


シュヴェリーンは、ドイツ北部バルト海沿岸にある世界遺産の町ヴィスマールから30kmほど内陸に入った、かつては東ドイツ側の都市です。ドイツ東北部には湖水が多く、シュヴェリーンは七つの湖の街と言われています。シュヴェリーン城も最大の湖のシュヴェリーン湖に浮かぶ周囲が600mほどの小島に建てられています。駅からお城までは1.5kmほどで、歩いてもさほどの距離ではありませんが、大聖堂や州立劇場などの建物などを眺めながら行くと、ほどほどの時間がかかります。駅を東に出ると、そこにも小さな湖があって、湖に影を映す大聖堂の姿も湖水の街シュヴェリーンらしい風景かもしれません。






お城が建っている島は小さくて、お城の周りにはあまり余白が無く、まさしくお城の島といった感じです。対岸から見ると、まるでお城そのものが湖水に浮かんでいるように見えることになります。州議会の入り口となる正面と、裏手とに橋があって陸地とつながっており、裏手の陸地側には運河が掘られて緑豊かな付属の庭園が広がっています。お城の島には、広大な庭園を造るほどのスペースはありませんが、お城周辺にも花がたくさん植えられていて、お城を際立たせていました。
お城は、城主の住まいとしてだけではなく、外敵からの防御拠点としての役割も重要だったはずです。しかし、シュヴェリーンなどの優雅なお城を見ていると、無骨な役割は無くなってしまったのでは無いかと思ってしまいます。サイバー攻撃ならば、物理的な防備は不要、という時代はまだ到来していなかったでしょうが。
シュヴェリーン城は、歴史が新しいせいなのか世界遺産には登録されていません。そういえばノイシュヴァンシュタイン城も未登録ですが、ノイシュヴァンシュタインを建てたルードヴィッヒ2世の従弟のフェルナンド2世が建てたペーナ宮殿は世界遺産になっています。世界遺産には登録されていないシュヴェリーンですが、北ドイツに行かれたときには、ぜひ立ち寄って損はしない美しい町の一つです。