の伊東市や東京都の武蔵村山市がオーケストラを持っているようなものです。学生時代に、カイルベルト指揮、バンベルク交響楽団のベートーヴェンの交響曲のLPを買ったことがありますが、雄大でいい演奏だったように思います。音楽の再生がLPからCDに遷移をして久しいものがありますが、現在では音源はネットからメモリカードにという構図になってきました。あるマニアに言わせれば、録音がなされた頃に作られた再生システムで聞くのが最もバランスの良い音がするとのこと。最近は、再生システムでの音の歪みをコンピュータによって補正できるようになっているようですが、なにか人工的で、LP時代の伸びやかさに欠ける感じがします。


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