世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

東洋のモナリザが微笑むアンコール(カンボジア)

2005-09-12 16:45:14 | 世界遺産
 「東洋のモナリザ」と呼ばれる像があるのをご存知でしょうか?カンボジアのアンコール遺跡群の中でも北東に位置するバンティアンスレー遺跡の建物の壁に彫刻されたレリーフ群の中にあります。かつて、フランスのアンドレ・マルローが盗もうとして有名になりましたが、現在は遺跡の中で東洋的な微笑をたたえて観光客を迎えてくれます。
 インドシナ半島では各国が距離的にさほど遠くないため相互に文化的な交流があったものと思います。タイのアユタヤ遺跡にもアンコール遺跡と似たものがありますが、共にクメール文化を代表する遺跡の一つです。
 カンボジアは長い間内戦状態が続き、現在でも国民の数と同じくらいの地雷が放置されているそうです。プノンペンやアンコール遺跡群など観光客の訪れる場所は整備が進んでいるようですが、それ以外の場所では残留地雷による事故が絶えないと聞きます。設置するときには1基が数百円程度の費用で埋め込めるのですが、これを排除するにはその100倍もの費用がかかるそうです。なにか人間の愚かさを見るような気がします。
 カンボジアを代表する観光地のアンコール遺跡群も内戦によって随分痛めつけられたようで、遺跡の壁には銃弾の痕も残っています。平和が戻った後、ユネスコやわが国の支援で、遺跡の復旧や調査が精力的に行われているようです。中心となるアンコールワットやアンコールトムには美しい塔や像が整備され訪れる観光客の目を楽しませてくれます。
 アンコール遺跡の中では、アンコールワットやアンコールトムが特に有名ですが、時代も様式も異なる数多くの遺跡群がジャングルの中に散らばっていて、主だった遺跡だけを回っても数日かかります。足の便も悪く、自分の足で回る派の方のためには、バイクタクシーが移動の足になります。バイクの後部座席に乗るのですが、未舗装の道を走り回るので、振り落とされない注意と、猛烈な砂埃の中を走ることを覚悟する必要がありそうです。カンボジアは熱帯に位置するため、砂埃だけでなく暑さ対策も必要かもしれません。筆者の参加したパッケージツアーでは、宿泊ホテルが遺跡群の近くであったせいもあり、昼食を取りにホテルに戻った後は3時頃までお昼寝タイムで、3時頃から再び遺跡めぐりに向かうスケジュールでした。一番暑い時間帯を冷房の効いたホテルでゆったりした時間をすごせることで、ちょっと贅沢な気分になれました。
 アンコールワットのそばには広大な灌漑用の池が残っています。西バライと呼ばれるものでアンコールワットの西側にプールのように長方形の水面を見せています。元々は東バライといって東側にも同様の灌漑池があったことが確認されています。
 人工衛星から撮影された写真を見るともとの池の部分が素人の目にも明確に区別できます。人工衛星からの探査で、東バライの様子だけ出なく、ジャングルの中に埋もれてしまっている遺跡も発見されたようです。高い位置から視点を変えることで、それまで見えなかったものが見えるようになったのではないでしょうか。人工衛星からは可視光線だけでなく、赤外線や紫外線さらには電波を使っていろいろな探査が行えるようになっています。
 携帯電話を使った位置検索サービスでは、GPSや基地局情報を使って端末機を持っている人がどこに居るのかを探査できるという、一種の視点を変えた探査といえるかもしれません。


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