世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

旧集成館の反射炉跡からは錦江湾の向こうに桜島の噴煙が望めますが、この錦江湾はアメリカやイギリスまでつながっているんですね(日本)

2022-02-06 08:00:00 | 世界遺産
 ローマのコロッセオに比べるとやや規模は小さくても」原型をよくとどめているのがチュニジアにある円形闘技場のエルジェムでした。17世紀にオスマントルコから大砲で攻撃を受けなければもっと完全な形で残っていたであろうと言われています。一方、幕末の日本では、外国船の襲来に備えて各地で大砲を作るための溶鉱炉がが作られました。これらを含む産業遺産は明治日本の産業革命遺産として世界遺産に登録されていますが、産業遺産群の中から反射炉跡がある鹿児島の旧集成館の周辺を紹介します。

 明治日本の産業革命遺産は8県11市と広い範囲に分散していますが、特に有名なものが長崎県にある軍艦島でしょうか。反射炉や反射炉跡が登録されているのは、旧集成館の他に萩、韮山がありますが、世界遺産に登録されていない反射炉跡は佐賀市や那珂湊市にもあるようです。

 
 

 
 旧集成館は、鹿児島市の北、錦江湾の向こうには桜島が噴煙を上げ、錦江湾との間には日豊本線が通過する海沿いにあります。旧集成館などは島津家の別邸である仙厳園に隣接して、反射炉後は仙厳園の庭園内にあります。仙厳園への入り口入って目の前に反射炉跡の石組みがあります。反射炉跡を左に見て奥に進むとやがて藩主が別邸として使った御殿が現れます。御殿からは庭園越し桜島が望める絶景が見られます。御殿を出てさらに奥に進むと水力発電のためのダムの跡といわれる石組みが残されています。発電した電力は照明に使われてとのことですが、発電し施設の遺構は無く、日本初の発電施設としては認められていないそうです。

 
 
 
 錦江湾を背にして仙厳園の左手にあるのが旧集成館機械工場跡の尚古集成館になります。わが国最古の石造様式機械工場の建物の中には島津家の歴史・文化を紹介する展示がされています。さらに左手の奥には薩摩切子工場があり、吹きガラスからカット、研磨までの工程を見学することができます。おして向かい合わせには、旧薩摩家の金山鉱業事業所であった登録有形文化財の建物を利用したスターバックスの店舗があります。
 
 
 スタバの前の道路を南に少し行くと、道路の向こうに2階建ての木造洋館が見えてきます。この建物は異人館と湯ばれ重文指定されている旧鹿児島紡績所技師館です。島津藩が日本で最初に作った様式紡績工場のイギリス人のお雇い外人用の宿舎として使われたものです。館内には、当時をmのが足る資料類が展示されています。1階前面の吹き抜けのウッドデッキ状の解放廊下や、2階の連続窓の開放的な感じが心地良い建物は、南国の鹿児島に建てられたからでしょうか。

 島津と聞くとノーベル賞を受賞した田中耕一詩を生んだ島津製作所を思い浮かべますが、島津製作所を興した方は京都木屋町の出身で島津藩とは関係がなさそうです。しかし、旧集成館の展示などを見ていると、島津製作所の作る革新的な理化学機器と通じるところがあって面白い偶然です。わが国初の医療用X線装置や全自動PCR検査装置などプロ用の機器だけでなく、学生時代には物理実験の実習で島津製作所の測定機に随分とお世話になりました。


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