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世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

渋滞を緩和するためでしょうか?ジャカルタの道路横断は信号無視の車で勇気がいります(インドネシア)

2016-10-02 08:00:00 | 世界の町並み
 ホーチミンと比べてどことなくのんびりとした雰囲気の首都がハノイでした。ただ、バイクの交通量が半端ではなく、信号や横断歩道はほとんど見当たらないので、道路の横断は、かなりの恐怖を覚えるところでした。一方、インドネシアの首都のジャカルタは、信号こそありますが、こちらの交通量も半端ではなく、市内の渋滞はとんでもない状態です。また、信号があっても、信号無視は当たり前で、車が優先で、ホーチミンと同様に道路の横断はかなり危険です。今回は、ジャカルタの、市の中心部と古い雰囲気の残る町並みを紹介します。

 ジャカルタ市内には、地下鉄や電車などの交通機関が無いので、市内の移動時間は、ほとんど予測できないと言われています。困るのは、空港への移動で、最悪4時間、速ければ1時間余りとのことで、待ってくれない飛行機に乗るには、最悪を想定してホテルを出ることになります。筆者の場合は、1時間半ほどで、早く着きすぎたカウンターは開いてなく、待つのにくたびれました。

 市内の公共輸送機関は、専用レーンを走るバスウェイというバスで、一般車が入ってこないので、比較的渋滞に遭わないで目的地に到達できます。ただ、理由は分からなかったのですが、夕方に乗ろうとすると、支払いは現金ではなくプリペイド・カードのみ、とのこと。払い戻しなどのルールも解らないで躊躇していると、親切な方が一緒にゲートを通って下さいました。このバスは、言ってみればレールの無い電車といったスタイルで、道路の一部に専用レーンが設けられていて、一般車はこのレーンには入れません。特に、柵などは見当たらなかったのですが、比較てミルールは守られていたようです。面白いのは、バス停で、バスには乗降のためのステップが着いていません。電車のように、ドアがあるだけで、バス停にはそのドアの高さに合わせてプラットホームが作られています。ただ、かなり狭いので、プラットホームから墜落しないかと心配になります。

 
 筆者は、ジャカルタへはジョクジャカルタから列車で入りました。飛行機のほうが、飛んでる時間は短くても、空港からの渋滞を嫌ったからで、列車にも乗ってみたかったのも理由です。ただ、空港からの渋滞があっても、飛行機のほうが速かったでしょう、列車では7時間かかりますから。ジャカルタの到着駅は、市の中央に位置するガンビル駅で国立モスクなどの近くにあります。かつてはコタ駅から発着していた長距離列車は、ガンビルなどに移され、コタ駅は近郊列車のみとなっているようです。ただ、駅の?建物はかつての中央駅のコタ駅の方が、圧倒的にみごとです。

 
 


 
 
 ガンビル駅の近くには、国立モスク、カトリック教会そしてちょっと離れますが大統領府も近くです。国立モスクは、世界最大級のモスクで内部は12万人を収容する大きさがあり、内部空間はさすがに巨大です。英語のガイドで内部を見学することができます。
 カトリック教会は、20世紀初頭に石造りで建てられたネオゴシックの建築で、こちらも、なかなか堂々としています。3本の尖塔がありますが、真っ白で透かし彫り風で、本体の石造りと、ちょっと異質な感じがします。内部にはパイプオルガンも置かれてありました。礼拝者の椅子の座面は籐で編まれたもので、傷んだ座面を持ってきて取り替えるのではなく、現場で籐を編んで作っていました。

 
 
 
 
 
 一方、コタ駅から北にむかっては、オランダ統治時代の古い建物などが残る町並みが広がります。まずは、見張り塔に上って町全体を俯瞰してから散歩を始めます。足元には、海洋博物館のオレンジの屋根が続いています。この博物館、かつてのスパイス倉庫を転用したもので、内部は船の模型やジオラマの展示で、もひとつパットしませんが、建物がなかなか綺麗です。コタ駅との間に位置する、跳ね橋は形は面白いのですが、下を流れる川が臭くって興ざめです。さらに、駅の近くにはファタヒラ広場があり、広場周辺には市役所の建物を転用した歴史博物館をはじめ、銀行や教会の古い建物を転用した博物館が数多く建っています。

 海洋博物館には、かつては金と同じくらいの値打ちがあったとされるスパイスの袋も展示されています。冷蔵設備の無い時代の、肉類の保存や臭み消しには必需品であったものの、ヨーロッパ域内では手に入らなかったためです。マジェランやコロンブスも、これらの貴重なスパイスを簡単ン位手に入れる金儲けの野望によるものです。一方、現在ではレアメタルが、金にも勝る価値を持っています。IT技術を支える半導体の製造に必須だからです。このレアメタルを武器に、外交を有利に導こうとする動きが不愉快ですが、これとても深海での鉱脈の発見などの状況変化で、値打ちは失墜するのでしょうね。