世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

台中には日本統治時代の建築遺産がまだまだ元気に生きています(台湾)

2017-03-05 08:00:00 | 世界の町並み
 子供たちの前にマリアが出現したことで、キリスト教の聖地の一つとなっているのがポルトガルのファティマでした。マリアの出現は、にわかに信じがたいのですが、中国には、七福神の一人である布袋は、遠い未来に出現するという弥勒仏の垂迹、つまり化身という信仰があります。この信仰の元となるのは、実在する僧(布袋)の周りに不思議なことが、沢山起こったことによるそうです。この布袋の金色の大仏像がデンとあるのが、台湾の台中の宝覚寺です。今回は、その宝覚寺がある台中市内を紹介します。

 
 台中は、台北と高雄との中間ぐらいに位置していて、どちらからも高速鉄道(台湾高鉄)で50分くらいの乗車で到着します。ただ、台湾高鉄の台中駅は、市街地の南西端なので、接続駅から10分ほど乗ると在来線の台中駅に着きます。この台湾高鉄は日本の700系新幹線のシステムをそのまま輸出したもので、台北と高雄間を300km/hの速度で100分ほどで快適に走ります。筆者が乗車した頃は、シニア割引の制度があり、料金が半額になっていました。ただ、この制度は、訪問の翌年に廃止されたようで、経営不振から廃止のうわさも飛ぶ状況からかもしれません。

 訪問した頃の在来線の台中駅は、2代目の英国調の中央に時計台のある駅舎で、地上ホームでした。現在は、高架駅となっているので雰囲気もだいぶ変わったのではないでしょうか。特に、地上駅の時代には、裏口というのがあって、大都市の中央駅とは思えないローカル色が味わい深い風景を醸し出していました。

 
 
 この裏口から近いところにあるのが、台中創意文化園区です。日本の統治時代に酒造工場であった施設を利用し、イベントや文化・産業の展示場に変身しています。地元ッチーが数多く訪れているようですが、日本の姿はあまり見かけません。イベントなどの展示はともかく、かつての酒造工場の、レンガ造りを中心とした少し廃墟じみた建物群は一見の価値はあります。

 
 
 日本統治時代といえば、台中駅の表側の近くに旧台中州庁と旧台中市役所の建物が残されています。どちらの建物も、単なるモニュメントではなく。利活用がなされているようです。旧市役所は、ギリシャ神殿風で、銀行の建物かな?といったふんいきです。旧州庁は中庭を持つ、2階建てですが、かなり大規模な建物です。外壁は真っ白に仕上げられていますが、内部はレンガ造りが解る、ちょっと東京駅を思わせる建物です。

 
 
 台中駅の正面側には、統治時代の民間の建物の旧宮原眼科が食べ物などのお土産などを売る店に生まれ変わっています。2階建ての建物は、内部が吹き抜け状になっていて、天井まで至る壁面に商品のディスプレイがなされています。かつては眼科の医院であったということは、想像すらできないしゃれた空間になっています。

 
 さて、宝覚寺の布袋像ですが高さが30mとの情報がありますが、ちょっとサバを読んでるような感じがします。奈良の大仏が台座を入れて18m、鎌倉が13mあまりということから考えて、ほんと~?って感じです。人物と一緒に撮った写真から推定すると半分以下のの12~15mほどでしょうか。

 
 
 この、宝覚寺と台中駅の間にもいくつかの面白い建築がありますが、その中で広大な境内を持つのが台中孔子廟です。2.4万㎡ほどあるそうで、東京ドームの半分くらいでしょうか。建てられたのは新しく1976年で、中国の世界遺産である曲阜の孔子廟に倣ったのだそうです。これだけ、立派な建物の施設のわりに訪れる人は少なくって、のんびりできる空間の一つかもしれません。

 台湾高鐵は日本の新幹線システムを輸出したものですが、中国の高速鉄道は、自国の技術と称しています。乗車した感じは、明らかに日本などのコピーと思われますが、乗り心地は悪くはありません。ただ、彼らはハードなどはコピーをしたのでしょうが、システムとしてコピーをするのを忘れたように思います。何か、事故や、自然災害などが起こった時に、とてつもない大惨事になりそうなのは、先日の事故で証明されたようです。予想できない事が起こった時に、いかに安全な状態に持ってくるかということは、コンピュータで制御するシステムでも難しいんです。コンピュータは、事前に作られたソフトウェアの範囲でしか動作できないので、予測不能な事が起こった時にも次善の手を打てるかどうかが設計者の技量ではないでしょうか。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。