世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

レンガの産地の江別には、レンガ造りに混じって木や石造りの古い家々が残っていました

2011-08-07 08:00:00 | 日本の町並み
 御所の北側に明治期に建てられた重要文化財のレンガ造りの学舎が6棟も残されているのが同志社大学でした。レンガ造りといえば、日本を代表する駅舎の東京駅もレンガ造りの建物の代表で、このレンガは埼玉県の深谷で作られたもので、深谷駅は何処となく東京駅に似た駅舎が建っていて、本ブログの2006年9月3日版でも紹介しています。しかし東京駅のレンガを製造した日本煉瓦製造は平成18年に創業を停止し、現在日本のレンガ生産を代表する都市は北海道の江別市になっています。今回は、江別に残るレンガや石造りの町並みを紹介します。

 江別は、札幌からJRの電車で30分足らずの近さにあり札幌への通勤圏としてベッドタウンの一つとなっているようです。江別市域の南部には野幌森林公園があって、広大な森林の広がる北海道らしい公園に多くの観光客を集めています。公園の近くには、セラミック・アートセンタがあり陶器の展示に加えて、江戸末期から続く江別のレンガに関する展示もなされているようです。また、かつてのレンガ工場を市が買いとって、古い工場の様子を保存した旧ヒダれんが工場は、のほろ駅の近くにあります。ただ、古い町並みが残る今回紹介する場所は、JRの森林公園駅から4つ先、野幌駅から2つ先の江別駅周辺になります。

 
 
 古い町並みと書きましたが、古い家屋や倉庫が点在といったほうが正確かもしれません。駅の近くにあった「えべつ歴史的建造物マップ」の看板には17棟の建物が表示されていましたが、江別駅周辺ではこれですべてなのでしょう。レンガや石造りの家屋などは、新しい家並みのなかにポツリポツリとあって、旧街道沿いに続く町並み、といった風景とは異なるものしか眺めることは出来ませんでした。

 
 
 看板の建物をすべて見られた訳ではありませんが、レンガの産地という割りに、石造りの蔵や木造の時代物の建物も多かったように思います。

 
 ほとんどの建物がかつての用途とは異なっていても現役で使われていたようでしたが、小学校のそばにあった屯田兵の頃の火薬庫跡というのは現役ではなさそうです。ただ、この建物がもっともレンガの建物のイメージに合っていたように思います。
 中には、北陸銀行の支店の石造りの建物を利用した喫茶店もありましたが、洒落た外観は銀行の建物だった??といった印象ですが、昭和41年までは銀行業務を行っていたのだそうです。

 今回紹介した江別駅周辺は、江別発祥の地で、かつては石狩川や千歳川の舟運により賑わった町で、駅の近くには中央通商店街のアーチも残されています。しかし森林公園や野幌のある南西部の開発が進み、市の中心がそちらに移ってしまったようです。そして残された江別駅周辺は、商店街の錆びたアーチも物寂しい、人通りの少ない寂しい町になってしまったようです。取り残されたために、土蔵造りなどの建物が、開発の手を受けないで残ったのかもしれませんが。

 石やレンガは木に比べて熱伝導率が高いように思いますが、夏に土蔵造りの家に入るとひんやりとしています。おそらく、土蔵造りでは、木とは比べ物にならないくらい厚い壁を作るので、少々熱伝導率が高くても外からの熱を遮断するのでしょう。本州の土蔵造りが、火災から身を守る目的で取り入れられた構造ですが、北の大地では外気の寒さを遮断する目的で取り入れたれたのだと思います。ただ結局のところは、熱を遮断するという石や土やレンガの特性を利用したものなのです。熱の遮断といえば、先日サウナの中で携帯で話していた人を見かけました。おそらく室温は90度を越えていたと思いますが、携帯の筐体のプラスチックは、そんなに断熱性が高いいんでしょうか。