世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

仮面劇は見られませんでしたが安東の民俗村は70年前の日本で見たような風景が広がっていました(韓国)

2021-02-07 08:00:00 | 世界の町並み
 福建土楼の近くには中国人の描く桃源郷のようなのどかな村落があって、中国人のツアー客にも人気のようです。何でもない村が土楼の世界遺産登録で脚光を浴びたのかもしれません。一方、お隣の韓国には、田舎の風景を再現した民俗村があちこちに存在するようで、今回はダムに沈んでしまう村の遺産を高台に移転して保存した安東民俗村を紹介します。

 
 民俗村のある安東は韓国の中央北東よりの内陸部、慶州の北100km程度、ローカル列車で1時間半ほどある地方都市ですが、世界遺産の河回マウルがあることで有名になりました。民俗村は安東駅前から川沿いに北東へ3km、バスで10分ほど、右岸を走っていたバスが橋を渡って左岸に渡ったところが民俗博物館の正面玄関になります。湖底に沈んだ村というのは、渡った橋の500mほど上流に堰堤のある人造湖の湖面の下ということです。手前の博物館で、予備知識を得てから博物館の野外展示という位置づけの民俗村に入るとった手順です。川を渡る橋は2つあって、博物館正面に出る橋はそっけないのですが、下流の民俗村に近い橋は、途中で折れ曲がり東屋風の建物や横に突き出した見晴らし台が付いています。

 
 
 最初に入る博物館には安東の歴史や生活を表す物が陳列されていて、安東で有名な仮面劇の人形も置かれています。この仮面劇というのは、河回マウルや市内の広場などで9月から10月にかけて行われるもので、庶民が支配階級の両班を風刺するものが中心です。演者は仮面をかぶって人や動物それに超自然現象を表現するようです。

 
 
 
 
 
 博物館を出て川沿いに南西に100mほど天下代将軍と地下女将軍と書かれた2本の柱を通って村に入ります。民俗村の家々は、入口から南東に延びる谷筋に沿って建っています。池のある所から登ってゆくと、東屋風の建物の奥には藁ぶきの水車小屋があり、その後ろには瓦葺きの両班の家屋らしき家がのぞいています。瓦葺きの家屋はあまり目立たなくて、残りは農家の藁ぶき家屋が移築されています。両班はかつての高級官僚で支配階級ですから、数多くが居たわけがなく1軒だけなのかもしれません。上手にある畑では、日本では60年以上も前にしか見られなかった牛が耕している光景が見られました。また、焚口があって後方に囲いのある窯元か竈の跡らしき遺跡もありました。筆者は行きませんでしたが、さらに奥にはグルメリゾートのホテルもあるようです。

 仮面劇では演じる人の表情は見られないので身振りなどで感情表現などを行うことになります。日本の能では演者が顔を傾ける角度で、見え方が異なり微妙に表情が表現できる工夫がされているものもあります。一方、アンドロイドは人間に限りなく近づけた人工物でコンピュータを駆使した表情の豊かなものもあって表情で意思を伝えることができるものも多く作られているようです。仮面劇や能では、見る人には演者の感情を読み取る能力というか芸術として理解する必要があります。一方の、介護など癒しの効果を持たされたアンドロイドでは、人間側に感情などを理解する努力は求められない場面での利用なんですね。


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